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第二章
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一人でとぼとぼと歩いていると、小さな公園を見つけた。ブランコが二つに、滑り台が一つ。ジャングルジムが一つ。そして、三人座れる真っ白なペンキで塗られたベンチが一つだけある、小さな公園。
彰太は公園に足を向け、ブランコに腰掛けた。一翔に告白されたのも、こんな小さな公園だったなと感慨にふける。本当に告白だったのか、今ではよくわからないけれど。
(……何か、いろいろ思い出してきたな)
一翔のことを忘れた日はない。でも、考えないようにはしていたから、懐かしいような、切ないような、そんな気持ちに包まれていた。
都会だというのに、辺りは静まり返っている。音のない空に、白い小さな雪がちらほらふってくる。身体が芯から冷えてくる。それでも彰太は家に帰ろうとはせず、そのままぼんやり空を見上げていた。
「──風邪引くよ」
足音と共に響いた声に、彰太の目が大きく見開かれた。ゆっくり音のした方に目線を向ける。そこには、いるはずのない人物がいた。
夢かな。ずいぶん、リアルな。
そんな風に本気で考え、彰太は現実感のないまま口を開いた。
「びっくりした。白沢の家、この近くなの?」
「そうじゃないけど。心配になって」
誰が。
思わず聞き返しそうになったが、ここには一翔の他に、一人しかいない。優しいのは相変わらずのようだ。
「少し酔いを覚ましていただけ。大丈夫だから、もう帰りなよ」
え。
一翔が驚いたように声を小さくあげた。
「お酒、飲めるようになったの? ジュースでも酔っていたのに」
今度は彰太が驚く番だった。一翔の前で炭酸飲料で酔ったのは、たった一回。なのに。
「覚えてたんだ」
確かに珍しい体質ではあるが、まさか覚えてくれているとは思わず、素直に嬉しかった。
「……覚えてるよ。忘れるわけない」
「あんまりそんな人、いないもんね。お酒は飲んでないよ。炭酸飲料もね。情けないけど、お酒の匂いだけで酔っちゃうんだ」
「……そう」
「そんなことより。あんまり遅くなると、奥さんが心配するんじゃない? 早く帰ってあげなよ」
こんな風に会話が出来るなんて思ってもみなかった。付き合ってたころのことを覚えてくれていたなんて思わなかった。あの記憶は、嘘じゃなかったんだと実感出来たことが嬉しくて、彰太は小さく笑ってみせた。けれど一翔の表情は、硬いまま。
「──泣いた?」
数秒の後、一翔は消え入りそうな声で言った。
彰太は公園に足を向け、ブランコに腰掛けた。一翔に告白されたのも、こんな小さな公園だったなと感慨にふける。本当に告白だったのか、今ではよくわからないけれど。
(……何か、いろいろ思い出してきたな)
一翔のことを忘れた日はない。でも、考えないようにはしていたから、懐かしいような、切ないような、そんな気持ちに包まれていた。
都会だというのに、辺りは静まり返っている。音のない空に、白い小さな雪がちらほらふってくる。身体が芯から冷えてくる。それでも彰太は家に帰ろうとはせず、そのままぼんやり空を見上げていた。
「──風邪引くよ」
足音と共に響いた声に、彰太の目が大きく見開かれた。ゆっくり音のした方に目線を向ける。そこには、いるはずのない人物がいた。
夢かな。ずいぶん、リアルな。
そんな風に本気で考え、彰太は現実感のないまま口を開いた。
「びっくりした。白沢の家、この近くなの?」
「そうじゃないけど。心配になって」
誰が。
思わず聞き返しそうになったが、ここには一翔の他に、一人しかいない。優しいのは相変わらずのようだ。
「少し酔いを覚ましていただけ。大丈夫だから、もう帰りなよ」
え。
一翔が驚いたように声を小さくあげた。
「お酒、飲めるようになったの? ジュースでも酔っていたのに」
今度は彰太が驚く番だった。一翔の前で炭酸飲料で酔ったのは、たった一回。なのに。
「覚えてたんだ」
確かに珍しい体質ではあるが、まさか覚えてくれているとは思わず、素直に嬉しかった。
「……覚えてるよ。忘れるわけない」
「あんまりそんな人、いないもんね。お酒は飲んでないよ。炭酸飲料もね。情けないけど、お酒の匂いだけで酔っちゃうんだ」
「……そう」
「そんなことより。あんまり遅くなると、奥さんが心配するんじゃない? 早く帰ってあげなよ」
こんな風に会話が出来るなんて思ってもみなかった。付き合ってたころのことを覚えてくれていたなんて思わなかった。あの記憶は、嘘じゃなかったんだと実感出来たことが嬉しくて、彰太は小さく笑ってみせた。けれど一翔の表情は、硬いまま。
「──泣いた?」
数秒の後、一翔は消え入りそうな声で言った。
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