某有名大学探偵ゴッコサークル

叶 香音

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3.作戦会議は紅茶を飲みながら

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 菅平あかねが出て行ったあと、私と綾香の視線は哲郎を突き刺した。
「へ~、哲郎も普通の男だったんだ」
「お熱は少しは下がりましたか」
哲郎はうつむき加減で反論した。
「仕方ないだろう!理工学部は女子が少ないんだ、あんまり免疫がないんだよ」
「おっと!美女二人を目の前にして出てくる言葉じゃないよね!
それとも私たちを女性として見ていないの!?」
綾香がからんでくる。
「そうじゃないけど、ちょっとボーってなっただけだよ」
「これだからDTくんは!」
「自分だって、vir…、」
言いかけてストップした。
「何!!!何を言いたいの!!(怒)」
「わかった、わかったから、悪かった、もうそのぐらいにしてよ」
綾香は絡み足りないようだったけど、いつまでも話が進まないんで、
「綾香、紅茶を入れて来てくれない」
と、話を中断させた。
「へ~い、わかりました」
綾香は不服そうにお湯を沸かしに行った。

サークル室に紅茶だけは高級品が置いてある。
珈琲は安物のインスタントなのに。
「良い推理をするためにはおいしい紅茶が必需品」
って誰か推理小説の中で言ってたって綾香が言うから常備してる。
誰?コナン君?な訳ないよね。
それにしてもフォートナム&メイソンの紅茶なんて誰が買ってきたの?
高かったよね?えっ、もらった?お歳暮?
「やっぱりいい香りよね」
綾香が満足気に呟いた。
「オレあんまり紅茶は飲まないからわかんないんだけど、これって午後の紅茶?」
「あんたは明日から白湯にするから」
綾香のお怒りをまた買ってしまったらしい。


「そろそろ本題に入ろうか」
「まずは情報を整理しましょう。
菅平あかねは2週間ぐらい前から、見知らぬ男性に抱き着かれたり
手を握られたり、後をつけられたり、部屋の前に立たれることがあった。
特に恋愛関係のもつれなどの覚えはない。
Vtuber活動をしていて、顔以外はネットに上がっている。
人気はそれなりと言うところね。
特に熱狂的なファンがいるという訳ではないみたいだし。
あっ、哲郎、今言ったことPCでデータベース化しといてね」
「もうやってるよ」
「本人は気づいてないだけで、Vtuber魔界ノノムの熱狂的ファンっていう可能性が
一番強いんじゃないの?」
綾香が切り込んでくる。
「確かにその可能性が一番強そうだよね」
哲郎が同意すると、
「あんたの態度を見ててそう思ったのよ」
綾香はまだ絡み足りないらしい。
「えっと、すいやせん」
「でも、うちの大学の学生の可能性も考えた方がいいわ。
本人が気づかないうちに好意を寄せられて、知らないうちに冷たい態度を
とってることもあるからね」
「桜子さんはありそうだよね」
私は鋭い視線を哲郎に向けた。
「あっ、あのう、いい意味でだよ、桜子さん美人だしモテそうだから」
哲郎は必死に弁解した。
「もし犯人がこの大学の学生で、週刊誌にでも嗅ぎつけられたら一番まづいよね」
綾香が捕捉した。
「学長もそれを一番警戒してるんだと思うんだよね」

「それで何をすればいいの?」
「まずは、護衛も兼ねて菅平さんの尾行かな。何かあった時、すぐに助けも呼べるしね」
「ああ、それだったらいいものがあるよ」
と言いながら、哲郎のカバンからピアスが2つ出てきた。
「これさ、小型カメラになってて前も後ろも撮影できるだよ。音声も録音できるし」
こういった電脳もの?は電気電子情報科の哲郎の得意分野。
「さすがデンデン科ね、小道具はいっぱい持ってるわね」
綾香が皮肉っぽく褒めると
「やめて、デンデン科っていわないで、カッコ悪いから」
「自分で作ったの?」
「いや、これはアキバで売ってた、アプリは作ったけど、本人のスマホアプリで受信して、
僕たちもリアルタイムで動画を共有できるよ」
「へー、すごいじゃない」
「それじゃ、ぴったり張り付いて尾行しなくても大丈夫だね」
「えええ、私探偵みたいに尾行するの憧れてたのに!」
綾香が凄く残念そう。
「でも尾行ってさ、探偵以外は何かの罪になるんじゃないの」
「ああそうだった、法学部の私が哲郎ごときに一本取られるとは」
「哲郎ごときって」
「でも、これがあれば遠巻きに監視できるから、犯人をおびき出しやすいし、
いいんじゃないの」
一応、当面の作戦はまとまった。

しばらくして、哲郎がサークル室を出て行ったあと、私は綾香に小声で話しかけた。
「綾香と哲郎ってさ、凄く仲いいじゃん。いっそ付き合っちゃえば!
そうすればDTとかVirとかいろいろ解決するし」
「ナ・ニ・ヲ・イ・ッ・テ・ル・ノ・カ・ナ!」
綾香の顔がみるみる赤くなった。
ふ~ん、まんざらでもないって事ね。

監視カメラ付きピアスの装着とアプリのインストールのお願いは私が行くことにした。
綾香か哲郎のどっちが行っても困ったことになりそうだし。
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