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5.護衛(尾行)開始!
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Vtuber配信は21時から23時まで、中目黒のスタジオで行われた。
スタジオと言ってもプロ用の設備が整ったものではなく、
一般用の音楽スタジオ、1時間2000円ぐらいで借りられる。
スタジオへ入ったのは菅平さんと30歳ぐらいの男性(おそらく『ごじろくじ』のスタッフ)。
ノートPC1台で今は配信もできるから楽だよね。
私たちは近くのマックで待機することにした。
「哲郎、さっきからiPadで何観てんの?」
綾香がiPadを覗き込む。
「菅平さんの配信だよ、音声だそうか」
「いや別にいい」
顔がアバターで体が実写のキャラクターがおしゃべりしてる。
(胸が強調されたタートルネックを着ている)
コメントもたくさん入ってきて、菅平さんが随時答えている。
「こういうのってさあ、面白いの?」
「どうなんだろう?僕はあんまり見ないけど」
嘘だよね、魔界ノりりむを知ってたくらいだからよく観てるハズ。
「ここから中目黒駅までは5分ぐらいだから問題ないにしても、勝負は駅から自宅までだよね」
私が状況をもう一度整理すると
「もし、ストーカー見つかって、拘束しようとして暴れたらどうすんの?
哲郎ひとりじゃ大した戦力にはならないし、警察もすぐには来ないでしょう」
綾香と私はもう参戦しない前提になっている。
「哲郎はこう見えても強いのよ、中学校の柔道部で県大会まで行ったこともある」
私は先日雑談していた時のこの話を綾香に伝えた。
「黒帯とか持ってるの」
「いや、そういうのは持ってない」
「階級とかあるんでしょう?フライ級?」
「それはボクシング、柔道は55K以下級だったけど」
「軽!それじゃ桜子とあまり変わんないんじゃない!」
比較対象に自分は出さないんだ。
「中学の頃の話だよ、今は60Kぐらいあるよ」
それでも身長175cmぐらいはあるから痩せすぎ。
「哲郎だけで大丈夫なの?」
「安心して、格闘技研究部にも応援を頼んでるから、下井草駅近くの部員のアパートで
待機してくれているはず」
「フゥー!桜子さすがのコミュ力、頼りになるね」
下井草は菅平さんのマンションの最寄り駅、来てもらうとしたらそっちだよね。
綾香は何気に哲郎のポテトを3本ぐらい取って、自分の口に放り込んだ。
「えっ!何すんだよ!」
哲郎が抗議すると、
「ずっと残ってるからいらないのかと思った」
「好きなものは残しておいて最後に食べる主義なのに!」
「ふ~ん」
と言いながら、今度は哲郎のコーラを飲んだ。
「コーラまで!」
「ポテト食べるとコーラを飲みたくなるんだから仕方ないでしょ!」
綾香は悪びれる様子もない。
「ハハ~ン、そう言う事」
私は思わず笑いがもれてしまった。
「間接キス狙い?中学生みたいね」
綾香の耳がミルミル赤くなる。
哲郎は何のことかわからずキョトンとしていた。
23時半ごろ、配信が終わって菅平さんとスタッフが出てきた。
「これからいよいよ尾行ね、なんだか緊張するわ」
綾香はとても楽しそう。
「あまり近づかないでね、あと、尾行ですっていう様な後の付け方はやめて!
ストーカーに感づかれるから。どのみちピアスカメラで見失うことはないし」
楽しそうな綾香に一応注意しておいた。
駅に着くと菅平さんたちは日比谷線の渋谷方面に乗り込んだ。
「ここまでは問題なしね」
綾香は相変わらず楽しそう。
哲郎は熱心にipadのカメラモニターを覗き込んでる。
ピアスのカメラだから結構揺れて画面がずれるし、気持ち悪くなんないのかしら。
恵比寿に着くとそこでスタッフと別れて、彼女は一人で山手線に乗り込んだ。
「電車の尾行って大変なのね、混んでくると見失いそうだわ」
「大丈夫だよ、降りる駅もわかってるし、カメラもモニターしてるから」
「尾行だとかカメラとか言わないの!聞かれてるかもしれないでしょ」
私は小声で二人に注意した。
綾香と哲郎はあわてて頷いて、しゃべらなくなった。
高田馬場で乗り換えて西武新宿線、下井草駅に着くといよいよこれからが本番。
駅前の商店街のお店はコンビニ以外すべて閉まっている。
500mぐらい歩くと住宅街に入った。急にあたりが暗くなる。
「駅からそんなに離れてないのに、結構暗いわね」
綾香は少し心細そうな感じ。
四ツ谷駅から2分のマンションに住んでいるから、夜の住宅街には免疫がないらしい。
「そんなことないよ、うちの周りより全然明るいよ」
哲郎は隣の県のローカル駅から15分の所に住んでいる。
暗すぎて、一度自転車で田んぼに突っ込んだことがあるらしい。
「彼女の家まで駅からどのくらいかかるか知ってる?」
「15分ぐらいって言ってたかな」
哲郎が答えてくれた。
「胸の大きな女性の事はなんでもお詳しい事」
綾香は菅平さんの事になると哲郎に突っかからずにはいられない。
「そろそろ静かにしてね」
モニターを見ながら100mぐらい後からついて行ってるにしても、
静かなだけに声が響く。
ストーカーには感づかれたくない。
しばらく三人とも黙ってついて行くと、突然、哲郎ipadのモニターを指して呟いた。
「この黒い影はなんだろう?」
スタジオと言ってもプロ用の設備が整ったものではなく、
一般用の音楽スタジオ、1時間2000円ぐらいで借りられる。
スタジオへ入ったのは菅平さんと30歳ぐらいの男性(おそらく『ごじろくじ』のスタッフ)。
ノートPC1台で今は配信もできるから楽だよね。
私たちは近くのマックで待機することにした。
「哲郎、さっきからiPadで何観てんの?」
綾香がiPadを覗き込む。
「菅平さんの配信だよ、音声だそうか」
「いや別にいい」
顔がアバターで体が実写のキャラクターがおしゃべりしてる。
(胸が強調されたタートルネックを着ている)
コメントもたくさん入ってきて、菅平さんが随時答えている。
「こういうのってさあ、面白いの?」
「どうなんだろう?僕はあんまり見ないけど」
嘘だよね、魔界ノりりむを知ってたくらいだからよく観てるハズ。
「ここから中目黒駅までは5分ぐらいだから問題ないにしても、勝負は駅から自宅までだよね」
私が状況をもう一度整理すると
「もし、ストーカー見つかって、拘束しようとして暴れたらどうすんの?
哲郎ひとりじゃ大した戦力にはならないし、警察もすぐには来ないでしょう」
綾香と私はもう参戦しない前提になっている。
「哲郎はこう見えても強いのよ、中学校の柔道部で県大会まで行ったこともある」
私は先日雑談していた時のこの話を綾香に伝えた。
「黒帯とか持ってるの」
「いや、そういうのは持ってない」
「階級とかあるんでしょう?フライ級?」
「それはボクシング、柔道は55K以下級だったけど」
「軽!それじゃ桜子とあまり変わんないんじゃない!」
比較対象に自分は出さないんだ。
「中学の頃の話だよ、今は60Kぐらいあるよ」
それでも身長175cmぐらいはあるから痩せすぎ。
「哲郎だけで大丈夫なの?」
「安心して、格闘技研究部にも応援を頼んでるから、下井草駅近くの部員のアパートで
待機してくれているはず」
「フゥー!桜子さすがのコミュ力、頼りになるね」
下井草は菅平さんのマンションの最寄り駅、来てもらうとしたらそっちだよね。
綾香は何気に哲郎のポテトを3本ぐらい取って、自分の口に放り込んだ。
「えっ!何すんだよ!」
哲郎が抗議すると、
「ずっと残ってるからいらないのかと思った」
「好きなものは残しておいて最後に食べる主義なのに!」
「ふ~ん」
と言いながら、今度は哲郎のコーラを飲んだ。
「コーラまで!」
「ポテト食べるとコーラを飲みたくなるんだから仕方ないでしょ!」
綾香は悪びれる様子もない。
「ハハ~ン、そう言う事」
私は思わず笑いがもれてしまった。
「間接キス狙い?中学生みたいね」
綾香の耳がミルミル赤くなる。
哲郎は何のことかわからずキョトンとしていた。
23時半ごろ、配信が終わって菅平さんとスタッフが出てきた。
「これからいよいよ尾行ね、なんだか緊張するわ」
綾香はとても楽しそう。
「あまり近づかないでね、あと、尾行ですっていう様な後の付け方はやめて!
ストーカーに感づかれるから。どのみちピアスカメラで見失うことはないし」
楽しそうな綾香に一応注意しておいた。
駅に着くと菅平さんたちは日比谷線の渋谷方面に乗り込んだ。
「ここまでは問題なしね」
綾香は相変わらず楽しそう。
哲郎は熱心にipadのカメラモニターを覗き込んでる。
ピアスのカメラだから結構揺れて画面がずれるし、気持ち悪くなんないのかしら。
恵比寿に着くとそこでスタッフと別れて、彼女は一人で山手線に乗り込んだ。
「電車の尾行って大変なのね、混んでくると見失いそうだわ」
「大丈夫だよ、降りる駅もわかってるし、カメラもモニターしてるから」
「尾行だとかカメラとか言わないの!聞かれてるかもしれないでしょ」
私は小声で二人に注意した。
綾香と哲郎はあわてて頷いて、しゃべらなくなった。
高田馬場で乗り換えて西武新宿線、下井草駅に着くといよいよこれからが本番。
駅前の商店街のお店はコンビニ以外すべて閉まっている。
500mぐらい歩くと住宅街に入った。急にあたりが暗くなる。
「駅からそんなに離れてないのに、結構暗いわね」
綾香は少し心細そうな感じ。
四ツ谷駅から2分のマンションに住んでいるから、夜の住宅街には免疫がないらしい。
「そんなことないよ、うちの周りより全然明るいよ」
哲郎は隣の県のローカル駅から15分の所に住んでいる。
暗すぎて、一度自転車で田んぼに突っ込んだことがあるらしい。
「彼女の家まで駅からどのくらいかかるか知ってる?」
「15分ぐらいって言ってたかな」
哲郎が答えてくれた。
「胸の大きな女性の事はなんでもお詳しい事」
綾香は菅平さんの事になると哲郎に突っかからずにはいられない。
「そろそろ静かにしてね」
モニターを見ながら100mぐらい後からついて行ってるにしても、
静かなだけに声が響く。
ストーカーには感づかれたくない。
しばらく三人とも黙ってついて行くと、突然、哲郎ipadのモニターを指して呟いた。
「この黒い影はなんだろう?」
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