某有名大学探偵ゴッコサークル

叶 香音

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6.哲郎!やられちゃった?

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「多分、ストーカーだよね、うちらの前方50mぐらいのところかな」
私が二人に話しかけると、少し緊張感が走る。
「どうする?捕まえる?」
「いや、今捕まえても言い訳されられるだけでしょう」
「まあ、そうだよね」
仕方なくそのままついていくことにした。
十字路を曲がったところで、
急に黒い影が菅平さんの方へ動き出した。
「これって、まずいよね!」
と言うやいなや、哲郎は私にipadを預けて駆け出した。
菅平さんの腕をつかんで引っ張ったところに哲郎到着。
黒い影を抑え込もうとする。
体格的には哲郎の方が5センチぐらい大きい。
柔道をやっていた時の癖で、襟元を掴もうとすると、顔面に右ストレートが飛んできた。
咄嗟に本人は避けたつもりだったけど、避けきれていなかった。
口元から赤いものが流れる。
「こいつ!空手かボクシングでもやってるのか」
やけにフットワークがいい。柔道の技は掴まない事には掛けられない。
離れている桜子と綾香からは、暗くて二人がもみ合っているようにしか見えない。
「哲郎、大丈夫かな?」
綾香はたまらず駆け出した。
哲郎のお腹にキックがクリーンヒットした、たまらずしゃがみ込む。
「ええっ!哲郎やられちゃった」
綾香が大声で叫ぶ!
次の瞬間だった!
二人がもみ合っているところに青い稲妻なようなものが光った。
「何!?雷が落ちた?」
二人が現場に着くと、顔が血だらけの哲郎とうつ伏せに倒れているストーカー。
「哲郎!大丈夫なの?」
「大丈夫だよ、ちょっと唇を切っただけ、不思議と痛くないんだ」
興奮してアドレナリンが大量分泌されてるから、今は痛みを感じないんだね。
そのうち痛くなるから。
「哲郎どうやってやっつけたの?」
「これさ」
哲郎が持っているのはスタンガンノバ。
「高かったんだぜ!5万円ぐらい。100万ボルト出るんだって、強力だよね」
100万ボルトって、大昔に「君の瞳は・・・」みたいな歌があったよね。
あれは1万ボルトか、100万ボルトで死なないの?
「警察を呼んだ方がいいよね」
なんて話していると、ものすごいスピードで黒いワゴン車が近づいてきた。
目の前でストップして、中から黒ずくめの男が3人出てくる。
目にもとまらぬ速さで、倒れていた男を車に乗せると猛スピードで行ってしまった。
「えっ何だったの?」
「犯人を連れ去られたね」
訳も分からず、3人はただ立ち尽くしていた。

「あれ、菅平さんは?」
「ひとりで先に帰っちゃった?」
ipadのピアスカメラからのモニター画像を見ると、電源が切られてる。
「一緒に連れ去られたって事はないよね」
「それはないと思うよ、車が来た時、菅平さんはもういなかったから」
「ちょっと電話してみる」
私が電話をかけてもコール音が繰り返されるだけ。
「家までいってみようか、哲郎、家は知ってる?」
「いや、知らないよ」
「私も知らないわ」
「結局誰も家を知らないのか」
少しの間、沈黙が支配した後、
「仕方ないわね、たぶん怖くなって家に帰ったんだわ、私たちも帰りましょう」
私が促すと2人も駅の方へ歩き出した。

「これでストーカ説は崩れたね」
駅への途中で綾香がつぶやいた。
「えっなんで?」
「他に3人いたわけだし、車に乗って現れるなんて変でしょう?」
「確かにそうだよね」
哲郎は頷いてはいるものの理解できていない様子。
私はストーカ事件ではないとして、話を聞いた時から仮説を立てていた。
どうやら、その仮説が現実味を帯びてきたような気がする。

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