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1章 推しがデレを見せるまで。もしくは、推しが生きようと思えるまで。
52話 エドアルドがお疲れなのが気になる
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「お、おはようございます……オリアーナ」
「あ、おはよう」
エスタジ嬢がデレにデレてから幾ばかり、変わらずデレている可愛いなもう。
呼び名も前に戻ったようで、なにより。
「あの、ガラッシア公爵令嬢」
「オリアーナでいいですよ」
とまあ、今まで悪の権化だったオリアーナに、少しずつ人が話しかけてくるようになった。
近寄れば家を没落させ、人との仲を裂いていく。
そんな噂に名高いオリアーナの約7年はあの社交界で払拭されたということだ。
早いな展開が…ここで反乱分子じゃないけど一波乱事件が起きるとかないのか。
「チアキ、それは何かあってほしいということ?」
「そういうわけじゃないよ」
週一の垂直飛びは今日も好調だ。
重力に慣れていくどころか最近は記録を更新した。
おかしいな。
「確かに劇的に変化しているけれど、まだかつての噂を鵜呑みにしている者もいるわ」
「だろうね。表面化してないだけで」
その人たちは今はもうマイノリティだろうけど。
エスタジ嬢みたく大きく表に出てくる程、度胸はなさそうだしな。
100%全ての人から好かれると言う事はない、2:6:2の法則とかあったけど、一定数はオリアーナの事を噂通りの人物だと信じてる人もいることだろう。
「…しかし上位2割にいた子がねえ」
「……相変わらずのようね」
「うん」
可愛い癒しのエドアルドがまだ疲れ果てている。
今も手を振って見るが、困ったように笑って手を軽く振り去っていく。
前のように満面の癒し笑顔で駆け寄ってこないとは…ああ私の癒しハニーフェイス。
近くに来て笑いかけて。
「エステルも珍しく分からなかったんだよね」
「ええ」
トットとエステル調べは百発百中だったけど、エドアルドに関しては特段目立ったものはなかった。
エステルが何かの違和感を感じたのだから、確実にエドアルドに何かあるのは明白なのに何もない。
ヒロインスキルで全て明るみに出てしまうなんてことないのかなあ。
「…いや待て」
「どうかして?」
明るみなったら困る事でもあるの?
だから避けてる?
まさか彼に醜聞があるとは思えない。
正直、エステル調べでは清廉潔白すぎて本当いい子の権化だった。
オリアーナの苦しい数年間、周りの非難も関係なく、いつも通り付き合ってくれたのはエドアルドだけだった。
「いやでもなあ」
「チアキ?」
「私がオリアーナらしくクールキャラでいれば、彼の憂いを払えるってとこだと思うんだけど」
謎は深まるばかり。
てかやっぱり突撃するか…考えることも大事だけど動く事も同じくらい大事だ。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
「で、俺にきいてきたと」
「うん」
今日もツンデレは告白の練習に勤しんでオルネッラの元へ訪れている。
相変わらず立ち会いはなしだ。
だいぶまともに話してくれるようになったのに、立ち会いはまだとは…先が長い。
神よ、私に告白イベント(本番)というご褒美をください、もしくは告白イベント(練習/立ち会い)も可。
「俺はソッリエーヴォ家とあまり関わりがない」
「そう」
「学園でもそう話す事はない」
「そうですか」
エドアルドとディエゴは真逆だ。
そう気が合うようには見えないし、エドアルドは友人が多いのに対し、ディエゴは一人が好きなタイプ。
ああ話さなそうだな。
「確かに、しばらく体調が芳しくないようだが」
「他の人から見てもそうなら結構重症だよね」
「…学園の庭でよくそちらの飼い犬と一緒にいる姿を見た事があるが」
「はい?」
オリアーナと?
幼馴染だから犬のテゾーロの事も知っているし、私も一緒にいた姿を見た事はあるけど。
「テゾーロと」
「ああ、その時は疲れてるというよりも楽しそうだったが」
「犬が好きなのかな」
「昔馴染みというのもあるんじゃないか」
そんな朗報を聴いたその日の内、ディエゴが帰った後、オリアーナに早速聞いてみた。
「エドアルド何か言ってた?」
「何かとは?」
「最近お疲れだから、その原因?私がクールじゃないから?」
「ああ…確かにオリアーナらしくないという類の事は言っていましたが」
「げふん」
ですよね。
だって彼が最初にオリアーナじゃないって言ったもの。
気づいているのか…中身違うというファンタジーに悩んでいるのか…。
「それ以外にも話を聴くことはありましたが、むやみやたらにエドアルドの言った事を吹聴したくはありません」
「さいですか」
話したくないかー。
なんだなんだ幼馴染しか話せない素敵なイベントでもあったのかな、ちょっとそれ知りたい、かなり知りたい。
「それなら本人に直接ききに行こう」
「…エドアルドはずっと私を支えてくれました。私も何か出来る事があればと」
「ん?お話聞いてあげてるだけでも充分じゃない?犬だから返事とか出来ないけど」
「そうでしょうか」
彼のどんな悩みを聞いたかはさておき、やっぱり幼馴染って特別なのかな。
気にかけてるオリアーナが可愛いじゃないか。
やはり一緒にいる年月大事。
「チアキ、顔が」
「おっと失礼」
「…私はチアキに話さないといけない事があります」
「何?」
「……その、日を…改めます」
「そう?」
妙に深刻な様子で話してくるけど、何があったよ。
オリアーナ自分を責める癖がついているからな。
治るまでまだ時間を使うよう。
「いつでもいいよ。でもオリアーナはオリアーナの味方でいてあげてね」
「それはどういうことですか?」
「自分を100%応援してあげられるのは自分だけって事。毎日1日の自分を褒めてごらんよ」
「はあ…」
いまいち響かない。
良いこと考えて眠りにつくって最高なんだけど。
ぜひ実践してほしい。
「ま、やってみますか」
「私も共に」
「どぞー」
考えないで突撃する。
簡単な事だ、突撃してそこから最善を選択すればいい。
「あ、おはよう」
エスタジ嬢がデレにデレてから幾ばかり、変わらずデレている可愛いなもう。
呼び名も前に戻ったようで、なにより。
「あの、ガラッシア公爵令嬢」
「オリアーナでいいですよ」
とまあ、今まで悪の権化だったオリアーナに、少しずつ人が話しかけてくるようになった。
近寄れば家を没落させ、人との仲を裂いていく。
そんな噂に名高いオリアーナの約7年はあの社交界で払拭されたということだ。
早いな展開が…ここで反乱分子じゃないけど一波乱事件が起きるとかないのか。
「チアキ、それは何かあってほしいということ?」
「そういうわけじゃないよ」
週一の垂直飛びは今日も好調だ。
重力に慣れていくどころか最近は記録を更新した。
おかしいな。
「確かに劇的に変化しているけれど、まだかつての噂を鵜呑みにしている者もいるわ」
「だろうね。表面化してないだけで」
その人たちは今はもうマイノリティだろうけど。
エスタジ嬢みたく大きく表に出てくる程、度胸はなさそうだしな。
100%全ての人から好かれると言う事はない、2:6:2の法則とかあったけど、一定数はオリアーナの事を噂通りの人物だと信じてる人もいることだろう。
「…しかし上位2割にいた子がねえ」
「……相変わらずのようね」
「うん」
可愛い癒しのエドアルドがまだ疲れ果てている。
今も手を振って見るが、困ったように笑って手を軽く振り去っていく。
前のように満面の癒し笑顔で駆け寄ってこないとは…ああ私の癒しハニーフェイス。
近くに来て笑いかけて。
「エステルも珍しく分からなかったんだよね」
「ええ」
トットとエステル調べは百発百中だったけど、エドアルドに関しては特段目立ったものはなかった。
エステルが何かの違和感を感じたのだから、確実にエドアルドに何かあるのは明白なのに何もない。
ヒロインスキルで全て明るみに出てしまうなんてことないのかなあ。
「…いや待て」
「どうかして?」
明るみなったら困る事でもあるの?
だから避けてる?
まさか彼に醜聞があるとは思えない。
正直、エステル調べでは清廉潔白すぎて本当いい子の権化だった。
オリアーナの苦しい数年間、周りの非難も関係なく、いつも通り付き合ってくれたのはエドアルドだけだった。
「いやでもなあ」
「チアキ?」
「私がオリアーナらしくクールキャラでいれば、彼の憂いを払えるってとこだと思うんだけど」
謎は深まるばかり。
てかやっぱり突撃するか…考えることも大事だけど動く事も同じくらい大事だ。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
「で、俺にきいてきたと」
「うん」
今日もツンデレは告白の練習に勤しんでオルネッラの元へ訪れている。
相変わらず立ち会いはなしだ。
だいぶまともに話してくれるようになったのに、立ち会いはまだとは…先が長い。
神よ、私に告白イベント(本番)というご褒美をください、もしくは告白イベント(練習/立ち会い)も可。
「俺はソッリエーヴォ家とあまり関わりがない」
「そう」
「学園でもそう話す事はない」
「そうですか」
エドアルドとディエゴは真逆だ。
そう気が合うようには見えないし、エドアルドは友人が多いのに対し、ディエゴは一人が好きなタイプ。
ああ話さなそうだな。
「確かに、しばらく体調が芳しくないようだが」
「他の人から見てもそうなら結構重症だよね」
「…学園の庭でよくそちらの飼い犬と一緒にいる姿を見た事があるが」
「はい?」
オリアーナと?
幼馴染だから犬のテゾーロの事も知っているし、私も一緒にいた姿を見た事はあるけど。
「テゾーロと」
「ああ、その時は疲れてるというよりも楽しそうだったが」
「犬が好きなのかな」
「昔馴染みというのもあるんじゃないか」
そんな朗報を聴いたその日の内、ディエゴが帰った後、オリアーナに早速聞いてみた。
「エドアルド何か言ってた?」
「何かとは?」
「最近お疲れだから、その原因?私がクールじゃないから?」
「ああ…確かにオリアーナらしくないという類の事は言っていましたが」
「げふん」
ですよね。
だって彼が最初にオリアーナじゃないって言ったもの。
気づいているのか…中身違うというファンタジーに悩んでいるのか…。
「それ以外にも話を聴くことはありましたが、むやみやたらにエドアルドの言った事を吹聴したくはありません」
「さいですか」
話したくないかー。
なんだなんだ幼馴染しか話せない素敵なイベントでもあったのかな、ちょっとそれ知りたい、かなり知りたい。
「それなら本人に直接ききに行こう」
「…エドアルドはずっと私を支えてくれました。私も何か出来る事があればと」
「ん?お話聞いてあげてるだけでも充分じゃない?犬だから返事とか出来ないけど」
「そうでしょうか」
彼のどんな悩みを聞いたかはさておき、やっぱり幼馴染って特別なのかな。
気にかけてるオリアーナが可愛いじゃないか。
やはり一緒にいる年月大事。
「チアキ、顔が」
「おっと失礼」
「…私はチアキに話さないといけない事があります」
「何?」
「……その、日を…改めます」
「そう?」
妙に深刻な様子で話してくるけど、何があったよ。
オリアーナ自分を責める癖がついているからな。
治るまでまだ時間を使うよう。
「いつでもいいよ。でもオリアーナはオリアーナの味方でいてあげてね」
「それはどういうことですか?」
「自分を100%応援してあげられるのは自分だけって事。毎日1日の自分を褒めてごらんよ」
「はあ…」
いまいち響かない。
良いこと考えて眠りにつくって最高なんだけど。
ぜひ実践してほしい。
「ま、やってみますか」
「私も共に」
「どぞー」
考えないで突撃する。
簡単な事だ、突撃してそこから最善を選択すればいい。
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