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2章 神よ、感謝します。けど、ちょっと違う叶ったけどちょっと違うんです。
148話 誘拐未遂事件、傷一つつけてみろ許さないから
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やっぱり最近なんだかおかしい気がする。それは私の内心であるのだけど。あまり目の当たりにしたくないから、もよもよした感じを仕舞い込んでいるのだけど。
けどそれとは別で同時、最近外の空気がそんなによくない。ピリピリ感があるというのか。
「覗きは止めておけ」
「相変わらず厳しい」
オリアーナとエドアルドを覗きに行こうとしたら、当然のようにディエゴに止められる。思えば私、まともに二人を覗いてないんじゃない?
二人のイベントシーンを見られずにいられるか。一度だけでも見ないとという使命感に駆られる。きっと神も覗くことを推奨しているに違いない。
「これは天命、神が覗けと言っている」
「いつ言ったんだ」
「仕様がないな、ここから近いエステルとトットを覗きに」
「駄目だ」
「やっぱりオリアーナとエドアルドの」
「駄目だ」
そして飛び出していかないように手を握られる。
んんん、いや大丈夫か。さすがに手握られる程度でもよっていたら、どんだけ心小さいのと言わざるを得ない。そんなもより感があるにも関わらず、ディエゴの傍にいる事で安心を得ているのだから、もっとおかしくなってる気がする。どうしよう、本当。
そんなことをぐるぐる考えていると、私の内心なんてどうでもいいというぐらいの張り詰めた空気を感じた。
「待って、ディエゴ」
「待たないし、行かせない」
「違う。何か違う」
「?」
いつもの学園敷地内のはずなのに、妙にひりついた気配を感じる。さっきまでは何もなかったのに、今急に出るっていうのはどういうことなの。
「どうした」
ディエゴが私の様子を敏感に感じとる。
「おかしいよ。この学園っていつものほほん平和な空気しかないのに」
気になって、感だけ頼りに進んで行く。ディエゴは手を握ったまま、一緒についてきた。
目指して行ったわけではないけど、ちょうど彼彼女の元に着いたのはある種この時行幸だった。
「エステル」
「!」
見慣れぬ馬車を横に、エステルが珍しく険しい顔をして立っていた。
それもそうだ、だって目の前の見知らぬ騎士に剣を向けられている。首元にすらりと伸びた切っ先が今にも触れそうなぐらい近く。
「待て、チア」
毎度の事で申し訳ないけど、制止を振り切って走り出す。幸いな事に相手は気づいていなかった。そりゃエステルに見惚れてて、視野狭くなるよね。エステルしか見えないになって当たり前だよね、分かる。でも傷一つつけてみろ、許さないから。
「チェストオオオオオオオ!!」
「え?」
ものの見事に私の飛び蹴りはヒットした。今の私は剣を所持していないので、蹴るか殴るしか選択肢がない。掛け声はちがうものがよかったかな。掛け声に申し訳ないけど許してもらおう。
剣は手元から離れ、ディエゴがエステルの前に立つ。同時、エステルの背後から数名の騎士が現れた。
「ディエゴ後ろ」
「!」
着地と同時に騎士たちの奥に見慣れた姿を視認して、私は動くのを止めた。さすが仕事が早い。
「チアキ、大丈夫だ。俺がいる」
「王太子殿下!」
ディエゴが再び、エステルを自身の背後に誘導し、見事私と感動の再会。その間に、トットがちゃっちゃと騎士たちを片付ける。
ヒーロー舐めてもらっては困る。基本強さは段違い。正直、騎士部隊全員が飛びかかっても、本気出したトットには敵わないんじゃないだろうか。見ていて実に爽快なぐらい強くていいわあ。
「ふー! トットやってしまえ! ボコボコだ!」
「チアキ、落ち着いて」
「あ、エステル怪我はない?」
「私は大丈夫よ」
「よかった! 全部片付いたら、前に出てトットと感動の再会して」
「チアキったら」
そんな会話を繰り広げていたら、傍に控えていた馬車が猛スピードでこの場を去っていく。同時、トットが圧倒的な強さで場を収束した。
「待った、あれ追いかけないと、」
「チアキ、駄目」
「なんでよ、エステル」
そもそもがこの国の王太子とその婚約者であるヒーローヒロインに手出してる時点で不敬罪だ。捕まえて裁かれるのが通常ルートだというのに。
「私以外にも狙われそうな人物に心当たりない?」
言われて気づく。ひりついた感じが残っていた。つまり、終わっていないとエステルは言っている。エステルはあの馬車を追うよりも今ある危機を懸念している。
トットエステルの次に狙われる人物に思い至る前に、私が跳び蹴りかました騎士が息も絶え絶えに魔女がと呟く。そんな悪意をもって魔女と言った人間を私は最近知っていた。
「オリアーナ」
前回と同じくよくわからないけど、ガラッシア家の台頭と魔法使いの祖一族が悪と考えてるのなら、狙われるのは私とオリアーナしかいない。
より効率的にイージーゲームで事を成すなら、直接狙う事に加え、保険を掛けるに違いない。そしたらエスタジや夫人も危険?
「チアキ、ディエゴ」
「なに?」
「直に警備隊がくる。あと、エスタジ譲はネウトラーレ侯爵夫人に預けてある」
トットの仕事が早すぎる。警備隊ですら危険ではないかと思ったけど、そこを織り込みずみでトットは人選、配置を考えていたようだ。なら私がやるのは一つ。
「わかった。行くね」
「ああ」
「無理は駄目よ」
「わかってる」
ディエゴはさも当たり前のように私に並んで一緒についてきた。こんな時に憚られるけど、よく付き合ってくれるな。
「オリアーナ!」
「チアキ」
すぐにオリアーナにたどり着いた。エドアルドも一緒だ。挙げ句、遠目から見ても二人優勢の手助け不要状態だった。魔法飛び交う戦いを間近で見られて大変眼福です、神よありがとうございます。
「格好可愛いとか罪」
「チアキ」
「わかってる」
けどそれとは別で同時、最近外の空気がそんなによくない。ピリピリ感があるというのか。
「覗きは止めておけ」
「相変わらず厳しい」
オリアーナとエドアルドを覗きに行こうとしたら、当然のようにディエゴに止められる。思えば私、まともに二人を覗いてないんじゃない?
二人のイベントシーンを見られずにいられるか。一度だけでも見ないとという使命感に駆られる。きっと神も覗くことを推奨しているに違いない。
「これは天命、神が覗けと言っている」
「いつ言ったんだ」
「仕様がないな、ここから近いエステルとトットを覗きに」
「駄目だ」
「やっぱりオリアーナとエドアルドの」
「駄目だ」
そして飛び出していかないように手を握られる。
んんん、いや大丈夫か。さすがに手握られる程度でもよっていたら、どんだけ心小さいのと言わざるを得ない。そんなもより感があるにも関わらず、ディエゴの傍にいる事で安心を得ているのだから、もっとおかしくなってる気がする。どうしよう、本当。
そんなことをぐるぐる考えていると、私の内心なんてどうでもいいというぐらいの張り詰めた空気を感じた。
「待って、ディエゴ」
「待たないし、行かせない」
「違う。何か違う」
「?」
いつもの学園敷地内のはずなのに、妙にひりついた気配を感じる。さっきまでは何もなかったのに、今急に出るっていうのはどういうことなの。
「どうした」
ディエゴが私の様子を敏感に感じとる。
「おかしいよ。この学園っていつものほほん平和な空気しかないのに」
気になって、感だけ頼りに進んで行く。ディエゴは手を握ったまま、一緒についてきた。
目指して行ったわけではないけど、ちょうど彼彼女の元に着いたのはある種この時行幸だった。
「エステル」
「!」
見慣れぬ馬車を横に、エステルが珍しく険しい顔をして立っていた。
それもそうだ、だって目の前の見知らぬ騎士に剣を向けられている。首元にすらりと伸びた切っ先が今にも触れそうなぐらい近く。
「待て、チア」
毎度の事で申し訳ないけど、制止を振り切って走り出す。幸いな事に相手は気づいていなかった。そりゃエステルに見惚れてて、視野狭くなるよね。エステルしか見えないになって当たり前だよね、分かる。でも傷一つつけてみろ、許さないから。
「チェストオオオオオオオ!!」
「え?」
ものの見事に私の飛び蹴りはヒットした。今の私は剣を所持していないので、蹴るか殴るしか選択肢がない。掛け声はちがうものがよかったかな。掛け声に申し訳ないけど許してもらおう。
剣は手元から離れ、ディエゴがエステルの前に立つ。同時、エステルの背後から数名の騎士が現れた。
「ディエゴ後ろ」
「!」
着地と同時に騎士たちの奥に見慣れた姿を視認して、私は動くのを止めた。さすが仕事が早い。
「チアキ、大丈夫だ。俺がいる」
「王太子殿下!」
ディエゴが再び、エステルを自身の背後に誘導し、見事私と感動の再会。その間に、トットがちゃっちゃと騎士たちを片付ける。
ヒーロー舐めてもらっては困る。基本強さは段違い。正直、騎士部隊全員が飛びかかっても、本気出したトットには敵わないんじゃないだろうか。見ていて実に爽快なぐらい強くていいわあ。
「ふー! トットやってしまえ! ボコボコだ!」
「チアキ、落ち着いて」
「あ、エステル怪我はない?」
「私は大丈夫よ」
「よかった! 全部片付いたら、前に出てトットと感動の再会して」
「チアキったら」
そんな会話を繰り広げていたら、傍に控えていた馬車が猛スピードでこの場を去っていく。同時、トットが圧倒的な強さで場を収束した。
「待った、あれ追いかけないと、」
「チアキ、駄目」
「なんでよ、エステル」
そもそもがこの国の王太子とその婚約者であるヒーローヒロインに手出してる時点で不敬罪だ。捕まえて裁かれるのが通常ルートだというのに。
「私以外にも狙われそうな人物に心当たりない?」
言われて気づく。ひりついた感じが残っていた。つまり、終わっていないとエステルは言っている。エステルはあの馬車を追うよりも今ある危機を懸念している。
トットエステルの次に狙われる人物に思い至る前に、私が跳び蹴りかました騎士が息も絶え絶えに魔女がと呟く。そんな悪意をもって魔女と言った人間を私は最近知っていた。
「オリアーナ」
前回と同じくよくわからないけど、ガラッシア家の台頭と魔法使いの祖一族が悪と考えてるのなら、狙われるのは私とオリアーナしかいない。
より効率的にイージーゲームで事を成すなら、直接狙う事に加え、保険を掛けるに違いない。そしたらエスタジや夫人も危険?
「チアキ、ディエゴ」
「なに?」
「直に警備隊がくる。あと、エスタジ譲はネウトラーレ侯爵夫人に預けてある」
トットの仕事が早すぎる。警備隊ですら危険ではないかと思ったけど、そこを織り込みずみでトットは人選、配置を考えていたようだ。なら私がやるのは一つ。
「わかった。行くね」
「ああ」
「無理は駄目よ」
「わかってる」
ディエゴはさも当たり前のように私に並んで一緒についてきた。こんな時に憚られるけど、よく付き合ってくれるな。
「オリアーナ!」
「チアキ」
すぐにオリアーナにたどり着いた。エドアルドも一緒だ。挙げ句、遠目から見ても二人優勢の手助け不要状態だった。魔法飛び交う戦いを間近で見られて大変眼福です、神よありがとうございます。
「格好可愛いとか罪」
「チアキ」
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