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たけしとモヒカンの出会い
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<あらすじ>
100年前に魔法界でも人間界でも力を持っていたウィンザー公爵、エドワード8世が公布した<<青の公文書>>をきっかけに、魔法と魔法を使える人たちの存在が公になった。1万人に1人の確率を引き当てた貧乏家庭出身の魔法使い「山田たけし」が王立魔術高等専門学院の入学式に向かっている。途中、いきなり前方の電車車両が爆発した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ドガガガーーーーン!!!
「えっ?」
音が先にきた。乾いた爆発音と金属がぶつかり合う音だ。たけしの本能が異常事態に巻き込まれたことを、反射で知覚した。細胞が波立つ。その刹那、衝撃。物理的なものだ。激しい揺さぶり。車両の床が傾いた。日暮里舎人ライナーを支えていた支柱が崩れたようだった。
ふわっ
一瞬、体が浮くのを感じた。
「なんだあ~~~!?!?」
ドガーーーーン!!!!
第二波だった。
大きな爆発音を横目に電車ごとたけしは地上30mから落下した。体勢が崩れ電車の床が後頭部に吸い寄せられた。
(やばい、死ぬ!)
床がたけしの頭にぶつかる瞬間、目の前の光景が完全に停止した。
(へ?)
たけしは喋ったつもりだったが、口は動かなかった。ただ意識ははっきりしている。
外に投げ出されて空中で停止しているおじさんや、子供を抱えて倒れている女性、吊り革にぶら下がっているスーツのサラリーマン、全てが固まっている!!
(ど、どうすりゃいいんだ、、)
止まった世界の中でたけしは途方にくれた。
ただ、静かだった。
-8時間後-
たけしの意識以外は止まったままだった。
(やばい眠くなってきた。。俺このまま、ずっと止まったまま歳とって死ぬかも、、)
(女の子とまだえっちなことしてないのに、、涙)
たけしの脳が眠りそうになったその時、停止した世界で初めて音が聞こえてきた。
「どらあああ!!!」
品のない音だった。
「げ、、まだこんなに人がいんのかよ」
ドアを蹴破って現れたのは180センチはある細身のモヒカン男だった。
(なんだあのモヒカンヤロー、、)
たけしはモヒカンを選ぶセンスに青ざめた。
(あいつは絶対にモテない、、近づかないでくれ、、!)
「ったく、しょーがねーな~」
障害物をくぐりぬけながらモヒカンは、固まっている女子高生を正面から抱き上げた。
(ぎゃー!犯罪者!!お巡りさんここですー!!)
たけしは意識で叫んだ。
「ん?、、気のせいか、、なんか聞こえた気がしたが、、まあ早く終わらすか」
モヒカンは抱き上げた女性をそのまま担いで、隣の車両に消えていった。
少ししたら戻ってきて、同じように車両に居た人たちを次々運んでいった。
たけしの番がきた。
「なんだこいつ、今時金髪かよ笑 だせぇw」
ぶっちん
たけしが切れた。
「ごら!!」
怒声と共にたけしの右ストレートがモヒカンの顎にめり込んだ。
モヒカンが7メートルは吹き飛んだ。
「気安くさわんじゃねー!このタコ!!死にてーのか!!」
息を荒らしながら叫んだ後に、たけしは気付いた。
「あれ?動ける。あ、喋れる!やったー♪」
喜びも束の間、たけしの目つきがギラリと鋭くなった。
「あいつは、、?」
「くっくっくっくっ、」
壊れた座席に仰向けに打ちのめされたモヒカンがゆっくり起き上がってきた。
「まさかこの俺が不意打ち喰らうとはなあ、、てめーどこ中だよ!!」
「駆け出し中だよ!!」
たけしの跳び膝蹴りが起き上がったばかりのモヒカンの顎にヒットした。
「ぐはぁっ、!!」
三日月を背で描きながらモヒカンは後ろに吹っ飛んだ。仰向けに倒れながら吐血していた。
「か、駆け出し中だと!?、、と、都内の中学か!?」
「お前、馬鹿か?」
マウントポジションをとったたけしは、拳を振り上げた。
「死ね!俺に気安く触ったばつじゃ!」
「ひ、ひぃっ!」
ガギッッ!!
鈍い音がした。
倒れたのはたけしだった。
たけしの拳がモヒカンにめり込む前に、仰向けの体制から蹴り上げたモヒカンの爪先がたけしの後頭部にクリーンヒットした。
「なーんちゃって笑」
倒れかかってきたたけしをかわして、服にかかった埃をはたきながらモヒカンが言った。
「にしてもなんだこいつは、、」
倒れたたけしの頭を爪先でつんつんしながらモヒカンは考えた。
「俺に2発も喰らわすとはな、、1発目は不意打ちだったが、2発目はモノホンだった。。」
(はっ!)
「やばい急がないと。、、って後の乗客はこいつだけか。」
仰向けに倒れているたけしを見下ろしながら、1分間モヒカンは考えていた。
「しょーがねえ、、」
心底嫌そうな顔をしながら、モヒカンはたけしを持ち上げた。
「バカが、、!」
モヒカンに持ち上げられた瞬間、顔中血だらけのたけしの右フックがモヒカンの右頬に炸裂した。
と、同時にモヒカンから放たれていたカウンターアッパーもたけしの顎を打ち抜いた。
「バカヤロウが!」
後ろに倒れるたけしに向けてモヒカンが怒鳴った。
たけしはへへっと笑いながら尻餅をついた体勢でモヒカンに言った。
「へへ、、ゆ、油断したな、、あっ」
「あっ」
たけしが手をつこうとした場所が悪かった。そこには先の爆発で、あったはずの床がなくなっていたのだ。
「えっ」「げっ」
たけしは停止した世界で、地上30メートルから落下した。
(あ、今度こそ本当に死んだ。)
落下しながらたけしは気づいた。
(あ、時間が動いてる?)
たけしの目の前の瓦礫がたけしと一緒に落ちていたのだ。
急にラジオのスイッチが入ったように音も戻ってきた。
悲鳴が聞こえる。
ぶつかる。
ぽーーん ぽーん ぽーん
?
「、、、?」
たけしは無事だった。自分でも何が起きたのかよく分からなかった。
「き、きみ!大丈夫かい!?」
「あれ?俺、、なんか大丈夫。」
「キミは一体なんだっていうんだ!き、きみは、ほんとにどこも怪我してないのかい!?」
「はい大丈夫です。何があったんですか?」
通行人は明らかに興奮して話しだした。
「電車が爆発したのさ!最初の車両は木っ端微塵だよ!!テロかなんかだろう、、でも、でも君はその爆発した電車から!あの高さから落ちてきて、!私は見てたんだよ!君が落ちてくるところを!!違うんだ、間に合わなかったんだ!!何しろあっという間だからね、、でも君は、君は跳ねたんだ!テニスボールみたいに!いいかい!?跳ねたんだよ!」
まるでキリストの奇跡を見たかのように通行人は興奮していた。目を見開きすぎて溢れそうなほどだった。通行人は口早に続けた。
「もしかしてというか、、いや絶対そうなんだろうけど、君、魔法使いだろ?」
他の人の目を気にするように周りをキョロキョロ見渡しながら小声になった。
「君が魔法使いだから言うけど、今回のテロはモリスか黒の絨毯ブラックカーペットの仕業だよね?あ、モリスって忘れられない一味のこと(フィリップモリス)ね。で、そうなんだろ?だってターゲットが思いっきり非魔法使いだからさ!!」
たけしは元々モテることとケンカが強くなることにしか興味がなかったので、話についていけず、どうやってこの場から立ち去るかを考えていた。
「そ、そんな嫌そうな顔しないでくれ!僕は魔法使いに憧れてるんだ!!勿論悪い奴らもいるさ!でも、そんなやつらは一部だし、ほとんどの魔法使いはいい奴に決まってる!!勿論きみもさ!目を見れば分かるんだ。僕はずっと魔法使いに会ってみたかった。一般人の僕が、彼らに会うにはそれこそ奇跡でも起きないと!まさに奇跡だよ!」
「そうですか。ありがとうございます。それじゃ」
たけしはその場を後にして、どうやって入学式に遅刻せずたどり着けるか考えなくてはいけなかった。
狭い裏路地に入り、人が来ないか確認する。地面にはタバコの吸い殻がそこかしこに捨ててある。箒があった。
「...とぶか///」
たけしは箒に跨り地面を強く蹴った。一気にたけしは上昇して街の人々が豆粒ぐらいの大きさになった。
「おっとっと、!」
久しぶりに使う魔法だった。
「誰にも見られないうちに行かねば。」
たけしは正直、照れ臭かった。箒に跨った自分を絶対に鏡で見れないと思った。
ビュン!
一線
加速を繰り返しながら学院に向かった。
はるか下方
首都高をワインレッドのファントムが、たけしに負けないぐらい飛ばしていた。
-------------------------------次話へ続きます----------------------------------------
下記でも連載していますのでよかったらブックマークお願いします。
下記のURLの方が更新頻度高いです。こちらのサイトでは2話程度まとめて投稿するつもりです。
https://ncode.syosetu.com/n2994gq/
感想あるとやる気出ます。
100年前に魔法界でも人間界でも力を持っていたウィンザー公爵、エドワード8世が公布した<<青の公文書>>をきっかけに、魔法と魔法を使える人たちの存在が公になった。1万人に1人の確率を引き当てた貧乏家庭出身の魔法使い「山田たけし」が王立魔術高等専門学院の入学式に向かっている。途中、いきなり前方の電車車両が爆発した。
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ドガガガーーーーン!!!
「えっ?」
音が先にきた。乾いた爆発音と金属がぶつかり合う音だ。たけしの本能が異常事態に巻き込まれたことを、反射で知覚した。細胞が波立つ。その刹那、衝撃。物理的なものだ。激しい揺さぶり。車両の床が傾いた。日暮里舎人ライナーを支えていた支柱が崩れたようだった。
ふわっ
一瞬、体が浮くのを感じた。
「なんだあ~~~!?!?」
ドガーーーーン!!!!
第二波だった。
大きな爆発音を横目に電車ごとたけしは地上30mから落下した。体勢が崩れ電車の床が後頭部に吸い寄せられた。
(やばい、死ぬ!)
床がたけしの頭にぶつかる瞬間、目の前の光景が完全に停止した。
(へ?)
たけしは喋ったつもりだったが、口は動かなかった。ただ意識ははっきりしている。
外に投げ出されて空中で停止しているおじさんや、子供を抱えて倒れている女性、吊り革にぶら下がっているスーツのサラリーマン、全てが固まっている!!
(ど、どうすりゃいいんだ、、)
止まった世界の中でたけしは途方にくれた。
ただ、静かだった。
-8時間後-
たけしの意識以外は止まったままだった。
(やばい眠くなってきた。。俺このまま、ずっと止まったまま歳とって死ぬかも、、)
(女の子とまだえっちなことしてないのに、、涙)
たけしの脳が眠りそうになったその時、停止した世界で初めて音が聞こえてきた。
「どらあああ!!!」
品のない音だった。
「げ、、まだこんなに人がいんのかよ」
ドアを蹴破って現れたのは180センチはある細身のモヒカン男だった。
(なんだあのモヒカンヤロー、、)
たけしはモヒカンを選ぶセンスに青ざめた。
(あいつは絶対にモテない、、近づかないでくれ、、!)
「ったく、しょーがねーな~」
障害物をくぐりぬけながらモヒカンは、固まっている女子高生を正面から抱き上げた。
(ぎゃー!犯罪者!!お巡りさんここですー!!)
たけしは意識で叫んだ。
「ん?、、気のせいか、、なんか聞こえた気がしたが、、まあ早く終わらすか」
モヒカンは抱き上げた女性をそのまま担いで、隣の車両に消えていった。
少ししたら戻ってきて、同じように車両に居た人たちを次々運んでいった。
たけしの番がきた。
「なんだこいつ、今時金髪かよ笑 だせぇw」
ぶっちん
たけしが切れた。
「ごら!!」
怒声と共にたけしの右ストレートがモヒカンの顎にめり込んだ。
モヒカンが7メートルは吹き飛んだ。
「気安くさわんじゃねー!このタコ!!死にてーのか!!」
息を荒らしながら叫んだ後に、たけしは気付いた。
「あれ?動ける。あ、喋れる!やったー♪」
喜びも束の間、たけしの目つきがギラリと鋭くなった。
「あいつは、、?」
「くっくっくっくっ、」
壊れた座席に仰向けに打ちのめされたモヒカンがゆっくり起き上がってきた。
「まさかこの俺が不意打ち喰らうとはなあ、、てめーどこ中だよ!!」
「駆け出し中だよ!!」
たけしの跳び膝蹴りが起き上がったばかりのモヒカンの顎にヒットした。
「ぐはぁっ、!!」
三日月を背で描きながらモヒカンは後ろに吹っ飛んだ。仰向けに倒れながら吐血していた。
「か、駆け出し中だと!?、、と、都内の中学か!?」
「お前、馬鹿か?」
マウントポジションをとったたけしは、拳を振り上げた。
「死ね!俺に気安く触ったばつじゃ!」
「ひ、ひぃっ!」
ガギッッ!!
鈍い音がした。
倒れたのはたけしだった。
たけしの拳がモヒカンにめり込む前に、仰向けの体制から蹴り上げたモヒカンの爪先がたけしの後頭部にクリーンヒットした。
「なーんちゃって笑」
倒れかかってきたたけしをかわして、服にかかった埃をはたきながらモヒカンが言った。
「にしてもなんだこいつは、、」
倒れたたけしの頭を爪先でつんつんしながらモヒカンは考えた。
「俺に2発も喰らわすとはな、、1発目は不意打ちだったが、2発目はモノホンだった。。」
(はっ!)
「やばい急がないと。、、って後の乗客はこいつだけか。」
仰向けに倒れているたけしを見下ろしながら、1分間モヒカンは考えていた。
「しょーがねえ、、」
心底嫌そうな顔をしながら、モヒカンはたけしを持ち上げた。
「バカが、、!」
モヒカンに持ち上げられた瞬間、顔中血だらけのたけしの右フックがモヒカンの右頬に炸裂した。
と、同時にモヒカンから放たれていたカウンターアッパーもたけしの顎を打ち抜いた。
「バカヤロウが!」
後ろに倒れるたけしに向けてモヒカンが怒鳴った。
たけしはへへっと笑いながら尻餅をついた体勢でモヒカンに言った。
「へへ、、ゆ、油断したな、、あっ」
「あっ」
たけしが手をつこうとした場所が悪かった。そこには先の爆発で、あったはずの床がなくなっていたのだ。
「えっ」「げっ」
たけしは停止した世界で、地上30メートルから落下した。
(あ、今度こそ本当に死んだ。)
落下しながらたけしは気づいた。
(あ、時間が動いてる?)
たけしの目の前の瓦礫がたけしと一緒に落ちていたのだ。
急にラジオのスイッチが入ったように音も戻ってきた。
悲鳴が聞こえる。
ぶつかる。
ぽーーん ぽーん ぽーん
?
「、、、?」
たけしは無事だった。自分でも何が起きたのかよく分からなかった。
「き、きみ!大丈夫かい!?」
「あれ?俺、、なんか大丈夫。」
「キミは一体なんだっていうんだ!き、きみは、ほんとにどこも怪我してないのかい!?」
「はい大丈夫です。何があったんですか?」
通行人は明らかに興奮して話しだした。
「電車が爆発したのさ!最初の車両は木っ端微塵だよ!!テロかなんかだろう、、でも、でも君はその爆発した電車から!あの高さから落ちてきて、!私は見てたんだよ!君が落ちてくるところを!!違うんだ、間に合わなかったんだ!!何しろあっという間だからね、、でも君は、君は跳ねたんだ!テニスボールみたいに!いいかい!?跳ねたんだよ!」
まるでキリストの奇跡を見たかのように通行人は興奮していた。目を見開きすぎて溢れそうなほどだった。通行人は口早に続けた。
「もしかしてというか、、いや絶対そうなんだろうけど、君、魔法使いだろ?」
他の人の目を気にするように周りをキョロキョロ見渡しながら小声になった。
「君が魔法使いだから言うけど、今回のテロはモリスか黒の絨毯ブラックカーペットの仕業だよね?あ、モリスって忘れられない一味のこと(フィリップモリス)ね。で、そうなんだろ?だってターゲットが思いっきり非魔法使いだからさ!!」
たけしは元々モテることとケンカが強くなることにしか興味がなかったので、話についていけず、どうやってこの場から立ち去るかを考えていた。
「そ、そんな嫌そうな顔しないでくれ!僕は魔法使いに憧れてるんだ!!勿論悪い奴らもいるさ!でも、そんなやつらは一部だし、ほとんどの魔法使いはいい奴に決まってる!!勿論きみもさ!目を見れば分かるんだ。僕はずっと魔法使いに会ってみたかった。一般人の僕が、彼らに会うにはそれこそ奇跡でも起きないと!まさに奇跡だよ!」
「そうですか。ありがとうございます。それじゃ」
たけしはその場を後にして、どうやって入学式に遅刻せずたどり着けるか考えなくてはいけなかった。
狭い裏路地に入り、人が来ないか確認する。地面にはタバコの吸い殻がそこかしこに捨ててある。箒があった。
「...とぶか///」
たけしは箒に跨り地面を強く蹴った。一気にたけしは上昇して街の人々が豆粒ぐらいの大きさになった。
「おっとっと、!」
久しぶりに使う魔法だった。
「誰にも見られないうちに行かねば。」
たけしは正直、照れ臭かった。箒に跨った自分を絶対に鏡で見れないと思った。
ビュン!
一線
加速を繰り返しながら学院に向かった。
はるか下方
首都高をワインレッドのファントムが、たけしに負けないぐらい飛ばしていた。
-------------------------------次話へ続きます----------------------------------------
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感想あるとやる気出ます。
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