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第35話
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握る手の力を抜いて、鏡花はもう一度たしかめる。
慧の心は、経験したことのない熱に焼かれていた。
なんとも恥ずかしい話だ。利用するだのと俯瞰的に息巻いていたくせに、自分ですら気づいていなかった本心を初めから見破られていたのだ。
彼女は慧が望み、しかし諦めていた存在。
その申し出を断る理由なんて、あるはずもない。
「――アンタたち馬鹿なの? ふたりだけでいこうとするなんて」
不意に別の声が割り込む。閉じた門扉の方角だ。
声の主は腕を組み、鋭い眼差しを慧と鏡花に向けていた。
「敵が何人いると思ってんのよ。無謀だわ。死にたいなら勝手だけど、だったら最初からここに入ってなんか欲しくなかったわね。迷惑なのよ、同僚に死なれると」
「ちょっといいか琴乃」
「なによ。百割アンタが悪いくせに文句あるわけ?」
「いや、とりあえず俺の計画をどうやって嗅ぎつけたか知りたい」
琴乃は問いに答えず、代わりに鏡花に意味深な視線を送る。
バトンを受け取った鏡花は胸ポケットに手を伸ばした。そこからイヤホンマイクを取り出す。
通話状態を示す緑色のランプが点灯していた。
思いがけない事態。慧が呆然とする一方、鏡花は悪戯っぽく短く舌を出す。琴乃は間抜けな表情を晒す彼を見据え、得意気に笑った。
立て続けに起こる予想外の展開に、慧は参った様子で唸る。
「全部聞かれていたわけか。厄介なことをしてくれた。で、お前は俺にいくなというんだな? だが俺も引くつもりはない。止めるなら容赦は――」
「止めないわよ。アンタが本当に強いなら興味あるけど、まだ信用してないから」
「まだ疑っていたのか。随分と用心深いな」
「言っとくけど、アンタの実力を信じてないって意味よ」
「俺が抵抗したところで無意味だとでも?」
「そんなところね。要は、あたしが言いたいのはアンタたちだけじゃ無理だから、つまり……」
「つまり?」
「つまり……ま、そういうことねッ!」
濁された内容を推察するのは容易だった。それでは意味がないと思うが。
慧には、彼女がどうして誤魔化したかわからない。彼の隣にいる鏡花も、唇に人差し指を当てて首を傾げていた。
「――吉永さんは恥ずかしいのさ。任務でもないのに手を貸そうっていうのがね」
さらに割り込んだ別の人物。尋ねる前から、彼は耳に装着した通信機器を指で示していた。
「お前もグルか。だがそんなわけないだろ。琴乃は物事をはっきり言うタイプのはずだ」
「ちょっと慧」
俊平の解説に反論した慧に、琴乃は珍しく弱々しい声を出す。
「なんだ。お前も言い返してやれ。俺よりずっと長い付き合いのはずなのに、誤解されているぞ」
「うん、もういいわ。俊平の話、その、だいたい合ってるから」
「ん? ああ、そうか……」
慧の察しが悪かったのだ。少々気まずい空気が流れる。
頼るのは鏡花だけにしようと考えていた慧だったが、結局全員に盗み聞きされてしまった。
こんな事態を招いた犯人に慧は目を向ける。
彼女は視線に気づかない。満足そうにイヤホンマイクの通話状態を解除して胸ポケットにしまった。
周りにどう声をかけるべきか迷った末、慧はため息を吐くしかなかった。
「ともかく、妙な真似をしてくれた。つまり全員ついてくるというわけか」
「私たちは仲間ですから」
「せっかく増強した戦力に死なれちゃ困るから、しょうがなくついていってあげるのよ」
「運転手がいたほうが便利だろう? 我が友の夢まで、僕が責任を持って送り届けよう。もちろん、渡す乗車券は往復切符さ」
説明せずとも、盗み聞きしていた琴乃と俊平は目的地を承知していた。
ふたりが初めから鏡花と一緒に姿を現さなかったのは、彼女と違って慧の真意を知らなかったから。そこでイヤホンマイクを盗聴器の代わりにして、見極めようとした。
慧は鏡花の読み通りに単身で敵地に赴こうとした。
それが、ふたりを説得する決め手となった。
「お前には逆らえないな」
隠し切れない本心をこぼす。慧は視界に並んだ三人の同僚を順番に眺めた。
全員が嘘のない澄んだ綺麗な瞳をしていた。それぞれに秘められる輝きに、無類の安心と頼もしさを感じる。
そんな感情を向けられるのも、彼にとっては久しぶりだった。
それゆえに、その優しさを拒む方法を忘れてしまったから。
……なんて、都合の良い言い訳までもが胸中に浮かんだ。
「――やれやれ。みんな揃って反抗期とは、困ったものだね」
邸宅の照明が届かない庭の暗闇から、さらに別の人物が現れる。
言葉とは裏腹に、AMYサービスの社長は唇を三日月型に歪めていた。
「うちは手を引くよう命じられたんだよ? 慧くんだけなら彼をクビにすれば丸く収まるけど、君たち全員に勝手なことをされたら困るじゃないか」
「嫌ならあたしたちみんなクビにすれば?」
「そんなことしたらそれこそおしまいだ。この豪邸のローンが払えなくなってしまうよ。年老いたおじさんに過酷な労働を強いるつもりかい?」
「それマジ? この家ローン残ってんの?」
「あと二十年くらいはね。ははっ! 琴乃くん、いくら少数精鋭で給料を抑えていても、我々の家を一括で払えるほどは稼げないよ。私の希望としては、君たちにはあと二十年、ローン完済までは力を貸してもらいたいね」
「さらっとブラックなこと言わなかった?」
琴乃の指摘に、悠司は意味不明の笑いでごまかす。
悠司は慧の姿を捉えた。目が合うと、彼は右手に握っていた小物を放り投げる。
放物線を描き、正確なコントロールで慧の胸に飛び込んだ。受け取って手のひらに目を落とす。
渡されたのは、彼が自室に置いてきたはずのイヤホンマイクだった。
「まぁ、そういうわけだ。君たちを辞めさせるわけにはいかないし、辞めてもらいたくもないからね。好きにするといい。責任は私が取ろう。それもまた、社長であり父親でもある私の務めだ」
「やはり、お前が一番の変態だな」
「そうとも。親は子より優れてなければ足り得ない。君たちみたいな奇特な変わり者を統率するには、私が頂点に君臨せねば駄目だ。光栄だよ慧くん。私を認めてくれるんだろう?」
慧は手のひらのイヤホンマイクを握り、そっと胸ポケットにしまった。
――この男には、口喧嘩では生涯勝てそうにないな。
無視でも充分と思ったが、感謝をこめて慧は言った。
「本当に、変わった男だ」
「ありがとう。右に出るものはない最高の賛辞だ」
世の中では貶すために使われる言葉に、悠司は満足そうに笑った。
「俊平くん、車のキーは持ったかな?」
「二号車を使用させてもらう。キーはここさ」
俊平は人差し指にキーホルダーの輪を引っ掛け、くるくると鍵をまわす。
「琴乃くん、しっかり疲れは取れているかい?」
「あたしだけ前回お留守番だったからね。この邸宅を襲撃した意味を思い知らせてやるわっ!」
琴乃は万全であることを主張する。静かな夜空に響き渡る声は勇ましい。
「鏡花。慧くんがピンチになったら守ってあげるんだよ」
「はい。それが私の願いですから」
慧の顔を窺って、鏡花はにっこりと幸せそうに微笑む。
「慧くん。必ず帰ってくるんだよ。ここが君の家だ」
悠司は最後に彼を見据え、そう言った。
宝典魔術師である千奈美と戦うことになれば、無事でいられるか保証はない。悠司のかけてくれた言葉に、安易な気持ちで頷くわけにはいかない。
千奈美さえ救えれば、慧にとってAMYサービスは用済みだ。どさくさに紛れて姿を消し、犯罪とは無縁の世界で密やかに彼女と暮らす。
当初は、そういう計画だった。
――まさか、こんなことになるなんてな。
それなのに、騙しようがない強い欲求が芽生えてしまった。その感情を欺きたくはない。
だから、誓うことにした。
交わす誓約が、運命を望む未来に導くと信じて。
「もちろん、そのつもりだ」
それは、悠司に対してだけではない。
彼はAMYサービスに関わる全ての者に、誓いを果たすと宣言してみせたのだった。
慧の心は、経験したことのない熱に焼かれていた。
なんとも恥ずかしい話だ。利用するだのと俯瞰的に息巻いていたくせに、自分ですら気づいていなかった本心を初めから見破られていたのだ。
彼女は慧が望み、しかし諦めていた存在。
その申し出を断る理由なんて、あるはずもない。
「――アンタたち馬鹿なの? ふたりだけでいこうとするなんて」
不意に別の声が割り込む。閉じた門扉の方角だ。
声の主は腕を組み、鋭い眼差しを慧と鏡花に向けていた。
「敵が何人いると思ってんのよ。無謀だわ。死にたいなら勝手だけど、だったら最初からここに入ってなんか欲しくなかったわね。迷惑なのよ、同僚に死なれると」
「ちょっといいか琴乃」
「なによ。百割アンタが悪いくせに文句あるわけ?」
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琴乃は問いに答えず、代わりに鏡花に意味深な視線を送る。
バトンを受け取った鏡花は胸ポケットに手を伸ばした。そこからイヤホンマイクを取り出す。
通話状態を示す緑色のランプが点灯していた。
思いがけない事態。慧が呆然とする一方、鏡花は悪戯っぽく短く舌を出す。琴乃は間抜けな表情を晒す彼を見据え、得意気に笑った。
立て続けに起こる予想外の展開に、慧は参った様子で唸る。
「全部聞かれていたわけか。厄介なことをしてくれた。で、お前は俺にいくなというんだな? だが俺も引くつもりはない。止めるなら容赦は――」
「止めないわよ。アンタが本当に強いなら興味あるけど、まだ信用してないから」
「まだ疑っていたのか。随分と用心深いな」
「言っとくけど、アンタの実力を信じてないって意味よ」
「俺が抵抗したところで無意味だとでも?」
「そんなところね。要は、あたしが言いたいのはアンタたちだけじゃ無理だから、つまり……」
「つまり?」
「つまり……ま、そういうことねッ!」
濁された内容を推察するのは容易だった。それでは意味がないと思うが。
慧には、彼女がどうして誤魔化したかわからない。彼の隣にいる鏡花も、唇に人差し指を当てて首を傾げていた。
「――吉永さんは恥ずかしいのさ。任務でもないのに手を貸そうっていうのがね」
さらに割り込んだ別の人物。尋ねる前から、彼は耳に装着した通信機器を指で示していた。
「お前もグルか。だがそんなわけないだろ。琴乃は物事をはっきり言うタイプのはずだ」
「ちょっと慧」
俊平の解説に反論した慧に、琴乃は珍しく弱々しい声を出す。
「なんだ。お前も言い返してやれ。俺よりずっと長い付き合いのはずなのに、誤解されているぞ」
「うん、もういいわ。俊平の話、その、だいたい合ってるから」
「ん? ああ、そうか……」
慧の察しが悪かったのだ。少々気まずい空気が流れる。
頼るのは鏡花だけにしようと考えていた慧だったが、結局全員に盗み聞きされてしまった。
こんな事態を招いた犯人に慧は目を向ける。
彼女は視線に気づかない。満足そうにイヤホンマイクの通話状態を解除して胸ポケットにしまった。
周りにどう声をかけるべきか迷った末、慧はため息を吐くしかなかった。
「ともかく、妙な真似をしてくれた。つまり全員ついてくるというわけか」
「私たちは仲間ですから」
「せっかく増強した戦力に死なれちゃ困るから、しょうがなくついていってあげるのよ」
「運転手がいたほうが便利だろう? 我が友の夢まで、僕が責任を持って送り届けよう。もちろん、渡す乗車券は往復切符さ」
説明せずとも、盗み聞きしていた琴乃と俊平は目的地を承知していた。
ふたりが初めから鏡花と一緒に姿を現さなかったのは、彼女と違って慧の真意を知らなかったから。そこでイヤホンマイクを盗聴器の代わりにして、見極めようとした。
慧は鏡花の読み通りに単身で敵地に赴こうとした。
それが、ふたりを説得する決め手となった。
「お前には逆らえないな」
隠し切れない本心をこぼす。慧は視界に並んだ三人の同僚を順番に眺めた。
全員が嘘のない澄んだ綺麗な瞳をしていた。それぞれに秘められる輝きに、無類の安心と頼もしさを感じる。
そんな感情を向けられるのも、彼にとっては久しぶりだった。
それゆえに、その優しさを拒む方法を忘れてしまったから。
……なんて、都合の良い言い訳までもが胸中に浮かんだ。
「――やれやれ。みんな揃って反抗期とは、困ったものだね」
邸宅の照明が届かない庭の暗闇から、さらに別の人物が現れる。
言葉とは裏腹に、AMYサービスの社長は唇を三日月型に歪めていた。
「うちは手を引くよう命じられたんだよ? 慧くんだけなら彼をクビにすれば丸く収まるけど、君たち全員に勝手なことをされたら困るじゃないか」
「嫌ならあたしたちみんなクビにすれば?」
「そんなことしたらそれこそおしまいだ。この豪邸のローンが払えなくなってしまうよ。年老いたおじさんに過酷な労働を強いるつもりかい?」
「それマジ? この家ローン残ってんの?」
「あと二十年くらいはね。ははっ! 琴乃くん、いくら少数精鋭で給料を抑えていても、我々の家を一括で払えるほどは稼げないよ。私の希望としては、君たちにはあと二十年、ローン完済までは力を貸してもらいたいね」
「さらっとブラックなこと言わなかった?」
琴乃の指摘に、悠司は意味不明の笑いでごまかす。
悠司は慧の姿を捉えた。目が合うと、彼は右手に握っていた小物を放り投げる。
放物線を描き、正確なコントロールで慧の胸に飛び込んだ。受け取って手のひらに目を落とす。
渡されたのは、彼が自室に置いてきたはずのイヤホンマイクだった。
「まぁ、そういうわけだ。君たちを辞めさせるわけにはいかないし、辞めてもらいたくもないからね。好きにするといい。責任は私が取ろう。それもまた、社長であり父親でもある私の務めだ」
「やはり、お前が一番の変態だな」
「そうとも。親は子より優れてなければ足り得ない。君たちみたいな奇特な変わり者を統率するには、私が頂点に君臨せねば駄目だ。光栄だよ慧くん。私を認めてくれるんだろう?」
慧は手のひらのイヤホンマイクを握り、そっと胸ポケットにしまった。
――この男には、口喧嘩では生涯勝てそうにないな。
無視でも充分と思ったが、感謝をこめて慧は言った。
「本当に、変わった男だ」
「ありがとう。右に出るものはない最高の賛辞だ」
世の中では貶すために使われる言葉に、悠司は満足そうに笑った。
「俊平くん、車のキーは持ったかな?」
「二号車を使用させてもらう。キーはここさ」
俊平は人差し指にキーホルダーの輪を引っ掛け、くるくると鍵をまわす。
「琴乃くん、しっかり疲れは取れているかい?」
「あたしだけ前回お留守番だったからね。この邸宅を襲撃した意味を思い知らせてやるわっ!」
琴乃は万全であることを主張する。静かな夜空に響き渡る声は勇ましい。
「鏡花。慧くんがピンチになったら守ってあげるんだよ」
「はい。それが私の願いですから」
慧の顔を窺って、鏡花はにっこりと幸せそうに微笑む。
「慧くん。必ず帰ってくるんだよ。ここが君の家だ」
悠司は最後に彼を見据え、そう言った。
宝典魔術師である千奈美と戦うことになれば、無事でいられるか保証はない。悠司のかけてくれた言葉に、安易な気持ちで頷くわけにはいかない。
千奈美さえ救えれば、慧にとってAMYサービスは用済みだ。どさくさに紛れて姿を消し、犯罪とは無縁の世界で密やかに彼女と暮らす。
当初は、そういう計画だった。
――まさか、こんなことになるなんてな。
それなのに、騙しようがない強い欲求が芽生えてしまった。その感情を欺きたくはない。
だから、誓うことにした。
交わす誓約が、運命を望む未来に導くと信じて。
「もちろん、そのつもりだ」
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