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第十一話
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翌日。
「ええ~、あたしが居ない時にそんな話をしたのっ⁉」
エドワードは昨日アイギナと昼食を食べた場所で、昼ご飯を食べながらアルティナに昨日話した事を話した。
「ああ、その話を来た時は驚いたぜ」
エドワードは持たされた弁当を食べながら昨日の事を思い返す。
その顔を見るにアイギナに部活を誘われるとは思わなかった様だ。
「むぅ~、あたしも行けばよかった~」
話を聞いたアルティナはむくれだした。
「まぁまぁ、ティナが入りたいと言ったら姫様も快く入部させてくれるよ」
シモンファルトがアルティナを宥める様に言うが、アルティナはむくれたままであった。
「ティナが遊戯部か……向いていない気がするな」
「……うむ」
オスカーがアルティナの部活をしているのを想像したのか苦笑いする。
ランドルフは少し考えてみて、その通りだと思い頷く。
「何でよっ‼」
二人の発言が聞き捨てられないのか、大きな声を上げるアルティナ。
その疑問にはオスカーでもランドルフでも無く、エドワードが答えた。
「だって、お前ジッとしているの苦手だろう?」
「うぐっ」
エドワードの指摘にアルティナは言葉を詰まらせた。
活発な性格のアルティナ。
学業の成績こそ悪くはないが、勉強するよりも身体を動かす事が好きな為、ジッとしているのを苦手としていた。
なので、遊戯部には向いていないと幼馴染達は断言した。
「まぁ、人には向き不向きがあるからね」
「ティナは身体を動かすのが好きだからね~」
「そうだな」
「言えてるな。こいつの場合、ボードゲームをする姿は想像できないが、野原で走り回っている姿は容易に想像できるからな」
「く、くうう~~~~」
幼馴染達のキツイ口撃にアルティナは悔しがる事しか出来なかった。
クリュネ達はそんなアルティナを見て笑いをこらえていた。
ヘレネだけは黙々と弁当を食べていた。
ちなみに、この場に居るエドワードの幼馴染の中で一番学業の成績が悪いのはアルティナであった。一番をエドワード、オスカーと来て同率でランドルフとシモンファルトという成績順だ。
「まぁ、無理して入らなくても良いと思うぞ。お前は自分が選んだ部に入れば良いだろう」
エドワードは皆より一足先に昼ご飯を食べ終わると弁当を仕舞い立ち上がった。
「ああ、そうだ。クリュネ。ストラー。ヘレネ」
「「「なに?」」」
「今日は用事があるから、お前等先に帰ろよ」
「「ええええ~~~」」
クリュネとストラーは不満の声を上げた。
「どうして? 今日はわたし達が学校が終わる時間にお兄ちゃんの受ける授業が終わるから一緒に帰れると思ったのにっ」
「なに、エド兄。何処かの女生徒デートでも行くの? 可愛い妹を先に帰らせてっ」
何時もは帰りはすれ違いになるのに、今日は一緒に帰れると思っていたのに出来ないと言われたのでクリュネ達は豚の様に不満を垂れた。
「済まない。今日は遊戯部とは別に入りたい部の説明会があるから。帰りが遅くなるんだ。だから、一緒に帰る事が出来ないんだ」
エドワードは謝りながら一緒に帰れない理由を説明した。
ヘレネはそれを聞いて気になった顔をした。
「そう言えば、兄さんは遊戯部とは別に入りたい部があるって言っていたけど、どんな部に入るの?」
「ああ、そう言えば言ってなかったな」
ヘレネに言われて、言っていなかった事を思い出したエドワードは別段隠す事ではないと思った様で口を開いた。
「俺が入りたい部は騎乗部だ」
放課後。
今日受ける授業は全て終わり、エドワードは騎乗部の説明会が行われる場所に向かおうとしたが。
「何で、お前が付いて来るんだよ?」
エドワードは自分の左側に居るアルティナを見て目を細める。
「べつに~、あたしが説明会に行っても問題ないでしょう。あたしは、ジッとしているのが苦手な女なんだからっ。騎乗部に行っても、何も問題ないでしょう?」
所々、強調しながらアルティナは顔を背けながら昼時に言われた事を皮肉りだした。
「僻むな。お前には向いていないと言っただけだろう。別に入部しても良いだろう」
そのまま入部し続けるか、三日坊主で終わるかは本人次第だがなと思うエドワード。
「それにしても、あんたが。騎乗部ね。動物好きなのは知っていたけど、部には居る程好きだったとはね~」
「…………正確に言えば、知り合いから誘われているんだ。入る入らないにしても説明会には顔を出してと言われていてな」
「へぇ~、知り合いね。誰?」
「おふくろの縁で知り合ったんだよ」
「へぇ、ラトレダさんの…………んっ⁉ もしかして⁉」
「多分、お前が思っている同じ人だ」
エドワードがそう言うのを聞いてアルティナは思わず溜息を吐いた。
それから少し歩くと、騎乗部の説明会が行われる教室の前に着いた。
説明会を聞きに来た生徒達の列になっていた。
受付に生徒がおり、其処に名前を言えば入れる様になっている様だ。
エドワード達は列に並んだ。エドワード達の前に並んでいる者達が受付が終わり教室に入って行くので前へと進んでいく。
そうして、ようやくエドワード達の番になった。
受付の生徒がエドワード達と言うかエドワードの姿を見るなりギョッとした。
「これはこれは、どうぞ。こちらへ」
受付の生徒が立ち上がり、騎乗部の説明会が行われる教室とは別の所に案内しだした。
エドワード達は互いの顔を見てどういう事だと思ったが、何か有るのだろうと思いその生徒の後を追いかけた。
そうして追い駆けていると、説明会が行われる教室から少し離れた教室の前まで案内された。
案内をしてくれた生徒が教室の扉を叩く。
「お連れしました」
『そう。入りなさい』
ドア越しに聞こえるのは艶がある声であった。
その声を聞いて生徒はドアを開けて、手でエドワード達に入る様に促した。
エドワード達は案内してくれた生徒に一礼して教室に入った。
入ったエドワード達は室内を見回して驚いた。
部屋に入ると、まず目に付いたのが背もたれと肘置きなどが付けられた座椅子があった。
横に三人並んで座る事が出来る位に幅があり、背もたれもその幅に合わせて広かった。
その座椅子にはエドワードと同じ位の身長の女性が居た。
漆黒色の尻まで伸ばしたロングヘア。
吊り上がった目に碧の瞳。整った気品がある顔立ち。
手足が細く長く胸と尻がデカかった。
エドワード達はその女性の前まで来て拝跪した。
「お久しぶりです。カサンドラ第二皇女殿下」
「元気そうね。エド」
拝跪しながら挨拶するエドワードに座椅子に座っている女性ことカサンドラは笑みを浮かべつつ挨拶する。
このカサンドラのフルネームはカサンドラ=アルカディアと言い、アルカディア皇国の次期王位継承権第二位にして第一皇女アイギナの異母姉妹であった。
「ええ~、あたしが居ない時にそんな話をしたのっ⁉」
エドワードは昨日アイギナと昼食を食べた場所で、昼ご飯を食べながらアルティナに昨日話した事を話した。
「ああ、その話を来た時は驚いたぜ」
エドワードは持たされた弁当を食べながら昨日の事を思い返す。
その顔を見るにアイギナに部活を誘われるとは思わなかった様だ。
「むぅ~、あたしも行けばよかった~」
話を聞いたアルティナはむくれだした。
「まぁまぁ、ティナが入りたいと言ったら姫様も快く入部させてくれるよ」
シモンファルトがアルティナを宥める様に言うが、アルティナはむくれたままであった。
「ティナが遊戯部か……向いていない気がするな」
「……うむ」
オスカーがアルティナの部活をしているのを想像したのか苦笑いする。
ランドルフは少し考えてみて、その通りだと思い頷く。
「何でよっ‼」
二人の発言が聞き捨てられないのか、大きな声を上げるアルティナ。
その疑問にはオスカーでもランドルフでも無く、エドワードが答えた。
「だって、お前ジッとしているの苦手だろう?」
「うぐっ」
エドワードの指摘にアルティナは言葉を詰まらせた。
活発な性格のアルティナ。
学業の成績こそ悪くはないが、勉強するよりも身体を動かす事が好きな為、ジッとしているのを苦手としていた。
なので、遊戯部には向いていないと幼馴染達は断言した。
「まぁ、人には向き不向きがあるからね」
「ティナは身体を動かすのが好きだからね~」
「そうだな」
「言えてるな。こいつの場合、ボードゲームをする姿は想像できないが、野原で走り回っている姿は容易に想像できるからな」
「く、くうう~~~~」
幼馴染達のキツイ口撃にアルティナは悔しがる事しか出来なかった。
クリュネ達はそんなアルティナを見て笑いをこらえていた。
ヘレネだけは黙々と弁当を食べていた。
ちなみに、この場に居るエドワードの幼馴染の中で一番学業の成績が悪いのはアルティナであった。一番をエドワード、オスカーと来て同率でランドルフとシモンファルトという成績順だ。
「まぁ、無理して入らなくても良いと思うぞ。お前は自分が選んだ部に入れば良いだろう」
エドワードは皆より一足先に昼ご飯を食べ終わると弁当を仕舞い立ち上がった。
「ああ、そうだ。クリュネ。ストラー。ヘレネ」
「「「なに?」」」
「今日は用事があるから、お前等先に帰ろよ」
「「ええええ~~~」」
クリュネとストラーは不満の声を上げた。
「どうして? 今日はわたし達が学校が終わる時間にお兄ちゃんの受ける授業が終わるから一緒に帰れると思ったのにっ」
「なに、エド兄。何処かの女生徒デートでも行くの? 可愛い妹を先に帰らせてっ」
何時もは帰りはすれ違いになるのに、今日は一緒に帰れると思っていたのに出来ないと言われたのでクリュネ達は豚の様に不満を垂れた。
「済まない。今日は遊戯部とは別に入りたい部の説明会があるから。帰りが遅くなるんだ。だから、一緒に帰る事が出来ないんだ」
エドワードは謝りながら一緒に帰れない理由を説明した。
ヘレネはそれを聞いて気になった顔をした。
「そう言えば、兄さんは遊戯部とは別に入りたい部があるって言っていたけど、どんな部に入るの?」
「ああ、そう言えば言ってなかったな」
ヘレネに言われて、言っていなかった事を思い出したエドワードは別段隠す事ではないと思った様で口を開いた。
「俺が入りたい部は騎乗部だ」
放課後。
今日受ける授業は全て終わり、エドワードは騎乗部の説明会が行われる場所に向かおうとしたが。
「何で、お前が付いて来るんだよ?」
エドワードは自分の左側に居るアルティナを見て目を細める。
「べつに~、あたしが説明会に行っても問題ないでしょう。あたしは、ジッとしているのが苦手な女なんだからっ。騎乗部に行っても、何も問題ないでしょう?」
所々、強調しながらアルティナは顔を背けながら昼時に言われた事を皮肉りだした。
「僻むな。お前には向いていないと言っただけだろう。別に入部しても良いだろう」
そのまま入部し続けるか、三日坊主で終わるかは本人次第だがなと思うエドワード。
「それにしても、あんたが。騎乗部ね。動物好きなのは知っていたけど、部には居る程好きだったとはね~」
「…………正確に言えば、知り合いから誘われているんだ。入る入らないにしても説明会には顔を出してと言われていてな」
「へぇ~、知り合いね。誰?」
「おふくろの縁で知り合ったんだよ」
「へぇ、ラトレダさんの…………んっ⁉ もしかして⁉」
「多分、お前が思っている同じ人だ」
エドワードがそう言うのを聞いてアルティナは思わず溜息を吐いた。
それから少し歩くと、騎乗部の説明会が行われる教室の前に着いた。
説明会を聞きに来た生徒達の列になっていた。
受付に生徒がおり、其処に名前を言えば入れる様になっている様だ。
エドワード達は列に並んだ。エドワード達の前に並んでいる者達が受付が終わり教室に入って行くので前へと進んでいく。
そうして、ようやくエドワード達の番になった。
受付の生徒がエドワード達と言うかエドワードの姿を見るなりギョッとした。
「これはこれは、どうぞ。こちらへ」
受付の生徒が立ち上がり、騎乗部の説明会が行われる教室とは別の所に案内しだした。
エドワード達は互いの顔を見てどういう事だと思ったが、何か有るのだろうと思いその生徒の後を追いかけた。
そうして追い駆けていると、説明会が行われる教室から少し離れた教室の前まで案内された。
案内をしてくれた生徒が教室の扉を叩く。
「お連れしました」
『そう。入りなさい』
ドア越しに聞こえるのは艶がある声であった。
その声を聞いて生徒はドアを開けて、手でエドワード達に入る様に促した。
エドワード達は案内してくれた生徒に一礼して教室に入った。
入ったエドワード達は室内を見回して驚いた。
部屋に入ると、まず目に付いたのが背もたれと肘置きなどが付けられた座椅子があった。
横に三人並んで座る事が出来る位に幅があり、背もたれもその幅に合わせて広かった。
その座椅子にはエドワードと同じ位の身長の女性が居た。
漆黒色の尻まで伸ばしたロングヘア。
吊り上がった目に碧の瞳。整った気品がある顔立ち。
手足が細く長く胸と尻がデカかった。
エドワード達はその女性の前まで来て拝跪した。
「お久しぶりです。カサンドラ第二皇女殿下」
「元気そうね。エド」
拝跪しながら挨拶するエドワードに座椅子に座っている女性ことカサンドラは笑みを浮かべつつ挨拶する。
このカサンドラのフルネームはカサンドラ=アルカディアと言い、アルカディア皇国の次期王位継承権第二位にして第一皇女アイギナの異母姉妹であった。
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