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第12話
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ジジェルに着くと、襲撃から生き残った商船の乗組員が奴隷市場へ運ばれるのを見送りながら、狂介はオルチと銃を撃つ事が出来る者と共に浜辺へと向かった。
「どうして、浜辺に行くんだ?」
狂介の疑問にオルチが答えた。
「デカい音を出すからな。周囲の者達に迷惑を掛けない為だ」
オルチの説明を聞き、狂介は銃の事が良く分からなくなった。
(デカい音を出して火が付いて、弾を撃ちだす? う~ん。全く分からないな)
とりあえず、見れば分かると思い狂介は考えるのを止めた。
そして、三人は浜辺に着いた。
部下が準備として、浜辺に流れ着いた適当な大きさの流木を立てた。
それが終わると、銃を撃つ準備を始めた。
まず、黒い粉を筒の中に入れた。
「あれは?」
「火が付く薬だ。火薬と言うのだ。作り方も知っている奴がいるから、後で紹介してやる」
黒い粉が何なのか訊ねる狂介。
オルチはそれが何なんか教えながら、製法を知っている者も紹介してくれると言うのを聞いた狂介は思わずオルチの顔を見た。
「良いのか?」
「お前も職人だからな。作り方を知っていても問題ないだろう。それにこの火薬の作り方を知れば、大砲の撃ち方も分かるからな。教えても問題ない」
火薬の作り方を教える理由を聞いて狂介は成程なと思いながら頷いた。
海賊船に乗る事もある狂介も大砲の撃ち方を知っ問題ない。その上、火薬の作り方を知っていれば、火薬が必要な時に造って貰えれば、火薬の心配が無くなる。
教える理由を聞いている間も、部下は銃を撃つ準備をしていた。
既に撃ちだす弾は詰め込んだ様で、火打石で縄に火を付けている所であった。
何度か火打石同士をぶつけて火花を散らせた。
そうして、何度も石同士をぶつけ合った火花により、ようやく縄に火が付いた。
留め金に火が付いた縄を取り付けると、その部下は銃の狙いをつける。
引き金を引くと、同時に火縄が付いた留め金が動いた。
木の柄に付いている皿に落ちた。
すると、乾いた音が火花と共に立てた。同時に立てた流木に何かが当たり、窪みが出来ていた。
轟音が狂介の耳を襲った。その大きさに顔を顰めた。
「……結構大きい音を立てるな」
「まぁ、これだけの音を立てるから、人通りが多い所では出来んのだ。そして、流木を見ろ」
オルチに言われて、流木を見た狂介。
「あれが、銃の使い方だ」
「成程。あれが……」
銃の使い方を見た狂介は頷きながら考えた。
(火薬の作り方を教えて貰えるから良いとして、あの留め金を動かす機構はどうやって動くのか調べてみるか)
貰った後で少し解体して機構を調べようと思う狂介。
「これをどう使うかはお前次第だ。折角手に入れたのだ。上手く使うのだぞ」
「分かったよ。親父。それとありがとな」
部下から銃を受け取った狂介はオルチが好きに使えと言うので、狂介は銃をくれた事に感謝を述べた。
銃を受け取った狂介は家に戻ると、工房で銃を解体しながらその機構を調べ上げた。
「…………う~む。こうなっているのか」
銃を解体した事で、どの様な機構なのか分かった狂介。
「この金の部分を引くと、縄を付ける留め金が動くのか」
機構がどのように動くのか分かった狂介は笑みを浮かべた。
「動く機構が分かれば改良できるし、量産も出来るな」
そうと分かれば狂介は笑っていた。
今まで知る事が出来なかった物に触れる事と、それを自分の手で作る事が出来るという喜びに笑っていた。
その笑い声が家にいる使用人達の耳まで届くので、使用人達は何事かと思い怖がり出した。
暫くすると、笑い声が治まると、今度は鉄を打つ音が聞こえて来た。
その音で狂介が何か製造するのだと分かった使用人達はとりあえず今は工房に近付くのは止めた。
翌日。
狂介は工房にある椅子に座ったまま眠っていた。
金床には、長さがバラバラの銃の筒の部分と引き金の機構が幾つも出来ていた。
「どうして、浜辺に行くんだ?」
狂介の疑問にオルチが答えた。
「デカい音を出すからな。周囲の者達に迷惑を掛けない為だ」
オルチの説明を聞き、狂介は銃の事が良く分からなくなった。
(デカい音を出して火が付いて、弾を撃ちだす? う~ん。全く分からないな)
とりあえず、見れば分かると思い狂介は考えるのを止めた。
そして、三人は浜辺に着いた。
部下が準備として、浜辺に流れ着いた適当な大きさの流木を立てた。
それが終わると、銃を撃つ準備を始めた。
まず、黒い粉を筒の中に入れた。
「あれは?」
「火が付く薬だ。火薬と言うのだ。作り方も知っている奴がいるから、後で紹介してやる」
黒い粉が何なのか訊ねる狂介。
オルチはそれが何なんか教えながら、製法を知っている者も紹介してくれると言うのを聞いた狂介は思わずオルチの顔を見た。
「良いのか?」
「お前も職人だからな。作り方を知っていても問題ないだろう。それにこの火薬の作り方を知れば、大砲の撃ち方も分かるからな。教えても問題ない」
火薬の作り方を教える理由を聞いて狂介は成程なと思いながら頷いた。
海賊船に乗る事もある狂介も大砲の撃ち方を知っ問題ない。その上、火薬の作り方を知っていれば、火薬が必要な時に造って貰えれば、火薬の心配が無くなる。
教える理由を聞いている間も、部下は銃を撃つ準備をしていた。
既に撃ちだす弾は詰め込んだ様で、火打石で縄に火を付けている所であった。
何度か火打石同士をぶつけて火花を散らせた。
そうして、何度も石同士をぶつけ合った火花により、ようやく縄に火が付いた。
留め金に火が付いた縄を取り付けると、その部下は銃の狙いをつける。
引き金を引くと、同時に火縄が付いた留め金が動いた。
木の柄に付いている皿に落ちた。
すると、乾いた音が火花と共に立てた。同時に立てた流木に何かが当たり、窪みが出来ていた。
轟音が狂介の耳を襲った。その大きさに顔を顰めた。
「……結構大きい音を立てるな」
「まぁ、これだけの音を立てるから、人通りが多い所では出来んのだ。そして、流木を見ろ」
オルチに言われて、流木を見た狂介。
「あれが、銃の使い方だ」
「成程。あれが……」
銃の使い方を見た狂介は頷きながら考えた。
(火薬の作り方を教えて貰えるから良いとして、あの留め金を動かす機構はどうやって動くのか調べてみるか)
貰った後で少し解体して機構を調べようと思う狂介。
「これをどう使うかはお前次第だ。折角手に入れたのだ。上手く使うのだぞ」
「分かったよ。親父。それとありがとな」
部下から銃を受け取った狂介はオルチが好きに使えと言うので、狂介は銃をくれた事に感謝を述べた。
銃を受け取った狂介は家に戻ると、工房で銃を解体しながらその機構を調べ上げた。
「…………う~む。こうなっているのか」
銃を解体した事で、どの様な機構なのか分かった狂介。
「この金の部分を引くと、縄を付ける留め金が動くのか」
機構がどのように動くのか分かった狂介は笑みを浮かべた。
「動く機構が分かれば改良できるし、量産も出来るな」
そうと分かれば狂介は笑っていた。
今まで知る事が出来なかった物に触れる事と、それを自分の手で作る事が出来るという喜びに笑っていた。
その笑い声が家にいる使用人達の耳まで届くので、使用人達は何事かと思い怖がり出した。
暫くすると、笑い声が治まると、今度は鉄を打つ音が聞こえて来た。
その音で狂介が何か製造するのだと分かった使用人達はとりあえず今は工房に近付くのは止めた。
翌日。
狂介は工房にある椅子に座ったまま眠っていた。
金床には、長さがバラバラの銃の筒の部分と引き金の機構が幾つも出来ていた。
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