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第13話
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それから暫くすると、狂介はオルチの海賊船に乗っていた。
製作した銃の使い心地を確かめる為だ。
既に製作した銃の試射している。なので、暴発の心配はなかった。
船に乗り込んでまで使うのは、その使い心地を確かめる為であった。
「キョウよ。本当に使えるのか?」
オルチは狂介が持っている銃を見ながら疑問を発した。
見せただけで、銃の銃身を造る事が出来た狂介の技術には驚くべき事であった。
陸地ではかなり使えるかも知れないが、潮流により揺れる船の上で狙い撃つなど難しいと言えた。
銃を撃つ事が出来る部下も陸地では簡単でも、揺れる船上で狙うのが困難と言っていた。
オルチが心配そうに訊ねて来るので、狂介は笑った。
「大丈夫。陸地に居る時に試し打ちしたから、コツが分かっている」
狂介がそう言って、銃の撃つ準備を整えた。
火薬と弾を筒の奥ヘと詰め込み、縄に火を付ける。
撃つ準備を整えると、狂介は飛んでいる鳥に狙いを付ける。
「・・・・・・・っ!」
呼吸を整えて、気を静めて筒に付けられている前目当(照星)と後目当(照門)を使い銃を目標に合わせていく。
そして、狙いが着くと目標に向けて引き金を引いた。
火縄が付いた留め金が動き皿に落ちた。
パン!
という乾いた音が火花と共に立った。
だが、狙いがずれたのか目標としている鳥に当たる事も掠る事も無かった。
「……外れたな」
「ああ、もう少し狙いをずらせばいいのかな」
狂介は弾を外した事に気負う事なく、次弾を装填する準備に取り掛かった。
先程と同じく弾と火薬を筒の中に入れて、鳥に狙いをつける。
十分に狙いをつけた狂介は引き金を引いた。
また、銃声を響かせた。
一度撃った事で感覚で掴んだのか、放たれた銃弾は鳥の翼を掠めた。
翼に何かあたった事で鳥は鳴き声をあげて、翼をはためかせて何処かへと飛び去って行った。
「……良し。これでコツを掴めた」
狂介は銃弾が鳥の翼を掠めた事で、何か掴んだ様で拳を握った。
オルチはと言うと、銃弾が鳥の翼を掠めたのを見て目を丸くしていた。
(揺れる船で鳥に当てるなど、よくそんな難しい事が出来るものだ)
狂介の銃の腕前の凄さにオルチは舌を巻いている様であった。
試射が終わったので狂介は銃の手入れを行っていると、其処にマストに取り付けられている見張り台に居る者が大声を上げた。
「前方に船っ」
見張り台からの報告を聞いたオルチは大きな声で訊ね返した。
「旗は⁉」
「ポルトガルの国旗を掲げていますっ」
「異教徒か。良し、お前等、仕事だ。攻撃の準備をしろっ」
オルチがそう命じると部下達は戦闘の準備に取り掛かった。
「親父。俺も手伝ってもいいか」
「うん? ああ、銃を使うのか?」
狂介が銃を持って訊ねるので、オルチは直ぐにその意図を察して訊ね返した。
「ああ、船に乗ると思って、もう一丁の銃も用意してある」
狂介はそう言って、自分の側に置いていた銃を指差した。
布で包まれているが、その長さは狂介が持っている銃よりも長かった。
「今度は当てる事が出来るのか?」
「船の揺れる事で出来る狙いの誤差がどれくらいなのか分かったから大丈夫だ」
狂介が胸を叩き自信満々に言う。
「……好きにしろ」
オルチは本当に当たるのかどうか興味を持ち、狂介の好きにさせた。
「分かったぜ。親父」
オルチから言質を取った狂介は準備に取り掛かった。
製作した銃の使い心地を確かめる為だ。
既に製作した銃の試射している。なので、暴発の心配はなかった。
船に乗り込んでまで使うのは、その使い心地を確かめる為であった。
「キョウよ。本当に使えるのか?」
オルチは狂介が持っている銃を見ながら疑問を発した。
見せただけで、銃の銃身を造る事が出来た狂介の技術には驚くべき事であった。
陸地ではかなり使えるかも知れないが、潮流により揺れる船の上で狙い撃つなど難しいと言えた。
銃を撃つ事が出来る部下も陸地では簡単でも、揺れる船上で狙うのが困難と言っていた。
オルチが心配そうに訊ねて来るので、狂介は笑った。
「大丈夫。陸地に居る時に試し打ちしたから、コツが分かっている」
狂介がそう言って、銃の撃つ準備を整えた。
火薬と弾を筒の奥ヘと詰め込み、縄に火を付ける。
撃つ準備を整えると、狂介は飛んでいる鳥に狙いを付ける。
「・・・・・・・っ!」
呼吸を整えて、気を静めて筒に付けられている前目当(照星)と後目当(照門)を使い銃を目標に合わせていく。
そして、狙いが着くと目標に向けて引き金を引いた。
火縄が付いた留め金が動き皿に落ちた。
パン!
という乾いた音が火花と共に立った。
だが、狙いがずれたのか目標としている鳥に当たる事も掠る事も無かった。
「……外れたな」
「ああ、もう少し狙いをずらせばいいのかな」
狂介は弾を外した事に気負う事なく、次弾を装填する準備に取り掛かった。
先程と同じく弾と火薬を筒の中に入れて、鳥に狙いをつける。
十分に狙いをつけた狂介は引き金を引いた。
また、銃声を響かせた。
一度撃った事で感覚で掴んだのか、放たれた銃弾は鳥の翼を掠めた。
翼に何かあたった事で鳥は鳴き声をあげて、翼をはためかせて何処かへと飛び去って行った。
「……良し。これでコツを掴めた」
狂介は銃弾が鳥の翼を掠めた事で、何か掴んだ様で拳を握った。
オルチはと言うと、銃弾が鳥の翼を掠めたのを見て目を丸くしていた。
(揺れる船で鳥に当てるなど、よくそんな難しい事が出来るものだ)
狂介の銃の腕前の凄さにオルチは舌を巻いている様であった。
試射が終わったので狂介は銃の手入れを行っていると、其処にマストに取り付けられている見張り台に居る者が大声を上げた。
「前方に船っ」
見張り台からの報告を聞いたオルチは大きな声で訊ね返した。
「旗は⁉」
「ポルトガルの国旗を掲げていますっ」
「異教徒か。良し、お前等、仕事だ。攻撃の準備をしろっ」
オルチがそう命じると部下達は戦闘の準備に取り掛かった。
「親父。俺も手伝ってもいいか」
「うん? ああ、銃を使うのか?」
狂介が銃を持って訊ねるので、オルチは直ぐにその意図を察して訊ね返した。
「ああ、船に乗ると思って、もう一丁の銃も用意してある」
狂介はそう言って、自分の側に置いていた銃を指差した。
布で包まれているが、その長さは狂介が持っている銃よりも長かった。
「今度は当てる事が出来るのか?」
「船の揺れる事で出来る狙いの誤差がどれくらいなのか分かったから大丈夫だ」
狂介が胸を叩き自信満々に言う。
「……好きにしろ」
オルチは本当に当たるのかどうか興味を持ち、狂介の好きにさせた。
「分かったぜ。親父」
オルチから言質を取った狂介は準備に取り掛かった。
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