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第24話
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反乱が鎮圧されてから暫くすると、アルジェ近海にスペイン国籍の艦が良く見られるようになったという報告が御誑された。
その報告を聞いたオルチはスペインの艦隊が来たなと察した。
報告に上がっている艦は恐らく偵察で来た船だろうと思いながら、オルチは至急フズールを含めた幹部を招集した。
会議の結果、すぐさま艦隊を派遣し敵の艦隊を撃破するという事に決まった。
話が纏まると、オルチはフズールと共に艦隊を率いてスペイン艦隊を撃破に向かった。
ハサンは都市に残るように命じられた。
自分用に用意されている家でソワソワしながら、報告を待っていた。
七千の兵が乗り込む艦隊を相手にすると聞けば誰でも心配するだろう。
心配のあまり、何をするにも手に着かず部屋の中をウロウロするハサン。
(……そろそろ連絡が来ても良い頃だが)
港を出陣したオルチ達が勝ったにしろ負けたにしろ、報告が着ても良い頃であった。
報告が送る事が出来ない程の激戦を繰り広げているのか、それとも大敗北となったのか。
出来れば、前者であってくれと祈りながらハサンは連絡が来るのを待った。
その数時間後。
ハサンの元にオルチから送られてきた使者がやって来た。
アルジェを守っているオルチの部下達もその場に同席していた。
「それで、親父達はどうなった?」
内心、どんな報告が齎されるのかドキドキしながら訊ねるハサン。
顏にこそ出さないが内心ではかなり動揺していた。部下達も同じ気持ちなのかドキドキしているのが見て分かった。そんなハサン達の気持ちなど知らない使者は開口した。
「オルチの親爺たちは……」
使者は一度区切った。
ハサンは唾を飲み込み、次の言葉をしっかりと聞く為傾聴した。
「完勝です。スペイン軍の艦隊を撃退する事に成功しましたっ」
使者の口から出た勝利報告に、ハサンを含めた皆は歓声をあげた。
それから、数日後。
オルチ達は大量の捕虜と戦利品と共に港へ帰還して来た。
流石に無傷での勝利とは行かなかった様で、何隻かの船は撃沈され、多くの船が損傷していた。
オルチの姿が見せると、歓声があがった。
その歓声に合わせてオルチは両手を掲げて勝利を喜んでいた。
喜ぶオルチを見てハサンは嬉しく思いながら手を振った。
艦隊戦で勝利した十数日後。
オルチはスペインの艦隊を撃退した勢いに乗ってか、軍勢を整えると内陸へと進軍した。
スペインの艦隊を撃破したという噂は広まっているからか、各地の有力者は降伏を選んだ。
それにより、多くの土地がオルチの支配下に入った。
その報告を聞いたオルチはスペインの艦隊が来たなと察した。
報告に上がっている艦は恐らく偵察で来た船だろうと思いながら、オルチは至急フズールを含めた幹部を招集した。
会議の結果、すぐさま艦隊を派遣し敵の艦隊を撃破するという事に決まった。
話が纏まると、オルチはフズールと共に艦隊を率いてスペイン艦隊を撃破に向かった。
ハサンは都市に残るように命じられた。
自分用に用意されている家でソワソワしながら、報告を待っていた。
七千の兵が乗り込む艦隊を相手にすると聞けば誰でも心配するだろう。
心配のあまり、何をするにも手に着かず部屋の中をウロウロするハサン。
(……そろそろ連絡が来ても良い頃だが)
港を出陣したオルチ達が勝ったにしろ負けたにしろ、報告が着ても良い頃であった。
報告が送る事が出来ない程の激戦を繰り広げているのか、それとも大敗北となったのか。
出来れば、前者であってくれと祈りながらハサンは連絡が来るのを待った。
その数時間後。
ハサンの元にオルチから送られてきた使者がやって来た。
アルジェを守っているオルチの部下達もその場に同席していた。
「それで、親父達はどうなった?」
内心、どんな報告が齎されるのかドキドキしながら訊ねるハサン。
顏にこそ出さないが内心ではかなり動揺していた。部下達も同じ気持ちなのかドキドキしているのが見て分かった。そんなハサン達の気持ちなど知らない使者は開口した。
「オルチの親爺たちは……」
使者は一度区切った。
ハサンは唾を飲み込み、次の言葉をしっかりと聞く為傾聴した。
「完勝です。スペイン軍の艦隊を撃退する事に成功しましたっ」
使者の口から出た勝利報告に、ハサンを含めた皆は歓声をあげた。
それから、数日後。
オルチ達は大量の捕虜と戦利品と共に港へ帰還して来た。
流石に無傷での勝利とは行かなかった様で、何隻かの船は撃沈され、多くの船が損傷していた。
オルチの姿が見せると、歓声があがった。
その歓声に合わせてオルチは両手を掲げて勝利を喜んでいた。
喜ぶオルチを見てハサンは嬉しく思いながら手を振った。
艦隊戦で勝利した十数日後。
オルチはスペインの艦隊を撃退した勢いに乗ってか、軍勢を整えると内陸へと進軍した。
スペインの艦隊を撃破したという噂は広まっているからか、各地の有力者は降伏を選んだ。
それにより、多くの土地がオルチの支配下に入った。
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