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第1章『聖霊樹の巫女』
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「マスター、話にあったお二人を連れてきたのですが、入ってよろしいですか?」
俺とリーフィア、エミリオとセレンさん。
それにリサ先生とロンド先生、ギルドの受付をしていた人の七人の大所帯がやってきたのはギルドマスターの私室前だった。
一応リサ先生がギルドの受付で説明をして、その上でギルド内部で話が通り、そしてここまでやってくるという手順が踏まれている。
なお、その間にリサ先生はその待ち時間を使って他の受講者の冒険者登録手続きも行っていた。
なんとも忙しい人だが、俺たちの事は俺たちの事情であって、他の受講者を待たせるのは忍びないのでここはリサ先生に頑張ってもらおう。
もうちょっとロンド先生が使い物になってくれていれば、彼女の負担も減るだろうに……リサ先生は苦労人だなぁ。
まぁ、そんな色々があって俺たちは今ここにいるのだ。
ちなみに俺とエミリオ、セレンさんの三人の冒険者登録はまだ終わっていなかったりする。
今回の当事者だし、すべての報告が済んでからという事になったようだ。
「うむ、構わんぞい。入るがええ」
中から声が聞こえてくる。
きっとギルドマスターなんだろう。
「失礼します」
受付の人が扉を開けて、俺達を中に案内する。
そして全員が入ったのを確認すると、受付の人は「それでは私はこれで…」と、この場を後にした。
そして俺たち六人はギルドマスターと向かい合う。
重厚な机の向こうで、立派そうな椅子に座っていたのは……恰幅のよい好々爺然とした老人だった。
どんな強面がいるのだろうかと身構えていたが、ずいぶん拍子抜けである。
頭髪は禿げ上がっており、豊かな髭をもっさりとはやしている。
赤色のスーツに、白いファーのようなものを首元に巻いていた。
「よう来てくれたのう。わしはこの冒険者ギルド本部の総括ギルドマスターである、サンザ=ロートスというものじゃ」
彼の名乗りを聞いて、俺が真っ先に思ったことは『惜しい』だった。
サンタクロースじゃねぇか!
そんな心の中の激しい突っ込みも、こんな異世界の地では誰にも理解されないのだろうから必死に飲み込むしかない。
おおお、突っ込みたい。
「『まほろばの剣』所属、一応リーダーをやってるロンド=ファレンクスだ」
「その補佐のリサ=クライムよ。早速だけど、話はどの程度聞いているのかしら?」
「うむ……そなた達が新人の教官をしており、その際に使った初心者用のダンジョン……正式名称『新緑の洞穴』でそちらの新人カイト=インディナルが未踏破区域を発見し、そこでそちらの謎の少女リーフィアと邂逅、突如襲ってきたバウンドウルフ四体と戦闘となりこれを撃退、帰還の魔法陣により無事に戻ってきた、と。このような所かのう?」
ギルドマスターの説明は実に簡潔にまとめられていた。
まさに彼が言う通りの事が起きているわけだが……問題はそこまで話が行ってるなら、俺が話べきことなんて何かあるんだろうか?
「あのダンジョン『新緑の洞穴』じゃがのう。そなたらなら知っていよう? 一階層は普通の洞穴状で分かれ道もなく、二階層目はほらあの奥の古代遺跡状になっており、後はボス部屋があるだけじゃ」
「ええ、私達もつい先ほどまで探索しておりましたゆえ間違いありません」
エミリオの言葉に、セレンさんもこくりと頷いた。
「ならば、なぜ『新緑』であるのか、じゃな。あのダンジョンが生まれた時、あのダンジョンの周囲には小さいながら森が存在していた。そのためそう名付けられたのだと……そう思っていたんじゃが。カイトよ。そなたの入った未探査区域はどのような場所じゃったかのう?」
「そうですね、一言でいうなら森でした」
俺はエミリオ達と別れてからの事を、事細かに説明し始めた。
もちろんバウンドウルフを倒したあたりの事はさらっと運よく倒せたように取り繕ってはみたが、それ以外はすべてありのままに説明する。
「ふむぅ………」
俺の説明を聞くとギルドマスターは一人考え込んでしまった。
何やら気になる所でもあるのかもしれない。
俺としてはあんまり大事に巻き込まれたくないし、できればこのまま開放してほしいんだが……リーフィアも最初は物珍しそうに部屋をきょろきょろ見回していたが、どうやら見るだけでは飽きてしまったようで棚の上に置いてあったお菓子の包みに目をつけると、その中身をむしゃむしゃ……って、おおぅい!?
「ちょ、リーフィア!何食べてんの!」
「美味しかった」
美味しかったですか、そうですか。自由ですね!?
「ほっほっほー、よいよい。何ならそなたらも食べてもよいのじゃぞ」
「は、はぁ。恐れ入ります?」
何と答えるべきかとっさに思いつかなかった俺は、なんだかよくわからない受け答えをしてしまった。
まぁ、なんというか……さすがは曲者ぞろいの冒険者ギルドの総括。
懐が深い……というべきか?
「さて、じゃあ最後にじゃがな。カイト=インディナルよ」
「はい、なんでしょう?」
「バウンドウルフ四体を軽々退けたというそなたの腕を、是非見せてはくれんかのう?」
「あ、いや、それはまぐれで……」
「まぐれじゃない、カイトは凄く強くて格好良かった」
俺の言葉にかぶせるように、リーフィアが否定した。
あのー、リーフィアさん。そこは内緒にしてほしかったというか……あ、別に口止めしてなかった。
これは完全に俺のミスか……
俺はギルドマスターからの、所属している冒険者の実力は正確に把握しておかなければならないという訴えに、さすがにここで隠し続けるのはよくないと判断し、彼からの実力試しの提案を受けざるを得なかった。
俺とリーフィア、エミリオとセレンさん。
それにリサ先生とロンド先生、ギルドの受付をしていた人の七人の大所帯がやってきたのはギルドマスターの私室前だった。
一応リサ先生がギルドの受付で説明をして、その上でギルド内部で話が通り、そしてここまでやってくるという手順が踏まれている。
なお、その間にリサ先生はその待ち時間を使って他の受講者の冒険者登録手続きも行っていた。
なんとも忙しい人だが、俺たちの事は俺たちの事情であって、他の受講者を待たせるのは忍びないのでここはリサ先生に頑張ってもらおう。
もうちょっとロンド先生が使い物になってくれていれば、彼女の負担も減るだろうに……リサ先生は苦労人だなぁ。
まぁ、そんな色々があって俺たちは今ここにいるのだ。
ちなみに俺とエミリオ、セレンさんの三人の冒険者登録はまだ終わっていなかったりする。
今回の当事者だし、すべての報告が済んでからという事になったようだ。
「うむ、構わんぞい。入るがええ」
中から声が聞こえてくる。
きっとギルドマスターなんだろう。
「失礼します」
受付の人が扉を開けて、俺達を中に案内する。
そして全員が入ったのを確認すると、受付の人は「それでは私はこれで…」と、この場を後にした。
そして俺たち六人はギルドマスターと向かい合う。
重厚な机の向こうで、立派そうな椅子に座っていたのは……恰幅のよい好々爺然とした老人だった。
どんな強面がいるのだろうかと身構えていたが、ずいぶん拍子抜けである。
頭髪は禿げ上がっており、豊かな髭をもっさりとはやしている。
赤色のスーツに、白いファーのようなものを首元に巻いていた。
「よう来てくれたのう。わしはこの冒険者ギルド本部の総括ギルドマスターである、サンザ=ロートスというものじゃ」
彼の名乗りを聞いて、俺が真っ先に思ったことは『惜しい』だった。
サンタクロースじゃねぇか!
そんな心の中の激しい突っ込みも、こんな異世界の地では誰にも理解されないのだろうから必死に飲み込むしかない。
おおお、突っ込みたい。
「『まほろばの剣』所属、一応リーダーをやってるロンド=ファレンクスだ」
「その補佐のリサ=クライムよ。早速だけど、話はどの程度聞いているのかしら?」
「うむ……そなた達が新人の教官をしており、その際に使った初心者用のダンジョン……正式名称『新緑の洞穴』でそちらの新人カイト=インディナルが未踏破区域を発見し、そこでそちらの謎の少女リーフィアと邂逅、突如襲ってきたバウンドウルフ四体と戦闘となりこれを撃退、帰還の魔法陣により無事に戻ってきた、と。このような所かのう?」
ギルドマスターの説明は実に簡潔にまとめられていた。
まさに彼が言う通りの事が起きているわけだが……問題はそこまで話が行ってるなら、俺が話べきことなんて何かあるんだろうか?
「あのダンジョン『新緑の洞穴』じゃがのう。そなたらなら知っていよう? 一階層は普通の洞穴状で分かれ道もなく、二階層目はほらあの奥の古代遺跡状になっており、後はボス部屋があるだけじゃ」
「ええ、私達もつい先ほどまで探索しておりましたゆえ間違いありません」
エミリオの言葉に、セレンさんもこくりと頷いた。
「ならば、なぜ『新緑』であるのか、じゃな。あのダンジョンが生まれた時、あのダンジョンの周囲には小さいながら森が存在していた。そのためそう名付けられたのだと……そう思っていたんじゃが。カイトよ。そなたの入った未探査区域はどのような場所じゃったかのう?」
「そうですね、一言でいうなら森でした」
俺はエミリオ達と別れてからの事を、事細かに説明し始めた。
もちろんバウンドウルフを倒したあたりの事はさらっと運よく倒せたように取り繕ってはみたが、それ以外はすべてありのままに説明する。
「ふむぅ………」
俺の説明を聞くとギルドマスターは一人考え込んでしまった。
何やら気になる所でもあるのかもしれない。
俺としてはあんまり大事に巻き込まれたくないし、できればこのまま開放してほしいんだが……リーフィアも最初は物珍しそうに部屋をきょろきょろ見回していたが、どうやら見るだけでは飽きてしまったようで棚の上に置いてあったお菓子の包みに目をつけると、その中身をむしゃむしゃ……って、おおぅい!?
「ちょ、リーフィア!何食べてんの!」
「美味しかった」
美味しかったですか、そうですか。自由ですね!?
「ほっほっほー、よいよい。何ならそなたらも食べてもよいのじゃぞ」
「は、はぁ。恐れ入ります?」
何と答えるべきかとっさに思いつかなかった俺は、なんだかよくわからない受け答えをしてしまった。
まぁ、なんというか……さすがは曲者ぞろいの冒険者ギルドの総括。
懐が深い……というべきか?
「さて、じゃあ最後にじゃがな。カイト=インディナルよ」
「はい、なんでしょう?」
「バウンドウルフ四体を軽々退けたというそなたの腕を、是非見せてはくれんかのう?」
「あ、いや、それはまぐれで……」
「まぐれじゃない、カイトは凄く強くて格好良かった」
俺の言葉にかぶせるように、リーフィアが否定した。
あのー、リーフィアさん。そこは内緒にしてほしかったというか……あ、別に口止めしてなかった。
これは完全に俺のミスか……
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