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第1章『聖霊樹の巫女』
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そう言えば今この国の国王は病床で臥せっていて、国務はレイオス王子が取り仕切っているんだって言ってたな。
「ベリオス……お前……」
「……ああ、そうさ。ただ少し生まれた年が違うだけで僕を認めようとしない父上などもう必要ない。今回の詐欺師の件は僕にとってとても都合がよかった。兄上の失態を表ざたにしつつ、オラスを通じて僕のやり方で聖霊樹を蘇らせれば、きっと民意も僕を支持する。後はこの件深くかかわったものの口を封じ、そして兄上を何らかの形で始末してしまえば……この国は僕の物だ」
理路整然と語るように見えるベリオスの瞳は、しかしどこか狂気をはらんでいるように見えた。
「まぁ、そういう事だ」
そして彼が語り終わるのを待っていたかのように、魔導士オラスがそう口にするとナイフをリーフィアの喉に!
「さて、月並みだがこの娘の命が惜しければ動かないことだな。わずかでも妙な真似をすれば、この娘の喉をかき切る」
「なっ!?てめえ、それじゃあこれ以上リーフィアを調べられなくなるぞ!」
「問題ない。死体からでも取れる情報はある。多少効率は落ちるだろうが、既に多少なりとも生きた状態でのデータは取らせてもらっている。大きな後れにはなるまいよ」
くそっ、ベリオス王子の語りに飲まれたのと痛みのせいでオラスの方への注意がそれていたのが、こんな事になるなんて……
本当に『経験』が足りないんだな俺は。
ここを逆転する方法……くそ、一つはあるが行けるか?
俺はここで英魂を付け替える。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
名前:カイト=インディナル 種族:人間
性別:男 年齢:十八 職業:輪廻士
レベル:78
HP:620/950 MP:740/930(+100)
STR:100 VIT:100 AGI:100
DEX:100 INT:100(+110) MIN:100(+20)
スキル:
ソウルリンク『氷雷の魔女イゼリア』『神官プロヴァンス』『魔法探偵シルキー』
アクティブ:『水/氷系魔術』『風/雷系魔術』『魔力誘導』『鈍器術』『神聖魔法』『祈り』『探査魔法』『博識なる瞳』『探偵宣言』
パッシブ:『弱点特攻』『成り上がり神官』『灰色の脳細胞』
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ニルヴィナ、オラスを頼む!クルセイド・バリア!」
オラスは俺が不穏な動きを見せたので、ためらうことなくリーフィアの喉にナイフを……
バチィッ!
しかしそのナイフは、俺が張った魔法障壁に弾かれる。
非常にピンポイントの場所だけしか守護できないが、非常に強力な障壁だ。
そのピンポイントな場所というのは術者の手のひらというのが通例だが……ここで有効ななのが『魔力誘導』だ。
この『魔力誘導』を使えば、術者の手のひらじゃなくても別の場所にバリアを発生させられるのだ。
ちなみに神官職のスキル構成では『魔力誘導』は取得できない為あまり知られていないテクニックだ。
こういう別種の職業スキルの組み合わせで、期待以上の効果を生み出すのも輪廻士の特徴なのだ。
オラスは術の特性を知っているようで……それでもバリアの出現位置には驚いた様子だったが……すぐさま別の場所、リーフィアの心臓に狙いを変えてナイフを振りかぶる。
くそっ、本当に殺す気か!
だが、その動作の間にニルヴィナはオラスに接敵していた。
正直ニルヴィナに頼むとは言ったが……まさか錬金術師が武器も持たずに接近するとは思わなかった。
彼女が持っているのは銀のトレイと兵士の兜……
「『即時錬成』!おりゃあぁぁぁっ!」
……が、錬金術師のスキルで一瞬にして融合し姿を変える。
彼女の手に握られているのは、打撃部分が銀でコーティングされたハンマーだった。
それほど大きなサイズではないが、あんなもので思い切り頭でも殴られればそれだけで人間にとっては致命傷だ。
いや、この世界にはHPがあるのだから、ひょっとすると弱点扱いで大ダメージになっても、そう簡単に即死とかにはならないのかもしれないが……
彼女のハンマーは見事にオラスの側頭部をとらえ、彼を横方向に殴り飛ばす。
殴り飛ばされたオラスはごろごろと転がり、ベリオスの側で倒れ伏した。
いや、死ぬだろ、あれ……
さっきの俺の想像が正しければ、HP次第では死なないのかもしれないが……とにかく俺はリーフィアの側まで再度走りよると、最後の錠を……あ、英魂付け替えで『開錠術』がない!
しまった……魔法威力を高めるために『魔法探偵シルキー』を残すんじゃなかった。
なにせ『氷雷の魔女イゼリア』は能力補正がなく、『神官プロヴァンス』はINT補正が十しかないのだ。
結界の防御力を完全にするためには、どうしても能力補正の高い『魔法探偵シルキー』に頼りたかったのだが……後悔しても仕方ない。
「エア・ブレイド!」
風の切断系魔法で鎖の方を切断する事にする。
さすがに鉄を一発で切断するほどの威力はないので、何度も同じ場所に魔法を叩き込み、五発目にしてようやく切断できた。
「くそっ、オラスの奴!」
「もう諦めるんだベリオス。肝心のオラスは倒れ、人質も奪還した。父上に毒を持ったのは許しがたいが、これ以上抵抗するなら……除爵で幽閉どころか、公開処刑も考えなければならない」
「う、うるさい!俺は王になるんだ!こんな所で、こんな所で終われるもんか!おい、起きろオラス!この役立たず!早くこいつらを全滅させ……!」
自分の側に倒れるオラスを蹴り起そうとするベリオスだが、その足は倒れたオラスの手によりがっしりと掴まれた。
そしてそのままオラスが立ち上がる。
片手にベリオス王子の足をつかんだまま。
「ひ、ひいぃぃ!」
「役立たずで悪いなクソガキが……ちょいと黙っててもらえますかねえ」
憎悪の込められた低い声でそう告げると、オラスはベリオスを壁に向かって投げ捨てた。
「げべっ!」
相当強く叩きつけられたのか、ベリオスはそのままずるずると床に崩れ落ちると気を失ってしまった。
「ちょっ、あんだけアタシが思い切りぶん殴ったってのに、なんてタフさで、なんてパワーだい……」
「オラス、君は一体……」
「くくく、丁度神輿も気を失ったことだ。本番は……ここからとさせてもらおうか!」
そういうオラスの体に変化が起きた。
肌の色は暗い蒼に、額には二本の角と背中からは蝙蝠の翼が……
『種族:魔族。遥かな昔、人間と世界の覇権を競った種族。聖霊樹の守護の元では力は大幅に封じられてしまう為に、人間種族の勝利に終わる。その後唯一安住を勝ち取った西の端の聖霊樹の元で魔都グリムバークにのみ見られる様になる。人との交流はほとんど無いが、今は人と争わない穏健派が魔族の大部分を占めており、魔都グリムバークから出る事はほぼないといわれる。ただし中には過激派に分類されるはぐれ魔族も確認されている』
『博識なる瞳』が俺に魔族についての情報を流し込んでくる。
つまりこいつは、過激派のはぐれ魔族という事なのか……?
だが、ここは聖霊樹の加護のお膝元だ。
こいつが魔族でも、人とそこまで大きく変わる能力は……
いや、ちょっと待て。
今この国の聖霊樹は……!
「オラス……!この国の聖霊樹をからした原因はアンタか!」
「それを知った所でどうする?どの道お前らは全員ここで死ぬんだからな!」
オラスの魔力が彼の全身から迸る。
圧を感じるほどの魔力が彼から放出されているのだ……これは、かなりまずい状況だ。
「ベリオス……お前……」
「……ああ、そうさ。ただ少し生まれた年が違うだけで僕を認めようとしない父上などもう必要ない。今回の詐欺師の件は僕にとってとても都合がよかった。兄上の失態を表ざたにしつつ、オラスを通じて僕のやり方で聖霊樹を蘇らせれば、きっと民意も僕を支持する。後はこの件深くかかわったものの口を封じ、そして兄上を何らかの形で始末してしまえば……この国は僕の物だ」
理路整然と語るように見えるベリオスの瞳は、しかしどこか狂気をはらんでいるように見えた。
「まぁ、そういう事だ」
そして彼が語り終わるのを待っていたかのように、魔導士オラスがそう口にするとナイフをリーフィアの喉に!
「さて、月並みだがこの娘の命が惜しければ動かないことだな。わずかでも妙な真似をすれば、この娘の喉をかき切る」
「なっ!?てめえ、それじゃあこれ以上リーフィアを調べられなくなるぞ!」
「問題ない。死体からでも取れる情報はある。多少効率は落ちるだろうが、既に多少なりとも生きた状態でのデータは取らせてもらっている。大きな後れにはなるまいよ」
くそっ、ベリオス王子の語りに飲まれたのと痛みのせいでオラスの方への注意がそれていたのが、こんな事になるなんて……
本当に『経験』が足りないんだな俺は。
ここを逆転する方法……くそ、一つはあるが行けるか?
俺はここで英魂を付け替える。
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名前:カイト=インディナル 種族:人間
性別:男 年齢:十八 職業:輪廻士
レベル:78
HP:620/950 MP:740/930(+100)
STR:100 VIT:100 AGI:100
DEX:100 INT:100(+110) MIN:100(+20)
スキル:
ソウルリンク『氷雷の魔女イゼリア』『神官プロヴァンス』『魔法探偵シルキー』
アクティブ:『水/氷系魔術』『風/雷系魔術』『魔力誘導』『鈍器術』『神聖魔法』『祈り』『探査魔法』『博識なる瞳』『探偵宣言』
パッシブ:『弱点特攻』『成り上がり神官』『灰色の脳細胞』
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「ニルヴィナ、オラスを頼む!クルセイド・バリア!」
オラスは俺が不穏な動きを見せたので、ためらうことなくリーフィアの喉にナイフを……
バチィッ!
しかしそのナイフは、俺が張った魔法障壁に弾かれる。
非常にピンポイントの場所だけしか守護できないが、非常に強力な障壁だ。
そのピンポイントな場所というのは術者の手のひらというのが通例だが……ここで有効ななのが『魔力誘導』だ。
この『魔力誘導』を使えば、術者の手のひらじゃなくても別の場所にバリアを発生させられるのだ。
ちなみに神官職のスキル構成では『魔力誘導』は取得できない為あまり知られていないテクニックだ。
こういう別種の職業スキルの組み合わせで、期待以上の効果を生み出すのも輪廻士の特徴なのだ。
オラスは術の特性を知っているようで……それでもバリアの出現位置には驚いた様子だったが……すぐさま別の場所、リーフィアの心臓に狙いを変えてナイフを振りかぶる。
くそっ、本当に殺す気か!
だが、その動作の間にニルヴィナはオラスに接敵していた。
正直ニルヴィナに頼むとは言ったが……まさか錬金術師が武器も持たずに接近するとは思わなかった。
彼女が持っているのは銀のトレイと兵士の兜……
「『即時錬成』!おりゃあぁぁぁっ!」
……が、錬金術師のスキルで一瞬にして融合し姿を変える。
彼女の手に握られているのは、打撃部分が銀でコーティングされたハンマーだった。
それほど大きなサイズではないが、あんなもので思い切り頭でも殴られればそれだけで人間にとっては致命傷だ。
いや、この世界にはHPがあるのだから、ひょっとすると弱点扱いで大ダメージになっても、そう簡単に即死とかにはならないのかもしれないが……
彼女のハンマーは見事にオラスの側頭部をとらえ、彼を横方向に殴り飛ばす。
殴り飛ばされたオラスはごろごろと転がり、ベリオスの側で倒れ伏した。
いや、死ぬだろ、あれ……
さっきの俺の想像が正しければ、HP次第では死なないのかもしれないが……とにかく俺はリーフィアの側まで再度走りよると、最後の錠を……あ、英魂付け替えで『開錠術』がない!
しまった……魔法威力を高めるために『魔法探偵シルキー』を残すんじゃなかった。
なにせ『氷雷の魔女イゼリア』は能力補正がなく、『神官プロヴァンス』はINT補正が十しかないのだ。
結界の防御力を完全にするためには、どうしても能力補正の高い『魔法探偵シルキー』に頼りたかったのだが……後悔しても仕方ない。
「エア・ブレイド!」
風の切断系魔法で鎖の方を切断する事にする。
さすがに鉄を一発で切断するほどの威力はないので、何度も同じ場所に魔法を叩き込み、五発目にしてようやく切断できた。
「くそっ、オラスの奴!」
「もう諦めるんだベリオス。肝心のオラスは倒れ、人質も奪還した。父上に毒を持ったのは許しがたいが、これ以上抵抗するなら……除爵で幽閉どころか、公開処刑も考えなければならない」
「う、うるさい!俺は王になるんだ!こんな所で、こんな所で終われるもんか!おい、起きろオラス!この役立たず!早くこいつらを全滅させ……!」
自分の側に倒れるオラスを蹴り起そうとするベリオスだが、その足は倒れたオラスの手によりがっしりと掴まれた。
そしてそのままオラスが立ち上がる。
片手にベリオス王子の足をつかんだまま。
「ひ、ひいぃぃ!」
「役立たずで悪いなクソガキが……ちょいと黙っててもらえますかねえ」
憎悪の込められた低い声でそう告げると、オラスはベリオスを壁に向かって投げ捨てた。
「げべっ!」
相当強く叩きつけられたのか、ベリオスはそのままずるずると床に崩れ落ちると気を失ってしまった。
「ちょっ、あんだけアタシが思い切りぶん殴ったってのに、なんてタフさで、なんてパワーだい……」
「オラス、君は一体……」
「くくく、丁度神輿も気を失ったことだ。本番は……ここからとさせてもらおうか!」
そういうオラスの体に変化が起きた。
肌の色は暗い蒼に、額には二本の角と背中からは蝙蝠の翼が……
『種族:魔族。遥かな昔、人間と世界の覇権を競った種族。聖霊樹の守護の元では力は大幅に封じられてしまう為に、人間種族の勝利に終わる。その後唯一安住を勝ち取った西の端の聖霊樹の元で魔都グリムバークにのみ見られる様になる。人との交流はほとんど無いが、今は人と争わない穏健派が魔族の大部分を占めており、魔都グリムバークから出る事はほぼないといわれる。ただし中には過激派に分類されるはぐれ魔族も確認されている』
『博識なる瞳』が俺に魔族についての情報を流し込んでくる。
つまりこいつは、過激派のはぐれ魔族という事なのか……?
だが、ここは聖霊樹の加護のお膝元だ。
こいつが魔族でも、人とそこまで大きく変わる能力は……
いや、ちょっと待て。
今この国の聖霊樹は……!
「オラス……!この国の聖霊樹をからした原因はアンタか!」
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