132 / 149
ばんざーい!
ある兵士の一日 5(アン)
しおりを挟む今日は、朝からいつもと違う訓練を、言い渡された。
魔導士の訓練など、あってないようなものが多い。
普段は自分の契約精霊と、魔法の訓練をしてり研究に勤しんだりしている。
稀に、基礎体力作りと騎士との連携を取るために、合同の訓練をしている。
今日がその合同訓練の日だった。
基本的に騎士との訓練は、見知った相手と組むことが多い。
何故なら、その方が戦場では連携が取れるからだ。
だが今回は、全くの初の相手と組み、愛し子様が作った場所での訓練になった。
正確には訓練と言えるのもかは、別として・・・。
そして、実際には訓練にはならない・・・と思う。
だって、攻撃も出来なければ、反撃のしようがない。
ひたすら逃げるだけ・・・ただ、恐怖と判断力を訓練する・・・と言ったことなら訓練と言えるかもしれない・・・?
・・・・ダメだ。考え方が騎士団寄りになってる。
私は魔導士なのよ?!魔法より技、知力より筋肉をモットーにしている、騎士団の考え方に染まりたくない!なのにこの状況が、魔法を使えず、攻撃も出来ないから、騎士団寄りになっていく!
第一、同じ魔導士団のアルは、早々に途中リタイアをしている。
情けないわ・・・。男でしょう?!
・・・・まぁ、男でもダメな人はダメらしいけど。
「じゃあ、今度は反対側を攻略っすね」
その騎士団のギドの言葉で私は、前を見据えた。
建物に入ってきて、二階に行くのが右側だけだったため、左から攻略したが、私達の目の前には『扉』と言った物が存在していない。
入って来た時は、いろいろ気付かなかったけど・・・・扉はあったような?気がする。
「ギド、確かこちら側は扉があったよな?」
「はい、確か・・・地図で確認もした後にこっち側を見た時は、扉があったと思うっす」
二人の会話を聞く限り、私の記憶は正しいらしい。
「ねぇ、扉の有無はどちらでもいいから、先に進まない?」
私の言葉に二人は無言で頷き、先に進む。
こちら側は反対と違って、通路に窓がない。
扉は、右側に四つ。
内、奥二つはトイレだ。
じゃぁ、手前二つは?
まず一つ目の扉を!リーダーがそっと開けて、中を確認する。
私とギドは背後と両サイドの警戒。
「二人とも、大丈夫だ。ここはロッカールームだ」
部屋の中に入れば確かにロッカールームだ。
だが、ロッカーの数が多すぎる・・・。
もし、もしもだが、この中に花が入ってるってなったら、一つずつ確認するの?
いやいや、手間でしょ?
「仕方がない・・・確認するか・・・」
ですよね(泣)
もうこうなれば自棄よ!!
で、結果。
「無かったっすね・・・」
疲れはてたギドの言葉に、私も頷くしかなかった。
だって、十列もあって一列二十。
これなら三人でやればまだなんとか・・・って思うでしょ?
違うのよ・・・一列が表と裏合わせになってんの・・・つまり、壁沿いを覗いて十八列。
全てで三百六十で、一人のノルマが百二十。
時間も掛かるのに、花がない・・・。
軽い嫌がらせだわーーーーー!!!
「無かったもの仕方がない・・・次に行こう」
その言葉になんとも言えない疲労を抱えつつ、廊下に再び出た。
次の扉も前回同様、リーダーが開く。
私達は周りの警戒。
「今度は、食堂か?」
何故かリーダーが疑問系。
なんで疑問系?
見たら理由がわかった。
何だか見たことのない材質で作られたテーブルと、椅子が並べてある。
ただ、そこに座っているのは、ゴブリンやオーガと言ったモンスターで、目の前のテーブルには、空の大皿があるのだ。
だけど、モンスターの手には、ナイフとフォークが握られている。
てか、ゴブリンとかオーガが、大人しく椅子に座って、ナイフとフォークを持ってることが異様過ぎるわ・・・。
そんな知能ないでしょ?!
そこに、奥から大きなフライパンが中をただよって来て、中の物が皿に移される。
一斉にモンスター達が色めき立つ。
そして、祈った・・・。
ん?祈った?
おいおい。モンスターが神に祈ってどーするの?!
昇天するわよ!?
だけど、次の瞬間に見た物に、言葉を失う。
だって・・・だって、皿の上に乗ってたのは、アル首なのだもの・・・。
0
あなたにおすすめの小説
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~
ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。
しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。
やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。
そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。
そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。
これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。
【本編完結】転生令嬢は自覚なしに無双する
ベル
ファンタジー
ふと目を開けると、私は7歳くらいの女の子の姿になっていた。
きらびやかな装飾が施された部屋に、ふかふかのベット。忠実な使用人に溺愛する両親と兄。
私は戸惑いながら鏡に映る顔に驚愕することになる。
この顔って、マルスティア伯爵令嬢の幼少期じゃない?
私さっきまで確か映画館にいたはずなんだけど、どうして見ていた映画の中の脇役になってしまっているの?!
映画化された漫画の物語の中に転生してしまった女の子が、実はとてつもない魔力を隠し持った裏ボスキャラであることを自覚しないまま、どんどん怪物を倒して無双していくお話。
設定はゆるいです
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛
タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】
田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる