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18歳になったよ!
食事を粗末にするの?
しおりを挟む皆さん、おはこんばんにちは!ルーチェさんだよ!
現在、目の前では熾烈な争いが繰り広げられています。
いや、私は当事者なんだけど…よくあるよね?本人そっちのけで争ってる人達。
で、最後の決めるところだけ聞かれるんだよ。
「いいではないですか!シリウス様」
「良くはない。第一、君はどうやってここまで来たんだ?ここは竜王の居室だ。勝手に来てもらっては困る」
「そんなっ‼食事を共にしたい…と願っただけです。それに皆様が動いて下さっただけです」
「そもそも、それが間違いだろう?君の部屋は迎賓塔のはずだが?ここに来られても、食事は用意出来ない」
「それならば、今から作ればよろしいではないですか。それぐらいなら、わたしも待てますわ」
「その時点で間違ってはいないか?私はルーチェフルールと共に取るつもりであって、他は呼んでいない」
「ならば、わたしも今から一緒すれば問題ありませんでしょう?」
「それがよくないと言っている」
「なぜですか?!今までわたしのお話は、聞いて下さっていたじゃありませんか!」
「状況が変わったのだ。君もいつまで子供の様な事を言っているんだ」
……そう、こんな感じが平行線でずーーーっと言い合ってる。
ことの始まりは、数十分前。
いつもの様に、シリウスと二人で食事を取ろうとしたら、一人の侍女さんが慌てて部屋にやって来たの。
「陛下、申し訳ございません!!お止めしたのですが…」
「ちょっとどいて下さらない」
侍女さんが、説明に入ろうとしたら廊下が急に騒がしくなって、次に扉がバァーーン!した。
現れたのは、真っ赤な髪に、瞳はつり目のオレンジ。
額にはちょこんと角が出てて、和服っぽい恰好をした私とそう年が変らない女の子。
うん。彼女が、お忍びで来た愛し子なんだよ。
でさぁ~自己紹介もなく、言い争いが始まったの。
シリウスも誰も名前を呼ばないから、誰かは分かりません。
しかも、シリウスも強気で言い返してるけど彼女、愛し子だよね?国は…世界は滅びない?
なんて思ってはいます、一応。
いやね、シリウスが強気なのは私が居るからなんだろう…と思うのよ。
この国が…世界が滅ぶのは私・が・イヤなの、つまり炎の高位精霊が付いている彼女よりも、七大精霊が付いてる私のが上位なんだよ。
炎の高位精霊が滅ぼそうとしても、他の精霊に阻まれるのでそんな事は起きないんだなぁ~って所へと落ち着いた。
で、二人が何を言い合っているかと言うと、本来なら彼女は迎賓塔…七階層にある塔で食事をとることになってたの。
だけど朝食をシリウスと食事を一緒にしたくなったんだって。
そんな事に焦ったのは周り。
食事はなんとかなるが、問題は行先。
いきなり上階層に行きたい!と我儘を言い出した。
勿論、ゲートを通るにはキーが必要になってくる。
賓客なので、彼女はキーを持っていない。
だから彼女は周りに命令して、止める人達を無視してここまで来たんだよ。
シリウスと一緒にご飯が食べたいから、上階層のキーを持つ人間を脅しながら…。
なんてはた迷惑な。
で、冒頭に戻るのだが現在、私から彼女への好感度は急降下中。
0%通り越して(最初から0なんだけどね)現在、不快指数100%。
テンション高く始めたけど、本当はツンドラ地帯です。
「ルーチェ、アレ追い出す?愛し子で炎が付いてるから、細切れは無理だけど…」
「そうだねぇ~ルーチェがここまで不快になるなら、追い出そうか?」
仲良く私の隣に居るのは、ルスとレイナ。
この二人は、本当に仲がいい。
何処に行くにも一緒に行動してる。良いことだ。
「なぁ、ルーチェ。俺様が言うのもなんだが…待たなくていいのか?」
「いいよ、気にしなくて。いつ終わるか分からない言い争いを待って、美味しいご飯が冷めるのを指を咥えて待つ方がイヤ」
「ですがこの状況では、美味しい食事も半減しますね」
ロワの言葉に無言で頷きつつ、私はベーコンにフォークをぶっ刺した。
ほんっとに、どっか他でやってくれないかなぁ。
食事がまずくなる。
てか、二人共に料理長さんに土下座して欲しい。
だって考えても迎賓塔に用意された食事は、この後手を付けられずに終わる。
んで彼女は言い争いが終わり、一緒にテーブルに付いても冷めた食事にクレームを入れるだろう。
その様子がありありと浮かぶ。
最悪だ。
イヤな気分のまま食事を終えると、声がかかった。
と言うか、睨みつけられた。
「なぜ!この者なら問題がないんですの?!」
「元から彼女と食事を取る予定だからだ。そう何度も言っているだろう」
「ならば、貴女!わたしが同席してもよろしいでしょ」
…もう、疑問形にもなってないよ。
しかも、何故、上から目線?
「同席もなにも、私達は食事を終えたので、お二人で食べればよろしいのではないでしょうか?皆、行こ」
うむ。自分でもびっくりする位、腹が立っていたようだ。
もう、さっさと部屋から出よう!
そう言って扉を出た私の背中に、シリウスと彼女の言い争いが再び聞こえたが、しーらない。
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