ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた

第8話

　疲れから寝て、起きた時には夜中になっていた。
　(ご飯を食べて寝るか？真夜中のカップラーメン並にやばいことをしている気分になるな）
　今は達成感からあまり食欲も沸いていない。しかも、深夜のラーメンなんて、背徳感やカロリーのことを考えると食べようとは思わない。

　（もう、風呂に入って二度寝するか。寝て起きると気がついた時には朝になっているはずだ。もし腹が減って眠れない空腹で眠れないとなれば、ご飯を食べるか）

　風呂場に移動し、シャワーを浴びつつ、ステータスを開く。そこには気力操作と魔力操作の二つが書かれているのだった。夢ではなかった。

　ジャーッとシャワーから出る水の音だけが耳に入ってくる。

　（この辺りのスキルの効果を確認しておかないとな。まずは魔力操作の方から）
　魔力操作の文字を触ることでその効果が説明文として現れる。

　魔力操作には「魔力の操作が可能になる。魔法使用時のMP消費減少、威力調節可能」の効果がある。気力操作も同様に「気力の操作が可能になる。アーツ発動時の気力消費減少、威力調節可能」と書かれているのだった。

　（極めていくと魔力消費が減るのはありがたいな。ソロで動くのだから一番の問題は魔力切れや気力切れだ。節約になるのはありがたい）

　魔法は自分で魔法名を唱えるだけで発動するという優れものだ。どこから魔法が出ているのか？ という問題がある。空中に魔法を生み出したり、手から出したりと様々だろう。

　魔力操作での魔力消費減少は、この魔法を放つ過程でどこかしらにロスが発生しているはずだ。例えば、手から魔力を出す時に自動で魔力操作をして腕にまで魔力を移動させる。この時にロスが発生しているとかなら納得がいく。

　空中に出すとしても、形を作るために魔力操作が必要になるとかだろう。はたまた属性を使うのに魔力消費が激しいのか。考えるのにはキリがないな。まあ、誰かしらが解明してくれるはずだ。

　（アーツね……）
　アーツを使う人には、体が無理やり動かされている感覚になるから嫌いといった感想がある。他にも弱いや攻撃力がないといった感想も挙げられている。それでも使うのをやめない人が多いのだから、強いのだろう。

　（武器よりも魔法を優先的に行いたい。しばらくはアーツのことを考えなくていいな）
　この魔力操作と気力操作にはレベルがついている。

　（スキルレベル上げか…。すぐに上がるわけないよな…。あまりこの辺りは考えたくないな）

　そう思いつつ、体や髪を洗い、風呂から出た。