Hate or Fate?

たきかわ由里

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 その一言で、全員がそこに集まった。
「センターに綺悧。ここだ」
 宵闇がセンターと決めた場所を指すと、綺悧がそこへ行く。
「右に朱雨。左に礼華」
 ここまではいつも通りなんだろう。二人も何の迷いもなくそこに立つ。それから宵闇は少し考える。
「夕、そっちに立ってみてくれ」
「こっち?」
 朱雨の隣を指されたから、そこに立ってみる。宵闇はカメラマンの隣に行って全体を眺め、首を傾げる。
「違うな。礼華の隣」
「あいよ」
 俺が反対側の礼華の隣に行くと、自分は朱雨の隣に立って、カメラマンに1枚撮るように頼む。PCの画面を見てそれを確認すると、頷いた。
「この並びでいきます」
「OK」
 カメラマンが返事をすると、アシスタントっぽい人がよくわからない道具を持って来て、あれこれとチェックする。それに合わせてか、ライティングを調整しながら何枚か撮っている。
「礼華、何これ」
 隣にいる礼華に聞くと、小さく首を傾げる。
「俺もカメラのことはよく知らないけど…写り具合をテストしてるんだと思ってる」
「ああ、なるほどなぁ」
 叩いてみて、チューニングとかミュートを調整するみたいなもんだな。多分。こういうのって、何でも同じなんだろう。
「全員は横並びなのか?」
「何パターンも撮るよ。ぎゅっと集まってるのとか」
「ぎゅ」
 何となくイメージは伝わった。
「あと、ここソファとかもあるから、それも使うと思う。宵闇さんは大体頭の中に絵があるから、それで指示くれるよ」
 写真になった状態の構図が、何パターンも出来上がってんのか。俺には無理だ。一人ならまだしも、5人を配置するとか頭がこんがらがる。これが曲のアレンジなら、10トラックくらいまで普通に行けるのに。
「宵闇くん、こっちはOK」
 カメラマンが宵闇にOKサインを出す。宵闇は手を上げて了解だと示すと、一歩前に出て全体を見る。
「綺悧だけカメラ目線。とりあえず、それ以外はそれぞれ目線ははずせ。ポーズは任せる」
「宵闇、俺どうしたらいい」
 任されても、ポーズの引き出しは空なんだよな。
「ああ、夕は…そうだな。綺悧、朱雨、礼華。適当に構えてくれ」
 その指示で、それぞれが体の向きを変えたり、足を動かしたりする。
「…夕は、体ごと右向きに」
 礼華を背中にするわけだな。言われた通りに向きを変える。
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