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第二十話【【望みのまま】】後
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「まぃるどぉ…」
(ここでいうのか)
もういいというように、両手を緩めれば一気に顔を後ろへと押され、口の中から性器が抜けると同時に激しい吐き気に襲われる。
「げぇっ…!」
「と、冬真!ごめん!」
胃液とともに、未消化の物を吐き出した冬真の様子に慌てて縁から降りた力也がその背をさする。
「お前な…俺がやれって言ったんだから謝んなよ」
「だってぇ…」
嘔吐してしまって息を切らす冬真よりも、ずっと苦しそうな表情を浮かべた力也の瞳からは涙が流れ落ちている。
(泣かせちゃったか)
ご褒美をあげるといったのに、気持ちよくさせたかったのに、セーフワードまで言わせてしまった。喜ぶことをしなくてはならないのに、自分の基準で考えてしまった。
(本当に、Domはどうしようもねぇな)
「力也、これぐらい平気だって」
「でも…冬真苦しかったんだろ」
「もう平気だから。…俺のほうこそごめん。お前を泣かせるつもりも、セーフワードまで言わせるつもりもなかった。ついでに、お前のせっかくの料理を吐き出す気もな」
少しおどけて付け足せば、力也の表情が一瞬唖然とした表情になり、次の瞬間いつもの笑顔に変わった。
「残念?」
「ああ、だからまた作ってくれよ。次はしっかり身にするから」
「しかたないな」
そう冬真へと笑い返すその瞳の涙はすでに止まっていた。それでも涙のあとが残る頬にキスをし、涙の後をたどり下瞼へと今度は触れるようにキスを落とす。少しくすぐったそうにする力也の目尻に残る涙を吸い取れば、軽く身を捩られた。
「くすぐったい」
「くすぐったいところは性感帯になるって聞いたことあるから。ここで感じるように開発してやろうか?」
「やだ」
その冗談に可笑しそうにケラケラと笑いながら、逃げようとするその体を抱きしめ軽くゆする。それでも尚も笑い続ける力也の顎を抑え、その唇へとキスをした。
「んっ…」
その唇を押し開け、いつものように舌を絡ませようとしたときに、力也の瞳が少し見開かれた。どうしたのかと考えた、その瞬間自分が先ほど吐いたばかりなのを思い出す。
まだ口の中にはそれの名残があるはず、慌てて唇を放そうとした冬真の顔を今度は力也が両手でつかんだ。
「ふっ…」
逃がさないというように、しっかりとつかみ舌先を冬真の口内へと差し入れる。力づくで来られてしまったらかなわないその口の中に残るものを丹念になめとっていく。
やがて口の中からは唾液の味しかしなくなったころに、力也はその両手と口を放した。
「お前な」
苦い顔をする冬真へとしてやったりといった笑いを浮かべる。いくらなんでも、嫌悪感があるだろう行動をしたのに、そんな風に全く見えないその笑顔に“かなわない”と改めて思う。
「まあいいか。力也後ろも綺麗にするからPresentして」【さらして】
「自分で」
「全部やるっていただろ?」
「言ったけど」
気が進まないといった表情を浮かべる力也へと少し強めにグレアを当てれば、しかたなさそうに後ろを向いた。躊躇したわりにちゃんとやりやすいように、軽く足をひらくその様子をみているとまたヤたくなるが、これ以上はだめだと思いなおす。
「動くなよ」
「はーい」
AVの業界で覚えた感覚を思い出し、それ以上煽らないように内部にだしてしまったものを綺麗にかき出していく。動くなと伝えてあるからか、プルプルと震えるも動こうとしない力也の様子に喉が鳴る。
それでも、どんどん睡眠時間が減っていくのを感じ、なるべく早くきれいにした。
ベッドの上に二人寝ころべば、冬真の部屋の物とは違いちゃんと二人とも上を向くこともできた。しっかり抱いていなければベッドから落ちるということもなさそうだが、それでもついでとばかりに抱きしめた。
「俺を抱き枕と間違えてない?」
「間違えてない」
「ほんとかな」
可笑しそうに笑うその様子に笑い返し、また力を強める。
「今日は色んな顔を沢山見れてうれしかった」
「結構大変だったんだけど?」
「それなんだけど、お前風呂で最初いったこと覚えてるか?」
「言ったこと?」
「俺、ご褒美だから、お仕置きなしって言っただろ?」
「そりゃ、もちろん…ってまさか」
その時のことを思い出し、なぜいまその話になったのかと考えた力也の顔色が変わっていく。
「頑張んなくてもいいのに、頑張ってくれてありがとう」
「あー!!ひでぇ!」
そう、ご褒美だからお仕置きなしと前置きをしていたのだから、冬真のコマンドや命令に律儀に従う必要はなかった。グレアとコマンドを使っていても、絶対的な強制力を含んだものでも、力也が本気で逆らえないものでもなかった。
それなのに、従ってしまったことに気づき力也の顔が怒ったような表情へと変わる。
「俺頑張ったのに!」
「だからありがとうって言ってんだろ?すげぇエロ可愛かったし、頑張ってくれてうれしかった。俺の望み聞いて頑張ってくれてたお前最高だった。Good Boy」【よくできました】
そういい包み込むような愛情を込めたグレアを放てば、力也が渋顔のまま少し引いた。
「冬真、タチ悪い」
「しかたねぇじゃん、俺Domだし」
ムッとした表情の力也はくるりと冬真へと背を向けた。まだ許さないという意思表示らしい、その背を抱きしめ耳元へと口を寄せ“Good Boy、ありがとう”と繰り返す。
甘やかしている自覚はあるけど、自分のSubをどう扱おうと自分の勝手だというDomの思いもある。冬真にとって、言葉を使うのも抱きしめるのも、出し惜しみするようなものではなかった。減るものではないし、使う自分も気持ちがいい行為なのだから何をためらう必要があるだろうか?
こうして少し高い力也の体温を直に感じ、何度もほめれば、赤面とまではいかなくとも段々首が縮んでいく。
次第に丸まっていく力也の様子に愛しさがこみ上げる。
「もう、わかった!じゃあ交換条件!」
何度も褒められ、お礼を言われ耐えられなくなった力也が声を上げた。
「交換条件?」
「今度、映画いくからついてきて」
「デート?」
「違う!映画を奢れって言ってんだよ!」
「わかった。わかった」
からかえば、また怒った声が返ってきて、そんなやり取りも楽しくて笑い返す。どう聞いてもデートのようにしか聞こえないその要求に、耐えきれない笑いをこぼしながらもその背に向かい真面目な声を作る。
「仰せのままに」
そうして二人は昼からの撮影に向け、深い暖かな眠りについた。
(ここでいうのか)
もういいというように、両手を緩めれば一気に顔を後ろへと押され、口の中から性器が抜けると同時に激しい吐き気に襲われる。
「げぇっ…!」
「と、冬真!ごめん!」
胃液とともに、未消化の物を吐き出した冬真の様子に慌てて縁から降りた力也がその背をさする。
「お前な…俺がやれって言ったんだから謝んなよ」
「だってぇ…」
嘔吐してしまって息を切らす冬真よりも、ずっと苦しそうな表情を浮かべた力也の瞳からは涙が流れ落ちている。
(泣かせちゃったか)
ご褒美をあげるといったのに、気持ちよくさせたかったのに、セーフワードまで言わせてしまった。喜ぶことをしなくてはならないのに、自分の基準で考えてしまった。
(本当に、Domはどうしようもねぇな)
「力也、これぐらい平気だって」
「でも…冬真苦しかったんだろ」
「もう平気だから。…俺のほうこそごめん。お前を泣かせるつもりも、セーフワードまで言わせるつもりもなかった。ついでに、お前のせっかくの料理を吐き出す気もな」
少しおどけて付け足せば、力也の表情が一瞬唖然とした表情になり、次の瞬間いつもの笑顔に変わった。
「残念?」
「ああ、だからまた作ってくれよ。次はしっかり身にするから」
「しかたないな」
そう冬真へと笑い返すその瞳の涙はすでに止まっていた。それでも涙のあとが残る頬にキスをし、涙の後をたどり下瞼へと今度は触れるようにキスを落とす。少しくすぐったそうにする力也の目尻に残る涙を吸い取れば、軽く身を捩られた。
「くすぐったい」
「くすぐったいところは性感帯になるって聞いたことあるから。ここで感じるように開発してやろうか?」
「やだ」
その冗談に可笑しそうにケラケラと笑いながら、逃げようとするその体を抱きしめ軽くゆする。それでも尚も笑い続ける力也の顎を抑え、その唇へとキスをした。
「んっ…」
その唇を押し開け、いつものように舌を絡ませようとしたときに、力也の瞳が少し見開かれた。どうしたのかと考えた、その瞬間自分が先ほど吐いたばかりなのを思い出す。
まだ口の中にはそれの名残があるはず、慌てて唇を放そうとした冬真の顔を今度は力也が両手でつかんだ。
「ふっ…」
逃がさないというように、しっかりとつかみ舌先を冬真の口内へと差し入れる。力づくで来られてしまったらかなわないその口の中に残るものを丹念になめとっていく。
やがて口の中からは唾液の味しかしなくなったころに、力也はその両手と口を放した。
「お前な」
苦い顔をする冬真へとしてやったりといった笑いを浮かべる。いくらなんでも、嫌悪感があるだろう行動をしたのに、そんな風に全く見えないその笑顔に“かなわない”と改めて思う。
「まあいいか。力也後ろも綺麗にするからPresentして」【さらして】
「自分で」
「全部やるっていただろ?」
「言ったけど」
気が進まないといった表情を浮かべる力也へと少し強めにグレアを当てれば、しかたなさそうに後ろを向いた。躊躇したわりにちゃんとやりやすいように、軽く足をひらくその様子をみているとまたヤたくなるが、これ以上はだめだと思いなおす。
「動くなよ」
「はーい」
AVの業界で覚えた感覚を思い出し、それ以上煽らないように内部にだしてしまったものを綺麗にかき出していく。動くなと伝えてあるからか、プルプルと震えるも動こうとしない力也の様子に喉が鳴る。
それでも、どんどん睡眠時間が減っていくのを感じ、なるべく早くきれいにした。
ベッドの上に二人寝ころべば、冬真の部屋の物とは違いちゃんと二人とも上を向くこともできた。しっかり抱いていなければベッドから落ちるということもなさそうだが、それでもついでとばかりに抱きしめた。
「俺を抱き枕と間違えてない?」
「間違えてない」
「ほんとかな」
可笑しそうに笑うその様子に笑い返し、また力を強める。
「今日は色んな顔を沢山見れてうれしかった」
「結構大変だったんだけど?」
「それなんだけど、お前風呂で最初いったこと覚えてるか?」
「言ったこと?」
「俺、ご褒美だから、お仕置きなしって言っただろ?」
「そりゃ、もちろん…ってまさか」
その時のことを思い出し、なぜいまその話になったのかと考えた力也の顔色が変わっていく。
「頑張んなくてもいいのに、頑張ってくれてありがとう」
「あー!!ひでぇ!」
そう、ご褒美だからお仕置きなしと前置きをしていたのだから、冬真のコマンドや命令に律儀に従う必要はなかった。グレアとコマンドを使っていても、絶対的な強制力を含んだものでも、力也が本気で逆らえないものでもなかった。
それなのに、従ってしまったことに気づき力也の顔が怒ったような表情へと変わる。
「俺頑張ったのに!」
「だからありがとうって言ってんだろ?すげぇエロ可愛かったし、頑張ってくれてうれしかった。俺の望み聞いて頑張ってくれてたお前最高だった。Good Boy」【よくできました】
そういい包み込むような愛情を込めたグレアを放てば、力也が渋顔のまま少し引いた。
「冬真、タチ悪い」
「しかたねぇじゃん、俺Domだし」
ムッとした表情の力也はくるりと冬真へと背を向けた。まだ許さないという意思表示らしい、その背を抱きしめ耳元へと口を寄せ“Good Boy、ありがとう”と繰り返す。
甘やかしている自覚はあるけど、自分のSubをどう扱おうと自分の勝手だというDomの思いもある。冬真にとって、言葉を使うのも抱きしめるのも、出し惜しみするようなものではなかった。減るものではないし、使う自分も気持ちがいい行為なのだから何をためらう必要があるだろうか?
こうして少し高い力也の体温を直に感じ、何度もほめれば、赤面とまではいかなくとも段々首が縮んでいく。
次第に丸まっていく力也の様子に愛しさがこみ上げる。
「もう、わかった!じゃあ交換条件!」
何度も褒められ、お礼を言われ耐えられなくなった力也が声を上げた。
「交換条件?」
「今度、映画いくからついてきて」
「デート?」
「違う!映画を奢れって言ってんだよ!」
「わかった。わかった」
からかえば、また怒った声が返ってきて、そんなやり取りも楽しくて笑い返す。どう聞いてもデートのようにしか聞こえないその要求に、耐えきれない笑いをこぼしながらもその背に向かい真面目な声を作る。
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