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力也の母編【暖かい場所】 前
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中学へ入学する前に受けたダイナミクス診断でSubと判定された彼女は、あるとき一人のDomと出会った。
塾のチラシを差し出してきたその男は、その時既に彼女がSubだと気づいていたのだろう。チラシを渡され、是非きて欲しいと言われた彼女が断ることなどないと確信しているそんな瞳を浮べていた。
彼女は予想通り、それを両親にみせ通いたいと自分から申し出た。事情を知らない彼女の両親はそれに疑いを持つことなく、彼女が塾に通うのを許した。
おそらくそこから彼女の人生は狂ったのだろう。
塾に通い始めた彼女に、チラシを配った男は熱心に勉強を教えた。その塾は個別指導もあり、希望する生徒には一対一で個別に教えてくれる。
教師の男に誘われ、彼女もそれを受ける事にした。二人きりの夜遅くまでの勉強、そこで彼女は初めてPlayに触れた。
初めてのPlayに彼女は溺れていった。塾ばかり行く彼女の姿を両親は好意的にとらえていた。目指す学校があるのだろうと、成績が上がった彼女を褒め疑問を持つこともなかった。
そうして無事に高校に上がった彼女だったが、その後もなによりも塾を優先し、部活にも入らず友人も作らない。
その代わり塾のない日は、図書館にいくと言ってなかなか帰らなくなった。そんな彼女に両親が疑問を持った頃には既に遅かった。
ある日突然、彼女は子供ができたと言った。突然の事に動揺し、相手は誰だと詰め寄る両親に彼女はこう告げたのだ“ご主人様が授けてくれた”と。
その言葉で、相手がDomだと理解した両親は、相手の名を尋ねたがそれには彼女は答えず、産むと言った。
「小百合、とにかく相手を教えなさい!貴方はまだ高校生なのよ!?」
「この子は授かり物、私は産んで育てなくてはいけないの」
完全に支配されているSub特有の反応に両親はそのDomと離そうとした。しかし、それが良くなかったのだ。彼女はほとんどなにも持たずに家を出て行ってしまった。
塾が怪しいと思った両親は塾に確認したが、彼女の行き先はわからず、彼女によく教えていた講師は既婚者で妻子があることもわかった。
純粋に心配する講師の言葉を信じてしまった両親だったが、これも間違いだったのだ。
妊娠していることを知っている両親は警察に相談するのも躊躇い、ただひたすら彼女が帰ってくるのを待った。
一方妊娠してしまった彼女は、講師の用意した部屋に住んでいた。家族にはどう説明したのかはわからないが、少しの間一緒に暮らした彼女はある日ふらりと家に帰った。
帰ってきた彼女を、両親は喜び迎え入れた。子供を産むことを認め、協力すると言った両親に彼女はありがとうと感謝していた。
しかし、子供が生まれその体が落ち着いた頃、彼女は再び子供と一緒に姿をけした。再び戻ってくるかもしれないと両親は思ったが、彼女が再び戻ってくることはなかった。
引っ越ししたご主人様の事を追いかけ生まれ育った町を出た彼女は、ある町にいた。ご主人様となった男が契約した古ぼけた安アパートに住み、一人で産まれたばかりの子供を育てていた。
ご主人様である男が借りたアパートに住み家賃は男が出した、それ以外は家から持ち出した自分の貯金を使っていた。
力也と名付けた子供は切り詰めた生活の中でもスクスクと育ち、その頃には持ってきた貯金も少なくなり、彼女は働くことにした。
力也を保育園に預け、昼は働き、夜は大人しい力也の隣でできる内職をした。大変な中でも彼女が助かっていたのは、力也が大人しくよく寝る子供だったことだ。
ご主人様がPlayの為に訪れても、泣きわめく事は少なく、ベッドに寝かせておけば問題なくPlayができた。
泣かれたら中断するしかない状況を嫌うご主人様が帰ることなく、相手してくれていたのはそのおかげだ。
他に正式な家庭を持っていたご主人様は、時々来ては彼女とPlayをし、帰って行った。収入が少し安定すれば、ご主人様に家賃をとられるようになった。
厳しい生活だったが、彼女は幸せだった。お金が厳しければ、ご主人様が稼げる仕事を紹介してくれることもあり、彼女はご主人様に感謝しよく尽くした。
「私を思ってくれるのは貴方だけです」
彼女は本気でそう思い、そう口にしていた。
彼女にはご主人様に授けていただいた子供と、ご主人様しかいなかった。彼女には他に行くとこも帰るところもない。
だって彼女には頼るべき家族などいないのだから・・・・・・。
力也が物事を理解できるようになると、彼女はその目が気になりだした。寝てばかりだった力也は成長しご主人様が訪れたときも起きていることが多くなり、一端寝てもいつ起きるのかわからなくなった。
ある日、不意に尋ねてきたご主人様は力也の見ているなか、Playを始めようとした。その時彼女は初めて拒絶した。“嫌だ”と、しかしそれはセーフワードではなかった。
そもそも、彼女はセーフワードを設定などしていなかった。初めてあったDomにセーフワードなど必要ない物だと教えられてしまえば、そういう物だと思ってしまうのは低ランクで従順なSubにはあり得ないことではない。
故に、彼女はセーフワードを使うことができず、ただご主人様の怒りと嗜虐心を煽った。 結局その日は、おしおきを含めた恥ずかしい姿をまだ幼い力也の前に晒すことになった。
なにをやっているのかよくわからない力也でも、母が苦しんでいるのはわかったのだろう。心配そうに声をかけられても大丈夫だと返すことしかできず、恥ずかしくて苦しくて辛いその日のプレイは彼女にとって初めて幸せを感じられなかった物だった。
その日から彼女は、力也がPlayを見ないように気をつけるようになった。窓からご主人様の姿が見えれば力也を公園に行かせたり、近くにあった大家の家に遊びに行かせ、見られないようにした。
しかし、ご主人様は見せたいようで、おしおきの回数も増えていった。しかし、昼間の仕事もある為時間を確保するのが難しく、更にご主人様のご機嫌を損ねてしまった為かPlayの回数は減り、彼女は時にPlay不足による不調に陥ることが多くなった。
幼稚園を卒業し小学校に上がれば力也も母がどうしてそうなっているのかなんとなく気づいてしまったのだろう、自分は邪魔なのだと気を回すようになった。
母の様子をみて公園に自ら出かけたり、ご主人様の姿を発見しようと窓に張り付くこともあった。
思えば、既に力也にはSubの片鱗が見えていたのだろう。母もそれに気づいたようで、余計に力也の父になるご主人様の目に触れないようにした。
この時の行動が、力也を守る為だったのか、自分以外に興味が移ってしまうのを畏れていたのかは、未だにわからない。
それでも、時たま力也とご主人様が会ってしまうことがあった。母と同じようにご主人様も力也をSubだと気づいたのか、ただの戯れかわからないが、時にグレアをあてた。
幸い、力也には利かず母もすぐに気づいたため大事には至らなかった。
その頃に、力也は母によく聞いていた質問がある。
「お母さんは御主人様の事が好き?」
その問いに、彼女はいつも優しくそしてどこか苦しそうに笑みを浮べ“愛している”と答えた。
力也は同世代と比べるとしっかりした子供だった。わがままを言うことなく、聞き分けもいい、力也は泊まりがけでご主人様が来る時は隣の空き室で一人過ごす事もできた。
まだ幼い子を一人過ごさせているのは心配で、心苦しくもあったが、ご主人様と長い時間一緒にいられることは嬉しかった。
その頃にはご主人様も力也がSubであるとなんとなく気づいていたのだろう。不在をつまらなそうにしていたが、力也に自分のグレアが効かないこともわかっていたのでそれ以上は言わなかった。
その代わり、母に対する要求が更に大変なことになることはあった。
それでも彼女はご主人様を崇拝し、ただひたすらに従った。それが彼女の当たり前のことになっていた。そうして自分が無理を重ねることに違和感を感じていない彼女は、力也にも無理をさせても疑問を持たずにいた。
Subはその身を犠牲に耐えることが美徳で、至らぬ自分を恥じ、どのような物でも与えられたそれは自分の為なのだ。
それをおかしな事だと教えてくれる人は彼女にはいなかった。彼女の周りにいる人々も、そんな彼女の考えを知らなかったのだ。
彼女はそれを常識だと考え、口にだすことなどしなかったのだから・・・・・・。
彼女には多くの常識が欠落し、代わりにご主人様である男の思想が植え付けられていた。
彼女の常識はご主人様である男の都合のいいように構成されていた。ご主人様が言うことが全てであり、常に正しかった。消えない傷をつけられ、何度サブドロップさせられようとも彼女は言うのだろう。私は愛されていると。
そんな母の姿を力也がどんな風に思っていたのかはわからない。力也にはご主人様のグレアが効かず、また会っていなかったことで流されずにいたのは幸いだったとしか言えない。
やがて息子の力也は中学生になった。この頃には力也は完全にSubに目覚め、同時に友人の中にもDomがいたことで、ごっこ遊びのような事をすることもあった。
その一方、ご主人様が母の元にくる頻度は減っていた。それでもたまに訪れては母とPlayをしていた。
ただ不思議なことに力也に兄弟が増えることはなかった。
「母さん、大丈夫か?」
「おこしちゃったね。大丈夫よ」
時々夜中に起き出し、嘔吐する母は心配する力也にそうしていつも笑っていた。
このときストレスと栄養失調、さらには体に合わない抑制剤の副作用などで彼女の生理は止まっていた。
塾のチラシを差し出してきたその男は、その時既に彼女がSubだと気づいていたのだろう。チラシを渡され、是非きて欲しいと言われた彼女が断ることなどないと確信しているそんな瞳を浮べていた。
彼女は予想通り、それを両親にみせ通いたいと自分から申し出た。事情を知らない彼女の両親はそれに疑いを持つことなく、彼女が塾に通うのを許した。
おそらくそこから彼女の人生は狂ったのだろう。
塾に通い始めた彼女に、チラシを配った男は熱心に勉強を教えた。その塾は個別指導もあり、希望する生徒には一対一で個別に教えてくれる。
教師の男に誘われ、彼女もそれを受ける事にした。二人きりの夜遅くまでの勉強、そこで彼女は初めてPlayに触れた。
初めてのPlayに彼女は溺れていった。塾ばかり行く彼女の姿を両親は好意的にとらえていた。目指す学校があるのだろうと、成績が上がった彼女を褒め疑問を持つこともなかった。
そうして無事に高校に上がった彼女だったが、その後もなによりも塾を優先し、部活にも入らず友人も作らない。
その代わり塾のない日は、図書館にいくと言ってなかなか帰らなくなった。そんな彼女に両親が疑問を持った頃には既に遅かった。
ある日突然、彼女は子供ができたと言った。突然の事に動揺し、相手は誰だと詰め寄る両親に彼女はこう告げたのだ“ご主人様が授けてくれた”と。
その言葉で、相手がDomだと理解した両親は、相手の名を尋ねたがそれには彼女は答えず、産むと言った。
「小百合、とにかく相手を教えなさい!貴方はまだ高校生なのよ!?」
「この子は授かり物、私は産んで育てなくてはいけないの」
完全に支配されているSub特有の反応に両親はそのDomと離そうとした。しかし、それが良くなかったのだ。彼女はほとんどなにも持たずに家を出て行ってしまった。
塾が怪しいと思った両親は塾に確認したが、彼女の行き先はわからず、彼女によく教えていた講師は既婚者で妻子があることもわかった。
純粋に心配する講師の言葉を信じてしまった両親だったが、これも間違いだったのだ。
妊娠していることを知っている両親は警察に相談するのも躊躇い、ただひたすら彼女が帰ってくるのを待った。
一方妊娠してしまった彼女は、講師の用意した部屋に住んでいた。家族にはどう説明したのかはわからないが、少しの間一緒に暮らした彼女はある日ふらりと家に帰った。
帰ってきた彼女を、両親は喜び迎え入れた。子供を産むことを認め、協力すると言った両親に彼女はありがとうと感謝していた。
しかし、子供が生まれその体が落ち着いた頃、彼女は再び子供と一緒に姿をけした。再び戻ってくるかもしれないと両親は思ったが、彼女が再び戻ってくることはなかった。
引っ越ししたご主人様の事を追いかけ生まれ育った町を出た彼女は、ある町にいた。ご主人様となった男が契約した古ぼけた安アパートに住み、一人で産まれたばかりの子供を育てていた。
ご主人様である男が借りたアパートに住み家賃は男が出した、それ以外は家から持ち出した自分の貯金を使っていた。
力也と名付けた子供は切り詰めた生活の中でもスクスクと育ち、その頃には持ってきた貯金も少なくなり、彼女は働くことにした。
力也を保育園に預け、昼は働き、夜は大人しい力也の隣でできる内職をした。大変な中でも彼女が助かっていたのは、力也が大人しくよく寝る子供だったことだ。
ご主人様がPlayの為に訪れても、泣きわめく事は少なく、ベッドに寝かせておけば問題なくPlayができた。
泣かれたら中断するしかない状況を嫌うご主人様が帰ることなく、相手してくれていたのはそのおかげだ。
他に正式な家庭を持っていたご主人様は、時々来ては彼女とPlayをし、帰って行った。収入が少し安定すれば、ご主人様に家賃をとられるようになった。
厳しい生活だったが、彼女は幸せだった。お金が厳しければ、ご主人様が稼げる仕事を紹介してくれることもあり、彼女はご主人様に感謝しよく尽くした。
「私を思ってくれるのは貴方だけです」
彼女は本気でそう思い、そう口にしていた。
彼女にはご主人様に授けていただいた子供と、ご主人様しかいなかった。彼女には他に行くとこも帰るところもない。
だって彼女には頼るべき家族などいないのだから・・・・・・。
力也が物事を理解できるようになると、彼女はその目が気になりだした。寝てばかりだった力也は成長しご主人様が訪れたときも起きていることが多くなり、一端寝てもいつ起きるのかわからなくなった。
ある日、不意に尋ねてきたご主人様は力也の見ているなか、Playを始めようとした。その時彼女は初めて拒絶した。“嫌だ”と、しかしそれはセーフワードではなかった。
そもそも、彼女はセーフワードを設定などしていなかった。初めてあったDomにセーフワードなど必要ない物だと教えられてしまえば、そういう物だと思ってしまうのは低ランクで従順なSubにはあり得ないことではない。
故に、彼女はセーフワードを使うことができず、ただご主人様の怒りと嗜虐心を煽った。 結局その日は、おしおきを含めた恥ずかしい姿をまだ幼い力也の前に晒すことになった。
なにをやっているのかよくわからない力也でも、母が苦しんでいるのはわかったのだろう。心配そうに声をかけられても大丈夫だと返すことしかできず、恥ずかしくて苦しくて辛いその日のプレイは彼女にとって初めて幸せを感じられなかった物だった。
その日から彼女は、力也がPlayを見ないように気をつけるようになった。窓からご主人様の姿が見えれば力也を公園に行かせたり、近くにあった大家の家に遊びに行かせ、見られないようにした。
しかし、ご主人様は見せたいようで、おしおきの回数も増えていった。しかし、昼間の仕事もある為時間を確保するのが難しく、更にご主人様のご機嫌を損ねてしまった為かPlayの回数は減り、彼女は時にPlay不足による不調に陥ることが多くなった。
幼稚園を卒業し小学校に上がれば力也も母がどうしてそうなっているのかなんとなく気づいてしまったのだろう、自分は邪魔なのだと気を回すようになった。
母の様子をみて公園に自ら出かけたり、ご主人様の姿を発見しようと窓に張り付くこともあった。
思えば、既に力也にはSubの片鱗が見えていたのだろう。母もそれに気づいたようで、余計に力也の父になるご主人様の目に触れないようにした。
この時の行動が、力也を守る為だったのか、自分以外に興味が移ってしまうのを畏れていたのかは、未だにわからない。
それでも、時たま力也とご主人様が会ってしまうことがあった。母と同じようにご主人様も力也をSubだと気づいたのか、ただの戯れかわからないが、時にグレアをあてた。
幸い、力也には利かず母もすぐに気づいたため大事には至らなかった。
その頃に、力也は母によく聞いていた質問がある。
「お母さんは御主人様の事が好き?」
その問いに、彼女はいつも優しくそしてどこか苦しそうに笑みを浮べ“愛している”と答えた。
力也は同世代と比べるとしっかりした子供だった。わがままを言うことなく、聞き分けもいい、力也は泊まりがけでご主人様が来る時は隣の空き室で一人過ごす事もできた。
まだ幼い子を一人過ごさせているのは心配で、心苦しくもあったが、ご主人様と長い時間一緒にいられることは嬉しかった。
その頃にはご主人様も力也がSubであるとなんとなく気づいていたのだろう。不在をつまらなそうにしていたが、力也に自分のグレアが効かないこともわかっていたのでそれ以上は言わなかった。
その代わり、母に対する要求が更に大変なことになることはあった。
それでも彼女はご主人様を崇拝し、ただひたすらに従った。それが彼女の当たり前のことになっていた。そうして自分が無理を重ねることに違和感を感じていない彼女は、力也にも無理をさせても疑問を持たずにいた。
Subはその身を犠牲に耐えることが美徳で、至らぬ自分を恥じ、どのような物でも与えられたそれは自分の為なのだ。
それをおかしな事だと教えてくれる人は彼女にはいなかった。彼女の周りにいる人々も、そんな彼女の考えを知らなかったのだ。
彼女はそれを常識だと考え、口にだすことなどしなかったのだから・・・・・・。
彼女には多くの常識が欠落し、代わりにご主人様である男の思想が植え付けられていた。
彼女の常識はご主人様である男の都合のいいように構成されていた。ご主人様が言うことが全てであり、常に正しかった。消えない傷をつけられ、何度サブドロップさせられようとも彼女は言うのだろう。私は愛されていると。
そんな母の姿を力也がどんな風に思っていたのかはわからない。力也にはご主人様のグレアが効かず、また会っていなかったことで流されずにいたのは幸いだったとしか言えない。
やがて息子の力也は中学生になった。この頃には力也は完全にSubに目覚め、同時に友人の中にもDomがいたことで、ごっこ遊びのような事をすることもあった。
その一方、ご主人様が母の元にくる頻度は減っていた。それでもたまに訪れては母とPlayをしていた。
ただ不思議なことに力也に兄弟が増えることはなかった。
「母さん、大丈夫か?」
「おこしちゃったね。大丈夫よ」
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