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結衣過去【開けてはいけないドア】前
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幼い頃から自由という言葉は自分にはまったく関係のない言葉だと思っていた。
結衣の記憶はあまり時間の概念がない。日々同じような事の繰り返しで、年月の経過を意識することもなかったのだ。
愛されたことがないと言うのは結衣みたいな事を言うのだろう。だが幼い頃の結衣に聞けば自分は愛されていると答えるのだろう。
例え、ずっと光のない押し入れの中で日々を過ごしていたとしても。
例え、食事がパンの耳や残飯のような物だけだろうとも。
例え、学校にまともにいけなくとも。
例え、性のなんたるかを知らぬ頃から大人達の相手をさせられてようとも。
例え、どんなに蔑まれようとも。
例え、消耗品のように扱われようとも。
自分は愛されているのだと幼い頃の結衣ならばいうだろう。結衣は本当の愛も幸せも知らず、その生活こそ自分にふさわしく、正しい事なのだと教えられていたのだ。
結衣にはどんなことでも決定権はなく、ただ従順に従う事だけが求められた。
同じ歳の子供達が学校に行っている時も、休めと言われれば休み接待をさせられた。
保護者を含めた大人達は言った。誰かに言ってはいけないと。
結衣は家族をしらない。保護者は結衣にとってご主人様であり、お客様は旦那様だった。
お客様を接待すれば喜んで貰えた。食べ物を貰えて、褒めてもくれた。いいこだと褒められ、喜んで貰えるそれが嬉しかった。
自分みたいな出来損ないでも役に立てるのが嬉しかった。
お客様の接待をすると、お金が貰える。その当時の保護者だったご主人様は、お金が入ると食べ物を置いてどこかに出かけた。
一度でかけると数日帰ってこない事がある。そんな時は、外に出るなと言われた。
押し入れから出ることはできたが、家の外にでることはできなかった。
そんな時は、結衣は一人部屋のなかで勉強をしていた。だが、まともに学校にいっていない結衣には勉強がわからなかった。
そんなとき結衣は思った、自分は他の子供と違い劣っているだと。
自分には勉強は不要で、やるだけ無駄なものだと。
自分のような物が何かを考えるだけ無駄で、勝手に動けば碌な事にならない。
結衣は言われていた。勝手なことをすれば捨てると、そしたら結衣は生きてはいけない。
結衣にとって居場所はその部屋の中だけで、逆らうことは悪い事だった。
「お前は俺の言うことを聞いていればいいんだ! いいか、お前みたいなガキが勝手に動くのはそれだけで世の中の迷惑になるんだ! お前は俺の言うとおりにしていろ!」
そんな日々を過ごしているうちに、結衣はSubに目覚めた。いや正確には目覚めさせられたと言うべきなのだろう、当時ご主人様であったDomに。
おそらく当時のご主人様は結衣がSubだと気づいていたのだろう。
今思えば、目覚める前から結衣はグレアを浴びせられていたのだろう。言われることになんの疑問も持っていなかったのは、もしかしたらそれが影響していたのかもしれない。
ともかく結衣がSubに目覚め、その扱いは更に悪化していった。
食事量が足りないながらも、結衣は成長し美少年になり、お客様は増えた。
「小汚いガキだと思っていたら、見れるようになってきたじゃねぇか。どれ、そろそろお前にこの世界の生き方って奴を教えてやるよ」
口淫だけでなくそれ以上の事もさせられ、Subと知ったお客様にはPlayもどきのような事をされた。
さらには、複数人のお客様を同時に接待することもでてきた。複数人のDomにグレアを同時に使われ、Usualのお客様も一緒に悪乗りしていいようにされた。
「ほら、もっと頑張って自分で動け。怠けんじゃねぇ!」
「そっちにばっか集中しないで口も動かせ!」
「はい、笑ってこっち向いて。やべっ、超ビッチじゃん。ウケる!」
元々体力もなく、同じ歳の人々に比べ華奢だった結衣ではそれについて行くのは難しく。
行為の途中意識を失ってしまうことが当たり前のようにあった。
それでも不思議なことに結衣は自分を不幸だと思っていなかった。受け止めきれないほどの凶悪なグレアをぶつけられサブドロップしかけることはあっても、結衣は結衣のままただ従順な玩具だった。。
お客様とご主人様は学校ではけして教えない多くの事を結衣に学ばせてくれた。
道具や玩具として生きていくSubにとって必要な事を結衣は沢山教えて貰えたのだ。
自分が生まれた意味は道具として生き、人を楽しませる為なのだと、想い生きていたある日不意にその生活は終わりを告げた。
「こんにちは、結衣くんいるかな?」
その日、一人部屋にいた結衣の元に誰かが尋ねてきた。客だと名乗る男に、結衣がドアを開けると同時に同じ服を着た三人の男がなだれ込んできた。
男たちは結衣の状況をみると口々に大丈夫かと尋ね、助けにきたのだといった。
「少年一名保護! 暴行によるとみられる外傷あり、栄養失調、性的虐待の形跡あり!」
ざわざわと騒がしい中、男達に手を引かれ結衣は外へ連れ出されそうになった。
「・・・・・・ダメ!」
「え?」
「外は、ご主人様が出ちゃいけないって・・・・・・。ご主人様がいいない時は出ちゃダメだって・・・・・・。勝手にでたら捨てられる」
ガタガタと震えだす体を結衣は抱きしめた。そう、自分は外に出てはいけないのだ。
自分みたいなみっともない生き物が外にでたら皆に迷惑がかかる。
自分にはここしか生きる場所はなく、外にでたらたちまち見捨てられてしまう。
価値がない自分はここで、ご主人様とお客様たちの玩具として生きていくしかないのだ。
ガタガタと震え、その場から動こうとしない結衣の様子に、男達は困ったようにすると何やら相談した。
「実はね。君のご主人様に連れてくるように言われたんだ」
「ご主人様に? お散歩ですか?」
「そうだよ」
「すみません。わかりました」
そう言った結衣は、自分の首についていたリードを男に差し出した。そしてその場に動物のように四つ這いになった。薄汚れた服に、裸足にリードと四つん這い、これが結衣のお散歩のスタイルだった。
「なにをやっているんだい」
「お散歩行くんですよね?」
そう問い返せば、男達は顔を見合わせとりあえず、抱き起こすとタオルでその体を包み込んだ。
靴を履いて立って歩いてついてきて欲しいと言われ、困惑しながらも反発することを許されていない結衣は大人しくついてきた。
その後はなんだかわからなかった。お散歩と言っていたのに車に乗せられ大きな建物に連れて行かれ、食べ物を与えられ色々聞かれた。
不思議な事にご主人様はいつまで待ってもくることはなく、結衣はそのまま他の場所へと移動することになった。
「ここが今日から君の家だよ」
そう言われた場所が児童保護施設だったのは後から理解できた。その時はわからなかったがどうやら結衣のされていたことは虐待に当たるらしく、ご主人様とお客様は未成年売春、虐待、監禁、暴行など多くの罪で逮捕されていた。
それから結衣の生活は大きく変わった。多くの子供たちと寝起きし、通っていなかった中学へ通うことになった。しかし、まともに学校に行っていなかった所為で授業には全然ついていくことができなかった。
それでも、義務教育である中学は卒業でき結衣は自分で生きていくために仕事を探すことになった。
その時に施設の先生達の紹介で勤めることになったのは、住んでいた地域を離れた場所だった。結衣は生まれ育った場所を引っ越し、寮のある工場に勤めることになった。
しかし、就職してすぐに結衣は住む場所も仕事も失うことになった。
その工場の跡取りに声をかけられ、言われるまま残業をしていたら、怒られ追い出されることになったのだ。
“コイツが誘った”だの“ビッチ”だの言われ、悪いのは結衣だと責め立てられた。
聞き覚えのある懐かしい言葉の数々に、結衣は疑問を持つことも否定する事もなく、追い出されるように仕事を辞めることになった。
しかし、その跡取りは優しい人で結衣に次の仕事先を紹介してくれた。
「お前にお似合いの仕事だ」
そう言って連れてこられた場所は、ビルの一角でいくつかの部屋に仕切られている場所だった。
そこでの仕事は結衣には馴染みのある内容だった。薄いペラペラした浴衣みたいな物を着て、お客様から声がかかれば部屋に行き、接待する。
避妊する必要がないと笑うお客様は、グレアやコマンドを使えるDomは少なく、ひたすら体を売り手荒に抱かれるだけだった。
児童保護施設にいた時は、抑制剤を貰えていたが、仕事を始めてから買うこともできずコマンドもグレアも貰えずにいた結衣にとってこのときが辛い時だった。
いくら手ひどく扱われようとも、グレアもコマンドもなければSubの欲求が満たされることはなく、結衣の精神はかなり不安定な状況になっていた。
しかし、その不安定な状況がお客様達にとって面白かったらしく、Domでもないのに力のないコマンドを使い飢えた結衣で遊んだ。
「にーる。だったか? 早くしろよ。好きなんだろおすわり」
ゲラゲラと笑いながらだされるコマンドとしての力を持たないPlayの真似事は、Play不足の状況を更に悪化させ不眠やめまい、情緒不安定、食欲不振など色々な症状が起きた。
無論、どんなに酷い事をされてもケアもなく、気分転換も外出もできず耐え続けるしかなかった。
結衣の記憶はあまり時間の概念がない。日々同じような事の繰り返しで、年月の経過を意識することもなかったのだ。
愛されたことがないと言うのは結衣みたいな事を言うのだろう。だが幼い頃の結衣に聞けば自分は愛されていると答えるのだろう。
例え、ずっと光のない押し入れの中で日々を過ごしていたとしても。
例え、食事がパンの耳や残飯のような物だけだろうとも。
例え、学校にまともにいけなくとも。
例え、性のなんたるかを知らぬ頃から大人達の相手をさせられてようとも。
例え、どんなに蔑まれようとも。
例え、消耗品のように扱われようとも。
自分は愛されているのだと幼い頃の結衣ならばいうだろう。結衣は本当の愛も幸せも知らず、その生活こそ自分にふさわしく、正しい事なのだと教えられていたのだ。
結衣にはどんなことでも決定権はなく、ただ従順に従う事だけが求められた。
同じ歳の子供達が学校に行っている時も、休めと言われれば休み接待をさせられた。
保護者を含めた大人達は言った。誰かに言ってはいけないと。
結衣は家族をしらない。保護者は結衣にとってご主人様であり、お客様は旦那様だった。
お客様を接待すれば喜んで貰えた。食べ物を貰えて、褒めてもくれた。いいこだと褒められ、喜んで貰えるそれが嬉しかった。
自分みたいな出来損ないでも役に立てるのが嬉しかった。
お客様の接待をすると、お金が貰える。その当時の保護者だったご主人様は、お金が入ると食べ物を置いてどこかに出かけた。
一度でかけると数日帰ってこない事がある。そんな時は、外に出るなと言われた。
押し入れから出ることはできたが、家の外にでることはできなかった。
そんな時は、結衣は一人部屋のなかで勉強をしていた。だが、まともに学校にいっていない結衣には勉強がわからなかった。
そんなとき結衣は思った、自分は他の子供と違い劣っているだと。
自分には勉強は不要で、やるだけ無駄なものだと。
自分のような物が何かを考えるだけ無駄で、勝手に動けば碌な事にならない。
結衣は言われていた。勝手なことをすれば捨てると、そしたら結衣は生きてはいけない。
結衣にとって居場所はその部屋の中だけで、逆らうことは悪い事だった。
「お前は俺の言うことを聞いていればいいんだ! いいか、お前みたいなガキが勝手に動くのはそれだけで世の中の迷惑になるんだ! お前は俺の言うとおりにしていろ!」
そんな日々を過ごしているうちに、結衣はSubに目覚めた。いや正確には目覚めさせられたと言うべきなのだろう、当時ご主人様であったDomに。
おそらく当時のご主人様は結衣がSubだと気づいていたのだろう。
今思えば、目覚める前から結衣はグレアを浴びせられていたのだろう。言われることになんの疑問も持っていなかったのは、もしかしたらそれが影響していたのかもしれない。
ともかく結衣がSubに目覚め、その扱いは更に悪化していった。
食事量が足りないながらも、結衣は成長し美少年になり、お客様は増えた。
「小汚いガキだと思っていたら、見れるようになってきたじゃねぇか。どれ、そろそろお前にこの世界の生き方って奴を教えてやるよ」
口淫だけでなくそれ以上の事もさせられ、Subと知ったお客様にはPlayもどきのような事をされた。
さらには、複数人のお客様を同時に接待することもでてきた。複数人のDomにグレアを同時に使われ、Usualのお客様も一緒に悪乗りしていいようにされた。
「ほら、もっと頑張って自分で動け。怠けんじゃねぇ!」
「そっちにばっか集中しないで口も動かせ!」
「はい、笑ってこっち向いて。やべっ、超ビッチじゃん。ウケる!」
元々体力もなく、同じ歳の人々に比べ華奢だった結衣ではそれについて行くのは難しく。
行為の途中意識を失ってしまうことが当たり前のようにあった。
それでも不思議なことに結衣は自分を不幸だと思っていなかった。受け止めきれないほどの凶悪なグレアをぶつけられサブドロップしかけることはあっても、結衣は結衣のままただ従順な玩具だった。。
お客様とご主人様は学校ではけして教えない多くの事を結衣に学ばせてくれた。
道具や玩具として生きていくSubにとって必要な事を結衣は沢山教えて貰えたのだ。
自分が生まれた意味は道具として生き、人を楽しませる為なのだと、想い生きていたある日不意にその生活は終わりを告げた。
「こんにちは、結衣くんいるかな?」
その日、一人部屋にいた結衣の元に誰かが尋ねてきた。客だと名乗る男に、結衣がドアを開けると同時に同じ服を着た三人の男がなだれ込んできた。
男たちは結衣の状況をみると口々に大丈夫かと尋ね、助けにきたのだといった。
「少年一名保護! 暴行によるとみられる外傷あり、栄養失調、性的虐待の形跡あり!」
ざわざわと騒がしい中、男達に手を引かれ結衣は外へ連れ出されそうになった。
「・・・・・・ダメ!」
「え?」
「外は、ご主人様が出ちゃいけないって・・・・・・。ご主人様がいいない時は出ちゃダメだって・・・・・・。勝手にでたら捨てられる」
ガタガタと震えだす体を結衣は抱きしめた。そう、自分は外に出てはいけないのだ。
自分みたいなみっともない生き物が外にでたら皆に迷惑がかかる。
自分にはここしか生きる場所はなく、外にでたらたちまち見捨てられてしまう。
価値がない自分はここで、ご主人様とお客様たちの玩具として生きていくしかないのだ。
ガタガタと震え、その場から動こうとしない結衣の様子に、男達は困ったようにすると何やら相談した。
「実はね。君のご主人様に連れてくるように言われたんだ」
「ご主人様に? お散歩ですか?」
「そうだよ」
「すみません。わかりました」
そう言った結衣は、自分の首についていたリードを男に差し出した。そしてその場に動物のように四つ這いになった。薄汚れた服に、裸足にリードと四つん這い、これが結衣のお散歩のスタイルだった。
「なにをやっているんだい」
「お散歩行くんですよね?」
そう問い返せば、男達は顔を見合わせとりあえず、抱き起こすとタオルでその体を包み込んだ。
靴を履いて立って歩いてついてきて欲しいと言われ、困惑しながらも反発することを許されていない結衣は大人しくついてきた。
その後はなんだかわからなかった。お散歩と言っていたのに車に乗せられ大きな建物に連れて行かれ、食べ物を与えられ色々聞かれた。
不思議な事にご主人様はいつまで待ってもくることはなく、結衣はそのまま他の場所へと移動することになった。
「ここが今日から君の家だよ」
そう言われた場所が児童保護施設だったのは後から理解できた。その時はわからなかったがどうやら結衣のされていたことは虐待に当たるらしく、ご主人様とお客様は未成年売春、虐待、監禁、暴行など多くの罪で逮捕されていた。
それから結衣の生活は大きく変わった。多くの子供たちと寝起きし、通っていなかった中学へ通うことになった。しかし、まともに学校に行っていなかった所為で授業には全然ついていくことができなかった。
それでも、義務教育である中学は卒業でき結衣は自分で生きていくために仕事を探すことになった。
その時に施設の先生達の紹介で勤めることになったのは、住んでいた地域を離れた場所だった。結衣は生まれ育った場所を引っ越し、寮のある工場に勤めることになった。
しかし、就職してすぐに結衣は住む場所も仕事も失うことになった。
その工場の跡取りに声をかけられ、言われるまま残業をしていたら、怒られ追い出されることになったのだ。
“コイツが誘った”だの“ビッチ”だの言われ、悪いのは結衣だと責め立てられた。
聞き覚えのある懐かしい言葉の数々に、結衣は疑問を持つことも否定する事もなく、追い出されるように仕事を辞めることになった。
しかし、その跡取りは優しい人で結衣に次の仕事先を紹介してくれた。
「お前にお似合いの仕事だ」
そう言って連れてこられた場所は、ビルの一角でいくつかの部屋に仕切られている場所だった。
そこでの仕事は結衣には馴染みのある内容だった。薄いペラペラした浴衣みたいな物を着て、お客様から声がかかれば部屋に行き、接待する。
避妊する必要がないと笑うお客様は、グレアやコマンドを使えるDomは少なく、ひたすら体を売り手荒に抱かれるだけだった。
児童保護施設にいた時は、抑制剤を貰えていたが、仕事を始めてから買うこともできずコマンドもグレアも貰えずにいた結衣にとってこのときが辛い時だった。
いくら手ひどく扱われようとも、グレアもコマンドもなければSubの欲求が満たされることはなく、結衣の精神はかなり不安定な状況になっていた。
しかし、その不安定な状況がお客様達にとって面白かったらしく、Domでもないのに力のないコマンドを使い飢えた結衣で遊んだ。
「にーる。だったか? 早くしろよ。好きなんだろおすわり」
ゲラゲラと笑いながらだされるコマンドとしての力を持たないPlayの真似事は、Play不足の状況を更に悪化させ不眠やめまい、情緒不安定、食欲不振など色々な症状が起きた。
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