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5、「七月中旬並みの気温です」
良平の帰還
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良平は両手に氷を提げて店に戻った。ドアに手を掛けようとしたとき。
「とっとと直せって。その方がいい」
カウンターを向いたまま身体だけ外へ出てきた生駒と、ぶつかりそうになった。
「おおっと。ごめんなバイトくん」
生駒は紳士的に謝った。貴広の声が追いかける。
「うるせえ。早く仕事に戻れ、この不良所長」
「はは。また来るわ」
良平は生駒に軽く頭を下げ、生駒が押さえていてくれたドアを中に入った。
「もう来なくていい」
カランと音を立てて閉まったドアに、貴広はそう言い捨てた。
店内に客は誰もいない。
「ただいま」
「おう、おかえり。何度も済まんな」
「ホントだよ」
良平にアッサリそう言われて、貴広は「うぐ」と咽を詰まらせた。
「上の冷蔵庫に上げとくね」
良平はそれには構わず、カウンターの前を通り過ぎた。
「ああ。……頼むわ」
貴広は良平の背中に、それだけやっと返した。
「とっとと直せって。その方がいい」
カウンターを向いたまま身体だけ外へ出てきた生駒と、ぶつかりそうになった。
「おおっと。ごめんなバイトくん」
生駒は紳士的に謝った。貴広の声が追いかける。
「うるせえ。早く仕事に戻れ、この不良所長」
「はは。また来るわ」
良平は生駒に軽く頭を下げ、生駒が押さえていてくれたドアを中に入った。
「もう来なくていい」
カランと音を立てて閉まったドアに、貴広はそう言い捨てた。
店内に客は誰もいない。
「ただいま」
「おう、おかえり。何度も済まんな」
「ホントだよ」
良平にアッサリそう言われて、貴広は「うぐ」と咽を詰まらせた。
「上の冷蔵庫に上げとくね」
良平はそれには構わず、カウンターの前を通り過ぎた。
「ああ。……頼むわ」
貴広は良平の背中に、それだけやっと返した。
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