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saddest
しおりを挟む同窓会は無事終了し、僕は電車に揺られていた。
柚月の《秘密》を立川に知らされ正直どうしていいか分からないでいた。
「…だって…そんなの……信じられないよ…」
未だその現実を受け入れることができない僕は悲しみの渦中にいた。
そんな中、一本の電話が入った。
加賀だ。
「…もしもし?!葵?大丈夫か?」
僕の心情を察して電話してくれたのだろう。
やはり、湊は優しい。
「うん…大丈夫じゃないかな…。」
ショックが強すぎて声がか細くなる。
「俺がもし葵だったら、同じことになると思うけどよ。ちゃんと三和と話した方がいいと思うぜ!ずっと三和とのこと引きずってほしくないんだよ!!だから、勇気出して会ってこい!じゃ、俺からは以上だ。じゃあな。」
ッツー…ッツー…
僕が返事をする暇もなく電話は一方的に切られてしまった。
やっぱり、会った方がいいのかな…
でも、僕が会いに行ったとして果たして彼女は喜ぶのだろうか?嫌なことを思い出さないだろうか?
自問自答ばかりを繰り返すうちに3時間も経過していた。
だが、やはり結論は明確だった。
「会いたい」
僕は走って夜行列車に飛び乗った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
葵君と付き合って数年が経った。
本当は別れたくなかった。
って言ったら葵君は怒るだろうか?
そんなことを考えながら外を眺めている。
未練がましいのは分かっている。
だけど、本当は今も昔みたいに笑い合いたかった。
「…同窓会。行きたかったな…」
彩絵からの同窓会の集合写真が添付されたメールをただぼーっと眺める。
涙腺が壊れたかのように涙が止まらない。
真実を葵君に教えていれば何か変わったのだろうか。
でも、そんなことしたら迷惑がかかってしまう。
だから、伝えることはできなかった。
同窓会の集合写真には無愛想な顔の君がいる。
顔つきは付き合っていた頃より少し大人びている。
元気にしてるのかな?彼女は出来たかな?私の事は覚えてるのかな?
「…幸せだったらいいなぁ。」
そんなことを考えていると…
私を呼ぶ声がした。
「三和さん。お客さんですよ。」
私にお客?誰だろうか?彩絵かな?
「はーい。」
そこに入ってきたのは…
私が会いたくて会いたくて堪らなかった人。
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