キモオタ レベル0★世界最弱のオタク高校生の僕だけレベルアップ!美女に囲まれハーレム青春物語

さかいおさむ

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暗闇の中に輝く、怪しい赤い光。

 「あ……あれは、目玉!?」
 僕がそう気づいた瞬間。

 『グオオオオオオ」』
 謎の雄叫びと共にダンジョンが揺れる。

赤い目玉のモンスターが外に向かって来る。

「ひいぃぃ」

「キモオタ君! 逃げましょう! アレきっとこのダンジョンのボスです!」

「に、逃げろぉぉお!」
 どうやら僕が扉を開けたせいでボスを起こしてしまったようだ。

「何やってるんですか! 調子に乗って扉なんか開けるから!」
ガイドは呆れて僕に怒る。

「うぅ……申し訳ない……」
 揺れが収まらないダンジョン、出口に向かって全速力で走る。
 僕らがボスなんかに勝てるわけない!
逃げるしかないのだ。

 『ドスン、ドスン……』

「ん!?」
 すぐ後ろから聞こえる足音……僕は恐る恐る背後に振り向く。

「ま、まさか……うあああああ!!」

 僕らの後ろを強大な真っ赤な目のモンスターが追いかけてくる。

「きゃーーーー!」
発狂するガイド。

「に、にげろぉおおお!」
 全速力で逃げる僕とガイド。
 しかし、人間のスピードを遥かに超えるモンスターはあっという間に僕らに追いつく。

「は、速い……!」
 モンスターが拳を振りおろす。
モンスターから見れば僕らは自分のダンジョンを荒らしに来た侵入者なのだろう。

「うあああ!」
 僕らは吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。

全身に激痛が走る。
「うぅ……ガ、ガイド、大丈夫か……?」

「は、はい……」
ガイドも当然ダメージを負っている。

「ガイドの催眠魔法はアイツには効かないのかな……?」

「私の魔法は弱いモンスターにしか効きませんから……」

「くそ……すまない……僕のせいで」
 レベルアップして調子になっていた自分が情けない……


 モンスターは倒れる僕ら詰め寄り拳を振り上げる。
 ここまでか……ならせめて……。

 僕は立ち上がりガイドから離れる。
「こっちだ! モンスター!」

モンスターは僕を追いかける。

 「ガイド! 今のうちに逃げるんだ!」

「キモオタ君!?」
僕はボロボロの体を引きずりながら剣を構える。

レベル0……いや、レベル1の僕だが、女の子を守るくらいのプライドはある!

「キモオタ君……」

 カッコよすぎる憧れのシチュエーションだが、このモンスターには勝てそうもない……
 僕の命はここまでか……

 モンスターが僕に襲い掛かる。

 ああ……死ぬのか……キモオタ享年18歳。

「ガイド!」
 僕は最後の言葉をガイドに告げる。

「な、なんですか!?」

「僕が死んだら、ここに墓を建ててくれ!」

「……へ?」
突然の言葉に間の抜けた返事をするガイド。

「そして、『勇者キモオタ、ここに眠る』。と刻んでくれ!
 僕の墓標には必ず名前をいれてくれぇぇえ!」

「キモオタ君……そんな遺言でいいの……?」
 呆れるガイド。モンスターの拳が僕に向かって来る。

「うわあああ」
 走馬灯が流れる。
 死を覚悟した、その時

 『ザッ!』

 なにかが斬れるような音がダンジョンに響く。
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