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飛び掛かる僕にサクラちゃんは剣を振る。
この剣が当たるほど、僕はもう弱くはない。
攻撃をかわし、僕は剣を振り下ろす。
「くっ!」
当然、サクラちゃんにもこんな攻撃は当たらない。
しかし、その一瞬で僕はサクラちゃんの背後に回り込む。
「アンタね、私のマネしかできないの!?」
サクラちゃんは背中の僕に斬りかかる。
僕はこの攻撃を受けつつ、サクラちゃんの足首を掴む。
「え!?」
サクラちゃんの足を引っ張り、持ち上げ、振りまわす。
「キャーーー!!」
僕を中心にグルグルと宙を舞うサクラちゃん。
「ははは! まるでメリーゴーランドだね! サクラちゃん!」
「やめてぇぇえ! 放してぇぇぇえ!」
この体制では、さすがのサクラちゃんも抵抗出来ずに回り続ける。
「サ、サクラ……」
妹が僕に文字通り振り回され、複雑な表情のアスカさん。
「ふふ、しかたない」
僕が足首を握る手を放すと、サクラちゃんは勢いよく飛んで行った。
「キャーーー!」
部屋に転がるサクラちゃん。
「くっ……アンタね!! あれ? いない……?」
「サクラちゃん、僕の勝ちだ」
「!!」
起き上がるサクラちゃんの首筋に剣を近づける。
「くっ……」
「よし、そこまでだ!」
アスカさんが試合を止める。
「ア、アタシはまだやれるわよ!」
「サクラ、お前の負けだよ」
「でも……」
「サクラ、木本君はまだ魔法を使ってないぞ」
「あ……」
「魔法を使えばもっと簡単にサクラに勝てただろうに、剣だけでお前に勝ったんだよ。完敗だな」
「うぅ……」
悔しがるサクラちゃん。
リベンジマッチは僕の勝利で終わった。
「本当に成長したな木本君」
「いえいえ、みんなおかげですよ」
本当にみんなのおかげだ。
サクラちゃんのおかげで実戦経験の少なさを知り、アスカさんの連れてきてくれたこの施設でバーチャルモンスターとの戦えた。
「もちろん、サクラやバーチャルモンスターとの戦いも効果はあっただろう。
それでも普通はここまで一気に成長したりすることは無い。木本君の元々のレベルの高さが土台にあってのことだろう」
「そうですか……」
「まあやっとレベルに強さが追いついたと言ったところか?」
「い、いやぁ……」
「まだですよ!」
照れる僕にガイドはすかさず言う。
「え?」
「キモオタ君は魔法の使い方が下手すぎます!」
「ああ……確かに……」
さすが精霊、僕の弱点を的確に見抜いている。
「剣に比べて魔法を使わなすぎです。魔法を使うとすぐバテちゃうじゃないですか」
「うぅ……」
「うーん……たしかに魔法を使い過ぎると気を失うからな……よし! ここで魔法も鍛えておこう」
「は、はい……。ちなみに魔法の訓練っていうとなにをするんですか?」
「魔力を上げるにはとにかく魔法を使いまくることです! 使いまくって魔力を空っぽにする。回復したらまた魔力を空っぽにする。その繰り返しで魔力は上がっていきますよ」
「なるほど……だいぶ疲れそうなトレーニングになりそうだな……」
こうして、剣での戦いを極めた? 僕だが、次は魔法の訓練に移っていった。
この剣が当たるほど、僕はもう弱くはない。
攻撃をかわし、僕は剣を振り下ろす。
「くっ!」
当然、サクラちゃんにもこんな攻撃は当たらない。
しかし、その一瞬で僕はサクラちゃんの背後に回り込む。
「アンタね、私のマネしかできないの!?」
サクラちゃんは背中の僕に斬りかかる。
僕はこの攻撃を受けつつ、サクラちゃんの足首を掴む。
「え!?」
サクラちゃんの足を引っ張り、持ち上げ、振りまわす。
「キャーーー!!」
僕を中心にグルグルと宙を舞うサクラちゃん。
「ははは! まるでメリーゴーランドだね! サクラちゃん!」
「やめてぇぇえ! 放してぇぇぇえ!」
この体制では、さすがのサクラちゃんも抵抗出来ずに回り続ける。
「サ、サクラ……」
妹が僕に文字通り振り回され、複雑な表情のアスカさん。
「ふふ、しかたない」
僕が足首を握る手を放すと、サクラちゃんは勢いよく飛んで行った。
「キャーーー!」
部屋に転がるサクラちゃん。
「くっ……アンタね!! あれ? いない……?」
「サクラちゃん、僕の勝ちだ」
「!!」
起き上がるサクラちゃんの首筋に剣を近づける。
「くっ……」
「よし、そこまでだ!」
アスカさんが試合を止める。
「ア、アタシはまだやれるわよ!」
「サクラ、お前の負けだよ」
「でも……」
「サクラ、木本君はまだ魔法を使ってないぞ」
「あ……」
「魔法を使えばもっと簡単にサクラに勝てただろうに、剣だけでお前に勝ったんだよ。完敗だな」
「うぅ……」
悔しがるサクラちゃん。
リベンジマッチは僕の勝利で終わった。
「本当に成長したな木本君」
「いえいえ、みんなおかげですよ」
本当にみんなのおかげだ。
サクラちゃんのおかげで実戦経験の少なさを知り、アスカさんの連れてきてくれたこの施設でバーチャルモンスターとの戦えた。
「もちろん、サクラやバーチャルモンスターとの戦いも効果はあっただろう。
それでも普通はここまで一気に成長したりすることは無い。木本君の元々のレベルの高さが土台にあってのことだろう」
「そうですか……」
「まあやっとレベルに強さが追いついたと言ったところか?」
「い、いやぁ……」
「まだですよ!」
照れる僕にガイドはすかさず言う。
「え?」
「キモオタ君は魔法の使い方が下手すぎます!」
「ああ……確かに……」
さすが精霊、僕の弱点を的確に見抜いている。
「剣に比べて魔法を使わなすぎです。魔法を使うとすぐバテちゃうじゃないですか」
「うぅ……」
「うーん……たしかに魔法を使い過ぎると気を失うからな……よし! ここで魔法も鍛えておこう」
「は、はい……。ちなみに魔法の訓練っていうとなにをするんですか?」
「魔力を上げるにはとにかく魔法を使いまくることです! 使いまくって魔力を空っぽにする。回復したらまた魔力を空っぽにする。その繰り返しで魔力は上がっていきますよ」
「なるほど……だいぶ疲れそうなトレーニングになりそうだな……」
こうして、剣での戦いを極めた? 僕だが、次は魔法の訓練に移っていった。
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