キモオタ レベル0★世界最弱のオタク高校生の僕だけレベルアップ!美女に囲まれハーレム青春物語

さかいおさむ

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76 最終話

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「キモオタ君、次はあのモンスターを倒してください!」
「オッケー」

 僕とガイドは相変わらずダンジョンの奥深くに潜っている。
 ダンジョンといっても人間界のダンジョンではない、ガイドの住む精霊界のダンジョンだ。

 3年前のあの日、魔王を倒し世界を救った僕はアスカさんを失った悲しみに絶望していた。
 そんな時、ガイドのある提案で僕は精霊界に来た。
 人間界とはレベルが違う強力なモンスターが住むこの世界に。


「キモオタ君……いよいよ次で最後です……」
「ああ……長かったな……」
 今も握っているアスカさんの剣はボロボロだ。
 数えきれないモンスターをこの剣で斬ってきた。


 ダンジョンのボスのドラゴンが僕に襲い掛かる。
 このドラゴンは大昔、魔王と対等の戦いを繰り広げていたことがあるらしい。
 精霊界にはそういうレベルのモンスターがウヨウヨ生息する。


 ドラゴンは炎を吹く。
 きっと大昔、魔王が苦戦した炎なのだろう。
 しかし、今の僕にはそよ風同然だ。
 僕の肩にチョコンと座るガイドもこれくらいでは動じない。


 僕はドラゴンに歩み寄り、剣を振り下ろす。
 ドラゴンは真っ二つに裂け消え去る。

「ふぅ……どうだ、ガイド?」
「……はい! おめでとうございます……レベル100です!」
 嬉し涙を流しながら喜ぶガイド。

「よかった……これで……」
「はい……光属性の最終魔法が……」

「ガイド、ありがとう。僕のわがまま3年も付き合ってもらって」
「いえ……こちらこそ。キモオタ君のおかげでこの精霊界も救われたんですから! サクラちゃんと……アスカさんによろしくお伝えください!」


 ◆

 僕は3年ぶりに人間界に戻る。

「えぇっ!? キモオタ!?」
「ははは……久しぶり……サクラちゃん」
 突然の帰還に驚くサクラちゃん。
 少し大人っぽくなり、アスカさんに似てきたサクラちゃんも素敵だ。

「アンタ……帰ってきたの……?」
「……うん」
「……っていうことは……」
「……うん!」
 サクラちゃんの瞳に涙が浮かぶ。


 魔王との戦いの後、姉を失ったサクラちゃんの落ち込みようはひどかった。
 ガイドが示してくれた可能性の信じて、この日を待ち望んで、立ち直ることが出来たようだ。

 アスカさんの体はあの日から政府の施設で冷凍保存されている。
 僕らはアスカさんの待つ施設へ向かう。

「それにしても……魔王を倒してすぐに精霊界に行っちゃうんだから……」
「はは……僕も必死だったしね」

 魔王の存在は政府の一部の人間にしか知らされていなかった。
 なので、世界の危機のことも、魔王を倒して平和が訪れたこともほとんどの人が知らない。

「まったくアンタもねぇ、せっかく世界を救った勇者になれたのに、誰にも知られていないなんて不憫ね。」
「いいんだよ。みんなはそんな事は知らないで、安心して生活してくれるのが一番だよ」
「お、大人になったわね……」
「はは……それに一番褒めて欲しい人には……これから褒めてもらえるから……それだけで十分だよ!」
「フ、フン! キモオタのくせにカッコつけちゃって……!」
 クラちゃんはうっすら浮かぶ涙をこらえる。


 アスカさんの待つ施設に到着し、冷凍保存されているアスカさんと再開した。

 美しい寝顔だが、青白い肌を見てアスカさんは本当に死んでしまったんだと再認識する。

「お姉ちゃん……こんなに冷たくなって……」
 泣きじゃくるサクラちゃん。
 そりゃ冷凍保存されていたんだからね、とは言える雰囲気ではなかった。

「じゃあ……いこうか」
 僕はアスカさんに手をかざす。

 この魔法は習得しても人生で一度しか使えない魔法らしい。失敗は許されない。
 光魔法レベルMAXで習得できる伝説の魔法。
 人間界のモンスターではレベル上げが難しく、異世界で経験値の高いモンスターを倒しつづけたのは全てこのためだ。

「ふぅ……アスカさん……帰ってきてください! 『死者蘇生』!」


 アスカさんの体が光り出す。

「お姉ちゃん……」
 祈るサクラちゃん。
 僕も祈る気持ち見守る。

 その時、アスカさんの顔色に生気が戻る。

「……ん……?」
 寝起きのように顔をしかめるアスカさん。

「お、お姉ちゃん!」
「ん……? サクラ……? あれ? 私、いったい……」
「うぅ……お姉ちゃん!!」
 サクラちゃんはアスカさんに抱き着き号泣する。
 状況がつかめず戸惑うアスカさん。

 成功だ!

「アスカさん……」
「木本君……どうして君も泣いてるんだ?」
「うぅ……こっちの気も知らないで……」
「ま、魔王はどうなった……!?」
「ふふふ……」

 ニカッと笑う僕に、アスカさんも微笑み返す。

「そうか……よくやったぞ、木本君!」
「……やっと……やっと褒めてくれましたね!」


 この瞬間、僕は初めて魔王を倒して平和が訪れた実感がわいた。
 勇者キモオタの使命は終わった。
 これからもこの世界に平和が続く。

「木本君……なんか老けたか……?」
「……」
「ところで木本君……そのボロボロの剣は……私のではないか?」
「え? こ、これは……その……」

 この後、アスカさんにボコボコにされたのは言うまでもない……

 完
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