最期の七日間を君に贈る

早瀬黒絵

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四通目

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 そうして余命日から二日目も、私はこの世で目を覚ますことが許されました。

 カーテンの隙間から差し込む朝日の清々しさに思わず溜め息が零れてしまいます。

 あなたの見ている世界が私にも見えているのかと思うと、真っ白な病室でさえ色鮮やかに見えるのだから不思議なものですね。

 実はその日は少し体調が思わしくなくて、私の体はベッドから起きて動き回るほどの力はありませんでした。

 でも、あなたが来てくれるのではと思えば心が踊り、身体の不自由も苦に感じませんでした。

 必死に昼食を食べて夕方を待つ時間はとても長かったです。

 もしかしたら来ないのではと弱気にもなりました。

 ですがあなたは夕方頃、来てくれましたね。

 あなたの姿を見たときは泣いてしまいそうになったんですよ。

 生まれた時から病院で育った私には特定の友人がいなかったので、会いに来てくれるあなたの存在がとても心強かった。

 ベッドに横になる私にあなたは眉を下げて帰ろうかと聞きましたね。

 私が大丈夫だと言えば、でも今日は顔色が良くないから早めに帰るよと絵を渡してくれました。

 明るい青と深い青のコントラストが綺麗な海の絵。

 受け取ったときにあなたから香った潮風の匂いは、まるで海に行った気分になりました。

 それから拾ったという貝殻を一つ置いて、あなたは帰ってしまいましたね。

 よく貝殻を耳に当てると海の音がすると言います。

 あなたがくれた貝殻をそっと耳に当ててみるとテレビで聴いたことのある波の音が聞こえてきた気がしました。

 貝殻は棚に大切に仕舞っておくことにします。

 青い青い海の絵に夕日が差し込んでとても美しかった。

 海に行ってみたい。

 青い空の下、砂浜を駆け回って、思い切り泳いでみたい。

 忘れかけていた願いを思い出して少し、泣いてしまいました。




 
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