最期の七日間を君に贈る

早瀬黒絵

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六通目

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 余命の日から四日目の朝、私はふと思いました。

 あなたから沢山のものをもらったのに、私はあなたへ何も贈ることができないと。

 少し寂しい気持ちになりました。

 我が侭だと思われるかもしれませんが私という存在を覚えていてほしい。

 せめて、こんな子がいたという程度でいいから、忘れないでいてほしかったのです。

 姉に頼んでレターセットを買ってきてもらいました。

 実はレターセットを使うのは生まれて初めてです。

 誰かに手紙を書くことも、初めてです。

 だからきっと、とても読みにくい手紙になってしまっていると思います。

 ごめんなさい。

 どうしても私のこの気持ちを伝えたかったのです。

 でも不思議なことに書こうと思ってもなかなか手が動きません。

 書きたいことは沢山あるのに、何から書けばいいのか分からなくて。

 結局あなたと出会った日からのことを書くことにしました。

 まるで日記のようですね。

 あなたがいつ来るか少しビクビクしながら書いています。

 だって、手紙を書いていることが知られてしまったら恥かしいですから。

 けれどこの日はあなたは訪れてくれませんでしたね。

 きっと何か事情があったのでしょう。

 約束していた訳ではありませんが、あなたの姿が見れなかったこの日は夜遅くに泣いてしまいました。

 家族が来なかった時よりも、ずっとずっと寂しかったです。

 いつの間にか私はあなたに惹かれてしまっていたのかもしれません。

 ですが私はこの気持ちを伝えることはできないでしょう。

 口に出してしまえば悲しみのあまり涙が止まらなくなってしまうでしょうから。




 
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