12 / 39
第1章
第11話【※】
しおりを挟む
(どうして――)
痛いはずなのに、気持ちいいと思っているのだろうか。
アンジーが戸惑っていると、ぎゅっと乳首をつまみ上げられる。突然の刺激に驚いて腰が跳ねた。
「――やっ」
乳首から感じる愉悦に、頭の中が真っ白になるみたいだ。
うるんだ瞳でイライアスを見つめる。できるだけ強くにらみつけたつもりだったが、彼は余裕のある表情のままだった。
「そんな風ににらまれても、怖くはない。むしろ――」
イライアスが言葉を切った。
「いや、なんでもない。とにかく、キミは俺の手で感じていたらいいんだ」
返事をするよりも前に、乳房を包み込まれた。彼は指の間で乳首を刺激し、手のひら全体で胸を揉みこむ。
「ぁっ」
イライアスの手が、アンジーの秘所を隠す下着のひもにかかる。気づいたときにはすでに遅く、ひもはほどかれ布地を取り払われた。
そして、彼はアンジーの脚の間に身体を滑り込ませる。強引に脚を開かされてしまう。
「やめて、みないで……」
必死に訴えても、イライアスの視線は秘所に向いた。
肌の上を滑った手のひらが、アンジーの下腹部に触れる。
「見ないなどという選択肢はない。それとも、このままつながるか?」
脅迫にも似た言葉だった。
イライアスがアンジーの太ももにぐっと下肢を押し付けてくる。布越しに伝わってくる熱の大きさに、アンジーは強い恐怖を覚える。
「キミがこのままでいいと言うのなら、その意見を尊重しよう」
どう反応したらいいのかわからず、アンジーは視線をさまよわせる。
(イライアスさまのソレを……私のナカに、挿れるのよね? そういうことよね?)
詳しいことはわからないが、拙い知識と彼の言葉から、行為の全貌を導き出す。
(そんなの無理! だって、こんなの……私のナカに収まるわけがないもの……)
恐怖に支配され、アンジーはついに声をあげて泣き出してしまった。
泣いたら迷惑だとわかっているのに、涙が止まらなかった。
「や、むり……こわい、です」
嗚咽を漏らすアンジーを、イライアスがじっと見下ろしている。
あきれてしまっただろうか? 面倒だと思われてしまっただろうか? もしも、これで婚姻関係を解消されるなど言われたら、どうしようか……。
涙を止めようとするのに、止まらない。身体を小刻みに震わせていると、イライアスの手が伸びてきた。
その手はおもむろにアンジーの頭を撫でた。
「……意地の悪いことを、しすぎたな」
アンジーの銀髪を梳く彼の指先は、優しかった。
「泣くな。俺は誓って、キミにひどいことなんてしない」
まるで子供をあやしているみたいな態度だった。
「多少痛みはあるだろうが、できるだけ痛くないようにしてやる。だから、恥ずかしいことは我慢しろ」
優しい声に、涙が少しずつだが、引っ込んでいく。
「――わかったな?」
口調とは裏腹に、声音はどこまでも穏やかで優しかった。
アンジーは手の甲で涙を拭って、小さくうなずく。
「じゃあ、続けるぞ」
イライアスの手がアンジーの秘所に触れる。撫でるように触れられて、身体がぞくぞくしてしまう。
彼の指先が、アンジーの蜜口に触れた。軽く指を出し挿れすると、くちゅりという水音が耳に届く。
「ここに俺のモノを挿れるんだ。……わかったか?」
「は、はい……」
言葉にされると、なんと生々しい行為なのだろう。世の夫婦は、どこもこんなことをしているのか……。
「そして、ここは性的に感じると濡れるんだ。今も、音がするだろ?」
イライアスの指がうごめくと、もう一度水音が聞こえた。しかも、先ほどよりも大きな音だ。
「これはいわゆる潤滑油だ。……あるほど、スムーズに挿入できる」
なぜ、自分は夫に閨の説明を受けているのだろう。
アンジーは混乱してしまうが、これが彼なりの気遣いだと理解する。
たぶん、彼なりにアンジーの恐怖心を和らげようとしているのだ。
痛いはずなのに、気持ちいいと思っているのだろうか。
アンジーが戸惑っていると、ぎゅっと乳首をつまみ上げられる。突然の刺激に驚いて腰が跳ねた。
「――やっ」
乳首から感じる愉悦に、頭の中が真っ白になるみたいだ。
うるんだ瞳でイライアスを見つめる。できるだけ強くにらみつけたつもりだったが、彼は余裕のある表情のままだった。
「そんな風ににらまれても、怖くはない。むしろ――」
イライアスが言葉を切った。
「いや、なんでもない。とにかく、キミは俺の手で感じていたらいいんだ」
返事をするよりも前に、乳房を包み込まれた。彼は指の間で乳首を刺激し、手のひら全体で胸を揉みこむ。
「ぁっ」
イライアスの手が、アンジーの秘所を隠す下着のひもにかかる。気づいたときにはすでに遅く、ひもはほどかれ布地を取り払われた。
そして、彼はアンジーの脚の間に身体を滑り込ませる。強引に脚を開かされてしまう。
「やめて、みないで……」
必死に訴えても、イライアスの視線は秘所に向いた。
肌の上を滑った手のひらが、アンジーの下腹部に触れる。
「見ないなどという選択肢はない。それとも、このままつながるか?」
脅迫にも似た言葉だった。
イライアスがアンジーの太ももにぐっと下肢を押し付けてくる。布越しに伝わってくる熱の大きさに、アンジーは強い恐怖を覚える。
「キミがこのままでいいと言うのなら、その意見を尊重しよう」
どう反応したらいいのかわからず、アンジーは視線をさまよわせる。
(イライアスさまのソレを……私のナカに、挿れるのよね? そういうことよね?)
詳しいことはわからないが、拙い知識と彼の言葉から、行為の全貌を導き出す。
(そんなの無理! だって、こんなの……私のナカに収まるわけがないもの……)
恐怖に支配され、アンジーはついに声をあげて泣き出してしまった。
泣いたら迷惑だとわかっているのに、涙が止まらなかった。
「や、むり……こわい、です」
嗚咽を漏らすアンジーを、イライアスがじっと見下ろしている。
あきれてしまっただろうか? 面倒だと思われてしまっただろうか? もしも、これで婚姻関係を解消されるなど言われたら、どうしようか……。
涙を止めようとするのに、止まらない。身体を小刻みに震わせていると、イライアスの手が伸びてきた。
その手はおもむろにアンジーの頭を撫でた。
「……意地の悪いことを、しすぎたな」
アンジーの銀髪を梳く彼の指先は、優しかった。
「泣くな。俺は誓って、キミにひどいことなんてしない」
まるで子供をあやしているみたいな態度だった。
「多少痛みはあるだろうが、できるだけ痛くないようにしてやる。だから、恥ずかしいことは我慢しろ」
優しい声に、涙が少しずつだが、引っ込んでいく。
「――わかったな?」
口調とは裏腹に、声音はどこまでも穏やかで優しかった。
アンジーは手の甲で涙を拭って、小さくうなずく。
「じゃあ、続けるぞ」
イライアスの手がアンジーの秘所に触れる。撫でるように触れられて、身体がぞくぞくしてしまう。
彼の指先が、アンジーの蜜口に触れた。軽く指を出し挿れすると、くちゅりという水音が耳に届く。
「ここに俺のモノを挿れるんだ。……わかったか?」
「は、はい……」
言葉にされると、なんと生々しい行為なのだろう。世の夫婦は、どこもこんなことをしているのか……。
「そして、ここは性的に感じると濡れるんだ。今も、音がするだろ?」
イライアスの指がうごめくと、もう一度水音が聞こえた。しかも、先ほどよりも大きな音だ。
「これはいわゆる潤滑油だ。……あるほど、スムーズに挿入できる」
なぜ、自分は夫に閨の説明を受けているのだろう。
アンジーは混乱してしまうが、これが彼なりの気遣いだと理解する。
たぶん、彼なりにアンジーの恐怖心を和らげようとしているのだ。
96
あなたにおすすめの小説
夫が運命の番と出会いました
重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。
だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。
しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
王子様への置き手紙
あおき華
恋愛
フィオナは王太子ジェラルドの婚約者。王宮で暮らしながら王太子妃教育を受けていた。そんなある日、ジェラルドと侯爵家令嬢のマデリーンがキスをする所を目撃してしまう。ショックを受けたフィオナは自ら修道院に行くことを決意し、護衛騎士のエルマーとともに王宮を逃げ出した。置き手紙を読んだ皇太子が追いかけてくるとは思いもせずに⋯⋯
小説家になろうにも掲載しています。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる