【R18】だって、所詮は身体目当て１～不幸体質な童顔大学生は、冷酷な若頭の腕の中に閉じ込められる～

第１章

きっかけというか、理由というか ８【※】

　その後、一体何分こうしていたのか。それは、俺にはわからない。

　ただ延々と上半身を愛撫されて、息が荒くなる。上着どころかシャツまではぎ取られて、今の俺は上半身を蒔田さんの眼下に晒している。

「あ、ぁあっ！」

　首筋をカプリと噛まれて、言葉にならない感覚が襲ってくる。

　弄られ続けた上半身は、いろいろな意味で熱を持っていて。なんか、もう。自分の身体がおかしくなったんじゃないかって、思う。
　そう思っていれば、蒔田さんの手がまた俺の乳首に触れた。すっかり硬くなって、主張をする突起。その所為で、余計に快感を感じてしまう。ぎゅっとつままれて、爪でカリカリってされて。ぐりって捏ねられて。もう、おかしくなる。

「ぁ、だめ、そこ、ばっかり……！」

　荒い呼吸を必死に整えて、拒絶の言葉を口に出す。

　でも、何度拒絶しても。何度抗議しても。蒔田さんはやめてくれない。ただ、俺の反応を楽しむかのように俺を見下ろして、淡々と愛撫してくる。

「ふぅん。ここ、ダメなんだ？」

　さっきとは全然違う、何処となく甘さを孕んだ声。それに胸がきゅんとする間もなく、蒔田さんが二本の指を俺の口に差し込んでくる。だらしなくよだれを垂らす口は、もうなんか閉じる気力もなくて。開きっぱなしだった。

「んんっ!?」

　そのごつごつとした指が、俺の口腔内をかき回す。舌をつままれたり、頬の内側をつつかれたり。ぐるりと口腔内をかき回されて、なんかどんどん熱が溜まっていく。

　乳首を弄られて、くすぶっていた熱。そこにどんどん蓄積されていって、苦しくなる。

「嘘つきだな。気持ちいいんだろ？」

　問いかけに、必死に首を横に振る。でも、彼には見抜かれている。それは、その視線で伝わってくる。

（苦しい、苦しい、苦しい……！）

　身体の中の熱が、解放を待っている。嫌と言うほどにわかる。だって、その証拠に。

　俺の陰茎、めちゃくちゃ勃ってるもん。

「涙目で睨まれても怖くないけどな。……こちとら本職だからな」

　俺の必死の抵抗も、蒔田さんにはちっとも通じない。それどころか、まるで嘲笑うような声音で言葉を投げつけられる。

「けど、そういうのそそる。……かーわいい」

　耳元でそう囁かれて、俺の身体がびくんと反応した。思いきり跳ねた身体を、蒔田さんにソファーに縫い付けられて。

　今度は、その手がするりと俺の肌を伝って下腹部に伸びた。そのままそこを撫でられて、身体が震える。

「気持ちよかったな。……ここ、こんなになってるし」
「うぅ……」

　恥ずかしくて、たまらなかった。まさか、男に愛撫されてこうなるなんて……。

　なんか苦しくて、情けなくて。ぎゅっと目を瞑る。が、蒔田さんの手がベルトに伸びるから。咄嗟に、彼の手首を掴んだ。

「や、めて……！」

　懇願するように、必死にそう言葉を発した。だって、まだ、覚悟が決まってないんだから。

「無理、まだ、覚悟……」
「大丈夫だって」

　なにが大丈夫なのかわからない。こちとら女で言えば処女なんだ。大丈夫っていうわけじゃない。

　恐怖からわなわなと唇を震わせていれば、蒔田さんが俺の唇に触れるだけのキスを落とした。その優しさは、意外なものだった。

「今すぐに突っ込むわけじゃないし。……いろいろ、準備する必要があるし」

　にんまりと笑って、そう言われる。……そっか、今すぐに突っ込むわけじゃない……って、だったら触らなくてもいいだろ！

「だったら、触らなくても……」

　本音だった。なのに、蒔田さんは俺の言葉を笑い飛ばす。その後、俺の下半身に視線を向けた。

「この状態だったら辛いだろうから。……抜いてやろうって思っただけだよ」
「っつ！」

　そんなこと、言われても！　そう抗議するよりも前に、俺のベルトが手早く抜き取られた。そのままジーンズと下着をずり下ろされてしまう。……これで俺、一糸まとわぬ姿って奴だ。

（蒔田さん、一つも脱いでないのに……！）

　俺だけ、こんな恥ずかしい格好をされているんだって思ったら羞恥心でいっそ苦しくなる。

　しかも、蒔田さんの視線がソコに注がれているから。余計にいたたまれない。

　そもそも俺、自分の身体に自信があるわけじゃないし……。

（男らしさ、一つもないし……）

　胸も薄いし、筋肉付きにくい体質だし。顔立ちだって童顔。

　この要素で自分の身体に自信を持てる方法があるのなら、知りたい。切実に。

「ま、こういう身体つきもアリっちゃ、アリだな」

　しかもこの人、一人で納得してるし……。なんか、めちゃくちゃバカにされた気分だ。

「貧相で、悪かったですね……！」

　若干八つ当たりとばかりに、そう吐き捨てる。蒔田さんは、けらけらと笑っていた。

「別に貧相って言ってるわけじゃないんだけどなぁ。……でも、いいよ。そういう態度がいつまでもつか見ものだな」
「――え？」

　蒔田さんの言葉に驚いていれば、彼の手が俺の陰茎に触れた。

「んっ」

　いきなりの行動に驚いて、喉からくぐもった声が漏れる。

「弄ってやるから、我慢するなよ」

　そう言って、蒔田さんは俺の陰茎の竿の部分をしごいていく。先走りを塗りたくるように動かす手のひらが、なんか熱くて、大きくて。……俺の手のひらとは全然違う所為で、無性に興奮する。