2 / 79
1 プロローグ
しおりを挟む
小さい頃から今に至る間に、自分の持つ黒髪と黒い目を引け目に感じたり、別の色だったらと望んたりしたことはない。
家族も使用人も皆が俺を愛してくれていたし、家族が全員柔らかな茶色の髪と瞳をしているのに自分だけ黒である理由も、俺が不思議に思った頃に教えてくれた。
それにここアキスト国では珍しい色でも、遠い国には黒っぽい色を持つ人はいるらしい。
10歳頃には仲の良い友人たちもいて、集まって楽しく話して過ごしていた。10歳から18歳まで通うことになる学校の入学時にに必要な物を一緒に買いに行くこともあった。
そして、学校入学を前に友人2人を屋敷に招待した。入学しても仲良くして欲しくて、とっておきのお菓子を友人2人に贈ったのだ。その場で口にした2人は苦しみだし、直ぐに医師を呼ぶ羽目になった。
その後体調が回復した2人に謝ったが、許してもらえず、そのまま疎遠となってしまった。当時は何故2人が倒れたのか俺は分からなかった。
「僕たちのことが嫌いだったの?殺すつもりだったの?」
と言われ、泣くのを我慢しながら必死で否定した。
だが最後には、「髪も目も黒いから悪いんだ。聞いてた通り、エルはやっぱり悪いやつだったのか?」と言われた。黒色の髪と目を持つことは事実だが、それが何故悪いのか分からず、黙り込んでしまった。友人に自分では変えられようも無いことを責められたのが悲しかった。
そのまま2人とは会話出来ず、再会したのは学園の入学式だった。
その頃には既に侯爵子息と子爵子息の2人が、調べても分からない毒を俺に盛られ倒れた、という噂が広がっていて、俺は同じ生徒たちから遠巻きに見られていた。
伯爵家ではあるが、王宮とはあまり関わらず、貿易で利益を上げて領地経営していた為、少し侮られている。それでも伯爵家。俺を直接害することが出来る人は限られていた。
入学式が終わり教室への移動中、友人だった2人が現れた。
侯爵子息であるキール・プリムローズと子爵子息であるリアム・ゴードンだ。キールは未だ不機嫌そうに、リアムは無表情で俺を見ていた。
「いい加減認めたらどうなんだ。エルは何か知ってたんじゃないの? ちゃんと自分でやったことを認めて謝ったら許してあげるよ」
だがエルティアはどれだけ謝っても違うと言っても信じてもらえず、家族から貰った黒色を否定され、もう一緒にはいられない、いたくないと思った。
「一応最後に言うけど、ぼくは本当に二人に毒なんていれてない。ただ、菓子を食べて欲しかっただけだ。信じてよ」
「信じられない! 父と母からも危険だからお前に近寄るなと言われてるんだ!」
「そうか…なら許されなくても構わない。もうぼくと関わりたくないだろうから、今後はお互い近寄らないようにしよう」
そう言って2人の傍を離れ教室へと向かった。
この場に事実を知る人がいなかった為、3人の関係は拗れたまま6年の歳月が経つことになる。
2人が食べたのは本当にただのクッキーだった。エルティアが頑張って手作りしたチョコチップクッキーだ。エルティアは料理にハマっていて、料理人の監視の元様々な料理を生み出していた。そう、生み出していた。
作り出されたモノが毒のように苦かったり、20年放置したキャラメルみたいに固かったり、口に入れた瞬間、何の味か分からないほど色んな味がしたりする。
そう、エルティアは本人が無自覚のメシマズだったのだ。
家族も使用人も皆が俺を愛してくれていたし、家族が全員柔らかな茶色の髪と瞳をしているのに自分だけ黒である理由も、俺が不思議に思った頃に教えてくれた。
それにここアキスト国では珍しい色でも、遠い国には黒っぽい色を持つ人はいるらしい。
10歳頃には仲の良い友人たちもいて、集まって楽しく話して過ごしていた。10歳から18歳まで通うことになる学校の入学時にに必要な物を一緒に買いに行くこともあった。
そして、学校入学を前に友人2人を屋敷に招待した。入学しても仲良くして欲しくて、とっておきのお菓子を友人2人に贈ったのだ。その場で口にした2人は苦しみだし、直ぐに医師を呼ぶ羽目になった。
その後体調が回復した2人に謝ったが、許してもらえず、そのまま疎遠となってしまった。当時は何故2人が倒れたのか俺は分からなかった。
「僕たちのことが嫌いだったの?殺すつもりだったの?」
と言われ、泣くのを我慢しながら必死で否定した。
だが最後には、「髪も目も黒いから悪いんだ。聞いてた通り、エルはやっぱり悪いやつだったのか?」と言われた。黒色の髪と目を持つことは事実だが、それが何故悪いのか分からず、黙り込んでしまった。友人に自分では変えられようも無いことを責められたのが悲しかった。
そのまま2人とは会話出来ず、再会したのは学園の入学式だった。
その頃には既に侯爵子息と子爵子息の2人が、調べても分からない毒を俺に盛られ倒れた、という噂が広がっていて、俺は同じ生徒たちから遠巻きに見られていた。
伯爵家ではあるが、王宮とはあまり関わらず、貿易で利益を上げて領地経営していた為、少し侮られている。それでも伯爵家。俺を直接害することが出来る人は限られていた。
入学式が終わり教室への移動中、友人だった2人が現れた。
侯爵子息であるキール・プリムローズと子爵子息であるリアム・ゴードンだ。キールは未だ不機嫌そうに、リアムは無表情で俺を見ていた。
「いい加減認めたらどうなんだ。エルは何か知ってたんじゃないの? ちゃんと自分でやったことを認めて謝ったら許してあげるよ」
だがエルティアはどれだけ謝っても違うと言っても信じてもらえず、家族から貰った黒色を否定され、もう一緒にはいられない、いたくないと思った。
「一応最後に言うけど、ぼくは本当に二人に毒なんていれてない。ただ、菓子を食べて欲しかっただけだ。信じてよ」
「信じられない! 父と母からも危険だからお前に近寄るなと言われてるんだ!」
「そうか…なら許されなくても構わない。もうぼくと関わりたくないだろうから、今後はお互い近寄らないようにしよう」
そう言って2人の傍を離れ教室へと向かった。
この場に事実を知る人がいなかった為、3人の関係は拗れたまま6年の歳月が経つことになる。
2人が食べたのは本当にただのクッキーだった。エルティアが頑張って手作りしたチョコチップクッキーだ。エルティアは料理にハマっていて、料理人の監視の元様々な料理を生み出していた。そう、生み出していた。
作り出されたモノが毒のように苦かったり、20年放置したキャラメルみたいに固かったり、口に入れた瞬間、何の味か分からないほど色んな味がしたりする。
そう、エルティアは本人が無自覚のメシマズだったのだ。
12
あなたにおすすめの小説
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
転生エルフの天才エンジニア、静かに暮らしたいのに騎士団長に捕まる〜俺の鉄壁理論は彼の溺愛パッチでバグだらけです〜
たら昆布
BL
転生したらエルフだった社畜エンジニアがのんびり森で暮らす話
騎士団長とのじれったい不器用BL
発情薬
寺蔵
BL
【完結!漫画もUPしてます】攻めの匂いをかぐだけで発情して動けなくなってしまう受けの話です。
製薬会社で開発された、通称『発情薬』。
業務として治験に選ばれ、投薬を受けた新人社員が、先輩の匂いをかぐだけで発情して動けなくなったりします。
社会人。腹黒30歳×寂しがりわんこ系23歳。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
龍の寵愛を受けし者達
樹木緑
BL
サンクホルム国の王子のジェイドは、
父王の護衛騎士であるダリルに憧れていたけど、
ある日偶然に自分の護衛にと推す父王に反する声を聞いてしまう。
それ以来ずっと嫌われていると思っていた王子だったが少しずつ打ち解けて
いつかはそれが愛に変わっていることに気付いた。
それと同時に何故父王が最強の自身の護衛を自分につけたのか理解す時が来る。
王家はある者に裏切りにより、
無惨にもその策に敗れてしまう。
剣が苦手でずっと魔法の研究をしていた王子は、
責めて騎士だけは助けようと、
刃にかかる寸前の所でとうの昔に失ったとされる
時戻しの術をかけるが…
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
新訳 美女と野獣 〜獣人と少年の物語〜
若目
BL
いまはすっかり財政難となった商家マルシャン家は父シャルル、長兄ジャンティー、長女アヴァール、次女リュゼの4人家族。
妹たちが経済状況を顧みずに贅沢三昧するなか、一家はジャンティーの頑張りによってなんとか暮らしていた。
ある日、父が商用で出かける際に、何か欲しいものはないかと聞かれて、ジャンティーは一輪の薔薇をねだる。
しかし、帰る途中で父は道に迷ってしまう。
父があてもなく歩いていると、偶然、美しく奇妙な古城に辿り着く。
父はそこで、庭に薔薇の木で作られた生垣を見つけた。
ジャンティーとの約束を思い出した父が薔薇を一輪摘むと、彼の前に怒り狂った様子の野獣が現れ、「親切にしてやったのに、厚かましくも薔薇まで盗むとは」と吠えかかる。
野獣は父に死をもって償うように迫るが、薔薇が土産であったことを知ると、代わりに子どもを差し出すように要求してきて…
そこから、ジャンティーの運命が大きく変わり出す。
童話の「美女と野獣」パロのBLです
劣等アルファは最強王子から逃げられない
東
BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。
ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる