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19 俺の知らない物語
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「私の知ってる物語ではね、主人公の回想シーンでエレンが出てくるの。主人公が問題を解決した後のエンディングで、レオンからとあることを聞く。そしてそのことに関係している人物が、かつて一度だけ会ったことがあるエレンであることに気付いた。呪師サーリャと話したと当時のエレンから聞いていた主人公はレオンと共にサーリャを訪れるも、数日前に亡くなったことを知り、エレンの行く末は分からなかった」
「ちょ、ちょっと待て! ということはオレはいつかその物語の主人公とやらと会うのか!?」
「もう会っているわ。私がレオン、あなたと接触したことで既に物語序盤から話が変わってきている。おそらく二人とも出会ったはず」
俺とレオン、二人が今回出会った人なんて限られてる。まさか……。
「シドとラキ、彼らが本来の物語のメインキャラクターだった。ラキが主人公の物語なの」
空いた口が塞がらないとはこのことだ。レオンも口が開きっぱなしだ。というか……。
「レオンって何も知らなくない?」
「知ってたら知ってたで拗ねるクセに、知らなかったら塩対応とか酷くないか。耳齧るぞ」
「やめてください」
「話を続けても?」
「「はい、どうぞ!」」
「とりあえず今二人に話せる物語の内容はこんなところよ」
「え!? 物語の内容ほぼ教えてもらえてなくないか? ラキくんが主人公でエレンと会う予定で、オレはもうラキくんたちに会えてるけど、本来は未来で会うってことだけ? 物語上では、オレとシドとラキくんはいつ会うんだ」
「レオンがラキと会うのは五年後よ」
「ご……!?」
「大分先ですね」
「二人は二人で色々問題を抱えているのよ。エンディングを迎えるのが五年後。その頃には私は死ぬ予定なの」
「そ……そんな……!」
「でも死ぬ気はないの」
「え……」
「体に良いお茶を飲み、毎日散歩して、孫を可愛がって八十歳までは生きようと思って」
「なるほど」
「だからそこはあまりしんみりしなけて良いわ。実際本来の物語と変わって来ているから、絶対にこのストーリーじゃないとダメっていう強制力はないみたい。さて、私はあなたを知っているわ、エレン。でも今回あなたたちが来た理由は分からないの、回想シーンにはないものだからね。教えてくれない?」
そうだ。衝撃の話で、未だに全て理解して飲み込んではいないが、元々ここに来た理由は全然違う件なのだ。
「俺、料理がクソまずいんですが、これって呪いですか?」
「なにそれ?」
ええーーーー!!?
「ちょ……えー! どういうことですか」
「いや、私のセリフなんですけど」
「おい婆さん、老化で覚えてないとかじゃなくて、本当に知らないのか?」
「失礼な子だね。ちょっと頭を整理するから詳しく話してちょうだい」
俺は料理が好きになり、研究と練習に明け暮れるも一向に上手くいかないこと。料理の過程は全て問題ないのに自分以外の誰かが食べるとその料理が不味いと感じること、を伝えた。サーリャは少し考え、何かに気付くと俺を見て、続けてレオンを見た。
「結論から言うわ。これはおそらく呪いではないわ。他の人が食べるとあなたの料理が不味くなるのは、エレン、あなたを守る為に施されたことへの対価、または代償によるものよ」
「守る為……? 代償……?」
「ええ、そうよ。ここから先はエレンだけに話すわ。レオンは下でアンソニーの手伝いでもして待ってて」
「……聞かせたくない話か?」
「まだ、聞かない方が良い話よ」
レオンはふぅ……と息をつくと俺の手を握り、安心させるようにか、ふっと笑って見せた。
「サーリャさんは縁やタイミングを大事にしている。オレにエレンのことを話さなかったのも、シドとラキくんのことを知らせなかったのもおそらくそのためだ」
「ええ。物事には全て理由があるの。全てが何かに影響を与え与えられる。バタフライエフェクトって言うの。羽ばたき一つで嵐にもなる。私がイタズラに弄ってはいけないと思っているわ。私が大きく動いたのはレオンの時だけよ」
「分かったよ。エレンくん、下にいるから、話が終わったら呼んでね」
「はい」
俺の呼び方、呼び捨てからまた『くん』付けに戻ったな……とちょっと残念に思った。
「ちょ、ちょっと待て! ということはオレはいつかその物語の主人公とやらと会うのか!?」
「もう会っているわ。私がレオン、あなたと接触したことで既に物語序盤から話が変わってきている。おそらく二人とも出会ったはず」
俺とレオン、二人が今回出会った人なんて限られてる。まさか……。
「シドとラキ、彼らが本来の物語のメインキャラクターだった。ラキが主人公の物語なの」
空いた口が塞がらないとはこのことだ。レオンも口が開きっぱなしだ。というか……。
「レオンって何も知らなくない?」
「知ってたら知ってたで拗ねるクセに、知らなかったら塩対応とか酷くないか。耳齧るぞ」
「やめてください」
「話を続けても?」
「「はい、どうぞ!」」
「とりあえず今二人に話せる物語の内容はこんなところよ」
「え!? 物語の内容ほぼ教えてもらえてなくないか? ラキくんが主人公でエレンと会う予定で、オレはもうラキくんたちに会えてるけど、本来は未来で会うってことだけ? 物語上では、オレとシドとラキくんはいつ会うんだ」
「レオンがラキと会うのは五年後よ」
「ご……!?」
「大分先ですね」
「二人は二人で色々問題を抱えているのよ。エンディングを迎えるのが五年後。その頃には私は死ぬ予定なの」
「そ……そんな……!」
「でも死ぬ気はないの」
「え……」
「体に良いお茶を飲み、毎日散歩して、孫を可愛がって八十歳までは生きようと思って」
「なるほど」
「だからそこはあまりしんみりしなけて良いわ。実際本来の物語と変わって来ているから、絶対にこのストーリーじゃないとダメっていう強制力はないみたい。さて、私はあなたを知っているわ、エレン。でも今回あなたたちが来た理由は分からないの、回想シーンにはないものだからね。教えてくれない?」
そうだ。衝撃の話で、未だに全て理解して飲み込んではいないが、元々ここに来た理由は全然違う件なのだ。
「俺、料理がクソまずいんですが、これって呪いですか?」
「なにそれ?」
ええーーーー!!?
「ちょ……えー! どういうことですか」
「いや、私のセリフなんですけど」
「おい婆さん、老化で覚えてないとかじゃなくて、本当に知らないのか?」
「失礼な子だね。ちょっと頭を整理するから詳しく話してちょうだい」
俺は料理が好きになり、研究と練習に明け暮れるも一向に上手くいかないこと。料理の過程は全て問題ないのに自分以外の誰かが食べるとその料理が不味いと感じること、を伝えた。サーリャは少し考え、何かに気付くと俺を見て、続けてレオンを見た。
「結論から言うわ。これはおそらく呪いではないわ。他の人が食べるとあなたの料理が不味くなるのは、エレン、あなたを守る為に施されたことへの対価、または代償によるものよ」
「守る為……? 代償……?」
「ええ、そうよ。ここから先はエレンだけに話すわ。レオンは下でアンソニーの手伝いでもして待ってて」
「……聞かせたくない話か?」
「まだ、聞かない方が良い話よ」
レオンはふぅ……と息をつくと俺の手を握り、安心させるようにか、ふっと笑って見せた。
「サーリャさんは縁やタイミングを大事にしている。オレにエレンのことを話さなかったのも、シドとラキくんのことを知らせなかったのもおそらくそのためだ」
「ええ。物事には全て理由があるの。全てが何かに影響を与え与えられる。バタフライエフェクトって言うの。羽ばたき一つで嵐にもなる。私がイタズラに弄ってはいけないと思っているわ。私が大きく動いたのはレオンの時だけよ」
「分かったよ。エレンくん、下にいるから、話が終わったら呼んでね」
「はい」
俺の呼び方、呼び捨てからまた『くん』付けに戻ったな……とちょっと残念に思った。
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