極悪令息と呼ばれていることとメシマズは直接関係ありません

ちゃちゃ

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45 ガルロさんに報告

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 しばらくして、再びレオとジェイムズが応接室に戻ってきた。
 
「お部屋と屋敷内の案内は終わりました。使用人たちにはレオン様のことを私から話しておきます」
「頼んだ」
 
「ティア、今日の予定は?」
「今日? マルタ食堂でお手伝いと、料理の実験をしたいんだけど」
「分かった。じゃあ一緒に行こう。帰りにオレの家に寄って一度荷物を取りたい」
「レオは大丈夫なの?」
「あぁ、ティアが学校に行っている間は依頼をこなしたり情報収集をしたりするが、それ以外はティアと一緒にいるよ」
 
 本当にずっといてくれるんだと分かり、胸も目も熱くなる。ヤバい、愛されるって幸せだ……。レオが察したのか頭を撫でてくれる。
 
「ティア、良かったわねぇ……。外にいる間は、絶対にレオン様から離れてはダメよ。レオン様、ティアをよろしくお願い致します」
「おまかせください。お義母様」
「うふふ」
「もし時期早々に私をお義父様と呼んだら許さないからな」
「はい、かしこまりました、卿。今後呼ばせて頂けるよう期待に応えてみせます」
「ふんっ……」
 
 お父様はまだ少し納得いってなさそうだけど、レオ自身は認めているようだ。まぁ人柄も良いし礼儀正しいし、そもそも元王族とか逆に俺の方が釣り合ってないしな。
 
「じゃあもう行こうかな」
「そうだな。ではお義母様、クロスフェード卿、行ってまいります」
「気をつけてね」
「ティア、周りにも横のヤツにも気をつけるんだぞ」
「うん、行ってきます」
 
 お父様の言葉を軽く流し、髪と目を変え家を出た。
 
「ティアの黒い髪も目もとても綺麗だから、安全と混乱回避のためとはいえ残念だな」
 
 そういえば、レオの前で黒い髪と目を見せたのは初めてだったな。キールにも好きだと言われたけど、生まれ持った色を褒められるとやはり嬉しい。
 
「レオにそう言ってもらえると嬉しいな」
「本当にとても綺麗だ。それに、ティアにオレの色が似合いそうで嬉しいよ」
「レオの色?」
「銀と紫。黒髪に銀の髪飾りや紫の耳飾りが合いそうだ。来週末は一緒に買い物デートしようか」
「で、でで……デート……」
「その時は変装しないままが良いんだけど、危ないから買い物だけして、家に帰ったら黒髪に合わせてみようね」
「で……デート……」
 
 今まで散々二人で出掛けていたにも関わらず、恋仲となりデートと言われたら意識せざるを得ない。気をつけなければいけないと言うのに、内心はしゃいでしまうのは仕方ないだろう。
 二人で歩いているだけでも楽しくなり、浮き足立つ気持ちを抑えながらマルタ食堂に着いた。
 
「おはようございます!」
「おう、エレン。今日は早いな。レオンも一緒か」
「それなんだが、ちょっと訳があってオレがエレンを護衛することになった。マルタ食堂で何か起こる可能性は低いが、怪しい奴、見掛けない奴が来たら注意してくれ」
「なんだそれは……えらく物騒じゃないか。エレン大丈夫なのか?」
「レオンがいてくれるので大丈夫です」
「だが四六時中一緒な訳じゃないだろう?」
「んー……でもほぼ四六時中一緒かな……」
「はぁ!? おいレオン……」
「いやまぁ……そういうことです」
「お前! あれだけ言ったのに……まさか手ぇだしたのか!?」
「そういうことです」
「まだ無垢そうなガキをたらし込むなんて……」
「失礼な。相思相愛だぞ。今日から一緒に暮らすんだ」
「展開が早いんだよコノヤロウ!」
 
 お父様に続いてガルロさんにも責められるレオ……。ガルロさんも俺を大事に想ってくれているのが分かって、レオには申し訳ないけど嬉しい。
 
「ガルロさん、ありがとう。俺、レオンがいてくれて幸せなんだ。だからレオンを責めないで」
「エレン……お前のことを我が子や弟のように思ってるんだ。何かあったらオレに何でも相談しろよ。いつでも」
「うん!」
 
 ガシガシと力強く頭を撫でられた。その後、お店の営業を手伝い、料理の実験をした。小分けに作り一つずつ確認する。味に関係ない部分、切る・茹でるなどは問題無かった。調味料を入れたりガルロさんが作った料理を煮込んだりすると味が変化した。このことから、味付けと仕上げ以外はガルロさんの料理のお手伝いが出来ると分かり、次からは配膳だけでなく料理も出来ることになった。楽しみだな。
 
「あ、因みにガルロさん、来週の土曜日はエレンくんお休みだから」
「あ?」
「オレとデートだから」
「「「ああ??」」」
 
 レオとガルロさんの話が聞こえた常連さんたちが乱入してきて一悶着あったが、無事に食堂を出ることが出来た。何も他の人の前で言わなくても……と言ったら「どこからか湧くか分からないから、虫除けしておくのに越したことはない」と返された。レオ以外から好意を向けられたことないから大丈夫だよと言っても聞かなかった。
 
 
「荷物を纏めるからソファーに座って待ってて。すぐ済むから」
 
 そう言って寝室の方へと入っていった。もう三度目となるレオの家。完全にクロスフェード家の屋敷に移り住むのではなく、何かあった時用にこの部屋はそのまま借りておくそうだ。
 
「お待たせ、ティア」
 
 ものの5分でレオが出てきた。手には……側面に綺麗な装飾が施された白い小さな箱。レオがソファーに座った俺の前に片膝をつき、しゃがんだ。
 
「ティア。ティアの心の準備を待たず自分勝手に結婚の申し込みをしてすまない。だが、オレがティアを想う気持ちは本当だ。どうか信じてらこの指輪を付けさせて欲しい」
 
 レオは小さな箱を開けると中には真ん中に小さな宝石がついた銀色指輪が二つ入っていた。もしかしてこれが先程話していた国宝の指輪だろうか。
 
「オレは必ずティアを守り抜くと誓おう。死ぬまで愛し抜くと誓う。こいつを貰ってくれるか?」
 
 レオの言葉に目が潤むのを止められず、ただ頷いた。レオがおの左手を取り、薬指に口付けをした。箱から指輪を取り出し俺の指にはめていく。
 
「ティア、愛している。ティアも、オレを愛してくれるなら、もう一つの指輪を俺にはめてくれ」
 
 箱にある、自分がつけているものより少し大きい指輪を手に取った。レオがしたように左手を取り薬指に口付けを送る。
 
「レオ、愛してる。大好き」
 
 震える声でそう言葉にして、レオの指に指輪をはめた。お互いぴったりだ。
 
「ありがとうティア。一緒に幸せになろう。これからもし、何があっても、絶対に幸せになろう」
「うん! うん!」
 
 そのまま首に腕を回し、触れるだけの誓いのキスをした。
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