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5 ハッピーエンド【完】
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「シェリーちゃん、本当にこんな男で良いの? シェリーちゃんならもっと良い男捕まえられると思うけど」
「ミカ、お前余計なことを言うな。あとシェリーって呼ぶな」
「僕は……アリス以外の人といる人生は想像出来ないから……。それに僕はアリスのことが大好きなので」
「……!? シェリー! 私もシェリーだけを愛してる!」
「巻き込まれた上に協力までしたのに、上手くいったらいったで鬱陶し過ぎるな」
あの後互いの両親に人生のパートナーになることを話すと、すんなり話が通った。両親同士が仲が良いだけでなく、「幼い頃から二人だけの世界だったから、勿論二人は結婚するもんだと思っていた」と言われ、拍子抜けだった。あとバレバレだった。
直接話したことがない生徒会メンバーとミカにも会わせてもらい、僕たち二人のゴタゴタに付き合わせた謝罪とお礼を伝えた。みんなは僕にも話しかけたかったらしいけど、アリスバリケードによって阻止されていたらしい。アリスバリケードって何?
そしてミカは想像と違って、可愛い顔して男らしい、口は悪いがその言葉からは愛情を感じる子だった。
「理由も聞かず協力したのも悪いけど、シェリーちゃんが辛そうな顔で食堂出ていくのが見えてさ。ものすごく反省したよ。このバカが一番悪いんだけど」
「ふふふ……。ご心配お掛けしました。でもこうして今ミカさんと親しくなれて嬉しいです」
「ミカで良いよ。俺も嬉しい。シェリーちゃん本当に綺麗だねぇー。よく今まで無事だったねぇー」
「無事?」
「ミカうるさい。シェリー、明日のパーティーの衣装の最終打ち合わせをしに行こう」
「分かりました。じゃあみなさん、また明日」
「またねー!」
アリスと共に打ち合わせをして、合間にキスをして、明くる日のパーティーを楽しみに待った。
パーティー当日。
僕はアリスの色である緑の宝石が付いたネクタイピンとピアス、金色の髪留めを付けた。アリスはシルバーブロンドのネクタイピンと黒のピアスを付けている。
アリスが伯爵邸まで迎えに来て、エスコートされながらパーティー会場に入った。僕たちを見るなり周りの人々は「やっぱり……!」とか「良かった……!」とか言いながらザワザワとしている。
表だって婚約発表はしていないけれど、今日の様子を見て周りは確信するだろう。
「シェスリード様、ベアトリクス様、お会い出来て嬉しいです」
ナリュームが一人で僕たちに挨拶に来た。そうだ、僕は彼にパーティーには行かないと言って断ったんだった。謝らないと。
「ナリューム、パーティーに行かないと話したのにごめんなさい。あの後色々あって……」
「言わずとも分かります。私がシェスリード様を幸せに出来ないのは残念ですが、お二人の周りを寄せ付けないほどの幸せオーラに当てられたらお祝いの言葉しか出てきません。おめでとうございます」
「ナリューム……ありがとう……」
「はい。本当に心からお祝いしてますので、ベアトリクス様はその鋭い眼光と殺気を収めて下さいますと嬉しいです。私が鍛えた騎士でなければ倒れてしまいそうです」
「お前が倒れても問題ないが?」
問題だと思います。
「怖いので早々に退散しますね。ではお二人とも、どうかお幸せに。失礼致します」
「ナリュームは良い子ですよね」
「シェリー、浮気はダメだ。相手を消してシェリーを閉じ込めてしまうかもしれない」
「いやいや、弟というか子犬みたいな感じで思ってるだけだよ」
「あのデカい図体で子犬か……?」
その後は二人で談笑していると、校長がマイクを取り話し始めた。毎回あるパーティーの中で校長がわざわざ話しに来るのは初めてだ。
「この度、皇室より、先立ってみなに報告したいことがあるとのことです。暫し時間を頂きたい。ラシュカ殿下、どうぞ」
ラシュカ殿下は高等部三学年の先輩でこの国の第三王子だ。兄である王太子と、頭脳に優れた第二王子殿下を支えるため王位継承権を早々に放棄し、近衛騎士となるべく鍛錬に勤しんでいると聞く。顔立ちは少し強面で、騎士らしくガタイは良い。身長も180cmは超えていそうだ。
「みな、楽しいパーティーの時間を割いてすまない。この度、私ラシュカは聖者であるミカと婚姻を結ぶに至った。今後はミカと二人で国を支え、みなが心身豊かに過ごせるよう努めることを誓う」
「え!?」
ミカ!? ミカとラシュカ殿下って付き合ってたの!?
アリスは驚いていないから全部知っていたようだ。いつの間に知り合って仲良くなっていたのだろう。前世で知ってる物語にはラシュカ殿下は出てきていなかったはずだ。
「ミカです。殿下とは一目合った時に運命だと感じました。存在全てが可愛らしく、この国に身を尽くす殿下を見て、私のこの力は、殿下と共にあるために神から頂いたギフトなのだと思いました。殿下の為に、そしてこの国の為に、力を尽くすことを誓います」
会場は拍手と歓声が鳴り響いた。僕も拍手をするが気になることが二つある。まずは歓声が熱狂的過ぎること。前世であったアイドルコンサートのようだ。どこからか紙テープが投げられる。いつ用意したんだ。紙テープという概念この世界にもあったのか。
そしてもう一つは……。
「ねぇアリス。ミカってもしかして……」
歓声が収まらぬ中で、アリスの耳元に近付き尋ねた。アリスはサプライズが成功したと言わんばかりにニヤリと笑った。
「ミカが旦那で殿下は嫁だそうだよ」
とても愛しそうに殿下を見つめるミカも、その眼差しを受ける殿下も幸せそうだ。
物語にはなかったハッピーエンドを迎えたことに、そして愛する人と共にこの世界で生きられることに、心から幸せを感じ、傍にいるアリスの手を握った。
「ミカ、お前余計なことを言うな。あとシェリーって呼ぶな」
「僕は……アリス以外の人といる人生は想像出来ないから……。それに僕はアリスのことが大好きなので」
「……!? シェリー! 私もシェリーだけを愛してる!」
「巻き込まれた上に協力までしたのに、上手くいったらいったで鬱陶し過ぎるな」
あの後互いの両親に人生のパートナーになることを話すと、すんなり話が通った。両親同士が仲が良いだけでなく、「幼い頃から二人だけの世界だったから、勿論二人は結婚するもんだと思っていた」と言われ、拍子抜けだった。あとバレバレだった。
直接話したことがない生徒会メンバーとミカにも会わせてもらい、僕たち二人のゴタゴタに付き合わせた謝罪とお礼を伝えた。みんなは僕にも話しかけたかったらしいけど、アリスバリケードによって阻止されていたらしい。アリスバリケードって何?
そしてミカは想像と違って、可愛い顔して男らしい、口は悪いがその言葉からは愛情を感じる子だった。
「理由も聞かず協力したのも悪いけど、シェリーちゃんが辛そうな顔で食堂出ていくのが見えてさ。ものすごく反省したよ。このバカが一番悪いんだけど」
「ふふふ……。ご心配お掛けしました。でもこうして今ミカさんと親しくなれて嬉しいです」
「ミカで良いよ。俺も嬉しい。シェリーちゃん本当に綺麗だねぇー。よく今まで無事だったねぇー」
「無事?」
「ミカうるさい。シェリー、明日のパーティーの衣装の最終打ち合わせをしに行こう」
「分かりました。じゃあみなさん、また明日」
「またねー!」
アリスと共に打ち合わせをして、合間にキスをして、明くる日のパーティーを楽しみに待った。
パーティー当日。
僕はアリスの色である緑の宝石が付いたネクタイピンとピアス、金色の髪留めを付けた。アリスはシルバーブロンドのネクタイピンと黒のピアスを付けている。
アリスが伯爵邸まで迎えに来て、エスコートされながらパーティー会場に入った。僕たちを見るなり周りの人々は「やっぱり……!」とか「良かった……!」とか言いながらザワザワとしている。
表だって婚約発表はしていないけれど、今日の様子を見て周りは確信するだろう。
「シェスリード様、ベアトリクス様、お会い出来て嬉しいです」
ナリュームが一人で僕たちに挨拶に来た。そうだ、僕は彼にパーティーには行かないと言って断ったんだった。謝らないと。
「ナリューム、パーティーに行かないと話したのにごめんなさい。あの後色々あって……」
「言わずとも分かります。私がシェスリード様を幸せに出来ないのは残念ですが、お二人の周りを寄せ付けないほどの幸せオーラに当てられたらお祝いの言葉しか出てきません。おめでとうございます」
「ナリューム……ありがとう……」
「はい。本当に心からお祝いしてますので、ベアトリクス様はその鋭い眼光と殺気を収めて下さいますと嬉しいです。私が鍛えた騎士でなければ倒れてしまいそうです」
「お前が倒れても問題ないが?」
問題だと思います。
「怖いので早々に退散しますね。ではお二人とも、どうかお幸せに。失礼致します」
「ナリュームは良い子ですよね」
「シェリー、浮気はダメだ。相手を消してシェリーを閉じ込めてしまうかもしれない」
「いやいや、弟というか子犬みたいな感じで思ってるだけだよ」
「あのデカい図体で子犬か……?」
その後は二人で談笑していると、校長がマイクを取り話し始めた。毎回あるパーティーの中で校長がわざわざ話しに来るのは初めてだ。
「この度、皇室より、先立ってみなに報告したいことがあるとのことです。暫し時間を頂きたい。ラシュカ殿下、どうぞ」
ラシュカ殿下は高等部三学年の先輩でこの国の第三王子だ。兄である王太子と、頭脳に優れた第二王子殿下を支えるため王位継承権を早々に放棄し、近衛騎士となるべく鍛錬に勤しんでいると聞く。顔立ちは少し強面で、騎士らしくガタイは良い。身長も180cmは超えていそうだ。
「みな、楽しいパーティーの時間を割いてすまない。この度、私ラシュカは聖者であるミカと婚姻を結ぶに至った。今後はミカと二人で国を支え、みなが心身豊かに過ごせるよう努めることを誓う」
「え!?」
ミカ!? ミカとラシュカ殿下って付き合ってたの!?
アリスは驚いていないから全部知っていたようだ。いつの間に知り合って仲良くなっていたのだろう。前世で知ってる物語にはラシュカ殿下は出てきていなかったはずだ。
「ミカです。殿下とは一目合った時に運命だと感じました。存在全てが可愛らしく、この国に身を尽くす殿下を見て、私のこの力は、殿下と共にあるために神から頂いたギフトなのだと思いました。殿下の為に、そしてこの国の為に、力を尽くすことを誓います」
会場は拍手と歓声が鳴り響いた。僕も拍手をするが気になることが二つある。まずは歓声が熱狂的過ぎること。前世であったアイドルコンサートのようだ。どこからか紙テープが投げられる。いつ用意したんだ。紙テープという概念この世界にもあったのか。
そしてもう一つは……。
「ねぇアリス。ミカってもしかして……」
歓声が収まらぬ中で、アリスの耳元に近付き尋ねた。アリスはサプライズが成功したと言わんばかりにニヤリと笑った。
「ミカが旦那で殿下は嫁だそうだよ」
とても愛しそうに殿下を見つめるミカも、その眼差しを受ける殿下も幸せそうだ。
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