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一章
最強の男?
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その問いに僕は、
「当たり前だろ、守りたいよ、でも、」
その先をその男は言わせてくれなかった。
「じゃあ、なんであの時突っ込んでいった」
あの時とは、能力を発動してしまい、リミッターが外れた時だろう。
「あの時はとっさに、僕も冷静じゃなかったんだ」
「冷静じゃなかったら妹を守れなくてもいいのか?」
「それは、」
言い返せなかった、その男の言うことは至極真っ当な意見だった。
でも、僕は、
「じゃあ、どうすれば良かったんだよ!」
僕は叫んで訴えかけた。
「そんなの決まってんだろ、恋月と陽向に任せれば良かっただろ。それに陽向ってやつは回復の能力なんだろ?何故一度立て直そうとしなかった、何故二人を頼らなかった?」
「だって、僕が守らないと」
「全て自分ですることが守ることか?」
「僕がやらないと、」
「そこまで弱かったか?」
「弱くない」
「あぁ、ちゃんと回避も出来ていたし、攻撃も隙をついたものだった。お前が全部する必要なんてないんだよ、二人が危険な状態になった時だろ、助けるのは」
僕はその言葉をこれまでの自分の行動を振り返りながら聞いていた。
レベルティラスでの出来事、そして今回、二つとも僕一人で全てを終わらせようとしていた。
それで、妹と陽向を守る気でいた。
だが、どちらともうまくいっていない。
「あぁ、今までの自分がどれだけ傲慢な考えを持っていたか分かったよ、ありがとう。それと、レベルティラスで僕たちを助けてくれたのはあんただろ?」
「あぁ、そうだ、で?」
「いや、ありがとう」
「ふんっ、さっさと現実に戻れ」
「あ、あと一つ、あんたは何者なんだ?」
「どうでもいい」
そう言い、男は僕を強制的に現実に戻した。
「兄さん大丈夫?!」
「あぁ、大丈夫だよ」
現実に戻った僕は倒れていて、ボスは消えていた。
あの男本当に何者なんだ?
「それより、また、なってたよ怖いの」
「そうですよ、口調も荒くなって、怖かったのです。それに身体能力が別次元と呼ぶに相応しいものでした」
「あぁ、そうか、心配かけてごめん、これからは二人を頼ることにするよ」
「何?今まで頼ってなかったの?」
「守ることに必死で、ごめん」
「んー、許す!でも、これから私たちを必ず頼ること!約束ね」
「一人で行動しすぎです。私たちもいるんですからね」
「あぁ、わかったよ、善処する」
それから僕たちは少しの間ボスの部屋で休憩していた。
その時、
「君らかなり無茶したんだね、弱い奴は強い奴にさっさとボス攻略譲っとけよ」
「はぁ?」
金髪のその男は突然現れそう言い放った。
「誰だよお前?俺らの苦労も知らないのに好き勝手言ってんじゃねぇ」
「何?苦労?ボス攻略が?言っとくがボス攻略なんてただの遊びだよ、遊び」
「お前は体験したことあんのかあよ!」
「あるさ、なんたって俺が一層から五十層全ての階のボスを倒したんだからなぁ!」
「え?」
僕たちは言葉を失った。
その言葉を理解するまでに時間がかかった。
理解すると言葉を選ばなければ殺されるのではないか?そんな考えが脳裏をよぎった。
「じゃあ、俺はこれからボス攻略するから、お前らは入ってくんなよ?」
「あ、あぁ、分かったよ、」
「さ、最後に名前を教えてくれないか?」
「あ?俺の名前はイヤ、覚えとけ、どっかでまたあうかもな、フンッ」
その言葉を発した後、笑みを浮かべ階段を下りて行った。
その圧倒的な気迫に僕は負けた。
それから次々にボスの攻略の通知が来た。
今、三十層の攻略通知が届いたのだった。
ゲーム開始から二十四日、僕たちは初めの町に戻り宿で会話をしていた。
「あの男の人本当に一人で攻略してたね」
「あぁ、あれは言葉にならない危険性があった」
「そうですね、素の力でボスを倒してはないと思うので多分、能力者ですよね」
「そうだろうな」
「そういえばさ、今ってボス攻略、四十九層まで終わってるじゃん?」
「うん、五十層目ってないのかな?」
「ないんじゃないか?一週間前からメッセージ来てないし」
「でも、上に行くボス攻略は五十層まであったじゃん?地下の方も五十層まであるんじゃない?」
「でも、あの方が入っていったんですよ?メッセージが無いってことは四十九層で終わりなんじゃないですか?水月さんの言った通り」
「えぇー、でも気になるじゃん」
「まあ、それは気になるけど」
「じゃあ、見に行こうよ!」
「見に行く?どうする?陽向」
「まあ、見に行ってもいいですよ、さっきはああ言いましたけど、私も気になりはしますし」
「じゃあ、見に行こー!」
テンション高いなー、と思いつつ僕たちは再びボスのいる場所へ歩を進めた。
「当たり前だろ、守りたいよ、でも、」
その先をその男は言わせてくれなかった。
「じゃあ、なんであの時突っ込んでいった」
あの時とは、能力を発動してしまい、リミッターが外れた時だろう。
「あの時はとっさに、僕も冷静じゃなかったんだ」
「冷静じゃなかったら妹を守れなくてもいいのか?」
「それは、」
言い返せなかった、その男の言うことは至極真っ当な意見だった。
でも、僕は、
「じゃあ、どうすれば良かったんだよ!」
僕は叫んで訴えかけた。
「そんなの決まってんだろ、恋月と陽向に任せれば良かっただろ。それに陽向ってやつは回復の能力なんだろ?何故一度立て直そうとしなかった、何故二人を頼らなかった?」
「だって、僕が守らないと」
「全て自分ですることが守ることか?」
「僕がやらないと、」
「そこまで弱かったか?」
「弱くない」
「あぁ、ちゃんと回避も出来ていたし、攻撃も隙をついたものだった。お前が全部する必要なんてないんだよ、二人が危険な状態になった時だろ、助けるのは」
僕はその言葉をこれまでの自分の行動を振り返りながら聞いていた。
レベルティラスでの出来事、そして今回、二つとも僕一人で全てを終わらせようとしていた。
それで、妹と陽向を守る気でいた。
だが、どちらともうまくいっていない。
「あぁ、今までの自分がどれだけ傲慢な考えを持っていたか分かったよ、ありがとう。それと、レベルティラスで僕たちを助けてくれたのはあんただろ?」
「あぁ、そうだ、で?」
「いや、ありがとう」
「ふんっ、さっさと現実に戻れ」
「あ、あと一つ、あんたは何者なんだ?」
「どうでもいい」
そう言い、男は僕を強制的に現実に戻した。
「兄さん大丈夫?!」
「あぁ、大丈夫だよ」
現実に戻った僕は倒れていて、ボスは消えていた。
あの男本当に何者なんだ?
「それより、また、なってたよ怖いの」
「そうですよ、口調も荒くなって、怖かったのです。それに身体能力が別次元と呼ぶに相応しいものでした」
「あぁ、そうか、心配かけてごめん、これからは二人を頼ることにするよ」
「何?今まで頼ってなかったの?」
「守ることに必死で、ごめん」
「んー、許す!でも、これから私たちを必ず頼ること!約束ね」
「一人で行動しすぎです。私たちもいるんですからね」
「あぁ、わかったよ、善処する」
それから僕たちは少しの間ボスの部屋で休憩していた。
その時、
「君らかなり無茶したんだね、弱い奴は強い奴にさっさとボス攻略譲っとけよ」
「はぁ?」
金髪のその男は突然現れそう言い放った。
「誰だよお前?俺らの苦労も知らないのに好き勝手言ってんじゃねぇ」
「何?苦労?ボス攻略が?言っとくがボス攻略なんてただの遊びだよ、遊び」
「お前は体験したことあんのかあよ!」
「あるさ、なんたって俺が一層から五十層全ての階のボスを倒したんだからなぁ!」
「え?」
僕たちは言葉を失った。
その言葉を理解するまでに時間がかかった。
理解すると言葉を選ばなければ殺されるのではないか?そんな考えが脳裏をよぎった。
「じゃあ、俺はこれからボス攻略するから、お前らは入ってくんなよ?」
「あ、あぁ、分かったよ、」
「さ、最後に名前を教えてくれないか?」
「あ?俺の名前はイヤ、覚えとけ、どっかでまたあうかもな、フンッ」
その言葉を発した後、笑みを浮かべ階段を下りて行った。
その圧倒的な気迫に僕は負けた。
それから次々にボスの攻略の通知が来た。
今、三十層の攻略通知が届いたのだった。
ゲーム開始から二十四日、僕たちは初めの町に戻り宿で会話をしていた。
「あの男の人本当に一人で攻略してたね」
「あぁ、あれは言葉にならない危険性があった」
「そうですね、素の力でボスを倒してはないと思うので多分、能力者ですよね」
「そうだろうな」
「そういえばさ、今ってボス攻略、四十九層まで終わってるじゃん?」
「うん、五十層目ってないのかな?」
「ないんじゃないか?一週間前からメッセージ来てないし」
「でも、上に行くボス攻略は五十層まであったじゃん?地下の方も五十層まであるんじゃない?」
「でも、あの方が入っていったんですよ?メッセージが無いってことは四十九層で終わりなんじゃないですか?水月さんの言った通り」
「えぇー、でも気になるじゃん」
「まあ、それは気になるけど」
「じゃあ、見に行こうよ!」
「見に行く?どうする?陽向」
「まあ、見に行ってもいいですよ、さっきはああ言いましたけど、私も気になりはしますし」
「じゃあ、見に行こー!」
テンション高いなー、と思いつつ僕たちは再びボスのいる場所へ歩を進めた。
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