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4章〜崩れて壊れても私はあなたの事を——〜
93話「崩壊の招き人6」
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ーハクレイ vs パローラー
鎖使いのハクレイと攻撃支援のパローラ。二人の戦いは、その攻防がくっきり分かれていた。
「んーしょー、おりゃー」
攻めるのは パローラ。
そのやる気の感じられない気合いと共に現れるのは、やる気に反比例したかのように轟々と燃え上がっている火の塊。
その大きさは、およそ八畳ほど。
狙いの対象となっている ハクレイ だけでなく他の場所に被害を及ぼすほどの巨体と威力が襲いかかる。
「んがあぁっすっ!」
守るのは ハクレイ。
そのとても少女が出すような声ものとは掛け離れた野太い声と共に、地面から鎖が一斉に飛び出して火球の動きを止めにかかる。
火球に熱せられる鎖は一本、また一本と溶けるが、面白いことに ハクレイ はその現象と逆手に取り溶ける鎖を近くにある鎖に巻きつけ、それを一時的に交代し冷やし、再度火球に向かわせる。
幾度となく繰り返すその交換に指の第一関節ほどの幅しかなかった鎖はいつのまにか腕の太さを超え、一本の鉄に柱のようになっていた。
「よいしょおおおぉっっす!」
火球の動きが緩まった瞬間を見逃さず ハクレイ は火球の向きを変え——広場の後方にいる パンドラ の戦場に送りつけた。
「な、なんですの!?」
「ぱ、パローラ様!?」
火球が飛ばされた場所で甲高い声がするが ハクレイ は気にもせず パローラ を見据えた。
「いやー、これはキツいっすね!」
「んー、なんと言うかー、この子大丈夫かなー、特に頭ー」
「し、失礼っすよ! それじゃあまるで自分がアホの子みたいじゃないっすか!」
「そー言ってるんだけどねー。でもまー、君の実力はー、認めるよー」
常識の有無に関してはこれ以上触れることはなく、久しぶりに対等で戦う相手に興味を持つパローラ。
「火球はー、テレスにもー、悪いからー、こっちだー」
気怠げに腕を振う。その動作で新たな魔法陣が展開される。
先程の火球で調子が乗ってきた ハクレイ は気合い十分に パローラ の魔法を待ち構えるが——
「何度やっても同じっす⋯⋯よ?」
次に現れたのは空中に浮かぶ円錐型の氷。
その大きさは先ほどの火球を三回り程大きくした巨体。しかし、最前線で戦う魔道士はこの程度では終わらなかった。
「もーちょいー、味付けー」
クルン、と パローラ が指を回せばそれに連動したかのように浮かぶ氷も空中で回転してみせる。
ゆっくりとしたその速度は次第に勢いに乗り、周囲の空気の流れをソックリ変えてしまうほどの回転速度を生み出す。
「な、なにやってくれてるんすか!? なにが味付けっすか!? 『ですそーす』 でも使いたかったんすか!?」
「んー、聞こえなーい」
ギュンギュンと音を立てる円錐型の氷。
その音のせいで本当に聞こえていない パローラ は片手を耳の後ろにつけアピールする。
「んじゃまー、死んでー」
パローラ が腕を振り下ろすと同時に氷の杭は最初はゆっくりと進み、空間を削り取るように加速する。
「ぎゃーっ!こっち来んなっす!」
プライドのかけらもなく、パローラに背をむけ走り出すハクレイ。
しかし、逃げ回っていくうちに氷の杭の速度は増す一方となり、ついには差が縮まり始めた。
「も、もーやってやるっすよ!コンチキショーめっ!すっ!」
氷の速度と規模を加味し、逃げることは不可能だと悟った ハクレイ 。ようやくというべきか、腹を括り迎え撃つようだ。
「奥の手だったっすけど仕方ないっす——『魔力炉』解放っすよ!」
ハクレイの奥の手『魔力炉』は単純な仕組みなことに、今日のやる気を明日に回そう、というものだった。
普通の魔物ではできないことなのだが、ハクレイの持つ『切り貼り』の才能と変態たちの世話で身につけたそうだ。
——閑話休題。
ハクレイ の溜まりに溜まっていた莫大な魔力が解き放たれた。その余波は パローラ の肌をビリビリと刺激し、目を見開かせるほどに。
そして、極め付けは生み出される鎖の量は異常だった。
その数は先程の火球で見せた鎖の数の凡そ五倍。一本を見つけるのが不可能なくらいに密集し畝うねる大量の鎖はさながら鉄色の蛇の様だ。
「止まれえええええぇっすっ!」
生み出された鉄色の蛇は巨大な氷の杭の回転を止めにかかる。
ギャリギャリと耳につんざくその音に ハクレイ も パローラ も耳を塞いでしまった。
氷の杭の回転が弱まりながら、鉄色の蛇の牙に呼べるような場所が削り、蛇の中心に風穴が開き——その驚異の威力を殺しきることができず鉄色の蛇はその体の一部を次々と粉々にされていく。
「んー、勝負あったかなー」
怪獣対戦の様なその光景を見つめ、自身の魔法が優勢であることを感じた パローラ がポロっと勝利の言葉を溢す。しかしそこに——
「まだっすよ!」
ハクレイ が待ったを掛けた。
そして、それと同時に鉄色の蛇に変化が起きる。先程まで正面で食い止めていた蛇は身を捩りながら体制を変化させ——
「⋯⋯えー」
その長い首元から新たに七つの首が生え氷の杭の進行方向を完全に変え——後方で行なっている戦場にその巨体を送りつけた。
まるで、後出しのような変身を見ていた パローラ は唖然としてしまった。魔法の軌道に関して触れる気が起きないほどに。
「え?またですの!?」
「ぱ、パローラ様!? やめて下さいまし!」
巨体を送りつけられた戦場では再び甲高い声が聞こえるが ハクレイ と パローラ の耳には一切入って来なかった。
「うそー、なにそれー、ありー?」
「アリもアリっすよ! どうっすか? 先輩に教えてもらってた『八岐大鉄蛇』は!」
「んー、正直、ちょーと、驚いたー。でもー⋯⋯」
パローラ は本当に ハクレイ の技に驚き、感動していた。気怠げなその表情からは読み取りにくいがそれは確かだった。
だから パローラ は両手を正面で合わせ——
「そろそろー、終わらせようかー」
賢者の真骨頂を見せた。
「⋯⋯え?」
バチバチとなる空気。それは普通ではあり得ない現象だ。しかし、『賢者』と呼ばれる彼女には別格の力があった。
パローラ を中心に渦巻く風。それは熱され上昇気流に変わり一時的な霧を生み出す。
「な、なにが起きてるんっすか!?」
更に大きくバチバチとなる周囲の空気。膨大な魔力によって補強される気象現象は遂には洞窟の中で落雷を落とした。
「ぴゃあ!?」
ピシャー、と落ちる雷。ほぼ勘であったがその場からとっさに身を引いた ハクレイ が元いた位置に狙って落ちてきた。
「んー、難しいなー。これならー、どうー?」
見えないその先から声だけが情報源となる。
しかし、落雷も二度目が襲いかかることはなく、全く別の場所で音が鳴る。そして、役割を果たしたのか視界を覆っていた霧も次第に晴れて行く。
「な、なにがしたかったんっす⋯⋯え?」
一連の流れで起きた現象に全く理解が追いつかない ハクレイ は靄もやが取れていく視界に超常的な物を見つけてしまった。
「ちょっ⋯⋯マジっすかこれ⋯⋯嘘っすよね?」
見つけてしまった “ソレ” に驚きと恐怖が ハクレイ を襲った。背中に駆ける冷たく空気と額を湿らせる汗は不愉快そのものだ。
「んー、君のー、魔法は中々だったからねー」
姿を現した “ソレ” は——
「ちょっと真似させてもらったよー」
火、水、風、土、氷、雷、光、闇。
それぞれを現象を龍の形に無理矢理象った様な首が一つの胴体から伸びている。
八つの首が右を左を、上を下を、と休むことなく動き回り周囲の光景を目に焼き付けている様だ。
「中々ー、組み立てるのー、難しかったよー。でも——」
八つの色の首が周囲の光景に飽きたのか ハクレイ と『八岐大鉄蛇』を見据えた。
そして、同時に空いた八つの門。
その冥府の門を彷彿させる先の見えない闇の奥からはそれぞれの特性が持つ現象が渦巻き——飛び出した。
「——っ?!」
光。
たった一瞬にして視界を真っ白に染め上げ、爆音と轟音を振り撒いた暴虐の光は『八岐大鉄蛇』を包み込み——
「あっ⋯⋯ぁ⋯⋯」
完全に無に還した。
そこに存在していた鉄色の蛇は一切の痕跡を残されなかった。抉られた地面がそこに何かがあった事を示す最後の手掛かりとなり、焦げた匂いが周囲を漂った。
「八つの属性を混ぜ合わせられる良い魔法だ」
恐怖に歯をカタカタと鳴らし怯えた表情で立つ ハクレイ を パローラ は腕を組み見据えた。
その表情はいつもの気怠げな様子ではなく、素晴らしい玩具を見つけた子供の様な輝きに満ちている。
鎖使いのハクレイと攻撃支援のパローラ。二人の戦いは、その攻防がくっきり分かれていた。
「んーしょー、おりゃー」
攻めるのは パローラ。
そのやる気の感じられない気合いと共に現れるのは、やる気に反比例したかのように轟々と燃え上がっている火の塊。
その大きさは、およそ八畳ほど。
狙いの対象となっている ハクレイ だけでなく他の場所に被害を及ぼすほどの巨体と威力が襲いかかる。
「んがあぁっすっ!」
守るのは ハクレイ。
そのとても少女が出すような声ものとは掛け離れた野太い声と共に、地面から鎖が一斉に飛び出して火球の動きを止めにかかる。
火球に熱せられる鎖は一本、また一本と溶けるが、面白いことに ハクレイ はその現象と逆手に取り溶ける鎖を近くにある鎖に巻きつけ、それを一時的に交代し冷やし、再度火球に向かわせる。
幾度となく繰り返すその交換に指の第一関節ほどの幅しかなかった鎖はいつのまにか腕の太さを超え、一本の鉄に柱のようになっていた。
「よいしょおおおぉっっす!」
火球の動きが緩まった瞬間を見逃さず ハクレイ は火球の向きを変え——広場の後方にいる パンドラ の戦場に送りつけた。
「な、なんですの!?」
「ぱ、パローラ様!?」
火球が飛ばされた場所で甲高い声がするが ハクレイ は気にもせず パローラ を見据えた。
「いやー、これはキツいっすね!」
「んー、なんと言うかー、この子大丈夫かなー、特に頭ー」
「し、失礼っすよ! それじゃあまるで自分がアホの子みたいじゃないっすか!」
「そー言ってるんだけどねー。でもまー、君の実力はー、認めるよー」
常識の有無に関してはこれ以上触れることはなく、久しぶりに対等で戦う相手に興味を持つパローラ。
「火球はー、テレスにもー、悪いからー、こっちだー」
気怠げに腕を振う。その動作で新たな魔法陣が展開される。
先程の火球で調子が乗ってきた ハクレイ は気合い十分に パローラ の魔法を待ち構えるが——
「何度やっても同じっす⋯⋯よ?」
次に現れたのは空中に浮かぶ円錐型の氷。
その大きさは先ほどの火球を三回り程大きくした巨体。しかし、最前線で戦う魔道士はこの程度では終わらなかった。
「もーちょいー、味付けー」
クルン、と パローラ が指を回せばそれに連動したかのように浮かぶ氷も空中で回転してみせる。
ゆっくりとしたその速度は次第に勢いに乗り、周囲の空気の流れをソックリ変えてしまうほどの回転速度を生み出す。
「な、なにやってくれてるんすか!? なにが味付けっすか!? 『ですそーす』 でも使いたかったんすか!?」
「んー、聞こえなーい」
ギュンギュンと音を立てる円錐型の氷。
その音のせいで本当に聞こえていない パローラ は片手を耳の後ろにつけアピールする。
「んじゃまー、死んでー」
パローラ が腕を振り下ろすと同時に氷の杭は最初はゆっくりと進み、空間を削り取るように加速する。
「ぎゃーっ!こっち来んなっす!」
プライドのかけらもなく、パローラに背をむけ走り出すハクレイ。
しかし、逃げ回っていくうちに氷の杭の速度は増す一方となり、ついには差が縮まり始めた。
「も、もーやってやるっすよ!コンチキショーめっ!すっ!」
氷の速度と規模を加味し、逃げることは不可能だと悟った ハクレイ 。ようやくというべきか、腹を括り迎え撃つようだ。
「奥の手だったっすけど仕方ないっす——『魔力炉』解放っすよ!」
ハクレイの奥の手『魔力炉』は単純な仕組みなことに、今日のやる気を明日に回そう、というものだった。
普通の魔物ではできないことなのだが、ハクレイの持つ『切り貼り』の才能と変態たちの世話で身につけたそうだ。
——閑話休題。
ハクレイ の溜まりに溜まっていた莫大な魔力が解き放たれた。その余波は パローラ の肌をビリビリと刺激し、目を見開かせるほどに。
そして、極め付けは生み出される鎖の量は異常だった。
その数は先程の火球で見せた鎖の数の凡そ五倍。一本を見つけるのが不可能なくらいに密集し畝うねる大量の鎖はさながら鉄色の蛇の様だ。
「止まれえええええぇっすっ!」
生み出された鉄色の蛇は巨大な氷の杭の回転を止めにかかる。
ギャリギャリと耳につんざくその音に ハクレイ も パローラ も耳を塞いでしまった。
氷の杭の回転が弱まりながら、鉄色の蛇の牙に呼べるような場所が削り、蛇の中心に風穴が開き——その驚異の威力を殺しきることができず鉄色の蛇はその体の一部を次々と粉々にされていく。
「んー、勝負あったかなー」
怪獣対戦の様なその光景を見つめ、自身の魔法が優勢であることを感じた パローラ がポロっと勝利の言葉を溢す。しかしそこに——
「まだっすよ!」
ハクレイ が待ったを掛けた。
そして、それと同時に鉄色の蛇に変化が起きる。先程まで正面で食い止めていた蛇は身を捩りながら体制を変化させ——
「⋯⋯えー」
その長い首元から新たに七つの首が生え氷の杭の進行方向を完全に変え——後方で行なっている戦場にその巨体を送りつけた。
まるで、後出しのような変身を見ていた パローラ は唖然としてしまった。魔法の軌道に関して触れる気が起きないほどに。
「え?またですの!?」
「ぱ、パローラ様!? やめて下さいまし!」
巨体を送りつけられた戦場では再び甲高い声が聞こえるが ハクレイ と パローラ の耳には一切入って来なかった。
「うそー、なにそれー、ありー?」
「アリもアリっすよ! どうっすか? 先輩に教えてもらってた『八岐大鉄蛇』は!」
「んー、正直、ちょーと、驚いたー。でもー⋯⋯」
パローラ は本当に ハクレイ の技に驚き、感動していた。気怠げなその表情からは読み取りにくいがそれは確かだった。
だから パローラ は両手を正面で合わせ——
「そろそろー、終わらせようかー」
賢者の真骨頂を見せた。
「⋯⋯え?」
バチバチとなる空気。それは普通ではあり得ない現象だ。しかし、『賢者』と呼ばれる彼女には別格の力があった。
パローラ を中心に渦巻く風。それは熱され上昇気流に変わり一時的な霧を生み出す。
「な、なにが起きてるんっすか!?」
更に大きくバチバチとなる周囲の空気。膨大な魔力によって補強される気象現象は遂には洞窟の中で落雷を落とした。
「ぴゃあ!?」
ピシャー、と落ちる雷。ほぼ勘であったがその場からとっさに身を引いた ハクレイ が元いた位置に狙って落ちてきた。
「んー、難しいなー。これならー、どうー?」
見えないその先から声だけが情報源となる。
しかし、落雷も二度目が襲いかかることはなく、全く別の場所で音が鳴る。そして、役割を果たしたのか視界を覆っていた霧も次第に晴れて行く。
「な、なにがしたかったんっす⋯⋯え?」
一連の流れで起きた現象に全く理解が追いつかない ハクレイ は靄もやが取れていく視界に超常的な物を見つけてしまった。
「ちょっ⋯⋯マジっすかこれ⋯⋯嘘っすよね?」
見つけてしまった “ソレ” に驚きと恐怖が ハクレイ を襲った。背中に駆ける冷たく空気と額を湿らせる汗は不愉快そのものだ。
「んー、君のー、魔法は中々だったからねー」
姿を現した “ソレ” は——
「ちょっと真似させてもらったよー」
火、水、風、土、氷、雷、光、闇。
それぞれを現象を龍の形に無理矢理象った様な首が一つの胴体から伸びている。
八つの首が右を左を、上を下を、と休むことなく動き回り周囲の光景を目に焼き付けている様だ。
「中々ー、組み立てるのー、難しかったよー。でも——」
八つの色の首が周囲の光景に飽きたのか ハクレイ と『八岐大鉄蛇』を見据えた。
そして、同時に空いた八つの門。
その冥府の門を彷彿させる先の見えない闇の奥からはそれぞれの特性が持つ現象が渦巻き——飛び出した。
「——っ?!」
光。
たった一瞬にして視界を真っ白に染め上げ、爆音と轟音を振り撒いた暴虐の光は『八岐大鉄蛇』を包み込み——
「あっ⋯⋯ぁ⋯⋯」
完全に無に還した。
そこに存在していた鉄色の蛇は一切の痕跡を残されなかった。抉られた地面がそこに何かがあった事を示す最後の手掛かりとなり、焦げた匂いが周囲を漂った。
「八つの属性を混ぜ合わせられる良い魔法だ」
恐怖に歯をカタカタと鳴らし怯えた表情で立つ ハクレイ を パローラ は腕を組み見据えた。
その表情はいつもの気怠げな様子ではなく、素晴らしい玩具を見つけた子供の様な輝きに満ちている。
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