Labyrinth of the abyss ~神々の迷宮~

天地隆

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第4章

第79話

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「はあっ、まったくやってらんないわね」

 盛大に愚痴を零し、アリーシャはあからさまに不満な態度を隠そうともしない。協会でスレイルにガヴィーとのやり取りを話した後、エルと夕食に共にしようと金の雄羊亭に向かっている所であるが、先ほどの事を思い出したのか彼女の機嫌はすこぶる悪い。

「それにしても、全く話が通じない人に初めて出会いましたよ。何でこっちの話を聞かず、自分の意見を押し通そうとするんでしょうね?」
「さあね。ガヴィーだったっけ? あいつの頭がおかしいんじゃない?」
「いや、そんな、身も蓋もない」
「あたしに聞かれてもわからないわよ。あいつの性格とか、性根がひん曲がってるんじゃない?」
「それは、そうかもしれないですけど……」
「おそらくは彼の生まれた環境と教育のせいだろうね」

 考えるのも嫌だと思考を放棄しているアリーシャに代わって答えたのは、このパーティの参謀役を務めるディムであった。

「どういう意味ですか?」
「例えば言葉なんてどうだい? エルや僕は今このセレド大陸で使われている共通語で話しているけど、もし僕がアレフ大陸、別の大陸の生まれで話す言葉が違ったとしらどうだい? 僕と会話できると思う?」
「うーん、無理ですね。別の大陸の言葉なんて全く知りませんし、聞いた事もないですよ」
「それが生まれ環境に左右されるってことさ。言葉だけじゃないよ。エルも両親や家族に色んな事を教えてもらいながら大きくなっただろう? エルの価値観や考え方、あるいは思想なんてものは幼い頃に育った環境や教えてもらった事、エルが受けた教育によって違ってくるのさ」
「なるほど、言われてみれば……」

 ディムの言いたい事が段々飲み込めてきた。
 所変われば品変わるというが、その土地の風土やそれまでの歴史によって文化や習慣が異なるのだ。もし、エルが今と全く別の文化や価値観を有する場所に生まれ育ったのなら、今の自分とは似ても似つかない人格になっていた可能性も否めない。
 ようはそういうことだ。そこから導き出される答えは……、

「つまり、純血同盟のメンバーは人間至上主義が根付いた土地か、そういった考えを好む者に教えを受けたからああなってしまった、ってことですか?」
「うん、そうだと思うよ。付け加えると、ガヴィーは目上の者に対し……、なんて事を言ってから長幼の序を重んじる教育も受けてきたはずさ。でも、この言葉は年少の者が年長の者を敬うべきって意味だけじゃなく、年長の者が年少の者を慈しむ、という意味も込められているんだ。ガヴィーは言葉の意味を履き違えているんじゃないかな」
「いやっ、あながちそうともいえないぜ。自分が絶対に正しいなら、目下の者が自分に従う事こそが幸せ、つまり自分の庇護下にエルを置こうとする行為が慈しんでいる事にならないか?」
「ああ、そういう見方もできるね。自分が間違っていないという前提条件が必要だけど、彼も自分の受けた教育に則った行動をしているわけだ」
「そんな事どうでもいいじゃない。あいつのせいでこっちは迷惑した……、何?」

 興が乗った学者肌のディムが、カーンとガヴィーの行動の意味を推測し始めたのを不機嫌なアリーシャが遮ろうとした所、突然前方から大声での怒鳴り合いが聞こえてきたのだ。
 そう、エル達の目的地でもある金の雄羊亭からである。
 しかも争う声の中には、切羽詰まったリリの声も含まれている。

「リリッ!?」
「あっ、エル!?」

 一体全体どうなっているか皆目見当もつかないが、リリが危ないかもしれない。
そんな可能性を思い立っただけで居ても立ってもいられなくなったエルが、驚くアリーシャ達を後目に宿目指して一目散に駈け出したのである。
 そんなエルが宿に飛び込み目にした光景は、見知らぬ冒険者風の男に殴り掛かられたリリの姿であった。

 何故? 

 疑問は多々あったが、重要なのは自分の大切な親友であり、闘う力など持ってすらいないか弱い少女のリリが襲われている事だ。
 一瞬で激情が溢れ、怒りで血が沸騰した。

「きゃああっ!?」
「「リリッ!!」」
「あっ!? ぐおおおおおっ!!」

 幾つもの悲鳴と大声が交錯しその場は混沌の坩堝と化した。
 両手を交叉して顔を覆い、目を瞑っていたリリはというと、いつまで経っても来るはずの衝撃が来ない事に疑問に思い恐る恐る目を開けると、眼前で男の拳を受け止めるエルの雄姿が飛び込んで来たのである。

「エルッ!?」
「危ない所だったね」
「ああああっ、痛え!! 離せ、離しやがれ!!」

 少年の突然の出現に吃驚仰天している少女を落ち着かせるように笑顔を浮かべ優しい声を掛けると、エルはこの男の仲間と思しき冒険者の一団に向けて激痛を訴える男をぞんざいにぶん投げた。拳を受け止めた際エルは怒りのあまり、握り締める力を加減しなかった。
 どの程度実力差があるかはわからない冒険者と思しき男相手にだ。
 少年の手には何か柔らかい物を握り潰した感触があった。男が未だに起き上がれず苦痛の叫びを上げて悶えている事から、骨ごと圧潰させたであろう事は疑いなくエルの所業によって酷い苦しみを与えた事は間違いないが、エルは一切自分の先程の行動に良心の呵責を感じてはいなかった。
 それ所か胸にある怒りが時を経る毎に勢いを増して燃え盛っていた。
 一般市民、それも年端もいかない少女に男は殴り掛かったのだ。

 そんなことが許されるか?
 
 いいや、許されない。罰して然るべきだろう。弱き者を守る武人として当然の行為である。それに加えて、自分の親友にこの男は手を出したのだ。
 許せるはずがなかった。
 リリの方を振り返ると傍らに急いで駆け付けたであろうシェーバがおり、震える少女をマリナが抱きしめている。リリの方は2人に任せておけば大丈夫だろう。
 だが、小鹿の様に身を震わせ恐怖に慄くか弱い少女の姿が、エルの心の炎を一層燃え上がらせた。
 抑えようとも抑えられない。いや、もはや止める気すらない憤怒によって……。
 少年の体から闘気が漏れ出し、無形の圧力となって冒険者達に襲い掛かった。
 未だに地面でのた打ち回る盗賊風の男を除くと3名、黒いローブに身を包んだ魔法使いに剣士の男、そして盾を背に背負った重戦士らしき大男が怒涛の如き急展開についていけず、顔を強張らせていた。
 いや、原因はそれだけではない。
 怒りを顕に一歩ずつ近付いてくる、少年の放つ圧倒的な気の量に気圧され顔色を損なっていたのだ。
 やがて、耐え切れなくなった剣士の男が暴発してしまう。

「あああっ!!」
「パドッ!?」

 都市内、しかも自分達以外にも目撃者が大勢いる宿内で抜刀し斬り掛かったのだ。
 話をする気もなく刃をもって応じてきたのなら、もはや是非もなしである。
 エルの対応は、大切なリリを襲ったという分も含めて苛烈を極めた。
 自分に向かって振り降ろされた長刀を、気を込めた左拳で瞬きする間に砕くと、返す右拳で容赦なく顔面を殴り仲間の方に吹っ飛ばしたのだ!!

「パドッ!? よくも!!」
「野郎!!」

 一瞬の内に仲間を伸され残りの男達も激昂するが、少年との間にある隔絶した力の差の前にはなけなしの抵抗も無意味であった。
 魔法使いは呪文を放つ前に接近されほほを撫でる様な横降りの手打ちで気絶し、最後に残った大男も掴み掛ったものの逆に捕らわれてしまい、持ち上げられ床に叩き付けられて呆気なく意識を手放したのである。
 軽く息を吐き出しながら心を鎮めようした所に、のんきな声が聞こえてきた。

「馬鹿ねえ、エル闘いを挑むなんて」
「いや、それ以前の問題じゃねえか。こいつ等、2つ星か3つ星程度の実力しかねえだろ」
「あらら。それで相手がエルくんじゃあ、勝ち目なんてないじゃない」
「そう、彼等は絶対に敵わない格上に勝負を挑んだんだ」

 エルの後を追ってきたアリーシャ達はちゃっかり闘いを観戦していたようだ。まあ、助けを呼ぶまでもなかったし何も問題なかったが……。
 苦笑するエルにシェーバの野太い低い声が後方から掛かってきた。

「エルありがとう。助かったよ。お前にはいつも助けられてばかりだな」
「いえ、リリが無事なようで安心しました。それより、こいつ等何なんです?」
「すまんが、すぐに衛兵を呼んで来るから、見張っていてくれないか?」
「わかりました。ここは任せてください」

 事情を聞きたい気持ちもあったが、抱きしめ合っているリリとマリナを見れば自分の好奇心など後回しだ。彼女達が安心できるように、この不逞の輩を衛兵に引き取ってもらうのが先決だろうと、シェーバの言葉に従った。
 礼を言い走り去るシェーバの後ろ姿を見送ると、衛兵達が駆け付けてくれるまで愚かの者達を見張り続けるのだった。

 それから後がまた大変だった。衛兵にならず者達をしょっ引いてもらった後に事情を説明する必要があったからだ。
 エルはもちろんの事、当事者であるリリも話をせねばならずマリナに付き添われてきたが、余程襲われた事がショックだったのか情緒不安定な状態が中々治らなかったのである。
金の雄羊亭に宿泊している冒険者は勿論の事、この迷宮都市(アドリウム)に長居している冒険者は皆節度を弁えており、理不尽な行いをする事がないので、リリが受けた衝撃はかなりのものだったのだ。

 それというのも、実際にこの都市を運営している協会の上層部、すなわち近隣諸国から数年の任期毎に選出される協会長をはじめとした上役達は余計な火種を嫌い、都市の治安に神経質な程気を尖らせているからだ。自分の在職期間に面倒を起こされて問題になるのは御免被るということだろう。
 そうでなくともこの都市(アドリウム)は近隣諸国によって共同統治されるという、薄氷を踏む様な危うい形態を採っている。ここには神々の迷宮という、無限の富を齎す未攻略の大迷宮があるのだ。どの国も、いや誰もが迷宮都市(アドリウム)を欲するのは自然な事である。
 過去幾度もこの地で行われた無数の戦のように、何が原因で戦火に塗れるかわかったものではないのだ。
 荒くれ者などもっての外であり、必然冒険者達に高いモラルを要求し、巡回や取り締まりを厳しくしているのである。

 それによって市民は安全に暮らしており、リリもその平穏を甘受してきたわけであるが、それが不意に破られたのだ。しかも、冒険者という市民とは比べ物にならない力を有する強者によってだ。
 少女が恐怖に震え、中々立ち直れないでいたのも当然のことである。
 それでもエルやマリナに見守れながらなんとか衛兵に事の顛末を話し終え、ようやく解放され宿に帰った頃にはなんとか持ち直し、いつもの溌剌とした笑顔に戻ったのだった。

「みんな、おかえり。リリちゃん、今日は大変だったね」
「おかえりなさい。本当に災難だったわね」

 金の雄羊亭ではアリーシャ達だけでなく、義兄であるライネルやダム、そしてエミリーやクリス達が出迎えてくれた。どうやら迷宮から帰還した所をアリーシャ達に誘われ共に食卓を囲みながら待っていたというわけだ。
 彼らのテーブルの上には美味しそうな料理が所狭しと並んでおり食欲を刺激する。そういえば、リリの事が心配で忘れていたけど今日も沢山魔物と闘ったからお腹を空いていたなと、エルのお腹がぐう~っと自己主張し始める。
 そんな少年の姿が笑いを誘う。
 疲れたリリ達親子も気持ちが軽くなったのかクスクスと笑い始めてしまった。

「もうっ、エルったら」
「いっ、いや、これはしょうがないんだよ。今日はいっぱい闘ったし、もう夜中じゃないか」
「ふふっ、エルのお腹が大変な事になりそうだし、みんなで夕食を取りましょうか」
「リリちゃんやマリナさんもどうぞ。疲れたでしょう? 一緒に食べましょうよ。今日はアリーシャの奢りだから、気にせず一杯食べてね」
「えっ、でも……」

 イーニャのお誘いに、リリ達は当初申し訳ないし、それに仕事が残っているだろうからと遠慮しようとした。だが、そこに豪快なライネルの声が割って入る。

「なあに、心配いらないさ。シェーバさんには断ってある。本人からも疲れているだろうから休ませてくれって頼まれているんだ」
「でっ、でも」
「実は俺達もアリーシャに奢ってもらっている所なんだ。遠慮する必要なんてないんだぜ」

 そう言って男臭い顔ながら器用にウィンクを決めてみせる。ライネルの自信満々の顔がおかしくて、リリ達はまた笑い声を上げてしまった。
 もちろん、ライネルがこちらの気を軽くするためにわざとやっているのは分かった上である。豪放磊落を地で行くこの男には、人を安心させる愛嬌も備わっていた。
 マリナが笑顔のまま頭を下げた。

「ふふっ、ありがとう。でも、本当に私達がお邪魔してもいいのかしら?」
「問題ないわ。今日はちょっと張り切って稼ぎ過ぎちゃったから。エルと半分こにしても大金貨1枚以上残っているから、何も心配いらないわ」
「なっ? 問題ないだろう? 4つ星の俺達とじゃ稼げる金額の桁が違うから、遠慮する気も失せたっていうのがほんとだけどな」
「そういうライネルも、エルに負けない様に上に行く気があるんでしょう?」
「まあ、な。ただエルやお前達ほどの力が無いから、ぼちぼちとだけどな」

 ライネルとアリーシャが気安げに名前を呼び捨てで言い合った。対面当初はエルを間に挟んでという形であったが、今ではお互い打ち解けあっているのだ。
 アリーシャ達、赤虎族の中でも才能ある戦士達がエルを気に入り可愛がるのは、ライネル達としても悪い気がしなかったし、逆に実力が義弟に劣っても腐らずに攻略を進めるライネル達をアリーシャ達も認めたというわけだ。その後は話している内に馬が合い、エル抜きの場合でも夕食を共にする、そんな仲にまでなっていたのである。
 アリーシャが愉快そうに目を細めからからと笑った。

「無理したら破綻するだけだし、自分のペースで進むのが一番なんじゃない? さっ、それより早く席に着いた! 待ちくたびれちゃって、もうお腹が空いて仕方がないのよね? ねっ、エル?」
「えっ!? ええ、そうですね。もう腹ペコで、さっきからお腹が鳴りまくってますよ」
「ですって。遠慮してるとエルに食べ尽くされちゃうわよ? さっ、早く座って」
「あっ、ありがとうございます」
「ありがとう。それじゃあ、私も仲間に入らせてもらうわね」
「ええどうぞ。さっ、夕食にするわよ!!」
「「はいっ!!」」

 アリーシャの号令の元、賑やかな夕食が始まるのだった。





 
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