男装伯爵は元男娼に愛される

秋乃 よなが

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第十章 男装伯爵と元男娼、想い合う

おまけ「執事と侍女の雑談」

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「最近のロイド様、見ているこちらが嬉しくなるくらい、とてもお幸せそうですね」

「執務をしっかりしてくださるからまだいいが…ノア同様、あの締まりのない顔は少しいただけないな」

「ふふっ。そう言いながらクリス様だって、二人を見ているときには頬が緩んでいらっしゃいましたよ?」

「………」

「はい、紅茶をどうぞ」

「…ありがとう」

「でも、本当によかったです。本音を言うと私、ロイド様の仮面夫婦なんて見たくありませんでしたから…」

「…ロイド様はタイラー家や私たちのことばかりで、ご自分のことは少しも気に掛けていらっしゃらなかったからな…」

「その点では私、すごくノアに感謝しているんです。それに――主人と使用人の恋なんて、素敵じゃないですか!」

「…そういうものなのか?――まあロイド様のことを思えば、これでよかったのだろうが…」

「どうされました?珍しく歯切れが悪いですね」

「…いや、複雑な気分だと思って、な。ロイド様がどこか遠くへ行ってしまわれたような、なんと言うか…」

「――なるほど。クリス様はロイド様一筋で随分と可愛がってらっしゃいましたからね。それをノアに取られたような気持ちになっていらっしゃるんでしょう?」

「――さて、ずっと先延ばしにしていた、フルード伯爵の縁談を断る理由を考えねば」

「あっ、誤魔化そうとしてますね?」



 ――それは、ある日の、とある二人の会話。


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