俺、最弱魔王の配下になったんすけど、世界征服の手伝いってどうやればいいんすか?

桜木開花

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第15話 戦闘開始

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「なぁ、任務終わったらまたあの村行くんだよな?? 絶対だぞ?」

 日光が真上から照りつける頃、三人は平原を歩いていた。ティノが元気に喋る中、他の二人は疲れ果てているのであった。

「ティノ君...いいけどさ、少し長居し過ぎだよ」
「ほ、ほんの少しでふけどね...? アルバート国王にお叱りを頂いてしまってでふね」

 彼らは三日間例の村に居座った。ティノが村に残りたいと駄々をこねたのだ。町への襲撃が遅れたのはこの為である。

「まぁ、ティノ君が楽しそうで何よりだったよ」
「そうでふねー、あんなに笑顔なところ見たことなかったでふよ」
「う、うるさい! ガキ達が帰るな帰るなって言うから...」

 三人の目には小さく町が写っている。歩くたびに大きくなるその像は、彼らの心を冷たくしていくのだった。

「なぁ、本当に今回の町は滅ぼさなきゃダメなのか?」
「今回は大きすぎるでふよ...匂いも凄くするでふ」
「まぁ、覚悟を決めるしか無いね」


__________________________



「スピノよ。準備はできておるか?」
「はい。魔王様」

 俺らは魔王幹部の接近を感知し、町からだいぶ距離のある平原までやってきていた。微かに見える三人組の影、遂に決戦のときだ。

「ローゼよ、そちらの様子はどうじゃ?」

__大丈夫です、皆さん頑張って団扇で乾燥させてます。だいぶストックも出来てきていますよ

「分かった。続ける様に頼む」

 魔王はローゼさんと通信魔法を行った。
 結局あの後俺と女性の努力によって多くの協力者が集まった。皆わけが分からないと言った様な顔をしていたが、献身的にうんこを乾かしてくれた。
 そして今、俺の手には硬質化したスライムジュエルがある。それも巨大な。

「あの、魔王様。これ本当に効くんですか?」
「効くはずじゃ...効いてくれなきゃ困る」

 だいぶ心配になる返答だ。
 でも、ここで勝てなかったら世界征服なんて不可能だ。奴らに勝ってはじめて俺らは世界征服の入り口に立つのだ。
 やってやる。勝ってみせるよ。

 三人は俺らの存在に気づき、立ち止まった。

 一人は女。ドラゴン族と言ったところだろうか、戦闘能力はかなり高そうだ。物理攻撃には注意しよう。
 次に豚の様な見た目をしている男。オークの上位種だろうか、あまり見たことがない。かなり危険そうだ。

 最後に俺と同じ悪魔族。 子供...? 10歳くらいか? そんなに強そうではないし、なんなら小さい時の俺に似ている。どう言うことだ?

「あのー、降参してもらえませんか? 私たちあまり戦いたくないんですよ」
「アホを言え、何れにせよ王都を滅ぼすのであろう? 黙ってはおけん」

 長い沈黙が続く。すると、女が一人前に出て構えた。

「仕方がありません、格の違いを見せましょう.....ハッ!!」

__ドカンッ!!

 彼女がひと突き拳を振るうと、彼女の前方の地形が抉られる様に変形し、俺と魔王の間に巨大な谷を作った。

「これやばいっすね。こんなこ当たったら一発で死にます」
「流石じゃの...バク...」
「今なんかいいました?」
「いや、何でもないぞ」

 女は構えを解き、こちらを再び睨んだ。

「どうですか? 降参する気になりました?」

「いいや、そんなことよりお主達。死ぬぞ?」

 そう言って魔王が鼻で笑うと、こちらにマスクを渡してきた。木の繊維で作られた物だ。
 俺はそのマスクを装着し、スライムジュエルを取り出した。

「おい! 三下共! 『しゅうがい』って知っておるか?」

「は?」

「まずいでふよ!! 皆、逃げるでふよ!!」
「どう言うことだよ!?」

 困惑しながら逃げ出す三人組に向かい、俺はスライムジュエルを投げつけた。

「今じゃ! 破裂させろ!!」

 俺は魔法を使いスライムジュエルを爆発させた。
 その刹那、俺の目は見えなくなった。

 痛すぎる。何だこれ、涙が出てきて何も見えない。
 というか、何だこれ。臭すぎる!!

「はぁ!? 嘘だろ、体が動かねぇ...! と言うか、鼻が麻痺してるのか? 頭の一部が動いてない」
「うぅ...こんなの...むり...! ブタさん!」

 しばらく経つと、目は見える様になった。
 豚に似た大男は白目を剥いて倒れ込み、ピクピクと痙攣し始めていた。
 横を見ると、鼻を押さえながら顔をしかめている魔王がいた。

「魔王様...これは...?」
「スライムジュエル。乾燥すると大量のゲル状のものが集まって固まり、高密度の結晶になるのじゃ。だが所詮はスライムのうんち、高密度のうんちなのじゃ。即ち、臭すぎる」

 残りの二人も腰を抜かし、容易に動けなくなっていた。

「むりだ...こんなの...」
「このままじゃ...本当に...」

「ふっふっふっ、はっはっはっ。どうじゃ!お主達、降参する気になったか!」


___ドカァン!!


 は? 何があった?
 俺らの視界が遮られる。赤色のデカい壁ができ、物凄い突風が吹いた。

「え、嘘じゃろ?」
「何だこれ...?」

 俺らの目の前には、とんでもなくデカいドラゴンがいた。
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