15 / 15
第15話 戦闘開始
しおりを挟む
「なぁ、任務終わったらまたあの村行くんだよな?? 絶対だぞ?」
日光が真上から照りつける頃、三人は平原を歩いていた。ティノが元気に喋る中、他の二人は疲れ果てているのであった。
「ティノ君...いいけどさ、少し長居し過ぎだよ」
「ほ、ほんの少しでふけどね...? アルバート国王にお叱りを頂いてしまってでふね」
彼らは三日間例の村に居座った。ティノが村に残りたいと駄々をこねたのだ。町への襲撃が遅れたのはこの為である。
「まぁ、ティノ君が楽しそうで何よりだったよ」
「そうでふねー、あんなに笑顔なところ見たことなかったでふよ」
「う、うるさい! ガキ達が帰るな帰るなって言うから...」
三人の目には小さく町が写っている。歩くたびに大きくなるその像は、彼らの心を冷たくしていくのだった。
「なぁ、本当に今回の町は滅ぼさなきゃダメなのか?」
「今回は大きすぎるでふよ...匂いも凄くするでふ」
「まぁ、覚悟を決めるしか無いね」
__________________________
「スピノよ。準備はできておるか?」
「はい。魔王様」
俺らは魔王幹部の接近を感知し、町からだいぶ距離のある平原までやってきていた。微かに見える三人組の影、遂に決戦のときだ。
「ローゼよ、そちらの様子はどうじゃ?」
__大丈夫です、皆さん頑張って団扇で乾燥させてます。だいぶストックも出来てきていますよ
「分かった。続ける様に頼む」
魔王はローゼさんと通信魔法を行った。
結局あの後俺と女性の努力によって多くの協力者が集まった。皆わけが分からないと言った様な顔をしていたが、献身的にうんこを乾かしてくれた。
そして今、俺の手には硬質化したスライムジュエルがある。それも巨大な。
「あの、魔王様。これ本当に効くんですか?」
「効くはずじゃ...効いてくれなきゃ困る」
だいぶ心配になる返答だ。
でも、ここで勝てなかったら世界征服なんて不可能だ。奴らに勝ってはじめて俺らは世界征服の入り口に立つのだ。
やってやる。勝ってみせるよ。
三人は俺らの存在に気づき、立ち止まった。
一人は女。ドラゴン族と言ったところだろうか、戦闘能力はかなり高そうだ。物理攻撃には注意しよう。
次に豚の様な見た目をしている男。オークの上位種だろうか、あまり見たことがない。かなり危険そうだ。
最後に俺と同じ悪魔族。 子供...? 10歳くらいか? そんなに強そうではないし、なんなら小さい時の俺に似ている。どう言うことだ?
「あのー、降参してもらえませんか? 私たちあまり戦いたくないんですよ」
「アホを言え、何れにせよ王都を滅ぼすのであろう? 黙ってはおけん」
長い沈黙が続く。すると、女が一人前に出て構えた。
「仕方がありません、格の違いを見せましょう.....ハッ!!」
__ドカンッ!!
彼女がひと突き拳を振るうと、彼女の前方の地形が抉られる様に変形し、俺と魔王の間に巨大な谷を作った。
「これやばいっすね。こんなこ当たったら一発で死にます」
「流石じゃの...バク...」
「今なんかいいました?」
「いや、何でもないぞ」
女は構えを解き、こちらを再び睨んだ。
「どうですか? 降参する気になりました?」
「いいや、そんなことよりお主達。死ぬぞ?」
そう言って魔王が鼻で笑うと、こちらにマスクを渡してきた。木の繊維で作られた物だ。
俺はそのマスクを装着し、スライムジュエルを取り出した。
「おい! 三下共! 『しゅうがい』って知っておるか?」
「は?」
「まずいでふよ!! 皆、逃げるでふよ!!」
「どう言うことだよ!?」
困惑しながら逃げ出す三人組に向かい、俺はスライムジュエルを投げつけた。
「今じゃ! 破裂させろ!!」
俺は魔法を使いスライムジュエルを爆発させた。
その刹那、俺の目は見えなくなった。
痛すぎる。何だこれ、涙が出てきて何も見えない。
というか、何だこれ。臭すぎる!!
「はぁ!? 嘘だろ、体が動かねぇ...! と言うか、鼻が麻痺してるのか? 頭の一部が動いてない」
「うぅ...こんなの...むり...! ブタさん!」
しばらく経つと、目は見える様になった。
豚に似た大男は白目を剥いて倒れ込み、ピクピクと痙攣し始めていた。
横を見ると、鼻を押さえながら顔をしかめている魔王がいた。
「魔王様...これは...?」
「スライムジュエル。乾燥すると大量のゲル状のものが集まって固まり、高密度の結晶になるのじゃ。だが所詮はスライムのうんち、高密度のうんちなのじゃ。即ち、臭すぎる」
残りの二人も腰を抜かし、容易に動けなくなっていた。
「むりだ...こんなの...」
「このままじゃ...本当に...」
「ふっふっふっ、はっはっはっ。どうじゃ!お主達、降参する気になったか!」
___ドカァン!!
は? 何があった?
俺らの視界が遮られる。赤色のデカい壁ができ、物凄い突風が吹いた。
「え、嘘じゃろ?」
「何だこれ...?」
俺らの目の前には、とんでもなくデカいドラゴンがいた。
日光が真上から照りつける頃、三人は平原を歩いていた。ティノが元気に喋る中、他の二人は疲れ果てているのであった。
「ティノ君...いいけどさ、少し長居し過ぎだよ」
「ほ、ほんの少しでふけどね...? アルバート国王にお叱りを頂いてしまってでふね」
彼らは三日間例の村に居座った。ティノが村に残りたいと駄々をこねたのだ。町への襲撃が遅れたのはこの為である。
「まぁ、ティノ君が楽しそうで何よりだったよ」
「そうでふねー、あんなに笑顔なところ見たことなかったでふよ」
「う、うるさい! ガキ達が帰るな帰るなって言うから...」
三人の目には小さく町が写っている。歩くたびに大きくなるその像は、彼らの心を冷たくしていくのだった。
「なぁ、本当に今回の町は滅ぼさなきゃダメなのか?」
「今回は大きすぎるでふよ...匂いも凄くするでふ」
「まぁ、覚悟を決めるしか無いね」
__________________________
「スピノよ。準備はできておるか?」
「はい。魔王様」
俺らは魔王幹部の接近を感知し、町からだいぶ距離のある平原までやってきていた。微かに見える三人組の影、遂に決戦のときだ。
「ローゼよ、そちらの様子はどうじゃ?」
__大丈夫です、皆さん頑張って団扇で乾燥させてます。だいぶストックも出来てきていますよ
「分かった。続ける様に頼む」
魔王はローゼさんと通信魔法を行った。
結局あの後俺と女性の努力によって多くの協力者が集まった。皆わけが分からないと言った様な顔をしていたが、献身的にうんこを乾かしてくれた。
そして今、俺の手には硬質化したスライムジュエルがある。それも巨大な。
「あの、魔王様。これ本当に効くんですか?」
「効くはずじゃ...効いてくれなきゃ困る」
だいぶ心配になる返答だ。
でも、ここで勝てなかったら世界征服なんて不可能だ。奴らに勝ってはじめて俺らは世界征服の入り口に立つのだ。
やってやる。勝ってみせるよ。
三人は俺らの存在に気づき、立ち止まった。
一人は女。ドラゴン族と言ったところだろうか、戦闘能力はかなり高そうだ。物理攻撃には注意しよう。
次に豚の様な見た目をしている男。オークの上位種だろうか、あまり見たことがない。かなり危険そうだ。
最後に俺と同じ悪魔族。 子供...? 10歳くらいか? そんなに強そうではないし、なんなら小さい時の俺に似ている。どう言うことだ?
「あのー、降参してもらえませんか? 私たちあまり戦いたくないんですよ」
「アホを言え、何れにせよ王都を滅ぼすのであろう? 黙ってはおけん」
長い沈黙が続く。すると、女が一人前に出て構えた。
「仕方がありません、格の違いを見せましょう.....ハッ!!」
__ドカンッ!!
彼女がひと突き拳を振るうと、彼女の前方の地形が抉られる様に変形し、俺と魔王の間に巨大な谷を作った。
「これやばいっすね。こんなこ当たったら一発で死にます」
「流石じゃの...バク...」
「今なんかいいました?」
「いや、何でもないぞ」
女は構えを解き、こちらを再び睨んだ。
「どうですか? 降参する気になりました?」
「いいや、そんなことよりお主達。死ぬぞ?」
そう言って魔王が鼻で笑うと、こちらにマスクを渡してきた。木の繊維で作られた物だ。
俺はそのマスクを装着し、スライムジュエルを取り出した。
「おい! 三下共! 『しゅうがい』って知っておるか?」
「は?」
「まずいでふよ!! 皆、逃げるでふよ!!」
「どう言うことだよ!?」
困惑しながら逃げ出す三人組に向かい、俺はスライムジュエルを投げつけた。
「今じゃ! 破裂させろ!!」
俺は魔法を使いスライムジュエルを爆発させた。
その刹那、俺の目は見えなくなった。
痛すぎる。何だこれ、涙が出てきて何も見えない。
というか、何だこれ。臭すぎる!!
「はぁ!? 嘘だろ、体が動かねぇ...! と言うか、鼻が麻痺してるのか? 頭の一部が動いてない」
「うぅ...こんなの...むり...! ブタさん!」
しばらく経つと、目は見える様になった。
豚に似た大男は白目を剥いて倒れ込み、ピクピクと痙攣し始めていた。
横を見ると、鼻を押さえながら顔をしかめている魔王がいた。
「魔王様...これは...?」
「スライムジュエル。乾燥すると大量のゲル状のものが集まって固まり、高密度の結晶になるのじゃ。だが所詮はスライムのうんち、高密度のうんちなのじゃ。即ち、臭すぎる」
残りの二人も腰を抜かし、容易に動けなくなっていた。
「むりだ...こんなの...」
「このままじゃ...本当に...」
「ふっふっふっ、はっはっはっ。どうじゃ!お主達、降参する気になったか!」
___ドカァン!!
は? 何があった?
俺らの視界が遮られる。赤色のデカい壁ができ、物凄い突風が吹いた。
「え、嘘じゃろ?」
「何だこれ...?」
俺らの目の前には、とんでもなくデカいドラゴンがいた。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
魔法筆職人の俺が居なくなったら、お前ら魔法使えないけど良いんだよな?!
川井田ナツナ
ファンタジー
俺は慈悲深い人間だ。
だから、魔法の『ま』の字も理解していない住民たちに俺の作った魔法筆を使わせてあげていた。
だが、国の総意は『国家転覆罪で国外追放』だとよ。
馬鹿だとは思っていたが、俺の想像を絶する馬鹿だったとはな……。
俺が居なくなったら、お前ら魔法使えなくて生活困るだろうけど良いってことだよな??
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシェリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。
向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。
それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない!
しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。
……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。
魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。
木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる