【R18】君島夫婦の事情の場合。-なにがあっても大好きだよっ!-

なかむ楽

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5-11.事件です、七瀬くん! ②

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 真っ暗な寝室の七瀬がスタンドライトを付ける。そのまま七瀬がベッドに座ると、彩葉の鼠径部に硬くなりつつある夫を感じる。

「ん……ななくん」

 彩葉はブラトップをめくり、大胆に乳房を見せる。「咥えていて」と、ブラトップの裾を咥えさせられた。声で舞衣が起きてしまわぬようにした征服的な配慮が、彩葉をときめかせる。

(これだけで雌になっちゃう。久しぶりに快楽堕ちしたぁい)

 ツンととがった乳首に息を吹きかけられ、ふるりと震えた。べろりと舐められ、片方をやわやわと揉まれて、彩葉は身動ぎをした。

「ぁっ。お客さん、おっぱいは在庫切れですよ」

 授乳中のセックスは、びゅーびゅー母乳を飛び散らせていて、七瀬がいたく喜んでいた。やはり変態なんだとちょっと引いたが、七瀬が喜んでくれるなら彩葉の喜びだ。

「出ても出なくてもちうちうするのは俺の……って、また飲ませてくれんの?」

「うん。ななくんの赤ちゃん、また、ほしくなっちゃってるの。ななくんにもおっぱいあげるね?」

「作っていいの? 負担ない?」

 たまのナマ挿入は外出しが基本。だけど七瀬は彩葉の腟内で果てたいからと、ゴムを着けてのセックスが主だ。素股愛好家なので、素股はナマであるが。

「ぜんぜん。そりゃ、ママも人の子だし、舞衣だってまだ生まれて二歳で人生うまくいかないことだらけで、怒ったり泣いたりするけど。でも、パパが頼りになるから」

「それじゃ、パパ活する」

 誤用である。が、パパになる活動だから、あながち間違っていない。

「パパ~。孕ませて♡」

「奥さん、誘惑上手だね。一本オマケするよ?」

「このおっきいの、オマケじゃなくて大切なものでしょう?」

「職人によるワザモノです」

 七瀬のスラックスを寛がせて、ボクサーパンツの上から勃ちつつある雄をやわやわ揉む。

「性剣を抜いたら王になっちゃうね?」

「…………ん」

 七瀬が目を閉じる。フレームレス眼鏡の奥のまつ毛は、スっとしていてきれいだ。

「ん?」

 あれ?
 七瀬の様子がおかしいし、くっつきたがっている布越しのそこは、硬くなろうとしない。

「んん?」

 あれあれ?
 ふたりは目を合わせる。
 かつて、こんなことあっただろうか?

「……ごめん、イロ」

 気まずい雰囲気。重い空気。慰めるはずだったのに、奈落へ蹴落とした感じがする。
 付き合いも長いし、こういうこともあるよ。そう言った方がいいのか、なにも言わないほうがいいのか。

「ななくん、ちょっと待って」

「なに?」

 明らかに七瀬はしょんぼりしかけている。だから、彩葉は眉根を寄せて、お腹を押さえた。

「赤い彗星かも」

 君島夫婦にだけ伝わる隠語で下痢のことである。ちなみに、生理のときはレディースデーと言う。

「え?」

「トイレ行ってくる。お昼に調子こいてエナジードリンク二本飲んだのが悪かったんだよ。ごめん、ななくん。急を要するなり~。今日はやめてくれる?」

 慌てて部屋を出てトイレに駆け込む。片手にはスマホ。

(どゆことどゆことどゆこと? 一時的ないんぽてんつ?)

 早急に対策を練る必要がある。スマホのキーボードを迅速に統べる手。素早い検索機能でずらり並ぶ文字を速読していく。ことは緊急を要する。

(ストレス発散? マカ? 精力がつく食べ物? ウナギ? スッポン? オットセイ? ラッコ?)

 子作りどころか、イチャイチャえっちえっちができないのは、ラブラブ夫婦生活にヒビが入る気がする。
 すけべな下着を買って誘ったところで、七瀬の体調が悪ければ、本懐を遂げられない。

(メンタル弱ってるときって勃たなくなるって聞くけど、マジかぁ~~)

 二人目がほしい。こんなことなら、ずっとナマでするべきだった。

(って、変な後悔すんな、あたしのバカっ! サポートが足りないとか、あたしの魅力がないとかじゃないんだよね? 寸前までラブいちゃの雰囲気五千兆パーセントだったし。ななくんは、自分を責めてるから……。その気持ちもわかるよ、わかる。はぁ~。メンタルの問題かぁ……)

 この世にはたくさんの選択肢がある。タラレバの話。
 もしも、自分が言わなければ。
 誘ったのは七瀬だが、選んだのは舜太郎だ。勝手に七瀬が絵を師匠に見せていたら話は別だが。師匠に絵を見てもらおうと選択した舜太郎にも責任がある。

(だからって、師匠も悪いよ。断然悪い! 本人の前でズケズケグサグサ切り捨てる? 描き手のくせに! 描き手を傷つけるプライドがなんぼのもんじゃい。大人なんだから、大人の対応しろよ、くそじじい!)

 だんだんとムカムカしてきた。七瀬の誇りは彩葉の誇りだ。舜太郎が傷つけられたどうのではなく、七瀬の大切にしてきたものを傷つけられて腹が立ってしかたがない。
 兄弟同然の親友が描いた世界。舜太郎の描く絵は言葉が消えてしまうくらい優美だ。日本画や水墨画だけではなく、誰も見られないスケッチブックには、世俗とは程遠い舜太郎が書いたとは思えない、アニメのファンアートもある。とくに、ロボットのファンアートは素晴らしく。有償依頼した〈メリィGOラウンド〉のタロウとジェイのファンアートは来世まで持ち越したい宝物だ。
 これまで舜太郎と七瀬は二人三脚で人生のほとんどを歩んできた。兄弟として、友人として、画家と秘書として。
 傷ついた七瀬を助けてあげたい。

(どうしたらいいのかな?)


 .˚⊹⁺‧┈┈┈‧⁺ ⊹˚.


 それから毎日、彩葉は気を使ってない素振りで気を配っていた。
 イチャイチャスキンシップを増やし、七瀬が平日休みの時に夫婦水入らずの時間やデート、舞衣と三人の時間。干渉し合わない趣味の時間を増やした。
 食事にもこっそり気を配り、精力がつくものだったり、ストレスにいいものを中心にバランスよく。これまで作ったことがなかったお弁当を作るようにした。
 舞衣の保育参観の日は、いつも通り夫婦ふたりして舞衣活をした。

 残暑がすぎて秋本番になった。が、七瀬の七瀬くんは、くたーんとしたままだった。食欲の秋は来ているのに性欲の秋は遠い。
 一番ショックなのは七瀬だ。そう思うと心が痛い。
 彩葉自身には非がないだけに、どこをどう改善すればいいのか悩ましい。舜太郎の師匠にごめんなさいと土下座させて、詫びジャーマンスープレックスをかましたい。

(神絵師だって嫉妬する。わかっちゃいますよ? うちだって壁になったこともありますし? 今はお誕生日席ですが?)

 だからって、彩葉になにができるのであろうか?



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