27 / 34
5.番外編③
59-12.きみをどんなに好きか(舜太郎視点)①
しおりを挟む+:┄┄┄┄:+.
師走の時間感覚は早い。クリスマスの翌日はめでたい正月ムード一色に切り替わる。元日になり松の内が開ければ、街も時間も普段に戻る。その間の大晦日。ゆく年くる年の一年の最後の日が舜太郎の誕生日だ。だが、特別祝ってもらった記憶がないので、舜太郎本人も忘れている。
今年は一生で一番楽しいクリスマスだった。
クリスマスプレゼント交換も、一緒に作った(舜太郎は盛りつけを手伝っただけ)ごちそうも。ケーキは人気店からのお取り寄せ。四号のケーキのほとんどは舜太郎がペロリ平らげてしまった。
なにより、『ひとつだけお願いごとを、同時に言い、叶えるゲーム』のが愉しかった。
せーの、で同じタイミングでお願いごとを言う。舜太郎の願いごとを聞いた藍は「えっ?」と驚いていた。
藍のお願いは、セックス中に手を繋ぐという可愛らしいものだった。
舜太郎のお願いは、アンダーの剃毛だった。
藍の顔が強ばったのが、怯えた子鹿のように思えてかわいらしかった。
残念なことに藍の手足と脇は脱毛済みである。元から薄いのか、アンダーヘアも少ない。舐めやすいようにカットするのは夫の務めだと、さっそく取りかかる。
「は……恥ずかしい、ですっ」
ベッドにいる、パンツとショーツだけを脱がせた藍に足を開かせる。セーターを着ている非日常的なアンバランスさ。顔を赤くさせて目を潤ませている可愛い妻。露出した下半身を夫に見せるハレンチな行為は、眺めれば眺めるだけ、妻の羞恥心を煽る。
「見られているだけで、こんなにも赤くしてヒクヒクさせるんですね、藍は」
蒸しタオルを手にした舜太郎は、泣きべそをかきそうな藍を覗く。意地悪な笑みを浮かべると、藍はますます恥ずかしがり、秘所をひくんひくんさせた。なんて可愛いのだろう。
「タオル、乗せますよ」
熱すぎないホットタオルで秘所をおおう。藍は「んっ」と身震いした。
ベッド近くに寄せたワゴンの上には、乾いたタオル、安全カミソリ、お湯が入った洗面器と中にはデリケートゾーン用のシェービングジェル、保湿ケアジェルが用意してある。いつかツルツルに剃ってみたくてこっそり用意してあったのだ。
「あの……いつもみたいにお風呂でもよかったんですよ?」
「湯冷めしたら風邪を引くかもしれないでしょう」
「だからって……」
藍はベッドに座っている。舜太郎はフローリングラグの上で立ち膝になって、剃りやすい体勢になっている。
「よく蒸れるように、キス、しましょうか?」
「えっ?」
舜太郎は柔らかくも弾力に富んだ太腿にちゅうっと吸いつく。びくびくと動く膝にもキスを繰り返して、日頃はあまりキスをしない、ひかがみの柔らかな窪みに舌をそわせる。ふだん、内側になっている薄い皮膚を舌で強めにぐっと押して舐め、チロチロ軽く舐める。
「やぁんっ」
体感を鍛えている藍だが膝を持たれては、寝転がるしかない。だが、恥ずかしさが勝っているので、舜太郎を止めようと腕を伸ばす。
ふくらはぎは強めに揉みながら、アキレス腱の付け根をマッサージする。よく足を使う藍は「気持ちいい」とうっとりと零した。
「お客さん、凝ってますね」
「マッサージ屋さん、は、こんなに……、えっちじゃないです」
それは意外な。
舜太郎は舌を大きく出して、ふくらはぎをべろりと舐めては甘噛みする。
「ひゃ、あ、あっ! やめ……っ、舜太郎さんっ!」
「えっちなマッサージ屋に転向します」
「やだやだ。汚いからぁ」
「お風呂に入る前がいいんですよ?」
「へん……んんんっ」
藍は慌てて口を閉ざした。『変態』と言いたいのだろう。妻を余すところなく愛せるのなら変態でいい。とはいえ、嫌なことを強要しすぎるのは良くない。
「始めますよ。藍、膝を持ってて」
「へ?」
舜太郎は後ろ髪を引かれる思いで美脚から離れて、容器ごと温まったシェービングジェルと安全カミソリを手にする。ホットタオルをそろり取ると、膝を抱えている藍が小さく「んっ」と零した。蒸しタオルにてらりと愛蜜がついている。
専用のシェービングジェルの温度を手で確かめ、ほこほこと温くなっている秘所に遠慮なくたっぷりと塗っていく。ふっくらとした恥丘だけでなく、関係ない大陰唇にも指の腹を使って念入りに塗ると、肉びら、小さな蜜口や後孔が可愛らしく淫らにひくひくする。
(かわいらしい反応)
素直すぎる反応が舜太郎の口元を緩ませる。
「ぬ、ぬりかた、えっちすぎませんか?」
「そうですか? 藍がえっちだからそう思ってるんじゃないですか? 僕は丁寧に準備しているだけですよ?」
「……う、いじわる」
塗り塗りしていると、じわじわと愛蜜が大切な場所を守るように濡らしていく。生理的な反応であり、適度に興奮している反応だ。
「カミソリ、当てますよ。動かないで」
「はい……ひゃっ」
安全カミソリの丸いハンドルで潤んだ小陰唇をぷにぷに押す。藍は膝が動かないように持っているが、太腿を震わせる。
つうっと秘裂をなぞり、育ちつつある包皮に隠れた藍の大好きな粒の周りをくりくりとハンドルで扱いてやる。
「ん、んっ。な……に、してるん、です、かぁ」
「素直だなぁと感心しまして」
いつものようにアンダー専用の電動シェーバーで切る時は、そのハンドルの微弱な振動を与えてマッサージをする。ローターより微弱な振動だが、感じやすい藍は泣いてしまう。そして舜太郎は、電動シェーバーに少し悋気を感じる。
「あまりいじめすぎるとえっちな蜜でジェルが取れちゃうかもれないので、これくらいにしましょうか」
「あ……、は、い……」
達しそうになっていた藍は、眉毛を下げて困っている。いじめればいじめるだけ、熱烈に求めてくれるのだから、加虐心に火がついてしまう。優しくしてあげたいのに、ついやりすぎてしまう。こんなにお調子者だったかと、心のなかで呆れる。
「今度こそ剃りますよ」
ジェルを塗ってある恥丘に安全カミソリをピタリ当てる。ゆっくりと梳くように刃をしょりしょりと進めて、洗面器で切れ落ちたジェルとアンダーヘアをすすぐ。和毛が薄くなった場所にまたジェルを塗り、優しい力で肌を傷つけないよう注意を払い、剃りあげていく。
「ん……んん……っ」
ぴくぴくと藍は腹筋にちからを入れたり、膝が動かないように腕にちからを入れる。なんて健気なんだろうか。
つるりとした恥丘に剃り残しがないか指で幾度となく確認する。ジェルの残りが手伝って滑りを良くしているし、とろとろと垂れた蜜とジェルが後孔を濡らしている。明るいからよく見えるのがいい。それを知って、藍は頬だけじゃなく耳まで真っ赤にして羞恥に耐えている。上半身は服を着ているのも羞恥を与えている。
美しい妻。健康的な美に淫らな赤色が頬どころか身体の柔らかいところに差して、淫靡な美に変えてしまっている。それが見えるのは、夫である自分だけの特権だ。
4
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
過去1ヶ月以内にエタニティの小説・漫画・アニメを1話以上レンタルしている
と、エタニティのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にエタニティの小説・漫画・アニメを1話以上レンタルしている
と、エタニティのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。