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5.番外編③
64-12.きみをどんなに好きか(舜太郎視点)⑥
しおりを挟むわいわいパーティをしながら、流の得意料理・手打ちの年越しそばを味わい、帰る人にはお礼をきちんと言って別れ、それでも残った身内と近くの神社で初詣に出かけた。
あまったご馳走は冷凍しても大丈夫らしいので、単身者がありがたくタッパーを受け取り、お祭りのあとの余韻を残してお開きとなった。
畠山夫妻は家の方角が同じなので、車に乗せてもらい、家に帰る。
笑顔のままの舜太郎は、ほわほわとした心地のまま、寝室へ。
寝やすいように薄暗くして、ウィスキーを片手にしていると、待ち人がそっと寝室のドアを開けた。
「……藍。今日はありがとう」
「こちらこそ。クリスマスからはよそよそしくしていてごめんなさい」
剃毛したから怒っていたわけでも(怒ったが)、妊娠も関係なく、実に藍らしい理由だった。
「不安に思っていました。強引に結婚して、急に生活が変わったストレスや、言いたいことを言えない環境にしていたので。……僕は、藍のことになると、こう、真っ直ぐしか見えなくなるから」
舜太郎は真っ直ぐのジェスチャーをしながら、隣に座った藍を見て目を見張った。今日は驚くことばかりだ。
「わたしもです。不安になるのも、心が揺らぐのも、こんなに誰かを深く好きになるなんて、初めてなんです」
「……藍?」
彼女はおずおずとパジャマのボタンを外す。するとフリルたっぷりで用をなしてない黒いブラジャーがお目見えした。ツンとした薄桃色が薄いレースの布を持ち上げて、濃い影を作っている。双丘を隠すレースは真ん中が開いていて、中央の頂点をリボンで結んであるだけ。
その下のショーツは片方にしか布がなく、片方はリボンで結ばれている、紐のようなショーツだ。
妻が動くと、胸元から一粒ダイヤモンドが──クリスマスプレゼントにした──が光をきらり零してきらめく。
いつもの間接照明がいつもよりも妖艶に藍を縁どっていて、目と心を奪われ続けている。
「……クリスマスに用意していたんですけど、誕生日になっちゃいました」
照れながらの仕草が可愛くて、セクシーな黒の下着とのギャップに頭を殴られた気がした。
「……だから」
しなだれかかった藍が、キスをしてきた。あまりないことに、舜太郎は軽い興奮を抑えて、藍がするキスを愉しみ、応じる。
舌を絡ませ合いながら、藍の手は緊張しながら舜太郎のパジャマのボタンを外したから、脱ぐのを手伝う。
滑らかなその手は、舜太郎の首を色っぽく撫でて、僧帽筋、よく引き締まった大胸筋をするするの撫でてくすぐり、男の子乳首をカリカリ引っ掻く。
「今日は、わたしがします、から」
あふ、と甘い息を吐いた藍が言う。だいたいは舜太郎が責める側なので、藍が主体になってするセックスは久しぶりだ。
「誕生日プレゼント?」
「そういうわけじゃないんです。避けちゃっていた、お詫び? みたいな」
「そんなセクシーな下着で僕を誘って?」
「ふふ。触っても、いいですよ?」
触ろうとすると藍が逃げるように遠ざかる。そうしているのに、彼女は舜太郎の首筋を舐めて、隆起している腹筋を指で愛する。
藍が乱れる姿を五感で感じて興奮を覚える舜太郎にとって、やや刺激に乏しい。
こうして奉仕してかれるのも嬉しいし、健気な姿を見て興奮もするが。
勃ちつつある場所を撫でられて、目が合った藍がふんわりと笑んだ。妖艶な愛欲の女神さながらだ。
「……舜太郎さん。触って、みて?」
手を取った藍は、その足のあわいに招く。ショーツのクロッチには、ごつごつとした大粒のフェイクパールが並んでいる。しかも潤み始めている。
「……あとで見せてあげますね」
耳元の藍の声は上擦っていて、かぷりと舜太郎の耳を甘くかじる。
「んっ」
突然のことでぞくっと広い背中を熱が駆け下りた。
やられっぱなしなのもいいが、やはり責めたくて、乳房を触ろうとするが、逃げてしまう。逃げてしまった藍は、背を丸くして、舜太郎の腹筋を舐めながら、やわやわと硬くなっていないものを揉む。
パジャマのズボンに手をかけられ、まだ勃ちきっていないそれを見られた。少し恥ずかしい。
藍は、舜太郎の匂いを嗅いで、ぱくりと口に含む。あたたかく柔らかな口のなかに迎えられ、自然と深い息が零れた。それに気を良くしたのか、藍の行為が大胆になっていく。
「ん、……む……」
扱かれながら舐められキスをされると、素直に応えてむくむくと雄が育っていく。正直、愛する人にここまでされて勃たない男はいない。しかも、淫らな下着姿、というのも加算されている。
奉仕している藍は、太腿を合わせて、クロッチのパールを味わっているようだ。そんなものより自分の指や唇、舌でよくしてやりたい。
が、いやらしい音を立てて立派な雄になったものを美味しそうにしゃぶる藍を眺めるのも悪くない。
髪を耳にかけてやると、上目遣いの愛らしい目が嬉しそうに緩む。
「きもち、いいですか?」
「うん。……いいよ」
「じゃあ、寝てください」
ちゅぷっと音を立てて離れた藍の口元が、てらてらと光っていた。
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