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パフォーマンス
燃ゆる日
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「この街に手品師が来てるらしい。」
「あー噂だね~。あそこの奴らも噂してる。」
「手品師見た?あれすげーぜ!」
「まじ?見てみよっかな~今どこにいんの?」
「わかんね。この街にランダムに来るらしい。」
「ここに来たりしてな。」
「そりゃないだろ~!」
ステーキとポテト
ごちゃごちゃとした飾りをつけた妙に紳士的な老人が入店した。
「すいませ~ん…店員がいなんですが…」
「は~い。そこに名前書いて、どっか座っていただいて大丈夫ですよ。」
「あ~!そうだったんですね。いや~すいませんね。」
彼は席に座り、メニュー表をみた。
「…」
「…」
さっき手品師の噂をしていた学生が彼を見て、
「あれ…見たことある…」
と小声で言っていた。
「あれ?その…手品師?」
「そう。あれ、言ってた手品師。」
「マジで?マジで?」
「見れるかもな~…」
「めっちゃ興奮してきた~!…」
手品師はチラチラと学生たちをみながら、なんだか嫌な顔をしていた気がする。
「ん~…じゃあ、ステーキにポテトで頼むよ。」
「わかった。ちょっと待っときな。」
店長が去ると、学生たちは手品師のところにやってきた。
「なぁ!あんた手品師だろ?なんかやってくれよ!」
「ん~…」
あまりに失礼だろうと周りの客は恐る恐る見ていた。
「しょうがない。少し待っていてくれ。見せてやる。」
「「おぉ~!ありがとうございます!」」
周りの客はホッとして、手品師の手品が見れると少し興奮した。
「お待たせ~。ステーキと、ポテトだ!焼き加減はレアだがいいか?もう少し焼くか?」
「いえ、ちょうどよかったです。」
「ならよかった。」
「手品、お見せしましょう。」
「「「おぉ~!」」」
周りの客はいつの間にか観客になっていた。
「私はこっちに座って見とくよ。」
「ええ。ご覧なってください。」
手品師の席は偶然にも端のほうであり、観客皆に見えやすいようになっていた。
手品師は立って、ステーキをフォークで刺し、皿を持ち上げ、観客に見えるようにした。
「このステーキの焼き加減はレアだそうです。切って確認してみましょう。」
手品師は皿を空中に置き、ステーキを一切れ切り出した。
「「「おぉ~!」」」
歓声が飛び交った。
「ん~。確かにレアですね。ではこれを、ミディアムにしましょう。」
「「「おぉ~!」」」
歓声がまた飛び交う。
手品師は大きい方のステーキを刺し、口から火を吹きステーキを焼いた。
「「「おおー!」」」
大きな歓声とときに拍手の音も聞こえた。
そして手品師は焼かれたステーキを切り、
「ほら。見えにくいかもですが、ミディアムになりました。」
「「「おおおーー!」」」
歓声と拍手で店がいっぱいになった。
「まぁ私はレアが好きなので、もどしましょう。」
手品師はフォークで切った2切れのステーキを大きいものにくっつけ、ぐっと力を込めた。
ステーキは離れなくなり、またたくまにくっついた。
「「「おおーー!!」」」
手品師が切ると、
「んん!レアに戻った。それでは、私は頂くとするよ。ありがとう。」
彼は席につき、ステーキを食べ始めた。
「ヒュー!さすが!」
「見れてよかったよ!」
「すげぇだろ!すげぇだろ!」
「あぁマジですげぇ…」
「…お味は?」
「最高のステーキだ。肉汁が溢れてくる。ポテトも、素晴らしい揚げ加減だよ。サクサクホロホロ。塩加減と、ついてくるケチャップの量が丁度いい。」
「べた褒めありがとう。」
「なに。事実だよ。」
「あんたも、すごい"魔法"だったね。」
「魔法のよう、ということですか?」
「…」
「…美味しかったです。それでは。」
「お代は結構だよ。お客さんを楽しませてくれた。」
「ありがとうございます。」
「出たらちょっと待っとけ。」
「…なにか?」
「当たり前だ。」
「もう行っちゃうの~?」
「ええ。ここには食べに来ただけですから。それでは。」
…
店長は、彼が出て数秒後に出た。
「お前、なにもんだ?」
「といいますと?」
「お前は、"どの世界の住人"だ?」
「…それを知っているとは。言っておきますが、私は被害者だ。」
「装置の類か?」
「ん…もうやめろ。この話は終わりだ。」
「他のやつは?」
「…いない…はずだ。」
「…わかった。もう行っていい。時間取らせたな。」
「…帰りたんだ。方法が知りたい。」
「知らん。しかし、わかれば教えてやらんこともない。世界が壊れる前にな。」
「ああ…頼むよ…手品をしながら、手がかりを探してたんだ。」
「やっぱりな。」
「…それでは。私はホテルに戻るよ。」
「ああ。」
「あー噂だね~。あそこの奴らも噂してる。」
「手品師見た?あれすげーぜ!」
「まじ?見てみよっかな~今どこにいんの?」
「わかんね。この街にランダムに来るらしい。」
「ここに来たりしてな。」
「そりゃないだろ~!」
ステーキとポテト
ごちゃごちゃとした飾りをつけた妙に紳士的な老人が入店した。
「すいませ~ん…店員がいなんですが…」
「は~い。そこに名前書いて、どっか座っていただいて大丈夫ですよ。」
「あ~!そうだったんですね。いや~すいませんね。」
彼は席に座り、メニュー表をみた。
「…」
「…」
さっき手品師の噂をしていた学生が彼を見て、
「あれ…見たことある…」
と小声で言っていた。
「あれ?その…手品師?」
「そう。あれ、言ってた手品師。」
「マジで?マジで?」
「見れるかもな~…」
「めっちゃ興奮してきた~!…」
手品師はチラチラと学生たちをみながら、なんだか嫌な顔をしていた気がする。
「ん~…じゃあ、ステーキにポテトで頼むよ。」
「わかった。ちょっと待っときな。」
店長が去ると、学生たちは手品師のところにやってきた。
「なぁ!あんた手品師だろ?なんかやってくれよ!」
「ん~…」
あまりに失礼だろうと周りの客は恐る恐る見ていた。
「しょうがない。少し待っていてくれ。見せてやる。」
「「おぉ~!ありがとうございます!」」
周りの客はホッとして、手品師の手品が見れると少し興奮した。
「お待たせ~。ステーキと、ポテトだ!焼き加減はレアだがいいか?もう少し焼くか?」
「いえ、ちょうどよかったです。」
「ならよかった。」
「手品、お見せしましょう。」
「「「おぉ~!」」」
周りの客はいつの間にか観客になっていた。
「私はこっちに座って見とくよ。」
「ええ。ご覧なってください。」
手品師の席は偶然にも端のほうであり、観客皆に見えやすいようになっていた。
手品師は立って、ステーキをフォークで刺し、皿を持ち上げ、観客に見えるようにした。
「このステーキの焼き加減はレアだそうです。切って確認してみましょう。」
手品師は皿を空中に置き、ステーキを一切れ切り出した。
「「「おぉ~!」」」
歓声が飛び交った。
「ん~。確かにレアですね。ではこれを、ミディアムにしましょう。」
「「「おぉ~!」」」
歓声がまた飛び交う。
手品師は大きい方のステーキを刺し、口から火を吹きステーキを焼いた。
「「「おおー!」」」
大きな歓声とときに拍手の音も聞こえた。
そして手品師は焼かれたステーキを切り、
「ほら。見えにくいかもですが、ミディアムになりました。」
「「「おおおーー!」」」
歓声と拍手で店がいっぱいになった。
「まぁ私はレアが好きなので、もどしましょう。」
手品師はフォークで切った2切れのステーキを大きいものにくっつけ、ぐっと力を込めた。
ステーキは離れなくなり、またたくまにくっついた。
「「「おおーー!!」」」
手品師が切ると、
「んん!レアに戻った。それでは、私は頂くとするよ。ありがとう。」
彼は席につき、ステーキを食べ始めた。
「ヒュー!さすが!」
「見れてよかったよ!」
「すげぇだろ!すげぇだろ!」
「あぁマジですげぇ…」
「…お味は?」
「最高のステーキだ。肉汁が溢れてくる。ポテトも、素晴らしい揚げ加減だよ。サクサクホロホロ。塩加減と、ついてくるケチャップの量が丁度いい。」
「べた褒めありがとう。」
「なに。事実だよ。」
「あんたも、すごい"魔法"だったね。」
「魔法のよう、ということですか?」
「…」
「…美味しかったです。それでは。」
「お代は結構だよ。お客さんを楽しませてくれた。」
「ありがとうございます。」
「出たらちょっと待っとけ。」
「…なにか?」
「当たり前だ。」
「もう行っちゃうの~?」
「ええ。ここには食べに来ただけですから。それでは。」
…
店長は、彼が出て数秒後に出た。
「お前、なにもんだ?」
「といいますと?」
「お前は、"どの世界の住人"だ?」
「…それを知っているとは。言っておきますが、私は被害者だ。」
「装置の類か?」
「ん…もうやめろ。この話は終わりだ。」
「他のやつは?」
「…いない…はずだ。」
「…わかった。もう行っていい。時間取らせたな。」
「…帰りたんだ。方法が知りたい。」
「知らん。しかし、わかれば教えてやらんこともない。世界が壊れる前にな。」
「ああ…頼むよ…手品をしながら、手がかりを探してたんだ。」
「やっぱりな。」
「…それでは。私はホテルに戻るよ。」
「ああ。」
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