レスト:ランプ

昔懐かし怖いハナシ

文字の大きさ
13 / 18
機械を操る男

機械に強い人、2

しおりを挟む
 気がついた時、自分の家にいた。
「あれ?確か、食べていたはず…」
ベッドの上には、自分とパソコンが乗ってあった。
 口の中は、なぜかコーヒーの苦味が残っていた。
「そういえば、昨日設定し終わったんだ。少し、使ってみるか。」
最近買ったパソコンを開き、パスワードを入力した。
「物を調べるには、このアイコンか。難しいな。」
始めて使うパソコンは、難しかった。しかし…
「あれ?思ったとおりに、動く!?」
パソコンの、キーボードに手を置いただけで、勝手に考えている所へ移動してくれる。つまり、ページが思い通り。
「あの夢は、本当だったのか。」
面白くなった。その時から、子供に返ったかのように、パソコンを使い始めた。
「ほかは、何ができるのだろう。」
ちょうど欲しかった物があり、買い物のページヘ移動した。
(あのゲームが欲しかったんだ。よし、)
そう思ったときには、購入画面まで来ていた。
(ちょっと高いが、買おう。)
クレジットカードの番号を入力し、家の住所は、意識するだけでぱっと入力出来た。
 
 その日から、機械という分からない物から、その人のお手伝いさんとなっていた。
 いろんな買い物は簡単に、ゲームは簡単にクリア、想像さえあれば、いろんなゲームを作ることさえ容易になっていった。
 
「これは、良い能力を手に入れた。もしかしたら、あのレストランは能力を与えてくれるものだったのかもしれない。本当に感謝だ。」
ある日、そのレストランのあった路地へと足を運んだが、そこは空っぽだった。空き地となっていた。
「やっぱり、この世のものではなかったか…」

 家に帰り着いた時、ふとこんな事を思った。
「そういえばあいつ、いつも何調べてんだろう。」
あいつとは、友人の事だ。いつも何やら忙しくて、最近会ってない。
「パソコン持っていた気がする。もしかしたら、今見れるかも。」
そう思って、自分のパソコンを開いたとき、異様なホーム画面になっていた。
これは、一体。なんだろうか。
 すると、右下に、友人の顔が写った。
「おーい。聞こえる?」
音は聞こえてないらしい、目線はずっと画面だった。
 そして男の画面は、あるサイトに変わっていた。それは、いつも使っている大手の通販サイトだった。
「あいつ、何買うんだ?」
とても気になった。
「ん?のこぎりか?釘も、カートに入れてる。日曜大工でもすんのか?
 プロテインだと?あいつは、運動しないのに。
 …こんなものまで、買うのか。あいつの秘密を知ってしまった。」
ここの場では言えないものまで、買っていた。
 そこまでは良かった。カードの暗証番号まで、知るハメになった。
「ゲゲッ。そこまでは、知りたくないのに。」
住所も、カードも知ってしまった。
 彼はそこから、アダルトサイトに入ってしまったので、そこからは彼の顔を見ていた。
「嬉しそうな顔だぜ!全く。興味ないけど…見てしまう。」


 ついつい、見てしまうもの。人の秘密は、覗くものではないけど。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夏空、到来

楠木夢路
児童書・童話
大人も読める童話です。 なっちゃんは公園からの帰り道で、小さなビンを拾います。白い液体の入った小ビン。落とし主は何と雷様だったのです。

童話短編集

木野もくば
児童書・童話
一話完結の物語をまとめています。

しょうてんがいは どうぶつえん?!

もちっぱち
児童書・童話
しょうがくせいのみかちゃんが、 おかあさんといっしょに しょうてんがいにいきました。 しょうてんがいでは スタンプラリーをしていました。 みかちゃんとおかあさんがいっしょにスタンプをおしながら しょうてんがいをまわるとどうなるか ふしぎなものがたり。 作 もちっぱち 表紙絵 ぽん太郎。様

黒地蔵

紫音みけ🐾書籍発売中
児童書・童話
友人と肝試しにやってきた中学一年生の少女・ましろは、誤って転倒した際に頭を打ち、人知れず幽体離脱してしまう。元に戻る方法もわからず孤独に怯える彼女のもとへ、たったひとり救いの手を差し伸べたのは、自らを『黒地蔵』と名乗る不思議な少年だった。黒地蔵というのは地元で有名な『呪いの地蔵』なのだが、果たしてこの少年を信じても良いのだろうか……。目には見えない真実をめぐる現代ファンタジー。 ※表紙イラスト=ミカスケ様

カリンカの子メルヴェ

田原更
児童書・童話
地下に掘り進めた穴の中で、黒い油という可燃性の液体を採掘して生きる、カリンカという民がいた。 かつて迫害により追われたカリンカたちは、地下都市「ユヴァーシ」を作り上げ、豊かに暮らしていた。 彼らは合言葉を用いていた。それは……「ともに生き、ともに生かす」 十三歳の少女メルヴェは、不在の父や病弱な母に代わって、一家の父親役を務めていた。仕事に従事し、弟妹のまとめ役となり、時には厳しく叱ることもあった。そのせいで妹たちとの間に亀裂が走ったことに、メルヴェは気づいていなかった。 幼なじみのタリクはメルヴェを気遣い、きらきら輝く白い石をメルヴェに贈った。メルヴェは幼い頃のように喜んだ。タリクは次はもっと大きな石を掘り当てると約束した。 年に一度の祭にあわせ、父が帰郷した。祭当日、男だけが踊る舞台に妹の一人が上がった。メルヴェは妹を叱った。しかし、メルヴェも、最近みせた傲慢な態度を父から叱られてしまう。 そんな折に地下都市ユヴァーシで起きた事件により、メルヴェは生まれてはじめて外の世界に飛び出していく……。 ※本作はトルコのカッパドキアにある地下都市から着想を得ました。

極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

猫菜こん
児童書・童話
 私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。  だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。 「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」  優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。  ……これは一体どういう状況なんですか!?  静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん  できるだけ目立たないように過ごしたい  湖宮結衣(こみやゆい)  ×  文武両道な学園の王子様  実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?  氷堂秦斗(ひょうどうかなと)  最初は【仮】のはずだった。 「結衣さん……って呼んでもいい?  だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」 「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」 「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、  今もどうしようもないくらい好きなんだ。」  ……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。

生贄姫の末路 【完結】

松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。 それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。 水の豊かな国には双子のお姫様がいます。 ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。 もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。 王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。

きたいの悪女は処刑されました

トネリコ
児童書・童話
 悪女は処刑されました。  国は益々栄えました。  おめでとう。おめでとう。  おしまい。

処理中です...