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11 公爵令嬢は本を読み漁る
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今日はケーラ先生がお休みの日なので、一日中書庫で調べたい事を片っ端から調べつくそう。
この国とフィアンマ公爵家の歴史、魔法と魔物、文化や法律、生活や宗教について。
あと、成認式の事。
ついでに、デルフィニウムがどんな花か。
調べたい事がたくさんあるから、リッカに手伝ってもらおう。
という訳で書庫に着いたけど、我が家の書庫はデカい。
改めて見ると、一般的な私立図書館よりよっぽど大きいじゃないだろうかという程で、壁一面、見上げるほど本が並び、本棚の数もハンパない。
この数だと、リッカに手伝ってもらうだけじゃ無理だ。
司書さん達にも手伝ってもらわないと。
俺が調べたい類の本を、とりあえず手当たり次第持ってきてもらって、速読でどんどん読んでいく。
改めて読み返したい本や資料はリッカに渡して、一通り読んでもういいやつは司書さんに返していった。
「…お、お嬢様、そんなパラパラと本をめくるだけで、内容がわかるのですか?」
「ええ、もちろんよ。
リッカに渡している本や資料は、しっかりと目を通しておきたいものだけよ。
他のものは、今調べる必要がなかったり 似た内容のものだったから、司書たちに返しているの。」
そう言うと、リッカはフリーズした。
私はというと、そんなリッカの相手をする時間すら惜しいので、リッカを放置して次々と本を仕分けていく。
「…もしかして、例の男性がしていた技ですか?」
そうだった、俺が速読出来ても、私は速読をした事がなかった。
しかも、いくら同年代の子より知識が多いからって、5歳に満たない幼女が大人でも読むのが難しそうな本を信じられない速さで読んでいるんだから、驚くのも無理もない。
そもそも、この世界に速読があるのかすら不明。
司書さん達も、こっちを見ながらフリーズしてる。
「そうね。
これは速読という技で、練習さえすれば誰でもある程度の速さで読むことが出来ると思うわ。」
「お嬢様のように早く読むことが出来るのですか?」
「うーん、私の場合、例の男性が30年近くかけてこの速さになってるから…
得意な方ならすぐに追いつけるかもね。」
またリッカがフリーズした。
そして私もまたリッカを放置して本を仕分ける。
どれくらい時間が経ったかわからないけど、しばらくしてフリーズがとけたリッカが口を開いた。
「…お嬢様、お部屋に戻られてから、色々と質問をさせて頂いてもよろしいでしょうか。」
「ええ、いいわよ。
答えられる質問なら何でも答えるわ。」
「ありがとうごさいます。
あの、そろそろ本をお部屋に持って行きませんか?
とんでもない量になっていますよ…」
「あっ、そうね。
じゃあ、一旦この本を部屋に持って行きましょう。」
そうは言ったものの、その本の山はとてもじゃないけど2人で持っていける量じゃなくなっていて、メイドを数人呼んで運ぶのを手伝ってもらった。
そして、本の山を全て部屋に運び終わり、部屋には私とリッカの2人だけになった。
「じゃあリッカ、気になることを質問して頂戴。
私は、本を読んだり書き物をしながら答えるようになるけど、気にしないで頂けるとありがたいわ。」
「えっ、お嬢様⁉︎
読み書きと同時に会話が出来るのですか⁉︎」
「例の男性は出来ていたわ。
速読も出来たし、これもきっと出来ると思うの。」
そう言って、厳選した本や資料を改めて読み返す。
調べたい事は、この本の山だけじゃ全然足りない。
早くこれらを読んで、新しい情報を調達しないと。
そう思いながら、書庫で読んだ時よりはスピードを落として、じっくりと目を通す。
「…その男性は、随分と優秀な方なのですね…」
ありがとうリッカ、照れるぜ。
「そうね、自分で言うのも何だけど、学業の成績は常に一番だったわ。」
本当のことを言ってるだけで、自慢してる訳じゃないんだぜ。
「『自分で言うのも』って、まるで、お嬢様の中にその男性の人格があるかのような言い方ですね…」
「そうね…
初めは、あちらの世界か、はたまたこの世界が夢なんじゃないかと思っていたわ。
でも、どちらの世界もあまりに現実的で、どちらかが夢だと言うより、どっちも本物で 私と彼の意識が私の中に入っている、と思った方がしっくりしたの。」
「お嬢様の人格とその男性の人格、両方が共存していらっしゃるのですか?」
「2人の人格が共存、というより、お互いの意識が混ざり合って1人になっている、と言った方がいいかしら。
今のこの人格は、フィアンマ公爵家令嬢 フランドール・フィアンマと、ニホンという世界の一般人男性、テルユキ・ハラダという男性の2人で出来ているの。」
「………」
リッカ、三度絶賛フリーズ中。
そりゃそうだよな、こんな話、普通なら信じない。
当の本人である俺も私も、こんな事言いながら信じきれてない。
こんな物語のような出来事、あるはずがない。
でも、現在進行形でこの出来事は存在している。
目覚める様子のない夢。
忘れることのない夢。
…随分長く黙り込んでるなぁ、リッカ。
今、リッカの頭の中は多分、常識じゃありえない話と、目の前で起こる数々の異常な出来事で、混乱してるのかな。
そんな事を考えながらも、リッカのフリーズ中に私は本を6冊読み終えてしまった。
7冊目に手を伸ばした時、リッカがついに口を開いた。
「…お嬢様、私がテルユキ・ハラダ様とお話する事は可能ですか?」
この国とフィアンマ公爵家の歴史、魔法と魔物、文化や法律、生活や宗教について。
あと、成認式の事。
ついでに、デルフィニウムがどんな花か。
調べたい事がたくさんあるから、リッカに手伝ってもらおう。
という訳で書庫に着いたけど、我が家の書庫はデカい。
改めて見ると、一般的な私立図書館よりよっぽど大きいじゃないだろうかという程で、壁一面、見上げるほど本が並び、本棚の数もハンパない。
この数だと、リッカに手伝ってもらうだけじゃ無理だ。
司書さん達にも手伝ってもらわないと。
俺が調べたい類の本を、とりあえず手当たり次第持ってきてもらって、速読でどんどん読んでいく。
改めて読み返したい本や資料はリッカに渡して、一通り読んでもういいやつは司書さんに返していった。
「…お、お嬢様、そんなパラパラと本をめくるだけで、内容がわかるのですか?」
「ええ、もちろんよ。
リッカに渡している本や資料は、しっかりと目を通しておきたいものだけよ。
他のものは、今調べる必要がなかったり 似た内容のものだったから、司書たちに返しているの。」
そう言うと、リッカはフリーズした。
私はというと、そんなリッカの相手をする時間すら惜しいので、リッカを放置して次々と本を仕分けていく。
「…もしかして、例の男性がしていた技ですか?」
そうだった、俺が速読出来ても、私は速読をした事がなかった。
しかも、いくら同年代の子より知識が多いからって、5歳に満たない幼女が大人でも読むのが難しそうな本を信じられない速さで読んでいるんだから、驚くのも無理もない。
そもそも、この世界に速読があるのかすら不明。
司書さん達も、こっちを見ながらフリーズしてる。
「そうね。
これは速読という技で、練習さえすれば誰でもある程度の速さで読むことが出来ると思うわ。」
「お嬢様のように早く読むことが出来るのですか?」
「うーん、私の場合、例の男性が30年近くかけてこの速さになってるから…
得意な方ならすぐに追いつけるかもね。」
またリッカがフリーズした。
そして私もまたリッカを放置して本を仕分ける。
どれくらい時間が経ったかわからないけど、しばらくしてフリーズがとけたリッカが口を開いた。
「…お嬢様、お部屋に戻られてから、色々と質問をさせて頂いてもよろしいでしょうか。」
「ええ、いいわよ。
答えられる質問なら何でも答えるわ。」
「ありがとうごさいます。
あの、そろそろ本をお部屋に持って行きませんか?
とんでもない量になっていますよ…」
「あっ、そうね。
じゃあ、一旦この本を部屋に持って行きましょう。」
そうは言ったものの、その本の山はとてもじゃないけど2人で持っていける量じゃなくなっていて、メイドを数人呼んで運ぶのを手伝ってもらった。
そして、本の山を全て部屋に運び終わり、部屋には私とリッカの2人だけになった。
「じゃあリッカ、気になることを質問して頂戴。
私は、本を読んだり書き物をしながら答えるようになるけど、気にしないで頂けるとありがたいわ。」
「えっ、お嬢様⁉︎
読み書きと同時に会話が出来るのですか⁉︎」
「例の男性は出来ていたわ。
速読も出来たし、これもきっと出来ると思うの。」
そう言って、厳選した本や資料を改めて読み返す。
調べたい事は、この本の山だけじゃ全然足りない。
早くこれらを読んで、新しい情報を調達しないと。
そう思いながら、書庫で読んだ時よりはスピードを落として、じっくりと目を通す。
「…その男性は、随分と優秀な方なのですね…」
ありがとうリッカ、照れるぜ。
「そうね、自分で言うのも何だけど、学業の成績は常に一番だったわ。」
本当のことを言ってるだけで、自慢してる訳じゃないんだぜ。
「『自分で言うのも』って、まるで、お嬢様の中にその男性の人格があるかのような言い方ですね…」
「そうね…
初めは、あちらの世界か、はたまたこの世界が夢なんじゃないかと思っていたわ。
でも、どちらの世界もあまりに現実的で、どちらかが夢だと言うより、どっちも本物で 私と彼の意識が私の中に入っている、と思った方がしっくりしたの。」
「お嬢様の人格とその男性の人格、両方が共存していらっしゃるのですか?」
「2人の人格が共存、というより、お互いの意識が混ざり合って1人になっている、と言った方がいいかしら。
今のこの人格は、フィアンマ公爵家令嬢 フランドール・フィアンマと、ニホンという世界の一般人男性、テルユキ・ハラダという男性の2人で出来ているの。」
「………」
リッカ、三度絶賛フリーズ中。
そりゃそうだよな、こんな話、普通なら信じない。
当の本人である俺も私も、こんな事言いながら信じきれてない。
こんな物語のような出来事、あるはずがない。
でも、現在進行形でこの出来事は存在している。
目覚める様子のない夢。
忘れることのない夢。
…随分長く黙り込んでるなぁ、リッカ。
今、リッカの頭の中は多分、常識じゃありえない話と、目の前で起こる数々の異常な出来事で、混乱してるのかな。
そんな事を考えながらも、リッカのフリーズ中に私は本を6冊読み終えてしまった。
7冊目に手を伸ばした時、リッカがついに口を開いた。
「…お嬢様、私がテルユキ・ハラダ様とお話する事は可能ですか?」
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