公爵令嬢はジャンクフードが食べたい

菜花村

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50 公爵令嬢はピザパーティーをする

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先日のロナウド王子主催のお茶会が、カオスではあったが一応楽しめたという事と、社交界デビューがまだまだな私が貴族の友達を作るにはああ言ったパーティのような催し物をしたら良いと分かったと言う事で、今度は私が主催の催し物をする事にした。

招待客は、ロナウド王子とセシル様に任せて、私は会場の準備に専念。

一応、前回蚊帳の外になっていたその他2人も呼んでおいた。




私が主催なんだから、私らしいパーティーをした方が面白いよね。

でも、何をしたら良いだろう?

私らしいといえば、ジャンクフードパーティとか?

とは言っても、具体的に何にするかは決めてない。

よく聞くホームパーティーと言えば、たこ焼きパーティーとか。

…ソース作るのに時間が足りないし、この世界ではタコって食用じゃないからなぁ。

じゃあ、バーベキューパーティーは?

…貴族のお坊ちゃん達が、網焼きしただけの肉や野菜を食べるだろうか。

コックに作らせれば問題ないだろうけど、そんなのもうバーベキューとは言えない。

そしてバーベキューソースも作る時間ない。

それなら、手巻き寿司パーティーはどうだろう。

…海苔と米をどこから調達するの?

そして醤油もない。

日本人なら鍋パーティーだろ。

日本人じゃねえ!

うーん、どうしよう…

あ!良いのがあったの忘れてたよ!

私らしくて、みんなも楽しめる美味しいジャンクフードが!

そのためには、材料を色々用意しないと。

総料理長のダンにも手伝ってもうから、レシピも教えておかないといけないし。

それに、やっと元に戻った自慢の我が家の庭に、石窯を用意しないとね!



まずは、メインとなるチーズを用意しよう。

この世界にもいろんな種類のチーズがあるけど、私が必要としているのはモッツァレラチーズとゴーダチーズ。

ただ、ゴーダチーズはあるけどモッツァレラチーズは存在しない。

だから、モッツァレラチーズを作らないと。

そして、ドキドキ魔法の実験タイムもあるよ⭐︎


先ずは、牛乳を低温殺菌してから、35度に加熱。

温めた牛乳に、クエン酸を加えてよく混ぜて、35度に保ったまま6分(地球時間で約10分)放置。

更に、お湯に溶かしたレンネットと呼ばれる酵素を加えてよく混ぜたら、もう3分(約5分)この状態をキープ。

すると、カードと呼ばれる卵豆腐くらいの硬さの状態になるので、2センチくらいの格子状にカット。

カードを3分(約5分)程かけて40度まで高めたら、容器をゆっくり揺らしてカードとホエイと呼ばれる液体に分離。

温度は40度でキープしたまま、容器からホエイだけを取り出して、その後は35度で18分(約30分)かけて時々裏表を変えながら発酵させる。

…さっきからこの温度キープしながら放置ってのが地味に面倒。

保温器欲しい。

カードが発酵したら、ひと塊になるように混ぜるんだけど、さあ、ここからが魔法の実験。

下手したら大火傷する。

いろんな意味でドキドキする。

カードを混ぜるのは、80度のお湯の中。

地球なら耐熱グローブとかあるんだけど、この世界にはもちろんない。

だから、私の手に触れる部分だけ体温と同じくらいになるように熱を操る。

多分いけると思うんだけど、最初の一歩が怖え…

覚悟を決めて…えいっ!

「きゃああぁぁああぁ!」

…だ、大丈夫だったぁ…

リッカ…ビックリするから叫ばないでよ…

必要以上にめっちゃドキドキしたじゃんか、心臓に悪い。

「熱湯にいきなり手を突っ込むんですもの!
こっちの方がビックリしましたよ!」

そんなリッカはもうほっといて、お湯の中で伸ばしたり折り曲げたりしてカードを何度も練る。

9分(15分)程練って粘りと艶が出てきたら、氷水に12分(20分)程付けて、モッツァレラチーズの完成!

生地のレシピをコックに伝えて、レッツ ピザパーティ!



ピザパーティー当日、ロナウド王子は1人、セシル様は2人お連れ様がいた。

ロナウド王子、セシル様、ボテジュール子爵令息、エルギンダコ伯爵令嬢、ペヤングルド子爵令嬢、その他2人と私の8人。

…無性に粉物が食べたくなってきた。

早めにソース作りに取り掛かろう。


先ずは私がパフォーマンスとして、会場となる庭に石窯を作成。

錬金魔法を初めて見る粉物貴族3人は、とても驚いていた。

ダンとリッカも、驚いていた。

「…せっかく直したばかりの庭にまたこんな物作って…
奥様に怒られますよ…」

…聞かなかった事にしよう。

次に、予め作っておいたピザ生地を、ダンが伸ばしていく。

もちろん、ピザ回しで。

何度も練習した甲斐あって、器用に手渡しから縦投げ、横投げと次々にピザを回していくダン。

皆んなもう大コーフン!

ダンも得意げになっているけど、意外と体力を使うようで合間合間で休憩を挟んでいる。

そして、出来たピザ生地には私たちがトッピング。

トマトソースを塗ったら、ハムや玉子、野菜を乗せていく。

ワイワイ楽しんでるけど、好き嫌いがハッキリ出ていてかなり個性的なピザが出来たりした。

ピーマン圧倒的不人気。

モッツァレラチーズとゴーダチーズをかけたら、石窯にピザを入れて、90秒という早さであっという間にピザの出来上がり!

「うぉっ、何だこれ!
チーズが伸びる!」

「生地がカリカリでチーズはトロトロ、トマトソースがよく合いますね!」

みんな楽しそうで良かった。

私もピザをパクっ。

うーん美味い、やっぱりピザは、ジャンクフードの王様と言っても過言じゃないねぇ。

そしてコーラをゴクリ、至福の時である。



こうして、ピザパーティーは大成功に終わった。

そして、石窯を作ったままウッカリ庭に放置していた私は、それを見つけたお母様にめちゃくちゃ叱られた。
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