公爵令嬢はジャンクフードが食べたい

菜花村

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53 公爵令嬢は自分の領地を知る

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朝になって、お屋敷の従業員全員を呼び出し着任の挨拶をした。

私がフィアンマ公爵家から連れてきたのは、リッカだけ。

小さなお屋敷にたくさんの使用人なんて要らないし、もともとここで働いている人もいるから特に問題無い。

「という訳で、私は領地経営のことは何もわからないので、今まで領主代行をしてくださっていたアデンさんには、私が領主として一人前になるまで引き続き代行と私の補佐をやってもらいます。
まだ7歳の頼りない領主だと思うでしょうが、この地の領民や貴方たちの事をしっかりと見て勉強させて頂いて、立派な領主として成長出来るよう頑張ります。
気になる事があればその都度皆さんに聞いていきますので、宜しくお願い致します。
以上で挨拶は終わらせて頂きます、では皆さん、お仕事に戻ってください。」


挨拶を終わらせた私は、まず領主代行をしていたアデン・グスと話をした。

「まずは、このお屋敷で働いている使用人全員の名簿を頂けるかしら、アデンさん。」

「私めの事は、どうぞアデンとお呼び下さいませ、お嬢様。」

「それなら、これから長い付き合いになるんだし、私の事はフランと呼んでくださいな。」

「畏まりました、フラン様。」

…リッカが羨ましそうな目をしながらこちらを見ている。

リッカもフランて呼んでいいから。

アデンに用意してもらった使用人の名簿に目を通す。

どこで誰が何の仕事をしているか、知っておかないとダメだからね。

次に、アデンから見た使用人一人ひとりの仕事の様子や人間性を、アデンが感じたままに話してもらう。

これでアデンの人間性も分かるし。

話を聞く感じ、アデンは良くも悪くも「普通」の人柄だった。

特別向上心があって仕事熱心、て感じでもなく、言われた事やしなくてはならない事は真面目にキチッとこなすって感じ。

仕事のできる万年平社員みたいな。

次に、使用人一人ひとりを呼び出して個人面談。

今の仕事についてどう思うか、今後私にどういう事をして欲しいか、このお屋敷の従業員で仕事が出来ると思う人3人を聞いて行った。

皆んなが口を揃えて声にしていたのはアデンだったけど、次に多く名前が上がっていたのが、意外にも執事見習いの少年だった。

年はリッカより5歳年下の13歳、名前はケン。

両親が他領の執事長とメイド長というサラブレッド。

ここで働き始めて半年だというが、物覚えが良くて仕事が早く、周りがよく見えているという評価だった。

実際彼と話をしてみたけど、誠実そうで少しだけ堅物そうな雰囲気がしていた。

キリッとした鋭い目つきに短髪の黒髪、顔つきも整っていて「男前」って感じで、お兄様とは違った雰囲気の「しっかり者のお兄ちゃん」風。

執事見習いのケン、要チェックや!



お屋敷内を確認したら、次は領内の情勢確認。

各村(というか集落)の環境や人口や経費予算、どこでどれだけの収益が出てどれだけの税を徴収しているか等、初日はお屋敷内でアデンに教えてもらい、3日間かけて現地を回った。

地形の関係から領内には山がなく、どこの村も海沿いに面していて、農耕や狩猟をする事はあまりなく、漁業で生計を立てている事が殆どらしい。

浅瀬は潮の流れがそれほど強くなく、白い砂浜に透明で透き通った綺麗な海が続く場所もあれば、岩場が多く潮の流れもあり、魚がいる所もあった。

沖の様子が知りたかったので船に乗せてと言ったところ、リッカに猛反対された。

仕方なく、現地の漁師に海底の様子を聞いたところ、沖の方には岩場が少なく、漁礁と呼ばれる魚の住処は多くないそうだ。

なので、漁業がメインなのに魚が獲れないこともよくあるらしい。

因みに、やっぱり魚醤はなかった。
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