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54 公爵令嬢は改革する
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お屋敷に帰って、これからすることの確認をしていく。
まず最初に、ここの従業員の意識改革。
最初こそお母様と一緒だったから皆んな真剣に仕事をしていたんだろうけど、長らく「寂れた小さな男爵領の領邸使用人」だったという事もあり、お母様が公爵領へ帰って行ってから割とサボっている人が多かった。
舐められたもんだよ。
今なら皆んな私を7歳児として見てくれているだろうけど、求めているのはこういうのじゃない。
という事で、一番やましい事をしていそうな人をコッソリ尾行して、悪事の瞬間現行犯で捕まえて、みんなの前で見せしめに懲戒解雇。
その後も、何度か尾行を繰り返して、問題の瞬間に肩を叩いて「次はないよ」と脅して行った。
アデンとリッカがスパイごっこに呆れてたけど、結果は良好。
脅しがきいたのか、みんな仕事を一生懸命してくれるようになった。
まあ、何人か「次」をやっちゃったから、辞めさせたけど。
次にしたのが使用人採用と育成。
領民で3人募集をかけた。
2人は年齢性別不問、もう一人は子育て経験者。
もし今後使用人に子供が生まれても、託児所付きなら働きやすいからと思って。
実際、ケンは生まれてすぐお母さんが職場復帰していて、お屋敷の御子息達と一緒に暮らしていたそうだ。
間近で親の仕事ぶりを見られたから、今のケンがあるのかもしれないしね。
という事で採用募集したところ、領民の殆どと言っていい程の数が応募をしてきた。
皆んな、漁の仕事もしようぜ…
早速面接したけど、ほぼ丸一日かかった。しんどかった。
ここでも「もし貴方が採用されるとしたらあと2人は誰だと思う?」と言う質問をした。
数少ない領民だからこそ私より優秀な人材を知っていると思って。
そしてお屋敷で働く3人が決まった。
一人目は先月成人したばかりの女性。
明るく元気で、集落のムードメーカー的な存在らしい。
二人目は中年の男性。
識字力があり四則演算が出来る、村で一番賢い人物だそうで、次期村長候補だったそうだ。
採用しても大丈夫なのか聞いたけど、本人曰く大丈夫だと。
3人目は中年の女性。
5人の子供がいて、末の子が10歳になって漁を始めたので子育てが落ち着いたと言う。
5人も子供がいるんなら、しっかりとした収入がないと不安だよね。
次に、人事異動。
解雇した人の穴埋めと、新しく採用した人の配置、部署移動をしていった。
ケンがあまりにも優秀な執事見習いだったので、アデンと同じく私の補佐と領主雑務をお願いした。
これで、私が公爵領に帰ってる間も任せられるかな。
さあお屋敷の準備は整った。
次は私の準備。
領地経営をすると言う事は、領民の命を預かると言う事。
ここに来て直ぐにある程度の情報収集はしたんだけど、貧困の原因や対策、今後の指標をハッキリしておかないと。
まず考えたのが、地理的整備。
岩場の多い場所は、魚は多いけど船の出入りが不便だと言う事で、波止場と港を作って漁港の中心地になってもらう。
浅瀬の続く所では、かなり沖まで出ないと魚が取れないそうだから、いっそ観光地にしてしまおう。
土地柄的に晴れの日が多く夏が長い割に、比較的涼しいらしいので、避暑地としてリゾート化を目指す。
あと、魚醤を作るには大漁の塩が必要だから、今ある塩田を更に増加する。
砂漠とまではいかないけど、岸から陸地まで砂浜が遠くまで続いているところがあるので、そこを新しく塩田にしていこう。
そして、それ等の施設と他領を繋ぐインフラ整備を同時に開始。
ただ、そのための予算が全然足りないので、お父様にお金を借りることにしようと思ったら、「温室ハウス買い取るから、今までにかかったお金全部渡す」と言われた。
これで懐は再び温まったので、私のポケットマネーから工事費用を当てた。
もちろん、後から全額回収するよ。
そうそう、沖に漁礁が少ないと聞いていたので、毎日少しずつ錬金魔法で人工漁礁を作っていった。
一度にたくさん作ると津波が起きるかもしれなかったから、少しずつ。
で、工事をするにあたって、私は現場監督を何人かスカウトしていた。
男爵邸の使用人募集の時に、建築土木作業経験者が何人かいたので目星をつけていた。
私は資料は読めても魔法を使わず建設した事はないから、字の読めない現場監督に代わって私が資料を読んだり、日本で行われていた情報を解説、現場監督は最も有能だと思う情報を元に作業員に指示出し。
餅は餅屋だ。
作業員は漁師以外の領民ほぼ全員になったんだけど「仕事があるのはありがたい」と喜んでくれた。
その間にも、魚醤はシッカリと作っている。
ただ塩に漬けておくだけの簡単なお仕事。
漁師さんにすっごい嫌そうな目で見られたけど、売りに出す分の魚を売値の倍の値段で買い取ると言うと態度をコロっと変えて喜んで売ってくれた。
さあ、魚醤の完成と設備の完成、どっちが早いかな?
まず最初に、ここの従業員の意識改革。
最初こそお母様と一緒だったから皆んな真剣に仕事をしていたんだろうけど、長らく「寂れた小さな男爵領の領邸使用人」だったという事もあり、お母様が公爵領へ帰って行ってから割とサボっている人が多かった。
舐められたもんだよ。
今なら皆んな私を7歳児として見てくれているだろうけど、求めているのはこういうのじゃない。
という事で、一番やましい事をしていそうな人をコッソリ尾行して、悪事の瞬間現行犯で捕まえて、みんなの前で見せしめに懲戒解雇。
その後も、何度か尾行を繰り返して、問題の瞬間に肩を叩いて「次はないよ」と脅して行った。
アデンとリッカがスパイごっこに呆れてたけど、結果は良好。
脅しがきいたのか、みんな仕事を一生懸命してくれるようになった。
まあ、何人か「次」をやっちゃったから、辞めさせたけど。
次にしたのが使用人採用と育成。
領民で3人募集をかけた。
2人は年齢性別不問、もう一人は子育て経験者。
もし今後使用人に子供が生まれても、託児所付きなら働きやすいからと思って。
実際、ケンは生まれてすぐお母さんが職場復帰していて、お屋敷の御子息達と一緒に暮らしていたそうだ。
間近で親の仕事ぶりを見られたから、今のケンがあるのかもしれないしね。
という事で採用募集したところ、領民の殆どと言っていい程の数が応募をしてきた。
皆んな、漁の仕事もしようぜ…
早速面接したけど、ほぼ丸一日かかった。しんどかった。
ここでも「もし貴方が採用されるとしたらあと2人は誰だと思う?」と言う質問をした。
数少ない領民だからこそ私より優秀な人材を知っていると思って。
そしてお屋敷で働く3人が決まった。
一人目は先月成人したばかりの女性。
明るく元気で、集落のムードメーカー的な存在らしい。
二人目は中年の男性。
識字力があり四則演算が出来る、村で一番賢い人物だそうで、次期村長候補だったそうだ。
採用しても大丈夫なのか聞いたけど、本人曰く大丈夫だと。
3人目は中年の女性。
5人の子供がいて、末の子が10歳になって漁を始めたので子育てが落ち着いたと言う。
5人も子供がいるんなら、しっかりとした収入がないと不安だよね。
次に、人事異動。
解雇した人の穴埋めと、新しく採用した人の配置、部署移動をしていった。
ケンがあまりにも優秀な執事見習いだったので、アデンと同じく私の補佐と領主雑務をお願いした。
これで、私が公爵領に帰ってる間も任せられるかな。
さあお屋敷の準備は整った。
次は私の準備。
領地経営をすると言う事は、領民の命を預かると言う事。
ここに来て直ぐにある程度の情報収集はしたんだけど、貧困の原因や対策、今後の指標をハッキリしておかないと。
まず考えたのが、地理的整備。
岩場の多い場所は、魚は多いけど船の出入りが不便だと言う事で、波止場と港を作って漁港の中心地になってもらう。
浅瀬の続く所では、かなり沖まで出ないと魚が取れないそうだから、いっそ観光地にしてしまおう。
土地柄的に晴れの日が多く夏が長い割に、比較的涼しいらしいので、避暑地としてリゾート化を目指す。
あと、魚醤を作るには大漁の塩が必要だから、今ある塩田を更に増加する。
砂漠とまではいかないけど、岸から陸地まで砂浜が遠くまで続いているところがあるので、そこを新しく塩田にしていこう。
そして、それ等の施設と他領を繋ぐインフラ整備を同時に開始。
ただ、そのための予算が全然足りないので、お父様にお金を借りることにしようと思ったら、「温室ハウス買い取るから、今までにかかったお金全部渡す」と言われた。
これで懐は再び温まったので、私のポケットマネーから工事費用を当てた。
もちろん、後から全額回収するよ。
そうそう、沖に漁礁が少ないと聞いていたので、毎日少しずつ錬金魔法で人工漁礁を作っていった。
一度にたくさん作ると津波が起きるかもしれなかったから、少しずつ。
で、工事をするにあたって、私は現場監督を何人かスカウトしていた。
男爵邸の使用人募集の時に、建築土木作業経験者が何人かいたので目星をつけていた。
私は資料は読めても魔法を使わず建設した事はないから、字の読めない現場監督に代わって私が資料を読んだり、日本で行われていた情報を解説、現場監督は最も有能だと思う情報を元に作業員に指示出し。
餅は餅屋だ。
作業員は漁師以外の領民ほぼ全員になったんだけど「仕事があるのはありがたい」と喜んでくれた。
その間にも、魚醤はシッカリと作っている。
ただ塩に漬けておくだけの簡単なお仕事。
漁師さんにすっごい嫌そうな目で見られたけど、売りに出す分の魚を売値の倍の値段で買い取ると言うと態度をコロっと変えて喜んで売ってくれた。
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