公爵令嬢はジャンクフードが食べたい

菜花村

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66 公爵令嬢は再びお祭りをする

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今日は第二回フィアンマ男爵領秋祭り。

今年は開催期間が三日間。

御神輿を自分の地区にも来て欲しいという声と、男爵領外からお祭りに参加したいという声がかなり寄せられて、それなら日程を延長して大々的にやっていこうって事になった。

昨年に引き続き、各地区で御神輿を作ってもらった。

今年は、サトウキビ地区と造船地区、養鶏地区が新たに追加。

全部で8台の御神輿が、フィアンマ男爵領全地区を回る。

今年の御神輿は、去年にも増して豪勢になっていた。

サトウキビ地区の御神輿は、台座から担ぎ手まで全てがサトウキビで作られていた。

造船地区の御神輿は、キャラック船の大型模型。

養鶏地区は、ペリカドロスの羽がふんだんに使われた、サンバ風御神輿。

他の5台も、去年より大きく派手な作りになっていて、担ぐ人数も増えていた。

それぞれバラバラの地区を回り、3日目に自分の地区の御神輿が駆け巡る。

3日間とも担ぎ手も観客も皆んな元気に各地区を盛り上げていた。



昨年大好評だった粉物屋台に、ラーメンやカレー、ビール、甘味の屋台も加え、役場の職員が各地区へ繰り出して、料理が振る舞われている。

領民はもちろん、観光客にも大人気。

どこの屋台も行列が出来ていた。



今回、私はこのお祭りの為にある物を作っていた。

それは、|法(はっ)|被(ぴ)。

御神輿を担ぐ人達、屋台を切り盛りする人達等、男爵領の住民は全員お揃いの法被をきてお祭りに参加しているのだ。

この法被が大好評。

領民と観光客の違いが一目でわかるし、領民しか着られない特別感のあるこの法被が、フィアンマ男爵領を更にブランド化させていた。



私、ロナウド王子、セシル様、ポスカ君、ケン、レベッカちゃんの6人は、新たな屋台料理を開発。

男爵邸の近くにある広場で、法被をきて新作屋台料理を振舞う事にした。



まず一つ目。

薄力粉、重曹、ベーキングパウダー、砂糖、塩をボールに入れて、しっかり攪拌する。

別のボールに、卵、牛乳、水、サラダ油を入れて、よくかき混ぜる。

最初のボールに先程の材料を加え、混ぜすぎないように混ぜ合わせて、しばらく生地を寝かせる。

その間に焼き型に合わせて餡子を長細く小分けしておく。

寝かせた生地を焼き型に流し込み餡子を乗せ、餡子が隠れる様に生地を上からかけて、上蓋を被せてしばらく待つ。

頃合いを見計らって、焼き型をひっくり返して反対側もしっかり焼けば、たい焼きの出来上がり!


二つ目。

卵、砂糖、塩をもったりするまで混ぜて、牛乳とサラダ油を加えて再度混ぜる。

薄力粉、ベーキングパウダーをふるいにかけて、2~3回に分けて加えながら、切るようにその都度混ぜる。

加熱したたこ焼き器に油をしいて、生地をそれぞれ6分目程まで流し入れる。

ふつふつしてきたら、竹串で隣の生地の上に返すように合わせてのせる。

転がしながら中まで火を通せば、ベビーカステラの出来上がり!


三つ目。

乾燥大豆を粉末状にしてきな粉を作り、砂糖と塩ひとつまみを混ぜる。

予め形成して二時発酵までさせておいたパン生地を、狐色になるまで油で揚げて、しっかり油を切る。

温かいうちにきな粉を塗せば、揚げパンの出来上がり!


四つ目。

ザラメを釜に入れ、熱して溶かし、釜を回転させる。

すると、溶けたザラメが遠心力で穴から細い糸になって出てくるので、それを棒で絡め取ったら、綿菓子の出来上がり!

この手動の綿菓子機、もちろん私のお手製。


五つ目。

ボウルに薄力粉、砂糖、溶き卵を入れ、泡立て器で混ぜ合わせる。

牛乳を少しずつ入れながら混ぜ合わせて、サラダ油を入れ混ぜたら、涼しい場所で35分(地球時間で1時間程)休ませる。

休ませた生地を再び混ぜ合わせて、熱したフライパンにお玉ですくって流し入れたら、フライパンを傾けて全体に広げる

生地の縁が乾いてきたら竹串で端をめくり、 ひっくり返して30秒~1分程焼いたら、生地の完成。

これに、クリームや果物、餡子を挟んでクルッと巻けば、和風クレープの出来上がり!




最後六つ目。

冷たい鉄板の上に、熱して溶かした砂糖で絵を描けば、べっこう飴細工の出来上がり!


今日までに、子供6人で頑張って練習してきたんだよ!

特に私! 本当に大変だった!

夜な夜なコッソリ練習して、毎晩リッカに叱られてた。


それぞれの担当は、たい焼きがロナウド王子、ベビーカステラがセシル様、揚げパンがポスカ君、綿菓子がレベッカちゃん、クレープがケン、べっこう飴細工が私。

そして、皆んなのサポートは其々の専属使用人。

会計と客捌きはアデンにお願いした。

何気にアデンが一番大変そうだった。

だって、美少年4人(しかも一人はこの国の王子様)の手作りのお菓子を食べられるんだから。

更には、彼らの父親である国王様や騎士団長達なんかもサラッとお祭りに参加。

私達の屋台前は大パニック。

「この魚の形のお菓子、パリッとした皮にたっぷりの餡子が入っててめちゃ美味いし、漁業の街って感じしてていいじゃんか。」

「この丸いの、たこ焼きかと思ったら甘かった!
一口サイズでパクパク食べられて、やみつきになっちゃう!」

「うわぁ、このパン美味しい~!
サクサクでふわっとしてて、周りの粉が程よく甘~い!」

「な、なんじゃこりゃ⁉︎
雲のようにふわふわしてて、食べるとスッと甘い後味を残して消えてしまう!」

「うぅ、ふわっと甘いクリームとしっとり甘い餡子にサッパリ甘い果物って、合うんだねぇ!」

「領主様、次はドラゴンの絵を描いてください!」

皆んな美味しく食べてもらえてるようだね。

私だけなんか違うけど。



こうして、3日間続いたお祭りは、なんとか無事に終わりました。

皆んな、本当にお疲れ様!

3日間よく頑張ったね!

そしてお父様、もうお祭りは終わったんですから、今私にべっこう飴細工を求めないでください!
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