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79 公爵令嬢はパートナーを探す
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いよいよ1ヶ月後に迫った10歳の誕生日パーティー。
会場は公爵家のどでかいパーティー広間。
以前、私やお兄様の誕生日パーティーをしたところである。
今回、私はデビュタントになり、壮大な仕掛けを用意している。
練習した感じだと、上手くいった。
問題があるとすれば、ダンス。
リリーちゃんのおかげで、遂に何とか踊れるようになったのだ。
リリーちゃん様々である。
但し、別の問題が発生。
パートナーがいない。
通常、ダンスのファーストパートナーは婚約者、いなければ未婚の血縁者。
私の場合、婚約者がいないので身内の血縁者になるのだけど、お兄様と踊る事が出来なかった。
理由は簡単。 お兄様、背が高ぇ。
相変わらず控えめな私の身長を補う以上に背の高いお兄様との身長差、約70センチ。
お母様似の甘いマスクに全然似合わない高身長のせいで、私は今大変な思いをしているのだ。
私の従兄弟にあたるアンタレス侯爵家の面々は、全員結婚済み。
身長が足りないからパートナーがいないとか、異常事態も甚だしい。
家族会議になった。
「うーん、まさか、身長差のせいでダンスが出来なくなるとは思わなかったからなぁ。」
「ええ本当に、父も母も背の高さは一般的なのに、どうしてレイジはこうも背が高く、フランはこのように小さいのかしら。」
「騎士団で身体を鍛えてるからでしょうか?
入団したあたりからグッと背が伸びたので。」
「お前は騎士団の中でも背が高い方だろ?
それに、小柄な団員もいるはずだ。」
「私が小さいのはどうしてですか?
家系のどこかで背が低い方がいらっしゃったとかもないですか?」
「聞いた事ないわ。
とにかく、ダンスのパートナーをどうにかしましょう。」
「そう言えば、ケンはどうなんだ?
ダンスの練習をよくしていたと言っていただろう。
フランの補佐という事で、彼を仮の身内としてパートナーにするのは?」
「……えーっと、申し上げにくいのですが、彼は成長期に入ってしまい、メキメキと背を伸ばしてしまって……そういう事です。」
「あー、年齢的にそういう時期だね。」
「まぁ、フランはケンのパートナーとしてもつとまらないの?」
「ゔっ……」
「どうするかなぁ……」
「「「「うーん……」」」」
「もう、婚約者決めちゃうか。」
「え、そんな理由で婚約者決めちゃうんですか!?」
「僕だって、マリアが僕を気に入ったからって理由で、結構簡単に決まったよ?」
「それは相手が王女様だからでしょう!?」
「あら、母もそんな感じですよ?
父が魔法学校卒業パーティーの時に、いきなりプロポーズしてきたんですから。」
「ミリアン、その話はいいから……」
「……この国の貴族には、政略結婚とかないのですか?」
「ありますよ?
第一夫人と第二夫人がそうでしたから。」
「そう言えば、何で父様は前妻様と離婚したのですか?」
「あ! 私も知りたいです!
今日こそ教えてください!」
「言わん!」
「「(お)母様、教えてください!!」」
「うーん、どうしましょう。」
「ミリアン! よしなさい!」
「前妻お二人との間に子供ができなかった、とだけお伝えしておきますわ。」
「ミリアン!!!」
「え? でも、前妻様はお二人とも現在御子息がいらっしゃいますよね、どういう事ですか?」
「!! ああ、分かりました。
お父様は、お母様一筋なんですね。」
「「フラン、何で分かったの!?」」
「逆に、何でお兄様が分からないんですか?」
「この話はもういいから!!
今はフランの婚約者の話!!」
「誰か、婚約者候補はいるの?」
「いえ、特には。」
「何言ってるの、婚約の申し込みは殺到しているわよ。」
「えっ、私の知らないところでいつの間に!?」
「知らなくはないだろう、以前男爵領で甘味食べてた時に、国王陛下とクアングルド騎士団長とヤークン侯爵が、目の前で言っていたじゃないか。」
「婚約の申し込みって、あんな簡単な口約束でいいんですか!?
てっきり、冗談で言い合ってるのかと思ってましたよ!」
「あの方達からなら、正式な申し込みもきてるわよ。」
「子供達の知らないところで、そう言った話はちゃんとあったんですね。」
「多分、知らないのはお前だけじゃないかな?」
「へぇあ!?」
「いつも一緒にいたあの3人なら、知ってると思うぞ。」
「……そうだったんですか。
では、今お申し込みが来ている中から婚約者を決めるのですね。」
「普通に考えればロナウド王子よね。
国王陛下直々にお申し出くださったのだもの。
フランの事を考えて命令ではなく懇願って形だけれど、お断りする理由もないでしょ。」
「まぁ、それが妥当だな。
相手としても申し分ないし。」
「へぇ、フランは王子の婚約者になるのか、すごいね。」
「お兄様だって王女様の婚約者でしょ。」
「ダンスのパートナーを決める予定が、婚約者を決める事になるとは思わなかった。」
「まぁ、いいきっかけじゃないかしら。
本当なら、もっとフランの意思を尊重したかったけれど。」
「フランは、誰か気になる人はいないか?」
「……いえ。」
「本当にロナウド王子でいいの?」
「……はい。」
「では、早急に陛下に返答をお伝えして、ご挨拶に向かおう。」
いつかは決まると思ってた婚約者が、こんな形で、こんなにアッサリ決まってしまうとは。
皆んなのお父さん達が言ってたアレが、本気だった事にも驚いたけど、その事をあの3人が知ってたって事に衝撃だった。
皆んなといるのは楽しい。
だけど、婚約がきっかけで皆んなと今の関係が崩れてしまうんじゃないだろうか。
いつまでも子供じゃないんだから、そういう事は覚悟してないといけなかったのに、いきなりすぎて頭が追いつかない。
……この関係が終わってしまうのは、寂しいよう。
会場は公爵家のどでかいパーティー広間。
以前、私やお兄様の誕生日パーティーをしたところである。
今回、私はデビュタントになり、壮大な仕掛けを用意している。
練習した感じだと、上手くいった。
問題があるとすれば、ダンス。
リリーちゃんのおかげで、遂に何とか踊れるようになったのだ。
リリーちゃん様々である。
但し、別の問題が発生。
パートナーがいない。
通常、ダンスのファーストパートナーは婚約者、いなければ未婚の血縁者。
私の場合、婚約者がいないので身内の血縁者になるのだけど、お兄様と踊る事が出来なかった。
理由は簡単。 お兄様、背が高ぇ。
相変わらず控えめな私の身長を補う以上に背の高いお兄様との身長差、約70センチ。
お母様似の甘いマスクに全然似合わない高身長のせいで、私は今大変な思いをしているのだ。
私の従兄弟にあたるアンタレス侯爵家の面々は、全員結婚済み。
身長が足りないからパートナーがいないとか、異常事態も甚だしい。
家族会議になった。
「うーん、まさか、身長差のせいでダンスが出来なくなるとは思わなかったからなぁ。」
「ええ本当に、父も母も背の高さは一般的なのに、どうしてレイジはこうも背が高く、フランはこのように小さいのかしら。」
「騎士団で身体を鍛えてるからでしょうか?
入団したあたりからグッと背が伸びたので。」
「お前は騎士団の中でも背が高い方だろ?
それに、小柄な団員もいるはずだ。」
「私が小さいのはどうしてですか?
家系のどこかで背が低い方がいらっしゃったとかもないですか?」
「聞いた事ないわ。
とにかく、ダンスのパートナーをどうにかしましょう。」
「そう言えば、ケンはどうなんだ?
ダンスの練習をよくしていたと言っていただろう。
フランの補佐という事で、彼を仮の身内としてパートナーにするのは?」
「……えーっと、申し上げにくいのですが、彼は成長期に入ってしまい、メキメキと背を伸ばしてしまって……そういう事です。」
「あー、年齢的にそういう時期だね。」
「まぁ、フランはケンのパートナーとしてもつとまらないの?」
「ゔっ……」
「どうするかなぁ……」
「「「「うーん……」」」」
「もう、婚約者決めちゃうか。」
「え、そんな理由で婚約者決めちゃうんですか!?」
「僕だって、マリアが僕を気に入ったからって理由で、結構簡単に決まったよ?」
「それは相手が王女様だからでしょう!?」
「あら、母もそんな感じですよ?
父が魔法学校卒業パーティーの時に、いきなりプロポーズしてきたんですから。」
「ミリアン、その話はいいから……」
「……この国の貴族には、政略結婚とかないのですか?」
「ありますよ?
第一夫人と第二夫人がそうでしたから。」
「そう言えば、何で父様は前妻様と離婚したのですか?」
「あ! 私も知りたいです!
今日こそ教えてください!」
「言わん!」
「「(お)母様、教えてください!!」」
「うーん、どうしましょう。」
「ミリアン! よしなさい!」
「前妻お二人との間に子供ができなかった、とだけお伝えしておきますわ。」
「ミリアン!!!」
「え? でも、前妻様はお二人とも現在御子息がいらっしゃいますよね、どういう事ですか?」
「!! ああ、分かりました。
お父様は、お母様一筋なんですね。」
「「フラン、何で分かったの!?」」
「逆に、何でお兄様が分からないんですか?」
「この話はもういいから!!
今はフランの婚約者の話!!」
「誰か、婚約者候補はいるの?」
「いえ、特には。」
「何言ってるの、婚約の申し込みは殺到しているわよ。」
「えっ、私の知らないところでいつの間に!?」
「知らなくはないだろう、以前男爵領で甘味食べてた時に、国王陛下とクアングルド騎士団長とヤークン侯爵が、目の前で言っていたじゃないか。」
「婚約の申し込みって、あんな簡単な口約束でいいんですか!?
てっきり、冗談で言い合ってるのかと思ってましたよ!」
「あの方達からなら、正式な申し込みもきてるわよ。」
「子供達の知らないところで、そう言った話はちゃんとあったんですね。」
「多分、知らないのはお前だけじゃないかな?」
「へぇあ!?」
「いつも一緒にいたあの3人なら、知ってると思うぞ。」
「……そうだったんですか。
では、今お申し込みが来ている中から婚約者を決めるのですね。」
「普通に考えればロナウド王子よね。
国王陛下直々にお申し出くださったのだもの。
フランの事を考えて命令ではなく懇願って形だけれど、お断りする理由もないでしょ。」
「まぁ、それが妥当だな。
相手としても申し分ないし。」
「へぇ、フランは王子の婚約者になるのか、すごいね。」
「お兄様だって王女様の婚約者でしょ。」
「ダンスのパートナーを決める予定が、婚約者を決める事になるとは思わなかった。」
「まぁ、いいきっかけじゃないかしら。
本当なら、もっとフランの意思を尊重したかったけれど。」
「フランは、誰か気になる人はいないか?」
「……いえ。」
「本当にロナウド王子でいいの?」
「……はい。」
「では、早急に陛下に返答をお伝えして、ご挨拶に向かおう。」
いつかは決まると思ってた婚約者が、こんな形で、こんなにアッサリ決まってしまうとは。
皆んなのお父さん達が言ってたアレが、本気だった事にも驚いたけど、その事をあの3人が知ってたって事に衝撃だった。
皆んなといるのは楽しい。
だけど、婚約がきっかけで皆んなと今の関係が崩れてしまうんじゃないだろうか。
いつまでも子供じゃないんだから、そういう事は覚悟してないといけなかったのに、いきなりすぎて頭が追いつかない。
……この関係が終わってしまうのは、寂しいよう。
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